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第4章 実現化方策

1.まちづくり推進の基本方針

一般に「まちづくり」の概念は多岐にわたっており、都市計画の分野における都市計 画事業の推進などハードのものから、地域おこしや環境美化活動などのソフトなものま で幅広い内容を含んでいます。

阿賀野市都市計画マスタープランに描かれた将来都市像の実現を図るためには、市民 が積極的にまちづくりに参画し、いろいろな仕組みを活用しながら、市民と行政が一緒 に取り組んでいく必要があります。

そこで、・・

阿賀野市都市計画マスタープランに描いたまちづくりを実現化するために、

を基本理念としてかかげます。

(1) 基本的な考え方 

1) 多様な主体によるまちづくり 

①市民主体のまちづくり

市民がまちづくりの主体であるとの認識に立ち、市民参加により、市民(地域・

地区住民)の合意を得てまちづくりを進めるとともに、市民の主体的なまちづくり については積極的に市が支援します。

②事業者によるまちづくり

企業や開発事業者等によるまちづくりを適切に誘導します。

③行政によるまちづくり

市が主体となり、地区計画等の規制誘導手法を適用したり、都市計画等の事業を 実施します。また、関連する国、県、周辺市町村、その他公的機関との調整・協力 を図りながら、まちづくりを進めます。

市民、事業者、行政のパートナーシップによるまちづくり

第4章 実現化方策

(2) まちづくりの契機 

阿賀野市都市計画マスタープランの策定にもとづき、今後、市民と事業者と行政が 相互に協力し、「パートナーシップによるまちづくり」を推進していくための契機とし ては、次の形態が考えられます。

 

1) まちづくり協議会型

地域の主体的な発意にもとづき、将来のまちづくりの方向やあるべき姿を論議するた め、地元主導型の協議会を設置し、まちづくり計画を行っていく形態です。

本マスタープランでは4つの地域区分にもとづく地域別構想を示しており、今後はま ちづくり協議会などを中心としたまちづくりの具体的な検討を提案します。

2) 地域活性化型

中心市街地の商業地や各地区の商店街整備、あるいは新産業導入など、地域の活性化 と結びついたまちづくりは、基本的に地元の熱意と行政の支援が一致することにより立 ち上げることができます。

今後は農村整備や観光開発などの展開を含めた幅広いまちづくりが期待され、地域開 発による活性化の可能性を検討し、市民と行政が一緒に計画づくりを進めていくことを 提案します。

3) コミュニティ活動型

自然環境の保全活動や環境美化運動、ゴミのリサイクル運動など、地域コミュニティ の活動から発展的にまちづくりに展開するような形態です。

例えば「花のまちづくり」といった実践活動の中からまちづくりの課題を発見し、市 民等の自発的な提案を引出すといったことが考えられます。

良好な地区の環境整備や、市街地・集落地形成につなげていくため、市民、事業者と 行政が協力していくことが必要となります。

4) 都市計画推進型

土地区画整理事業や都市計画道路、市街地開発事業等の都市計画事業の導入を契機と して、その事業推進に向けたまちづくりの具体化が図られる場合です。

今後、特に重視されるのは土地区画整理事業や市街地再開発など面的な開発・整備事 業を進める場合、地域住民の合意にもとづくまちづくりの推進や地域の居住環境の保全 などを目的とした地区計画の策定などが重要となります。

