85 3. 学生評価
3.1 評価方法
基本的水準:
医科大学・医学部は
• 学生の評価について、原理、方法および実施を定め開示しなくてはならな い。開示すべき内容には、合格基準、進級基準、および追再試の回数が含 まれる。(B 3.1.1)
• 知識、技能および態度を含む評価を確実に実施しなくてはならない。(B 3.1.2)
• 様々な方法と形式の評価をそれぞれの評価有用性に合わせて活用しなく てはならない。(B 3.1.3)
• 評価方法および結果に利益相反が生じないようにしなくてはならない。(B 3.1.4)
• 評価が外部の専門家によって精密に吟味されなくてはならない。(B 3.1.5)
質的向上のための水準:
医科大学・医学部は
• 評価法の信頼性と妥当性を評価し、明示すべきである。(Q 3.1.1)
• 必要に合わせて新しい評価法を導入すべきである。(Q 3.1.2)
• 評価に対して疑義の申し立てができる制度を構築すべきである。(Q 3.1.3)
注 釈:
§ [原理、方法および実施]は、試験および他の評価の回数、筆記と口述試験 の配分、集団に対する相対評価と能力を基準とした絶対評価、そして特殊 な目的を持った試験(例 objective structured clinical
examinations(OSCE)もしくは mini clinical evaluation exercise(MiniCEX))を含む。
§ [方法と形式の評価]には、外部評価者を採用し、評価の公平性、質および 透明性を高めることを含む。
§ [評価有用性]は、評価法および評価実施の妥当性、信頼性、教育上の影響 力、学生の受容、効率を合わせて決められる。
§ 評価法の信頼性と妥当性の評価のために、評価実施過程に関わる適切な質 保証がなされなくてはならない。
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学生の評価について、原理、方法および実施を定め開示しなくてはならない。
開示すべき内容には、合格基準、進級基準、および追再試の回数が含まれる。
(B 3.1.1)
A. 基本的水準に関する情報
医学部医学科では各学年での総括的評価により、進級及び卒業を決定してい る。各学年の進級要件及び卒業要件は、医学部医学科便覧に明示されるととも に、年度始めの各学年に対するオリエンテーションで説明している(資料 3-1)。
同便覧の「医学部規程」及び「医学部医学科試験並びに履修等に関する内規」
(資料 3-2)に基づき、進級(内規第 13〜17 条)、授業科目の単位認定(規程 第 18 条)、卒業(規程第 28 条)に関して定められている。これらの情報はホ ームページにも掲載されている。また、進級及び卒業は、教務委員会で判定し、
医学科会議(教授会代議員会)で了承される。卒業の認定は、学部長の申出に 基づき学長が行う。
各授業科目の成績評価方法はシラバスに明示している。成績評価は 100 点満 点で採点し、60 点以上を合格、59 点以下を不合格とする。評点の基準は、岡山 大学学則(第 13 条の 2)に記載されている(資料 3-3)。追試験、再試験の受験 条件や実施回数ついても内規(第 8 条、第 9 条及び別表 3)に明示している。
B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価
学生の評価について、合格基準、進級基準及び追再試の回数等は、適正に定 められている。評価結果の開示時期及び方法には検討の余地がある。
C. 現状への対応
評価結果の開示時期及び方法について検討している。
D. 改善に向けた計画
成績確定後に速やかに学生が成績を確認できる仕組みを構築する。
参考資料
資料 3-1:オリエンテーション資料(抜粋)
資料 3-2:岡山大学医学部医学科試験並びに履修等に関する内規 資料 3-3:岡山大学学則
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知識、技能および態度を含む評価を確実に実施しなくてはならない。(B 3.1.2)
A. 基本的水準に関する情報
学生評価は、知識、技能及び態度を含む評価を組み合わせて実施し、その組 み合わせについて、シラバスに掲載している。3 年次の基礎病態演習及び医学研 究インターンシップでは、ルーブリック評価表(資料 3-4、3-5)を用いて実施し ており、知識、技能及び態度を含む総括的評価を行っている。
臨床実習は診療参加型臨床実習として取り組んでおり、各科共通の評価項目 に加え、診療科独自の評価項目を加えたルーブリック評価表を作成している (資料 2-13)。ルーブリック評価表では各教育研究分野の知識のほか、技能や患 者、医療スタッフに接する態度、実習への積極性などが評価項目となっている。
臨床実習評価表の一例:到達目標をかねた評価内容を事前に学生に見せる
B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価
知識、技能及び態度を含む評価は各授業内容に応じて適切に評価が実施され ている。特に、上記 3 科目(基礎病態演習、医学研究インターンシップ及び臨 床実習)では、多数の教員が指導に関わるため、ルーブリック形式の客観的な 達成度評価を行っている。臨床実習に臨む態度について、学生は臨床実習開始 時にこれらの行動規範が明記された誓約書に署名しており(資料 1-21)、不適切 な態度に対して「イエローカード制」(資料 3-6)が適応される。
