表 XIV-1 商品機目標機仕様
* 効率は LHVベースnet値、排熱回収効率は本体出口基準、排熱温度は貯湯タンク温度
T/D (W) 250 / 500 /700、750 300 / 500 / 750 / 1000 発電効率 * >30% >34% >35% >30% >33% >34% >35%
排熱回収効率* >26% >38% >44% >26% >38% >42% >45%
貯湯温度 60℃ 以上 系統連系 逆潮なし系統連系
運転形態 連続運転(夏季 S/S 運転あり)
耐用年数 10年
定格発電容量 700〜750W 1kW
* 効率は LHVベースnet値、排熱回収効率は本体出口基準、排熱温度は貯湯タンク温度
T/D (W) 250 / 500 /700、750 300 / 500 / 750 / 1000 発電効率 * >30% >34% >35% >30% >33% >34% >35%
排熱回収効率* >26% >38% >44% >26% >38% >42% >45%
貯湯温度 60℃ 以上 系統連系 逆潮なし系統連系
運転形態 連続運転(夏季 S/S 運転あり)
耐用年数 10年
定格発電容量 700〜750W 1kW
(2) セル劣化研究について
① NEDOのセルの劣化研究プロジェクトに参画している。目的は,セルの劣化メカニズ ムの解明と,加速寿命評価試験方法の確立である。3 年間のプロジェクトであり,今 年度が最終年となっている。
② このプロジェクト等により,この2〜3年の間にかなりの技術的な進歩があった。最近 では MEA の品質が改善され,劣化モードも絞られ,耐久性の目途が立ってきた。当 初アノード触媒の脱合金化で弱かった部分もかなり改善され,フラッディングの原因 も明らかとなり,ある程度対策が取れるようになってきた。
③ 当社では,単セル試験装置を30台程度持っており,定置用PEFCの耐久性評価を行っ ていた。単セルでは 5万時間程度の評価データも出てきており,4 万時間程度ならそ ろそろ見込めるというところまできたと考えている。
(3) 小型改質装置について
① 独自開発の小型改質器については,500W,750W,1kW 級を開発しており,国内外 で累積約800台を出荷した。(図ⅩⅣ-1)
② 当社改質器の特長は,触媒の交換が9万時間必要ないことや,LPGにも適用できるこ とが挙げられる。すでに36,000時間の連続運転試験,及び3,000回の起動停止試験で 問題がないことも確認している。
③ 燃料としては,LPGと都市ガスを想定している。水蒸気の量等を調節すれば他燃料で も使える可能性もあるが,一般の灯油などは脱硫が難しく,現時点では考えていない。
④ 9 万時間の触媒の耐久性については,ガス燃料の含む硫黄量によっても違ってくるの で,標準的なガス組成であればという説明をしている。標準的な仕様,例えば硫黄分 のMAX値など明示して,理解してもらっている。
図 XIV-1 大阪ガス式小型 PEFC 用改質装置
(4) 排熱回収システムについて
① エコウィル(ガスエンジンシステム)の排熱回収システムを燃料電池用に改造し,開 発を行っており,エコウィルと同じメーカと共同開発を進めている(図ⅩⅣ-2)。
② 現在は, 200L貯湯槽を入れている。4人の家庭では,150〜200Lの貯湯容量が省エ ネ性が最も高いと考えている。
③ 過去何週分かのデータに基づく学習制御により,その日の運転状況と貯湯状況をみて,
そのときどう運転すべきかをその都度判断するようなシステムとなっている。
図 XIV-2 大阪ガスでの排熱回収システム開発
(5) 大規模実証事業について
① NEFの大規模実証事業へ参画し,平成17年度に63台, 18年度に80台, 19年度 に81台(2月までの予定台数)を設置している。参画の目的は以下のとおりである。
・システム簡素化等コストダウンと信頼性両立を短期間で検証
・多様な運転実績の蓄積
・発売に向けた課題の抽出
・メーカにおける製造技術の蓄積
② 設置場所は,当社の管内がほとんどであるが,今年度は他のガス会社からの依頼があっ たため,3台を他のガス会社の管内に設置する予定である。
③ 実証運転の結果,当社では連続運転を基本にしているため,700W〜750Wの出力でも 充分省エネ性は確保できるという感触を得ている。
④ 2005年9月頃から三洋電機,東芝燃料電池システムとコストダウンの共同開発を行っ ている。三洋電機製,東芝燃料電池システム製とも問題なく運転を継続している。毎 年,コストダウンのためにシステム設計を変更しているため,新しいバージョンの導 入初期にはトラブルが出やすい。これらの不具合を改善しながら,信頼性の向上に取 り組んでいる。
⑤ 設置場所の環境(塩害等)による影響は,いまのところ問題はない。
(6) 今後課題・販売予定
① 国の大規模実証事業が1年伸びたため,大規模実証をもう 1年行い,2009 年度から 販売していきたいと考えている(図ⅩⅣ-3)。
② セルの耐久性については,現状でも5万時間の運転を達成したMEAもあり,目途が 立ってきている。現状は,耐久性を確認している段階であり,このまま動いていくと 予想している。後はコストダウンが最大の課題である。
