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6. 事業実施計画

6.1 複合商業施設

6.1.1 太陽光発電システムの導入

(1) 導入技術と効果

当該建物においては、屋上面に太陽電池を設置することにより、建物内電力消費に伴う CO2削減提案を行うこととする。太陽光発電システム導入に関する情報は下記のとおり。

現場調査結果に基づき、各施設(West Mall、Skybridge、East Mall)における太陽電池の 設置レイアウトを検討した。検討結果を図 6-1~図 6-4に示す。なお、検討にあたっては、

日本で最も使用されている多結晶太陽電池を用いた。West Mall の設置容量は 790kW、

Skybridgeは160kW、East Mallは56kWで、合計は1,006kWである。これはインドネシアに

おける建物設置の太陽光発電設備としては最大級の設置容量である。

また、ジャカルタの気象データを用いて本設備の発電量シミュレーションを行った。計算 結果を図 6 5に示す。年間発電量は約1,423MWh、設備利用率は約16%である。日本の太陽 光発電設備の設備利用率は一般的に 12%程度であることから、ジャカルタの豊富な日射環 境により、日本よりも多くの発電量が期待できることがわかる。さらに、太陽電池の遮熱に よる室内冷房負荷の削減効果の試算を行った。ここでは、カリフォルニア大学サンディエゴ 校(UCSD)の実験結果に基づき、太陽電池により30%の遮熱ができると仮定した。その結 果、室内冷房の電力消費量を年間1,168MWh程度削減可能となった(図 6 6)。したがって、

太陽光発電設備の直接的・間接的なCO2削減効果を試算すると、電力系統のCO2排出係数

0.814t-CO2/MWh より、年間約2,110ton-CO2となる。

最後に、太陽光発電電力量及び室内冷房負荷低減による電気料金の削減効果、保守費用、

太陽電池の経年劣化率を考慮して事業性を計算すると、投資回収年数は約12年となる(図 6 7

図 6-1 GIにおける太陽電池設置可能容量

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図 6-2 West Mallにおける太陽電池設置レイアウト

図 6-3 Skybrigeにおける太陽電池設置レイアウト

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図 6-4 East Mallにおける太陽電池設置レイアウト

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図 6-5 太陽光発電設備の発電量シミュレーション結果

図 6-6 太陽電池の遮熱による室内冷房負荷の電力消費量の削減効果

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表 6-1 太陽光発電設備の事業性シミュレーション結果

Benefit Cost Balance

MIDR MIDR MIDR

0 32,570 -32,570

1 2,988 83 -29,664

2 2,980 83 -26,766

3 2,972 83 -23,877

4 2,964 83 -20,995

5 2,956 83 -18,122

6 2,948 83 -15,257

7 2,940 83 -12,399

8 2,932 83 -9,550

9 2,924 83 -6,708

10 2,916 83 -3,875

11 2,908 83 -1,049

12 2,900 83 1,769

13 2,893 83 4,579

14 2,885 83 7,381

15 2,877 83 10,176

16 2,870 83 12,963

17 2,862 83 15,743

18 2,854 83 18,514

19 2,847 83 21,279

20 2,839 83 24,036

21 2,832 83 26,785

22 2,824 83 29,527

23 2,817 83 32,262

24 2,810 83 34,989

25 2,802 83 37,709

90 (2) 事業計画案

実施体制に関しては、「二国間クレジット制度を利用したプロジェクト設備補助事業」を基本とし て、図6-7のような国際コンソーシアムを構築する。設備導入、MRVおよびPDDの実施に 関しては、日本企業をベースに現地パートナーと共同で行うことを考える。

また、スケジュールに関しては、図6-8にあるように、設備補助事業の採択に向けた動 きを基本とする。これにより、平成27年度内に設備導入及び検査を実施できるものと考え ている。

図 6-7 実施体制案

図 6-8 スケジュール案

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