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その後JICAの協力によりFORSAモデルの拡大を目指す類似案件が、2007年12月にコチャバン バで18、2010年8月にラパス19でそれぞれ開始された。このため、プロジェクト開始後約2年が経過し た2010年7月の中間進捗調査後に、本プロジェクトの他県の対象地域を検討し、ベニ県6市、パ ンド県5市に絞ることを、2011年6月の第7回CEPで決定した。
これに基づき、2011年の8月にベニ県で、10月にパンド県での活動が開始されたところである。
この間、中間進捗調査と第7回CEPでの決定までに約1年かかっているが、これは、CEPメンバー が対象地域を検討する作業に時間を要したことと、2011年後半にCEP委員長であるSEDESサン タクルス局長が異動し、着任までの空白期間とそれまでの経緯につき理解を得るのに時間がかかっ たためである。
(3) ボリビア側関係者のコミットメント
前述のとおり、プロジェクトの活動管理はほとんどボリビア人だけで行われているほか、以下に示すように、
これまでの活動はボリビア人関係者の高いコミットメントに支えられてきているといえる。その中でも、プロジ ェクトの実施機関として、サンタクルス市日本病院の貢献は特筆に値する。
本プロジェクトの日本人専門家の投入は非常に少なく、JICA と日本病院に雇用されたボリビア人 プロジェクトチームメンバーが主体となって活動は実施管理されてきた。現場の活動では、FORSA
SCZ Ph.1 で育成された人材が研修の講師役を始め、能力開発活動の実施管理を担ってきてい
る。
本プロジェクトの実施機関の1つであるサンタクルス市日本病院は、プロジェクト実施全期間にわたり、
18 FORSAコチャバンバ:2011年11月終了。
19 FORSAラパス:2014年8月までの予定で実施中。
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プロジェクトチーム事務所20とその光熱費、専任のプロジェクトチーム員2名の人件費全額を負担して きた。日本病院の医師、看護師らのスタッフは日常業務の傍ら、プロジェクト活動の 5 つの技術分 野のうち4分野で活動主体となり、研修の実施とモニタリング、マテリアルの作成と改善など技術上 の中核業務を担ってきたほか、残り1つの技術分野である医療機器維持管理の分野でも、日本病 院に配置されているIME職員が活動を担ってきた。
(4) カウンターパートの交代
異動頻度の多寡に関らず、SEDES局長をはじめとする管理職の異動直後の混乱が、プロジェクト
活動の遅れを引き起こす一因となった。プロジェクト開始から評価時点まで4年弱の期間に、実施 機関の主要な管理職の交代回数は、サンタクルス県では役職数29に対し合計22回の交代、1 役職あたり平均0.8回に相当する。このうち、最も交代回数が多かった役職は、IMEのトップである サンタクルス市人材開発局長であるが、異動による混乱によって機材維持管理研修はじめプロジェ クトの活動が大きく停滞することはなかった。これは、活動の中核を担う機材維持管理委員会メン
バーが日本病院に配置されているIME職員2名で、活動現場で自律性の高い実施体制をつくって いたことが大きな要因である。
他方、SEDES局長は2011年後半に1回だけ異動があったが、この時の混乱21のため、1) ベニ、パ ンド両県での活動の拡大開始、2) PDMの修正、3) プロジェクト実施期間の修正の3点について、
CCCでの承認のために新任のSEDES局長から理解を得るのに時間を要し、プロジェクトの活動再 開が遅れる原因となった。
20 日本病院本館2階の1室を事務所として提供したほか、随時会議室をプロジェクトに提供してきている。
21 ボリビアの公的機関では多くの場合、職員異動時の引き継ぎはされない。
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ベニ県では、プロジェクトの活動開始後の2011年12月に知事が交代し、その結果、現在まで2回
SEDESの管理職級職員の多くが入れ替わった。このため、プロジェクト活動開始に向けた調整作業
と協定締結が停滞した。その結果、同県でのプロジェクトの活動日程が遅れることになった。
表 3 カウンターパートの交代
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出所:プロジェクトモニタリング記録
(5) プロジェクトの運営監理に関する委員会 1) 合同調整委員会(CCC)
CCC はこれまで通算で 3 回開催された。当初計画通り年 1 回以上の開催頻度である。第 1 回は
2007年11月のプロジェクトの実施ミニッツ署名時、第2回は2011年8月のPDM修正とベニ・パンド2 県でのプロジェクト開始の承認時、第 3 回は本終了時評価のミニッツ署名時である。本プロジェクトの場
役職 交代回数 平均交代回数
局長 1
計画部長 0
小児医療と小児疾患統合管理責任者 0
