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安心・安全で豊かな県産水産物の安定供給 (1) 拠点市場の整備と機能強化

ドキュメント内 はじめに (ページ 38-45)

①  拠点市場の整備 

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次山口県卸売市場整備計画に基づき、ま た山口県漁協の販売事業計画とも整合を図りな がら水産物市場の統廃合による拠点市場の整 備を進めます。

また、卸売業者、買受人の経営の健全化を確 保するとともに、県民に開かれた市場として、各 種講習会やイベント等の取組みを促進します。 

②  市場機能の強化 

市場の拠点化に伴い、水揚げから出荷までの作業の効率化と水産物の鮮度保持を 図るため、電動フォークリフト、ベルトコンベア、保冷車等の新たな機器等の整備による 機能強化を図ります。

また、下関地区では、構造改革特区を活用した下関市南部

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市場の再編強化を推進 し、各市場の特性に応じた機能を強化することにより市場取扱の維持増大を図ります。

 

(2)

多様な販売戦略の展開

○  認定漁協である山口県漁協を核とした、県内外における多様な販路拡大の取組みを 促進します。 

①  効率的な流通システムの整備 

県内外の外食店や量販店と連携した効率的な流通システムの構築を図ります。

②  電子商取引の導入 

近年、急速に拡大している電子商取引は、販売先の開拓に要する時間や経費が少

ない等のメリットも大きいことから、従来の手法に加え、電子商取引の導入による販路拡 大の取組みを強化します。

③  農畜産物と連携した地産・地消の推進 

農畜産物における地産・地消の取組みと連携し、

県内量販店への県産魚コーナーの設置や県産魚を 使用した地魚料理を提供する外食店の

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等の取 組みを推進します。

また、観光客を対象とした定番料理の開発・提供・

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の取組みや地元で水揚げされる重要資源のブラ ンド化等の取組みを支援することにより、県産水産物 の販路拡大と

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を促進します。

④  県産水産物の信頼性確保による高付加価値化 

「鮮魚トレーサビリティ」の取組みを進め、県産魚に対する消費者の信頼性を高めるこ とにより、県産水産物の付加価値向上を促進します。 

⑤  地域ブランド戦略の展開 

農畜産物や商工産品と一体感を持たせ、さらには本県の豊かな自然や歴史・文化、

観光地などの地域資源も活用した「地域ブランド」戦略を展開することにより、県産水産 物の情報発信力や競争力を強化します。 

⑥  食育の推進 

学校給食への県産水産物の供給や給食調理師・教師への食育30講習会等の開催 により、味覚が形成される幼児期の子供に視点を当てた総合的な食育を推進します。

  ● 県産水産物利用促進に対する調査結果

0 5 10 15 20 25 30 35 40

無回答 こだわらない 県内産優先 国内産優先 地元(近隣市町村含む)産優先

% あなたは、水産物を購入する際、産地を意識しますか

N=3,362

             

0 20 40 60 80 10

無回答 こだわり 産  地 価  格 鮮  度

% 0 県産水産物を購入する際、何を基準にしますか

N=3,362

           

30 【食育】

平成17715日に施行された食育基本法では、①生きる上での基本であって知育、徳育及び体育の 基礎となるべきもの、②様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を 実践することができる人間を育てること、であるとしている。

 

(平成17年県政世論調査報告書)

0 10 20 30 40 50 60 70 80

無回答 特になし 伝統料理・食文化の紹介 生産者と消費者の交流 地産・地消イベントの開催 顔の見える水産物の提供 学校給食での地元食材の利用 地元水産物の情報提供 安い水産物の提供 旬を大切にした水産物の提供 安全な水産物の提供 新鮮でおいしい水産物の提供

% あなたは、「水産物の地産・地消」に何を期待しますか

N=3,362

                     

(3)

水産加工業の振興

①  県産水産加工品の販路拡大 ア  「山口海物語」製品の販売促進

「山口海物語31」製品の開発・認定・普及を促進するとともに、パッケージ製品の充 実や山口宇部空港等の拠点施設における常設販売コーナーの設置などにより、「山 口海物語」ブランドの情報を発信し、製品の販売を促進します。

イ  関係団体との連携

山口県物産協会、山口県水産加工業連合会等と連携し、多様な流通チャンネル、

情報網を活用して、県産水産加工品の

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、販路拡大を促進します。

②  漁協による加工振興

核家族化や共働きの増加、輸入水産物の増加等による水産物の消費構造の変化に 対応できるよう、漁協による県産魚を使用した高品質総菜の開発・商品化等の取組みを 促進し、水産加工業の振興を図ります。

③  低利用・未利用資源の加工原料化と新製品の開発 

水産加工技術センター(水産研究センター内)を主体として、低利用資源・未利用資 源等の加工原料化と新製品の開発を進め、関係業界と連携して商品化を図ります。

④  地元水産物の一次加工の促進 

31 【山口海物語】  (8ページの脚注を参照)

