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外部構造

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第 3 章 高次元 Einstein-Yang-Mills 系 23

3.2.4 その他の 4 次元非可換解

3.3.4.1 外部構造

3.3. 5次元Einstein-Yang-Mills系 47

図 3.9: 5次元粒子解の解の構造その2。左図: = 0における粒子解。実線、点線および破線はそれぞれ

b=0.01,0.1,0.5における解の質量関数μ(r)の振る舞いを示す。右図:= 1および= 10における 粒子解。実線、点線および破線はそれぞれb=0.01,0.1,0.5における解の質量関数μ(r)の振る舞いを 示す。

時空ではgauge potentialw(r)の漸近構造に対して差異はないことが示される。一方、図3.9から質量関数

μ(r)は漸近的にlnrのorderで発散していることがわかる。この振る舞いは定数に収束する4次元の場合 とは異なった漸近構造を示している。またこのとき= 0の場合と異なり振動の効果は見られない。r→ ∞ における漸近的な振る舞いは解析的に表すことが出来、μ(r)は漸近的に

μ = M0+ 2(1−W02)2lnr (3.130)

と発散することがわかる。漸近解の解析的な形については付録C.2.2において詳しい議論を行う。

3.3.4 5 次元非可換 black hole

次に5次元時空における非可換black hole解を導出しその解析を行う。

図 3.10: 5次元粒子解の解の構造その3。左図:= 0における粒子解。実線、点線および破線はそれぞれ b=0.01,0.1,0.5における解のlapse関数δ(r)の振る舞いを示す。右図:= 1および= 10におけ る粒子解。実線、点線および破線はそれぞれb=0.01,0.1,0.5における解のlapse関数δ(r)の振る舞 いを示す。

表3.4: = 1の場合の粒子解におけるparameterbの領域。bminは、粒子解の存在領域を示す。すなわち、

bmin< b <0の範囲で粒子解が存在する(3.3.3節参照)。bsは、安定な粒子解の存在領域を示す。すなわち、

bs< b <0の範囲で粒子解は安定となる(3.3.5節参照)。bcritは、粒子解中を動くdomain wall解の存在領域 を示す。すなわち、bmin< b < bcritの範囲で粒子解の中を動くdomain wall解が存在する(4.3.3.1節参照)。

bmin bs bcrit bmin bs bcrit

10.0 -0.644 -0.013 -0.633 0.8 -1.178 -1.270 -1.035 5.0 -0.668 -0.053 -0.639 0.7 -1.390 bmin -1.125 3.0 -0.718 -0.148 -0.661 0.6 -1.552 bmin -1.248 2.0 -0.801 -0.329 -0.707 0.5 -1.781 bmin -1.423 1.5 -0.896 -0.570 -0.768 0.4 -2.128 bmin -1.691 1.3 -0.958 -0.735 -0.810 0.3 -2.711 bmin -2.142 1.2 -0.998 -0.837 -0.837 0.2 -3.883 bmin -3.054 1.0 -1.105 -1.066 -0.914 0.1 -7.411 bmin -5.808

3.3. 5次元Einstein-Yang-Mills系 49

図3.11: 5次元非可換black hole解の解の外部構造その1。左図:= 0における非可換black hole解。実線、

点線および破線はそれぞれwh= 0.99,0.9,0.5における解のgauge potentialw(r)の振る舞いを示す。右図:

= 1および= 10における非可換black hole解。実線、点線および破線はそれぞれwh= 0.99,0.9,0.5に おける解のgauge potentialw(r)の振る舞いを示す。

が境界条件となる。ここでYang-Mills方程式(3.78)は正則でなくてはならないため、

w(rh) = wh(1−w2h)

rh[1 + 2r2h/2(1−w2h)2/rh2] (3.132) という境界条件が必要となる。ここで、wh=w(rh)と定義した。粒子解のときと同様に、時間座標は

δ(rh) = 0 (3.133)

