世界の国々と同市の関係について,より具体的な説明を行い,生徒一人ひとりにどの ような点が影響を及ぼしているのかじつくり考えさせ,意見を述べさせる必要があった と思われる。
匡麩]「襯市に住む外国の人々①一留学生一」(蜥・鮪館)
同市在住の外国人留学生の視点から同市の良い点や問題点等をとらえ,自分たちと異 なる文化を持つ人々の立場や考え方を理解すると共に,同市における多文化共生のあり 方について考えることをねらいとした。評価規準は2一(1)及び2一(2)である。
まず,外国人留学生(中国人女性1名,ボスニア・ヘルツェゴビナ人男性1名)から,
同市での生活において良かった点や困った点,行政あるいは一般市民に対する要望等に ついての話を聞き,その後,質疑応答の時間を設け,生徒数名が同市または同市民に関 する質問を行った。
つづいて,留学生に,多文化共生を実現させる上で必要だと思うことについて意見を 述べてもらい,最後に,自己評価及び授業の感想を書く時間を設けた。授業に対する主
な感想及び考察は次の通りである。
〈生徒自身のふりかえり〉
・外国から来られた方から福岡市の良い点や問題点を聞くことができた。私は前から 福岡市に住んでいたのに,そういうところに全然気づいていなかったと思う。
・今まで自分が住んでいる町のことを真剣に考えることがなかった。今日のお話を聞 いて,福岡市のことを誇らしく思えた。
・もっと自分自身が福岡市や日本の良いところを知ろうと思った。
・留学生の方が,私たちよりも福岡市のことを真剣に考えてくれているんじゃないか と思った。私たち自身もしっかり考えて,問題点を変えていくべきだと思う。
〈海外留学に対する理解〉
・自分自身,留学に対する関心がとても高まった。将来,外国へ留学してみたい。
・留学すると「新しい自分」が見つかることがわかった。
・お二人とも日本語が上手でびっくりした。話せるようになるまで苦労したんだろう なと思う。
〈英語の重要性に対する理解〉
・英語を覚えていれば留学できるし,外国の人たちと話ができるから大切だと思った。
・これからは,英語を「授業だから」ではなく,「世界の人たちとのコミュニケーシ ョンの手段」と思って勉強していきたい。
〈福岡市の特徴に対する理解〉
・福岡市には,いろいろな目的で多くの外国人がいることがわかった。
1・福岡市は街並みがとてもきれいで,人は優しく親切だと言って下さって,とてもう れしかった。私も相手の国の良さを見つけ,言えるようにしたい。
・博多紙園山笠が海外でも有名だと聞いて驚いた。
・福岡市は外国の人たちにとって,自分の予想以上に住みやすい所なんだとわかった。
〈多文化共生に対する考え〉
・福岡市には大人,子供,外国の人たちが一緒に楽しめる場所(公共施設やレジャー 施設等)がまだ少ないので,もっと増やしていくべきだと思った。
・これから,自分たちの文化を伝えっっ,異文化にも触れていくことが大切だと思う。
・国は違っても,人と人は通じ合える,一緒に生きることができると思った。
・外国の人たちとのコミュニケーションは大変だが,それをやることによってお互い に関わり合っていけるし,多文化共生のために必要なことだと思った。
・どの国でも悪い面はあるが,そこだけを見ずに全体を見ることが大切だと思った。
・相手の国の言葉を理解し,お互いの文化を大切にしょうとする前向きな気持ちが多 文化共生にとって大事だとわかったので,自分も頑張ろうと思った。
・外国から福岡市に来た人はやっぱり不安だと思うので,私たちがその国の文化や考 え等を理解して,外国の人にとって住みやすい環境を作ることが大切だと思った。
生徒の感想は,「生徒自身のふりかえり」,「海外留学に対する理解」,「英語の重要性 に対する理解」,「福岡市の特徴に対する理解」,「多文化共生に対する考え」に分類さ
れる。
まず,「生徒自身のふりかえり」では,外国人留学生との授業を通して,いかに自分 が同市について十分に理解していなかったのかを知ったという生徒が多数を占めた。異 文化を持つ留学生との接触によって,自文化に対する意識が高まったのではないかと思
われる。
次に,「海外留学に対する理解」では,留学生がさまざまな苦労や困難を乗り越え,
それぞれの研究のために同市で生活し,有意義な時間を過ごしているという事実を知る ことにより,異文化の地において何らかの目的を持って生活することは,結果的に本人 の人生にとって有益となるということを理解した生徒が多かったと考えられる。
また,「英語の重要性に対する理解」では,これからの時代はどの国においても世界 共通語である英語を使うことが必要だという留学生の話を聞くことにより,英語はコミ ュニケーションの手段であり,異文化を持つ人々と相互理解を深める上で必要であると 強く実感した生徒が少数ながらいたのではないかと思われる。
さらに,「福岡市の特徴に対する理解」では,多くの生徒が,第1次とは違った視点 から同市の現状をとらえることができ,同市に対してさらに良い印象を持つと共に,同
市民であることに喜びを感じたと思われる。
最後に,「多文化共生に対する考え」では,留学生の話や質疑応答等を通して,同市 の多文化共生について自分なりに考える生徒が多かったことを示しており,留学生とい
う外国籍住民とのかかわりが,生徒に対して良い影響を与えたと考えられる。
第2次の自己評価の結果及び考察は次の通りである。
巨]相学習した内容(多文化姓)
に興味・関心を持ち,意欲的に 取り組むことができましたか?