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授業を通して留学生と直接かかわることにより,自分たちと異なる文化を持つ人々の 存在を強く実感することができた生徒が多かったと思われる。
高望]「翻市に触姻の人吻一労働者とその家馳(場所・教室)
同市在住の外国人家族が抱えている悩みや問題を知り,彼らが安心して生活できるよ うにするためにはどうすればいいか考えることをねらいとした。評価規準は1一(2),
2一(D,2一(2)である。
まず,同市に住む実在の外国人家族を題材としたシミュレーションを行った。1人目 のケースはAさん(建設会社勤務)で,勤務時間及び残業に対する考え方が日本人と異 なり,職場仲間と対立するという設定である。2人目のケースはBさん(Aさんの妻,
専業主婦)で,町内での日本人との付き合い方について悩んでいるという設定である。
3人目のケースはC君(AさんとBさんの子,中学3年生)で,クラスで友達ができず,
孤立して悩んでいるという設定である。A・B・Cのケースをそれぞれ班で割り振り,
もし自分ならばどのようにして問題を解決するか話し合わせ,班ごとに解決方法を発表
させた。
その後,全体で意見交換を行い,外国人家族の立場や状況等を考慮した上で,より良 い解決方法について考えさせた。各班から出された解決方法に関する主な意見及び考察
は次の通りである。
〈Aさんのケース〉
・両者の意見を尊重しっっ,考え方の違いを理解し合う。例えば週に2〜3目,残業 可能な目を決めておく。
・勤務時間ぎりぎりまで仕事をして,できなかった分は明日に延ばす。
・ここは福岡市(日本)なので残業するのが一般的だが,文化の違いもあるので少し ずつこちらのやり方に慣れてもらう。
各クラスでさまざまな意見が出されたが,「お互いの考えを尊重した上で勤務時間に ついて検討する」という共生の視点に立った意見が多数を占めた。しかし,「福岡市(日 本)の労働に関する習慣を理解してもらう」という保守的な意見も少なくなかった。
残念ながら,これら2っの意見を基にして,じっくりと議論を行う時間をとることが できなかったが,生徒が将来の労働環境について考える良い機会になったのではないか
と思われる。
〈Bさんのケース〉
・隣の住民(日本人)が積極的にBさんをいろいろな場に誘い,福岡市(日本)のこ とを知ってもらうきっかけにする。
・Bさんは自分の国とは全く環境が違う福岡市に来て,いろいろなプレッシャーを感 じていると思うので,あせらずゆっくりと付き合いながら慣れていってもらう。
・Bさんが言葉の違いに不安を感じているのなら,まずBさんの国の言葉で福岡市(日 本)を紹介するプリントを作り,読んでもらう。
・町内の盆踊り大会等で,Bさんの国の歌や踊りを紹介する。
・Bさんから出身国の言葉や文化について教えてもらったり,Bさんに日本語を教え
る会を開く。
どのクラスにおいても,同じ町で外国籍住民と共に生活するためには,まず,同住民 にその町の環境に慣れてもらうことが先決だという意見を持つ班が多く見られた。しか
し,議論が進むにつれ,お互いの文化を理解することが最も大切だという意見や相手の 文化の良い点を町の行事等に生かせば,相互理解が進むだけでなく,町のいっそうの活 性化や国際化につながるのではないかという意見等も聞かれるようになった。
〈C君のケース〉
・クラスの皆とC君がもっと積極的にお互い話しかけ合う。
・サッカー等世界共通のスポーツを一緒に楽しむ。
・C君に日本の遊びや流行しているもの等を教え,C君から出身国のことについて 教えてもらう。
・C君と一緒に卒業制作等を行い,共通の思い出を作る。
第3学年には外国籍生徒が在籍していなかったため,このケースを自分の問題として とらえることに難しさを感じる生徒が多かったように思われる。しかし,今回の授業で 出された解決方法は,中学生の段階で異文化を持つ同世代の人々と交流し,相互理解を 深め,共生を目指す態度を育成する上で必要かっ効果的な手だてであると考える。
最:後に,自己評価及び授業の感想を書く時間を設けた。授業に対する主な感想及び考 察は次の通りである。
〈シミュレーションの感想〉
・今日のシミュレーションで,自分たちと違う国の人たちの悩み等を知ることができ てよかった。
・シミュレーションは具体的な会話等が使われていたので,とても考えやすかった。
・シミュレーションをしてみて,いろいろな人がいろいろな意見を持っているんだな と思った。
〈異文化に対する理解〉
・Aさんのように,異文化の中で働くことは大変だとわかった。
・文化の違いがあると,うまくいかないことがいろいろあるんだなと思った。
・外国から福岡市に来た人もいろいろ悩みを抱えているんだなと思った。
〈多文化共生に対する考え〉
・今日の授業で,いろいろな立場から物事を考えることができた。
・外国の人と問題が起きたら,とにかく話し合いをすべきだと思った。
・自分が相手の気持ちになって行動することが大事だと思った。
・もし,私の周りにこのような外国の人がいたら,今回の授業で考えたことを生かし ていきたい。
・外国から日本に来てくれたのだから,私たちが支えていかなければいけないと思う。
・自分から積極的に話したり,外国籍住民がとけ込めるような環境作りがとても大事 なことだとわかった。
・来年,高校生になって,もしC君のようなクラスメートがいたら,自分も親しみや すい環境作りをしたいと思う。
・自分の国の文化を外国の人に押しつけるより,お互いの文化を尊重し合うのが一番 大事だと思った。
・福岡市や日本の文化を大事にしながら外国の文化を取り入れていけばいいと思う。
生徒の感想は,「シミュレーシ3ンの感想」,『異文化に対する理解」,「多文化共生に 対する考え」に分類される。
まず,「シミュレーションの感想」では,今回のシミュレーションを通して,多くの 生徒が外国籍住民の悩みを理解しただけでなく,同じ斑のメンバーでも多種多様な意見 を持っていることに気付いたと思われる。このことから,シミュレーションは,多文化 的な視点での学習活動を可能にするという点で有効な取り組みであると考えられる。
次に,「異文化に対する理解」では,数名の生徒が,実例を基にした外国籍住民のケ ースを学習することにより,異文化の中で生活することがいかに大変であるか実感し,
同住民に対して岡情の思いを持ったと考えられる。
さらに,「多文化共生に対する考え」では,前騒の授業(第2次)で外国人留学生と 共に同市の多文化共生について考えたことをふまえ,多文化共生をより現実的な課題と
とらえると同時に,より具体的な問題解決方法を見出そうとする生徒が多かったと思わ
れる。
第3次の自己評価の結果及び考察は次の通りである。
□相判し納容(多文化姓)
に関する問題点を理解し,解決 方法を考えることができました か?
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