第7章 問題設定と分析
7.2. 失敗知識構造の階層ギャップの生成プロセス分析
7.2.2. 失敗知識構造の階層ギャップ生成プロセス
技術の継承」(コンセプト・クラスター)を体感できた(図表 18 参照)。
一方、研究員はコンセプトの実現に対してはフォロワーの立場にいるため、コン セプトに対する影響力を直接的に行使することができない。つまり、答えが生成され ても、それをテストし、そのフィードバックを直接的に受けることが困難である。
実際、−(マイナス)のイメージを持つ研究員 N 氏は、「なぜサービスの現状の利 用のされ方を活性できないか?」(コンセプト・クラスター)という問題に対して、「提 携会社との関係が不十分である」という答えを見出しているものの、その現状を変え るアクションを起こす機会がなかった(詳細は図表 23 を参照)。
上記の考察により、失失敗体験からコンセプトに対する+(プラス)のイメージが 生成されるには、コンセプト・クラスターを再構築するプロセスが有効に機能する必 要があることがわかった。
尚、本研究では、当プロセスをコンセプト知識再構築プロセスと定義し、それに 合わせて以後、コンセプト・クラスターをコンセプト知識へと表現を変更する42。
(2)答えの生成段階
問題が創出されると、その問題に対する答えを生成する段階となり、足りない知 識を追求し始める。答えの生成に成功すると、葛藤が解消されて次の段階に進むが、
失敗するとコンセプト知識のイメージは±(葛藤)のまま保持される。
(3)実践段階
生成された答えに基づいて、なにかしらの意思決定や関係部署・顧客への交渉等 の実践がなされ、その結果についてのフィードバックが起こる。フィードバックが起 こった答えについては検証が可能となり、そのイメージが+(プラス)へと変換する。
逆に答えが未検証に終わる場合はそのイメージが−(マイナス)に留まる。
上記に示した段階ごとの分岐条件を明らかにしたことによって、階階層間の失敗知 識構造のギャップは、コンセプト知識再構築プロセスが有効に機能するか否かによっ て表されることがわかった。つまり、マネジャー・クラスは当プロセスを有効に機能 させることができるが、研究員クラスはプロセスの途中段階でエラーが起こる結果、
それを有効に機能させることができないのである。
下記に、コンセプト知識再構築プロセスのエラーが生み出す階層間のギャップを 表すものとして、失敗知識構造の階層ギャッププロセスモデル図を示す。
図表.34 失敗知識構造の階層ギャップ生成プロセスモデル
コンセプト知識の イメージ
マネジャー
答えの検証
+
実践 知識構造
階層
葛藤 ギャップ
解消 失敗
体験
葛藤
−
±
問題の創出
0
答えの生成
研究員
葛藤
未解消 答えの未検証
解離
排除
プロジェクト期間 現在