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大気の再生可能エネルギー熱利用した既存 DHC のシミュレーションモデルの設定 . 65

第 2 章 ヒートポンプが供給する再生可能エネルギー熱の定量評価手法の検討と大気熱利

3.5 河川水の再生可能エネルギー熱利用による効率向上効果のシミュレーションによる

3.5.2 大気の再生可能エネルギー熱利用した既存 DHC のシミュレーションモデルの設定 . 65

(1) 設定方法の概要

対象地区の実際のシステムや 2015 年度のBEMS データに基づき、対象地区の運転を模擬するシ ミュレーションモデルの設定を行った。

本研究のシミュレーションは、ENEPRO21 を用いて行った。ENEPRO21は、株式会社E.I.エンジ ニアリングが開発したエネルギーシミュレーションプログラムで、建物個別空調および DHC 等の 熱源システムをモデル化し、エネルギーシミュレーションを行うことが出来るプログラムである。

このプログラムは、モデル化の際、熱負荷や機器の性能特性、運転計画等を詳細に設定できること が特徴である。2013年に空気調和・衛生工学会振興賞技術振興賞を受賞している。

本章ではENEPRO21を用い、対象地区の熱供給システムを模擬したシミュレーションモデルを設

定し、対象地区の実データを参考に熱負荷を設定、運転計画も対象地区の実際の運転を模擬するよ う設定した。シミュレーションの時間間隔は1時間とし、月別に平日、休日の代表日を設定して年 間の計算を行った。

図3.5.2にシミュレーションモデルの作成フローを示す。夏期の冷却水温度や冬期の熱源水温度に

係る外気湿球温度は、対象地区の計測データを用いた。負荷設定は、対象地区のBEMSデータを参 考に月毎に平日・休日の代表日の熱負荷を設定した。熱源システムは対象地区のシステムを模擬し ている。熱源システムの運転計画は、対象地区のBEMSデータを参考に設定した。

図3.5.2 シミュレーションモデルの設定フロー

第3章 (2) 負荷の設定

a) 設定方法の概要

図3.5.3に負荷モデルと機器稼働モデルの作成フローを示す。熱負荷の代表日は「熱源負荷パター

ン」と「熱源機器稼働パターン」によって選定した。ここでは、(ⅰ)月毎の負荷分析→(ⅱ)月毎の代 表日候補の選出→(ⅲ)月毎の機器稼働分析→(ⅳ)月毎の代表日候補日の機器稼働チェックという流 れで代表日を選定した。

対象地区は、熱負荷推移が事務所用途であることから、平日と休日で負荷パターン、熱源機器稼 働パターンが大きく異なるため、平日と休日に分けて代表日を選定した。各月平日 2パターン、休 日1パターンとし、中間期で冷暖切替のある4月・11月に関しては、平日・休日2パターンを選定 し、年間で計38パターンを選定して代表日の熱負荷とした。ここでは、熱源機器稼働状況と熱源負 荷推移より、夏期を5~10月、冬期を12~3月、中間期を4・11月とした。

以下に代表日の選定方法について、8月を例に述べる。

図3.5.3 負荷モデルと機器稼働モデルの作成フロー

第3章 b) 負荷の発生状況

図3.5.4に、2015年8月の実際の熱源機器稼働状況と熱源負荷推移を示す。対象地区は事務所用途 であるため、熱負荷の推移は平日と休日で熱源負荷パターンと機器稼働パターンが異なっているこ とが確認できる。また温水負荷はほとんど生じていないため、代表日は冷水負荷に基づき選定した。

冷熱量[GJ/h] +温熱量[GJ/h] +

図3.5.4 現状の熱源機器稼働状況と熱源負荷推移(2015年8月)

〔上:冷水系熱源機器、右:温水系熱源機器〕

冷水負荷

温水負荷

第3章 c) 代表日の選定

冷水日負荷から、平日と休日に分類した。また平日では代表日を 2パターン選定するため、平日 の中で大小2グループに分類した。

図3.5.5に8月の日冷水負荷のグループ分けの結果を示す。まず休日の選定は、事務所用途である

ため、主に土日祝日を休日とし、例えば年末等、冷水負荷と熱源機の稼働状況により、一部の暦上 の平日も休日として分類した。8 月のお盆の時期は平日の冷水負荷と熱源機の稼働状況と同様だっ たため、平日として分類した。

また、平日を 2 パターンに分類する際には、平日の日冷水負荷平均値を用いて、平均値以上を平 日グループⅠ〔高負荷〕、平均値以下を平日グループ2〔低負荷〕として分類した。

図3.5.6に8月のグループ毎の代表日候補を示す。代表日候補はグループ毎の平均値に最も近い日

を選定した。そして同一グループの他の日と比べ特異な運転をしていないかを確認し、代表日を決 定した。なお代表日の日負荷は同一グループの平均値と同じ値になるよう、平均値に対する代表日 の値の比を代表日の値に乗じて負荷を設定した。