となる座標系を用いる。前節と同様に変換(3.126)によってr=における固有時間へ戻すことが出来る。

4次元の場合と同様に、event horizonの外側すなわちr > rhでは(3.41)を条件として課す。粒子解のとき と同様に非可換black hole解においても方程式(3.75)-(3.78)はr=のまわりで正則となる解μ(r)は自明 解以外持たないことが示されるため、ここでは擬漸近的平坦な時空(またはAdS時空)となる非可換black hole解を導出することにする。このとき質量関数μ(r)O(r)のorderまでで発散することが許される。以 上の境界条件の下で方程式(3.75)-(3.78)を数値的に解くと擬漸近的平坦(またはAdS)な非可換black hole 解がparameterrhおよび1< wh<1に対して得られる。図3.11-3.13に数値計算によって求められた非 可換black hole解を示す。

図3.11-3.13を見ると= 0および= 1両方の場合に対し、非可換black hole解の漸近構造は粒子解と 同じような振る舞いを示すことがわかる。すなわち= 0の場合はgauge potentialw(r)は漸近的に楕円関 数で表されるz= 2 lnrに関する振動解となり、質量関数μ(r)w(r)の振動に伴って振動しながらlnrの orderで発散する解となる。また= 1の場合はgauge potentialw(r)は漸近的にある定数W0に収束する 解となり、質量関数μ(r)はlnrのorderで発散する解となる。またlapse関数δ(r)に関しては粒子解や4 次元時空における非可換解と同じような振る舞いを示す。

図3.12: 5次元非可換black hole解の解の外部構造その2。左図:= 0における非可換black hole解。実 線、点線および破線はそれぞれwh = 0.99,0.9,0.5における解の質量関数μ(r)の振る舞いを示す。右図:

= 1および= 10における非可換black hole解。実線、点線および破線はそれぞれwh= 0.99,0.9,0.5に おける解の質量関数μ(r)の振る舞いを示す。

ここで求められた非可換black hole解の熱力学的質量MTを導出する。初めに求められたblack holeに 対するHawking温度は

TBH = eδ(∞) 2πrh

1(1−w2h)2 rh2 + 2rh2

2

(3.134) と計算される[59]。ここでδ(∞) = limr→∞δ(r)δ(r)のevent horizonにおける境界条件(3.133)から生 じる項である。すなわちevent horizonにおける固有時間と無限遠における固有時間のずれを表す。また、

black holeのentropyは解析解と同様に(3.116)によって与えられる。最後に、非可換black hole解の持つ gauge場の電荷Qはgauge potentialw(r)の漸近形によって異なる値を持つと予想される。= 1の場合は w(r)は一定の値に収束するためw(r)の収束値W0が同じ解を用いることによりdQ= 0とすることが出来 る。これらの熱力学的量よりblack holeの熱力学的質量MTを熱力学の第1法則(3.117)を用いて計算す ることが出来、数値計算により= 1における熱力学的質量MTが求められる。導出された熱力学的質量 MT

MT = lim

r→∞

3π 8

μ−2(1−w2)2lnr

(3.135) によって与えられることを数値的に確かめることが出来る。すなわち熱力学的質量MTμの漸近形(3.130)

において(3π/8)M0に等しいことがわかる。= 0の場合はw(r)は漸近的に収束せずに振動解となるため

熱力学的質量を正確に計算することは出来ないが、 = 1の結果の類推からμの漸近形(C.63)において

(3π/8)M0に等しいと予想される。すなわち熱力学的な質量MTμ(r)が発散する擬孤立系においてもそ

の発散が少なくともlnrのorderのときはその定数部分であるということが予想される。

3.3. 5次元Einstein-Yang-Mills系 51

図3.13: 5次元非可換black hole解の解の外部構造その3。左図:= 0における非可換black hole解。実 線、点線および破線はそれぞれwh= 0.99,0.9,0.5における解のlapse関数δ(r)の振る舞いを示す。右図:

= 1および= 10における非可換black hole解。実線、点線および破線はそれぞれwh= 0.99,0.9,0.5に おける解のlapse関数δ(r)の振る舞いを示す。

ドキュメント内 D.dvi (ページ 47-51)

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