③ コストダウンに関しては,補機プロジェクトの成果により,補機の価格がかつての数 分の 1というところまで来た。ただこれだけでは,販売価格 50万円を見通せないた め,セルの枚数を減らしたり,さらに安い部品の開発などが必要である。
④ 2009 年度からの補助金制度についても,FCCJ 等の団体を通してMETI に要請して いきたいと考えている。
図 XIV-3 大阪ガスの PEFC 開発経緯と今後の予定
(7) エコウィルについて
① エコウィルは当社が開発し,販売を進めてきた。2003年3月の販売開始以来,昨年末 で約46,000台が出荷され,そのうち,当社からは30,000台を販売している。
② 継続的にホンダ技研はガスエンジン(163ccの4サイクル単気筒OHV)の改良を行っ ており,現状の発電効率が22.5%(LHV)である。
3.家庭用 SOFC コージェネレーションシステムの研究・開発状況について
(1) SOFCの特徴とSOFCコージェネレーションシステムの位置づけ
① SOFC(固体酸化物形燃料電池)は,700〜1000℃という高い作動温度のため内部改
質が可能であり,45%(LHV)を超える高い発電効率が得られることが特長である。
② 当社では,エコウィルと,PEFC並びにSOFCによる家庭用コージェネシステムの開 発を行っている。それぞれ発電効率と排熱回収効率の比率が異なっており,顧客に よってそれぞれに適したシステムがあると考えている。(図ⅩⅣ-4)
③ エコウィルは,比較的電力よりも熱利用が多い家庭に適しており,SOFCは,電力需 要が大きくて熱需要が小さい家庭に適している。PEFCはその中間の特性となる。そ のため,SOFCは都市型の小規模住宅や集合住宅への展開が可能と考えている。
図 XIV-4 SOFC コージェネレーションシステムの特長
(2) SOFCシステムの開発・運転試験状況
① 京セラと共同開発しているSOFCは,円筒平板型と呼ばれるセルを用いており,円筒 平板の形状によって熱による膨張によるセルの反りなどを吸収し,比較的強靭で発電 効率も高いという特長がある。
② 実験住宅NEXT21で2005〜2006年にかけて,1kW級SOFCコージェネレーション システムの実証実験を行った。その結果,定格運転のイメージの強いSOFCにおいて 負荷追従性が優れていること示し,関係者を驚かせた。
(3) 700W世界最小SOFCシステムの開発について
① 従来の 1kW をさらに小型化し,小規模住宅や集合住宅をターゲットにした世界最小
の700W SOFCコージェネレーションシステムを開発している。発電ユニットは当社
と京セラとの共同開発であり,貯湯ユニットは当社と長府製作所の共同開発である。
② 2006年度の発電ユニットは950mm×540mm×350mmであり,比較的小さな住宅で も設置可能なように仕上がっている。また,定格発電効率は45%,定格排熱回収効率 は30%(LHV),定格排熱回収温度75℃であり,重量も91.5kgと100kgを下回り,
2人の人間で設置が可能となって設置費用の面からも魅力的なものになっている。
③ 貯湯ユニットの貯湯タンク容量は,PEFCシステムに比べて小さな70Lとなっている。
④ SOFCは基本的に連続運転を行う。運転制御については複雑な学習制御運転をしなく ても,発電効率が高いため省エネが確保できるだろうと考えている。
⑤ 2006年3月より,当社社員の家に設置し,フィールド試験を行っている。その結果,
現在までに運転時間は約4千時間に達し,異常停止もなかった。
⑥ 今年度から始まった NEDO プロジェクトである「固体酸化物形燃料電池実証研究」
に参画する。NEF が受託者として実証研究を行い,当社は設置・運転試験者として SOFC システムを NEF から借りて,試験データを収集するという立場で参加するこ ととなる。システムは,京セラがNEFにリースで提供する形となる。
⑦ この実証研究では全国で29サイトが設置され,そのうち20サイトを大阪ガスが設置 する。当社以外のSOFCシステムの多くも京セラのSOFCシステムとなっている。
⑧ この実証研究では,システムを6ヶ月以上運転し,定められたデータを収集してNEF に提供することとなっている。
(4) 今後の開発課題
① 後の開発課題としては,耐久性・信頼性の確立,コストダウンが挙げられる。PEFC が現状で実証段階にあるとすれば,現状の SOFC は実証初期段階であると考えられ る。今後,基本設計を確立するための技術課題抽出のため,NEDOの実証研究を活用 していくこととなる。
② コストダウンについては,よりシンプルなシステムが可能になることから,将来的な 低コストポテンシャルを有するものとして期待している。
(5) その他
① 国の燃料電池施策に使われている予算のうちSOFC の占める割合は非常に小さい。
また,基礎研究に関する分野も PEFC に比べると劣っているので,もう少し基礎研 究の充実化を図っていただきたい。
② SOFCの耐久性の実証という意味では,海外に比べて実績が少ないかも知れないが,
当社が京セラと共同開発している本コージェネレーションシステムは,世界のトッ プを走っていると考えている。