0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400

8月20

8月19

8月14

8月13

8月24

8月27

8月31

8月25

8月28

8月26

0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400

8月1日8月2日8月8日8月22

8月15

8月9日8月16

8月23

8月29

8月30

冷水負荷[GJ/日]

平均値 候補日 1 候補日 2

候補日 1 候補日 2

0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400

8月3

8月4

8月7

8月5

8月6

8月10

8月11

8月12

8月18

8月17

8月21

図3.5.5 冷水日負荷によるグループ分けの結果(8月)〔左:平日、右:休日〕

冷水負荷[GJ/日]

0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400

月 火 金 水 木 月 火 水 火 月 金 木 水 金 木 月 木 月 火 金 水 土 日 土 土 土 日 日 日 土 日

平日平均値

平日グループ 1

休日グループ 平日グループ 2

図3.5.6 グループ毎の代表日候補選定結果(8月) 平均値

平均値 候補日 1

候補日 2 候補日 1 候補日 2

冷水負荷[GJ/日]

第3章

図3.5.7に8月の代表日の熱源機の稼働状況を示す。TRの夜間蓄熱運転を優先し、熱負荷に応じて

HTHPのDBHP順に、夜間蓄熱運転を優先して運転している。

選定した代表日一覧を表3.5.1 に示す。代表日は夏期 18日、冬期 12日、中間期8日の全38日を 選定した。

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

17:00 19:00 21:00 23:00 1:00 3:00 5:00 7:00 9:00 11:00 13:00 15:00 0

10 20 30 40 50 60 70 80 90

17:00 19:00 21:00 23:00 1:00 3:00 5:00 7:00 9:00 11:00 13:00 15:00 0

10 20 30 40 50 60 70 80 90

17:00 19:00 21:00 23:00 1:00 3:00 5:00 7:00 9:00 11:00 13:00 15:00

図3.5.7 グループ毎の代表日の熱源機器稼働状況(8月)

〔左から平日グループ1、平日グループ2、休日グループ〕

冷水製造熱量[GJ/h]

TR-1

TR-2 HTHP-1

HTHP-2 DBHP-1 DBHP-2 合計製造熱量

2015年度

4月 14日(火) 23日(木) 12日(日) 25日(土) 5月 26日(火) 7日(木) 17日(日)

6月 16日(火) 12日(金) 20日(土) 7月 24日(金) 3日(金) 9日(日) 8月 11日(火) 27日(木) 9日(日) 9月 11日(金) 16日(水) 21日(月) 10月 28日(水) 21日(水) 24日(土)

11月 18日(水) 25日(水) 1日(日) 28日(土) 12月 18日(金) 1日(火) 26日(土)

1月 26日(金) 28日(木) 11日(月) 2月 2日(火) 17日(水) 28日(日) 3月 15日(火) 17日(木) 5日(土)

平日 休日

表3.5.1 代表日一覧

第3章 d) 代表日の負荷

負荷は、対象地区のBEMSデータより、代表日の冷水供給熱量を冷熱負荷として、温水供給熱量 を温熱負荷として、全38パターン設定した。図3.5.8に代表日の冷温熱負荷の時刻別推移を示す。

e) 冷温水往還温度の設定

冷温水往還温度設定は、代表日のものを設定したため、38パターン設定した。図3.5.9に設定した 代表日毎の冷温水往還温度時刻別推移を示す。供給条件の冷水 6℃/16℃、温水 47℃/37℃をおおよ そ満たしていることが確認できる。

(80) (60) (40) (20) 0 20 40 60 80 100

1:00 7:00 13:00 19:00 1:00 7:00 13:00 19:00 1:00 7:00 13:00 19:00 1:00 7:00 13:00 19:00 1:00 7:00 13:00 19:00 1:00 7:00 13:00 19:00 1:00 7:00 13:00 19:00 1:00 7:00 13:00 19:00 1:00 7:00 13:00 19:00 1:00 7:00 13:00 19:00 1:00 7:00 13:00 19:00 1:00 7:00 13:00 19:00

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

図3.5.8 代表日毎の冷温熱源負荷時刻別推移 熱源負荷[GJ/h] (-:温熱、+:冷熱)

平日パターン 1 平日パターン 2

休日パターン1 休日パターン2

平日パターン1 平日パターン2 休日パターン1

休日パターン2

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50

1:00 8:00 15:00 22:00 5:00 12:00 19:00 2:00 9:00 16:00 23:00 6:00 13:00 20:00 3:00 10:00 17:00 0:00 7:00 14:00 21:00 4:00 11:00 18:00 1:00 8:00 15:00 22:00 5:00 12:00 19:00 2:00 9:00 16:00 23:00 6:00 13:00 20:00 3:00 10:00 17:00 0:00

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

往還温度[℃]