88 C. 現状への対応
ルーブリック評価の教育効果を検証し、他の授業科目への展開を検討してい る。
D. 改善に向けた計画
特になし(C.現状への対応で記載)。 参考資料
資料 3-4 :基礎病態演習ルーブリック評価表
資料 3-5 :医学研究インターンシップルーブリック評価表 資料 2-13:基本臨床実習評価表
資料 1-21:診療参加型臨床実習に関する誓約書
資料 3-6: 岡山大学医学部医学科の臨床実習に関する申し合わせ
様々な方法と形式の評価をそれぞれの評価有用性に合わせて活用しなくては ならない。(B 3.1.3)
A. 基本的水準に関する情報
1〜2 年次の教養教育科目は、主に筆記試験やレポートによって評価している。
2〜3 年次の専門教育科目では、筆記試験だけでなく講義への出席状況、レポー ト、実習中の態度や理解度を学生との会話や口頭試問、実習ノートの校閲を通 して、総合的に評価している。「医学研究インターンシップ」では、ルーブリ ック評価(資料 3-5)とポートフォリオを活用して評価している。4 年次までの臨 床医学の専門科目では、臓器系別統合講義において、主に筆記試験にて診断と 検査、治療の基本となる知識を評価している。臨床実習に先立ち、「臨床実技 入門」及びこれと連動した「医療シミュレーション教育コース」を開講し、SD
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としての知識、態度、技能を修得する。これらの授業科目では、態度、技能を 実習中に評価し、さらに全国共用試験(CBT、OSCE)の成績を加味して総括的評 価を行う。全国共用試験 OSCE では評価の公平性、質及び透明性を高めるため、
評価者に外部評価者が含まれている。全国共用試験 CBT を 4 年次の 12 月に実施 し、医学部医学科で定めた合格基準に達していることが 5 年次への進級要件に なっている。
4~6 年次で実施される診療参加型臨床実習では、基本的知識、技能、臨床診 断・推論、臨床計画の立案、カルテ記載、プレゼンテーション、患者や医療ス タッフとのコミュニケーションなど態度に関するものなど各臨床系教育研究分 野が作成した臨床実習ルーブリック評価表(資料 2-13、2-19)に沿って評価し ている。また、診療科によっては mini CEX を参考にした形成的評価や独自の OSCE による評価を実施している。e-learning による事前学修を目的として WebClass を導入し評価にも応用している。例えば心臓血管外科では、実習前、中間、実 習後のテストによる形成的及び総括的評価を web 上で行っている。学外の病院 での臨床実習では、受け入れ先病院の担当者による評価がなされており、外部 評価者の評価が反映されている。
6 年間の最終評価は診療参加型臨床実習と客観的技能評価としての 5、6 年次 OSCE、さらに筆記試験による卒業試験によって行われる。
B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価
評価法及び評価実施の妥当性、信頼性、教育上の影響力、学生の受容、効率 等の各々を勘案して、様々な方法と形式の評価が外部評価者の採用も含めて活 用されている。
C. 現状への対応
基礎系・社会医学系教育企画委員会及び臨床系教育企画委員会では、各教育 研究分野における教員同士の知見報告や情報共有を通して、医学教育改善のた めの議論を行っている。ここでは医学部医学科全体としての教育方針、評価方 針の統一化を図っている。また、全国共用試験 OSCE だけでなく、独自の 5 年次 OSCE、卒業時 OSCE でも外部評価者を採用して客観的な評価を実施する方針で検 討している。
D. 改善に向けた計画
評価方法の有用性、公平性等について検討し、より適切な評価法を策定する。
参考資料
資料 2-13:基本臨床実習評価表
90 資料 2-19:選択制臨床実習評価表
資料 3-5:医学研究インターンシップルーブリック評価表
評価方法および結果に利益相反が生じないようにしなくてはならない。(B 3.1.4)
A. 基本的水準に関する情報
医学部医学科の評価基準及び進級判定は、医学部規程、医学部医学科試験並 びに履修等に関する内規(資料 3-2)に規定してあり、その結果に寄付金や人的 コネクションが影響を与えることはない。医学部医学科では、入学時に岡山大 学医学部後援会費(寄付金)の納入を求めているが、寄付金の有無についての 個人情報は厳重に管理されており評価への影響はない。また、進級判定は医学 科会議(教授会代議員会)において厳密に審議され、特定の教員の判断に依ら ない。
B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価
教職員の親族や子弟が学生である事例は少なからずあるが、これまで学生の 評価方法とその結果に利益相反が生じた事案はない。また、寄付金納入の有無 についても同様である。本学では評価方法及びその結果に利益相反が生じるこ とのないよう制度構築がなされている。
C. 現状への対応
教員に対して評価と利益相反について自覚を促すため、定期的な FD の実施を 検討している。
D. 改善に向けた計画
特になし(C. 現状への対応に記載)
参考資料
資料 3-2:岡山大学医学部医学科試験並びに履修等に関する内規
評価が外部の専門家によって精密に吟味されなくてはならない。(B 3.1.5)
A. 基本的水準に関する情報