第4章 実現化方策

2.まちづくり施策

(1) 多様なまちづくり手法の活用  1) 手法活用の考え方 

国や県の都市計画に関わる制度を積極的に活用するとともに、まちづくり条例、

景観条例、土地利用に関する条例など、阿賀野市の実状と将来像の実現に資する本 市の条例づくりを検討します。

2) 規制誘導手法の適用 

①法にもとづく規制誘導手法

用途地域、地区計画等といった都市計画法にもとづく規制誘導手法を活用します。特 に地区レベルのまちづくりにあたっては地区計画等の詳細なルールを活用します。

②自主的なルールの活用

法的な規制誘導手法の活用ばかりでなく、建築協定、緑地協定など、市民や地元 の合意による自主的な(任意の)ルールづくりを支援し、活用します。

3) 都市計画事業の実施 

都市計画法にもとづく事業や計画の見直しを行い、適正な道路や公園等の施設整 備及び、面整備を図ります。

また、事業に先立って必要な都市計画の決定や見直しを行います。

4) 多様な手法の組合せによる実現 

必要に応じ、規制誘導手法や事業手法を適切に組合せ、きめ細かい対応を図り、

目標の達成を図ります。

①土地利用や建築・景観のコントロール、住環境保全整備

ある程度まとまった区域については、都市計画法にもとづく地区計画や、市の条 例、建築協定等の自主的なルールを活用します。

②都市施設(道路、公園等)の整備

市全域の視点から必要なものについては、都市計画で都市施設として、また、地 区レベルで必要なものについては、地区計画等で地区施設として定め、整備を推進 します。

また、農村環境整備や開発指導要綱等による誘導などにより、必要となる都市施 設の整備を担保・誘導することも推進します。

③緑地の保全・創出

法にもとづく地域制緑地(風致地区等)を指定し、規制による保全を図るほか、

地権者や地域住民による自主的なルールでの緑地の保全や創出を支援します。また、

第4章 実現化方策

④市街地整備

水原駅前や水原・安田の市街地など、今後、建築物と基盤整備が併せて必要な場合、

まちづくり交付金事業や土地区画整理事業・市街地再開発事業などの整備手法につ いて検討を進めます。

また、水原地域の本町商店街については、中心市街地活性化基本計画にもとづき、

関連する各種事業による整備を促進します。

さらに、上記のような市街地整備のための事業と併せて、土地利用や建築の詳細な コントロールを行うために地区計画等の適用を検討します。

   

表 テーマ別まちづくり事業手法の例   

テーマ区分 制度・事業名称 事業主体  事業概要等 

用途地域  市が都市計 画決定 

建築物の用途及び建ぺい率・容積率等を都 市計画で定めます。用途地域は、住居系、商 業系、工業系からなる 12 種類の地域に区分 されています。 

地区計画 

地区住民が 主体となり 市が都市計 画決定 

その地区に暮らす住民の方々の同意によ り、地区の将来像、道路・公園等の地区施設、

建物の建て方のルールなどを定めることが できます。 

特定用途制限地域  市が条例を 定める 

都市計画区域内の用途地域以外の地域に ついて、特定の建物用途の建築物の立地を制 限することができます。 

建築協定  土地利用 

建物用途  景観形成 等 

緑地協定 

地区住民が 主体となり 市長が認可

その地区に暮らす住民の方々の同意によ り、きめ細かい建築のルールや、緑地の保 全・緑化の協定を定めることができます。 

土地区画整理事業 市・組合等

土地所有者から公共施設用地(道路、公園 等)を生み出すために土地の一部を提供して もらい(減歩)、宅地の形を整えて交付(換 地)する事業です。 

市街地再開発事業 市・組合等

木造建築物等が密集する防災危険度の高 い地区等において、地区内の建築物を除去 し、新たに建築物を建築して土地の高度利用 を図る事業です。 

市街地整備 

まちづくり交付金

事業  市 

まちづくりの課題(特定重要課題)解決の ために、事業計画の策定、まちづくり活動の 支援、施設整備、面整備の実施といったまち づくりの各段階に幅広く支援する事業です。

 今後のまちづくりや整備にあたっては、総 じて、この事業へのシフトが進むものと見込 まれます。 

第4章 実現化方策

【参考:地区計画とは】

  身近な生活空間について、地区のみなさんで話し合って、建物の用途、高さ、色などの制 限や、地区道路、公園などについて、「地区計画」としてきめ細かく定め、景観のすぐれた良 いまちづくりを進めることができます。

●地区計画で定められるまちづくりのルール

1.地区施設(生活道路、公園、広場、遊歩道など)の配置 2.建物の建て方や街並みのルール

(用途、容積率、建ぺい率、高さ、敷地規模、セットバック、デザイン、生垣化、など)

3.保全すべき樹林地

【策定プロセス】

地区計画の案は、市が条例にもとづき、土地所有者等の意見を求めて作成します。

地区計画の方針が策定された地区内では、土地所有者等が協定を締結して、市に対して地区整 備計画の策定を要請することができます。

市の条例で定めるところにより、地域住民から市に対し、地区計画の案の申し出ができます。

【実現担保】

通常は、届出・勧告によります。ただし、地区計画で定めたルールを市が条例化すれば、強制 力が付与されます。

●地区計画

地区計画は、それぞれの地区の特性に応じて、良好な都市環境の形成を図るために必要なこと がらを市町村が定める、「地区計画レベルの都市計画」です。計画の内容は、地区の目標、将来像 を示す「地区計画の方針」と、生活道路の配置、建築物の建て方のルールなどを具体的に定める

「地区整備計画」とからなり、住民などの意見を反映して、街並みなどその地区独自のまちづく りのルールを、きめ細かく定めるものです。

(参考:国土交通省ホームページ)

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