図3.5.9 代表日毎の冷温水往還温度時刻別推移 温水【往】

温水【還】 冷水【往】 冷水【還】

第3章 (3) 熱源システムの設定

a) 熱源機構成の設定

表3.5.2にシミュレーションで設定した熱源機器一覧を示す。熱源機器の構成は対象地区を模擬し

て設定した。対象地区での熱回収運転は、冷水負荷に応じて冷温熱同時製造 している。しかし

「ENEPRO21」によるシミュレーションでは、熱回収運転時に冷水製造量が不足すると、自動で熱

回収運転から冷水専用運転に切り替わってしまう。そのためDBHPの能力は、代表日の熱負荷の大 きさに応じて設定を行った。また各熱源機器が利用する冷却加熱塔は、TR-1,2がグループ冷却塔1、

HTHP-1、DBHP-1がグループ冷却加熱塔2、HTHP-2、DBHP-2がグループ冷却加熱塔3を共用利用

する設定とした。

本研究では、シミュレーションの精度を上げるため、BEMSデータより熱源機器性能分析を行い、

それに基づいてシミュレーションの設定を行った。以下に設定方法を示す。

b) 負荷率による効率特性の設定

負荷率別の熱源機の効率特性は、対象地区の実際の稼働状況を模擬するため、BEMS データを参 考に以下の方法で設定した。

対象地区は2001年に供給開始しているため、熱源機の経年劣化が進んでいることが考えられる。

そのため代表的な熱媒入温度の時の機器単体 COP について、負荷率毎の平均値を BEMS データよ り算出した。その値を機器仕様上(カタログ値)の機器単体COP と比較して効率低下率を求めた。

表3.5.2 シミュレーションで設定した熱源機器一覧

機 器 表 名 称 ENEPRO21表 記 運 転 モ ー ド 機 器 表 名 称 ENEPRO21表 記 機 器 表 名 称 ENEPRO21表 記 冷水ポンプ

冷蓄熱ポンプ 冷却水ポンプ(CDP-T1) 冷却水ポンプ 冷水ポンプ 冷蓄熱ポンプ 冷却水ポンプ(CDP-T2) 冷却水ポンプ 冷水ポンプ 冷蓄熱ポンプ 冷却水ポンプ(BMP-1-1,2) 冷却水ポンプ 温水ポンプ 冷蓄熱ポンプ ブラインポンプ(BMP-1-1,2) 熱源水ポンプ 冷水ポンプ 冷蓄熱ポンプ 冷却水ポンプ(BMP-2-1,2) 冷却水ポンプ 温水ポンプ 冷蓄熱ポンプ ブラインポンプ(BMP-2-1,2) 熱源水ポンプ 冷水ポンプ 冷蓄熱ポンプ 冷却水ポンプ(CDP-D1) 冷却水ポンプ 冷水ポンプ 冷蓄熱ポンプ

温水ポンプ 冷蓄熱ポンプ

冷水ポンプ 冷蓄熱ポンプ 冷却水ポンプ(CDP-D2) 冷却水ポンプ 冷水ポンプ 冷蓄熱ポンプ

温水ポンプ 冷蓄熱ポンプ 電動ヒートポンプ5 冷水専用運転

電動ヒートポンプ8,9 熱回収運転

冷却加熱塔

(CHT-1)

冷却加熱塔

(CHT-2) ダブルバンドル

ヒートポンプ (DBHP-2)

ターボ冷凍機1

ターボ冷凍機2

冷水専用運転

冷水専用運転

冷水専用運転 電動ヒートポンプ1

温水専用運転

電動ヒートポンプ2

冷水専用運転

温水専用運転

電動ヒートポンプ4 冷水専用運転

電動ヒートポンプ6、7 熱回収運転

冷水一次ポンプ(CP1-D2)

冷水一次ポンプ(CP1-D2) 温水一次ポンプ(HP1-D2)

冷 却 ・ 加 熱 塔

冷却塔 (CT-1)

冷却加熱塔

(CHT-1)

冷却加熱塔

(CHT-2)

グループ冷却塔1

グループ冷却塔2

グループ冷却塔3

グループ冷却塔2

グループ冷却塔3

主 機 補 機

冷水一次ポンプ(CP1-T1)

冷水一次ポンプ(CP1-T2)

冷水一次ポンプ(CP1-H1-1,2)

温水一次ポンプ(HP1-H1)

冷水一次ポンプ(CP1-H2-1,2)

温水一次ポンプ(HP1-H2)

冷水一次ポンプ(CP1-D1) 温水一次ポンプ(HP1-D1) ターボ冷凍機

(TR-1)

ターボ冷凍機

(TR-2)

ヒーティングタワー ヒートポンプ

(HTHP-1)

冷水一次ポンプ(CP1-D1) ダブルバンドル

ヒートポンプ (DBHP-1) ヒーティングタワー

ヒートポンプ

(HTHP-2)