産婦人科責任者 0
住民参加型健康増進活動課長 1
保健サービス課長 1
公共保険ユニット長 2
小計 7 5 0.7
北部ネットワーク長 0
南部ネットワーク長 0
東部ネットワーク長 0
中央部ネットワーク長 1
オビスポ・サンティエステバンネットワーク長 0
イチローネットワーク長 2
サラネットワーク長 0
ワルネスネットワーク長 1
アンドレスイバネスネットワーク長 0
バジェグランデネットワーク長 1
フロリダネットワーク長 0
マヌエルカバジェロネットワーク長 0
小計 12 5 0.4
人材開発局長 3
IMEコーディネーター 2
SISMEコーディネーター 2
小計 3 7 2.3
院長 1
教育部長 1
小計 2 2 1.0
保健医療サービスの質の向上コーディネーター 0
住民参加型保健活動促進コーディネーター 0
レファラル・カウンターレファラルシステムコーディネーター 1
医療機材維持管理コーディネーター 0
保健施設の事務・財務コーディネーター 2
小計 5 3 0.6
29 22 0.8
組織/役職 SEDESサンタクルス
保健ネットワーク
サンタクルス市
日本病院
計 プロジェクト技術委員会
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合、CCC メンバー組織が非常に多いため、全員の参加が得にくかったこと、議事録の確認と署名は文書
の持ち回りとなり、署名に非常に時間がかかった。
2) 実施委員会(CEP)
CEPはこれまで年1回、通算で3回開催された。2011年前半のPDMの改訂とサンタクルス県以外 の対象地域の絞り込みの作業では、CEP メンバーの参加と議論により行われた。このように、CEP はプロ ジェクトの重要な決定事項でメンバーの参加を得て透明性の高い活動を目指してきたといえるが、CCC 同様、プロジェクトの枠組み上、CEPメンバー数が非常に多いため、全員の参加が得にくいこと、その結果、
合意文書どおりに月 1 回の開催は困難なこと、活動現場へのプロジェクトの状況が伝わりにくい面があっ た22。
(6) プロジェクトの管理に関する調査
プロジェクトの管理について、以下に示すような調査が行われたが、いずれも PDM を用いた JICA の
PCM 手法に則ったプロジェクト管理をするには十分な情報が得られてこなかった。日本人専門家の介入 が少ない本プロジェクトでの管理面での限界を反映しているといえる。
1) ベースライン調査
プロジェクト開始直後の 2008年にベースライン調査が行われた。しかしながら、この調査の結果はウェブ サイトなどで公開されている国・県レベルの一般的な情報や、住民の保健診断などの情報が主体であり、
PDM0 指標のベースラインとしては十分ではなかった23。その原因としては、ベースライン調査の監理を行っ たCEPメンバー、カウンターパート、プロジェクトチームメンバーなどがPDM0指標の内容を十分に理解できて
22 フロリダネットワークのマイラナ病院では、現在のプロジェクトの活動状況についての情報が得にくく、把握できていないとの 指摘があった。
23 プロジェクトの中間進捗調査による。
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いなかったことが推定される24。その後、ベースライン調査は実施されていないだけでなく、サンタクルス県で はプロジェクト活動に個別の達成目標25も設定されていない。
2) 中間進捗調査
プロジェクト実施後約 2年が経過した2010年7月~8月に、中間進捗調査をJICAが行った。この 調査では、プロジェクトの実施プロセス、活動のレビュー、成果の達成度の確認が行われた。この結果をも とに、プロジェクトの技術内容・運営監理の改善、PDM0の改訂、他県での活動展開のための検討開始 などが同調査報告書で提言され、その実現に向けた作業開始の契機となった。この調査は当初中間レ ビューを意図して実施されたが、報告書をボリビア側責任機関に提出した際、使った評価用の指標が当
時使用していたPDM0のものではなく、新たに作成したものだったことを指摘され、中間レビュー調査として は承認されなかった。現行のPDM1は、この時の評価用PDMをもとにCEPメンバーでの議論により作成 され、2011年7月の実施委員会で承認されたものである。
3) 実施プロセス報告
2011年6月にプロジェクト開始から当時までの活動をまとめ、保健スポーツ省に報告するため、実施プ ロセス報告書をJICAが作成し提出した。この報告での主な情報は中間進捗調査のものが主体である。
4) プロジェクト自己評価と指標調査
終了時評価の準備のために、PDMのプロジェクト活動の進捗状況、成果とプロジェクト目標の達成度 の指標の調査を2011年8月~2012年1月にかけて実施した。
(7) PDMの変更
24 成果品のレビューとプロジェクトのゼネラル・コーディネーターへの聞き取りに基づく終了時評価調査団の推定。
25 特に研修実施回数や参加者の理解度の達成目標が示されていない。