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航海灯の視認距離から、船長50m以上の大型船では、視界の良好な状態において3〜6 海里以上で動静を把握することが可能であり、船長 12m 未満の小型船においては、1〜2 海里以上で動静を把握することができると考えられる。
昼間の視界の良好な状態では、概ね 20 海里程度の視認距離があると考えられることと 比較すると、夜間においては船舶の視認性が低下し、また、漁船等の小型船においては一 般船舶よりも更に視認することが困難であることが窺える。
7.2. 夜間における他船の動静把握
「避航操船における操船者の取得する視覚情報について」(平成 4 年日本航海学会論文集 第 86 号)において、操船シミュレータを利用した夜間における他船の動静把握の実験調査 について以下に取りまとめた。
操船シミュレーション実験は、以下に示す2つの他船変針知覚実験を実施しており、他船 の変針を知覚・認識するのに必要とされる針路変針量を昼、薄明及び夜のそれぞれの状況に ついて調査している。
操船シミュレーションによる他船変針知覚実験結果を図 7.2-1に示す。平均データから、
静的変針知覚及び動的変針知覚ともに、昼間よりも薄明、夜間と順に閾値(相手船の変針を 認識する最小の変針角度を示す)は大きい。また、動的変針知覚においては、見合角0〜90°
程度までは閾値は20°程度であるが、見合角135°の夜間においてマスト灯及び舷灯を視認 できない状況では、閾値が大きくなっている。
上記のことから、他船の変針を知覚するのに必要な針路変針量は、昼より夜の方が大きく、
夜間は他船の変針を認識するのが遅れ、避航操船等の対応に遅れがでるものと予想される。
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<実験調査>
○ 被験者 :5人(乗船経験豊富な富山商船高等専門学校の教職員)
○ シミュレーション:昼、薄明、夜(昼は船体が見える状況、夜は灯火のみ見える状況、薄明 は昼と夜の中間を設定する目的で船体のシルエットと灯火がともに見える状況。)
A「静的変針知覚実験」
1マイル前方の他船(全長100m)を5種類の初期方位においてその場回頭させ、被 験者が他船の変針に気づいた時の他船の針路変位量を計測した。
B「動的変針知覚実験」
他船と衝突の見合い関係にある5種類の衝突の状況において、他船が微小な角速 度で回頭する場合、被験者が他船の変針に気づいた時の他船の針路変位量を計測し た。
図 7.2-1 操船シミュレーションによる他船変針知覚実験結果
7.3. 背景灯火の影響
灯火は、その光の強弱によって相対的に認識の度合いが変化するといわれており、夜間に おける航行においては、背景灯火の影響が懸念される。一般船舶の輻輳時間帯においては、
航海灯及び航路標識等の灯火が陸上の明るさや操業漁船の漁火に紛れて、視認することが難 しくなることも考えられる。
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