地元で水揚げされる水産物の付加価値向上を図るため、加工原料として活用できる 資源については、鮮度保持と集荷の一元化を図り、漁協女性部や女性起業化グループ 等を主体とする一次加工を促進するとともに、共同加工場等の施設整備を図ります。

⑤  水産加工業の体質強化 

水産加工業者の組織力強化や地元漁業者等との連携による沿岸魚の利用、さらに衛 生管理や品質管理への取組み等の課題に対応するため、産学公の連携により、加工原 料の確保や衛生管理対策、組織強化対策に取り組み、水産加工業界全体の活性化を 図ります。 

⑥  加工で排出される残滓の削減と再利用 

水産加工品の製造過程で排出される残滓の有効利用は、環境への負荷を軽減すると ともに未利用資源活用の観点からも重要です。 

このため、採算性を確保しつつ、残滓の再利用技術の開発と商品化について、関係 業界と連携して促進します。 

⑦ 

HACCP

導入に対する支援

HACCP

32方式導入の土台となる一般的衛生管理の徹底を図るため、講習会等によ

る基礎的な知識の習得を図るとともに、HACCPの導入に当たっては、多額の設備投資 を要することから、融資等の支援措置を行います。 

(4)

水産物の衛生管理・鮮度保持対策の推進

①  衛生対策 

市場整備時においては、紫外線殺菌装置の導入や温度管理エリアの設定等による 衛生対策を講じるとともに、市場の運営に当たっては、水産物産地市場衛生管理マニ ュアル等を活用し、市場関係者の衛生教育などを促進します。

②  水産物の鮮度保持対策 

鮮度保持等の品質管理技術の平準化とさらなる向上を図るため、「やまぐちの瀬つ きあじ」・「やまぐちの甘だい」等、これまでブランド化を進めてきた魚種(戦略魚種)を中 心として、品質管理向上対策を推進します。

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  魚が育つ漁場環境と生態系の保全・修復

(1)

藻場・干潟の保全・修復

①  藻場の造成 

水産動植物の保護・育成場として非常に重要 な役割を持つガラモ(ホンダワラ、ヤツマタモク等 の多年生藻類)などによる岩礁性藻場や、アマ モなどによる砂泥性藻場の造成を推進し、漁場

32 【HACCP;Hazard Analysis and Critical Control Point;危害分析・重要管理点】

食品の衛生管理対策の一つで、製造や加工の各工程に関所のような管理点を設け、一定の基準に達しな い製品は、その関所を通さないようにすることで食品全体の安全性を高めようとするもの。

環境の保全・修復を図ります。

②  干潟の機能回復 

干潟の造成技術については、従来から客土33、 耕耘等種々の取組みが行われてきましたが、潮 流や河川流、地盤高等の関連で予測が困難な 要因が多いことから、引き続き干潟の環境を調 査しつつ、環境条件に応じたアサリ等二枚貝の 増殖手法の実用化を目指します。

 

(2)

良好な水域環境の確保

①  やまぐちの豊かな流域づくりの推進 

椹野川流域をモデル流域として策定された「やまぐちの豊かな流域づくり構想」に基 づき、地域の産学公と流域住民が連携して取り組んでいる森・川・海をつなぐ流域の環 境保全活動を推進します。

また、こうした取組みを県下の他流域へと展開し、幅広い

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活動により、循環型社会 の形成に向けた県民全体の意識の高揚を図ります。 

②  漁場環境のモニタリングの充実強化 

良好な漁場環境を維持するため、定期的な調査の充実や漁業関係者との情報連絡 体制の整備、油濁等緊急時の対応等において、市町、海上保安庁、漁業関係者等と一 体となった漁場監視の充実強化を図ります。 

③  漁業生産に適する水域環境の確保 

近年、周防灘における水中の窒素やリン等の栄養塩類の減少が漁場の生産力低下 の大きな要因になっていることから、水産総合研究センターをはじめ関係県と連携して、

漁業生産と栄養塩等の環境要因の関係を究明し、生産力の回復に向けた対策の検討 を進めます。 

④  赤潮対策の推進 

瀬戸内海における赤潮の発生は、発生件数、被害件数とも減少傾向にありますが、近 年、新種の有害プランクトンが隣県の養殖カキ等に甚大な被害を与えた事例が発生した ことから、引き続き厳重な監視を行うとともに、赤潮発生機構の解明や防除対策について、

国や関係県と連携し研究を進めます。 

⑤  ミチゲーション事業の推進 

漁港関連事業を始め各種の開発行為を行うに当たっては、その行為による環境への 負荷を最小限に止めるために水産動植物の生態を考慮した工法や工作物の材質・構造 等を採用したり、代償措置として藻場造成機能を付加したりするなど、ミチゲーション34事 業を推進します。

33 【客土】

土壌改良の一手法で、植物等の育ちが良くない土壌に、他の土地から持ってきた土壌を混ぜること。

34 【ミチゲーション】

開発事業などに伴う自然環境への影響を低減するために回避、最小化、修復・再生、代替などの適切な措 置を講じるといった対策を取ること。

ドキュメント内 はじめに (ページ 38-45)