第 5 章 結論 81
B.2 球対称時空における SU (2) gauge 場
となる。またAαはyαˆによらないので、このgauge変換に対して不変となる。このgauge変換でAα, Wm
はyωによらないはずなので、(B.59), (B.62)は任意のyωに対して成り立っているはずである。特に、r= 1 となるyω=y0ωを選べば、(B.59), (B.62)は次のようになる。
Aα = ΦnξnαL |yω=y0ω (B.63)
Wn = −ΦmξnRωξmωL |yω=yω0 (B.64) ここで本節で行った対称性を持ったgauge場の一般形の導出方法をまとめておく。
• M上のKilling vector場とその交換関係を求める。
• 等長変換群Sの軌道X を考え、Mに適切な座標系(xα, yα)を取る。
• 等長変換群を等方群Rと商空間S/Rに分け、(B.19)を満たすようにSに適切な座標系(yα, yω)を 取る。
• Killing vector場に対応する右不変vector場と左不変vector場を(B.17), (B.32)より導出する。
• 左不変vector場に対応する共変左不変vector場を(B.36)より導出する。
• (B.52), (B.58)よりAα,Φnを導出する。
• (B.45)よりAαが、(B.63)よりAαが導出される。また、このときのWは(B.64)で与えられる。
B.2. 球対称時空におけるSU(2) gauge場 95 となり、これは座標変換
x = rsinθcosϕ (B.70)
y = rsinθcosϕ (B.71)
z = rcosθ (B.72)
をすればそれぞれx軸回転、y軸回転、z軸回転を表していることがわかる。Killing vector場の交換関係は、
[ξm, ξn]a = mnpξpa (B.73)
となる。
次に等長変換群SO(3)上に(B.19)を満たす局所座標系を張る。これはEuler角 s(χ, θ, ϕ) = r(χ)s0(θ, ϕ)
= Rz(χ)Rx(θ)Rz(ϕ) (B.74)
によって得られる。Rz(χ)は(x, y, z) = (0,0,1)における等方群となる。この座標系における右不変vector 場ξRnαˆは、
ξ1Rαˆ =
sinϕ
sinθ,cosϕ,−cotθsinϕ (B.75)
ξ2Rαˆ =
cosϕ
sinθ,−sinϕ,−cotθcosϕ (B.76)
ξ3Rαˆ = (0,0,1) (B.77)
となる。またこれに対応した共変左不変vector場ξnLαˆは、
ξL1 ˆα = (0,−cosχ,−sinχsinθ) (B.78) ξL2 ˆα = (0,−sinχ,cosχsinθ) (B.79)
ξL3 ˆα = (−1,0,−cosθ) (B.80)
となる。
(B.52), (B.58)に対応する方程式はそれぞれ、
εm3pΦip+εijkΦjmΦk3 = 0 (i= 1,2,3;m= 1,2,3) (B.81)
∂αΦi3−εijkAjαΦk3 = 0 (i= 1,2,3;α =t, r) (B.82) となる。この方程式の解は、
Ait = (0,0, At) (B.83)
Air = (0,0, Ar) (B.84)
Φi1 = (φ1, φ2,0) (B.85)
Φi2 = (φ2,−φ1,0) (B.86)
Φi3 = (0,0,1) (B.87)
となり、t, rに依存した4つの独立な関数At, Ar, φ1, φ2で表される。これを(B.45), (B.63)に代入すると、
Ait = (0,0, At) (B.88)
Air = (0,0, Ar) (B.89)
Aiθ = (−φ1,−φ2,0) (B.90)
Aiϕ = (φ2sinθ,−φ1sinθ,−cosθ) (B.91) となり、これが4次元球対称時空におけるgauge場の一般形となる。
B.2.2 5 次元球対称時空における SU (2) gauge 場
次に、5次元球対称時空におけるgauge群としてSU(2)を持った非可換gauge場Aaの一般形を前節に 従って導出する[28]。前節と同様にSU(2) gauge場Aaは(3.20)の交換関係を持つLie代数su(2)の基底
τiに対し(3.5)と与えられる。また5次元球対称時空の計量は(3.58)と与えられる。この時空における等
長変換群はSO(4)となり、この作用によって得られる軌道X はr= const.の3次元球面となる。座標系 xa= (t, r, ψ, θ, ϕ)は
xα = (t, r) (B.92)
yα = (ψ, θ, ϕ) (B.93)
と分けられる。座標系
x = rsinψsinθsinϕ (B.94)
y = rsinψsinθcosϕ (B.95)
z = rsinψcosθ (B.96)
u = rcosψ (B.97)
を取るとKilling vector場は、
J¯a¯b = x¯a ∂
∂x¯b −x¯b ∂
∂x¯a
(B.98) で与えられる。但し、¯a, ¯bは0から3まで動き、(x0, x1, x2, x3) = (x, y, z, u)である。J¯a¯bはx¯ax¯b平面を軸 にした回転に対応する。これを元の座標に戻すと、6つのKilling vector場
ξ1 = (0,0,−cosθ,cotψsinθ,0) (B.99)
ξ2 =
0,0,−sinθcosϕ,−cotψcosθcosϕ,cotψsinϕ
sinθ (B.100)
ξ3 =
0,0,−sinθsinϕ,−cotψcosθsinϕ,−cotψcosϕ
sinθ (B.101)
ξ4 = (0,0,0,−cosϕ,cotθsinϕ, (B.102)
ξ5 = (0,0,0,−sinϕ,−cotθcosϕ) (B.103)
ξ6 = (0,0,0,0,−1) (B.104)
B.2. 球対称時空におけるSU(2) gauge場 97 が導かれる。Killing vector場の交換関係を表す構造定数fmnpは、
f124 = 1 (B.105)
f135 = 1 (B.106)
f236 = 1 (B.107)
f456 = 1 (B.108)
となりfmnpは全ての添え字に関して反対称となる。
次に等長変換群SO(4)上に(B.19)を満たす局所座標系を張る。これは4次元Euler角 s(α, β, χ, ψ, θ, ϕ) = r(α, β, χ)s0(ψ, θ, ϕ)
= Rxy(α)Ryz(β)Rxy(χ)Rzu(ψ)Ryz(θ)Rxy(ϕ), (B.109) によって得られる。Rxy(α)Ryz(β)Rxy(χ)は(x, y, z, u) = (0,0,0,1)における等方群である。この座標系に おける右不変vector場ξRnαˆは、
ξ1Rαˆ =
−sinχsinθ
sinβsinψ,−cosχsinθ
sinψ ,cotβsinχsinθ
sinψ ,−cosθ,cotψsinθ,0 (B.110) ξ2Rαˆ =
cosχsinϕ+ sinχcosθcosϕ
sinβsinψ ,−sinχsinϕ−cosχcosθcosϕ
sinψ ,
−cotβsinχcosθcosϕ+ (cosψcotθ+ cotβcosχ) sinϕ
sinψ ,
−sinθcosϕ,−cotψcosθcosϕ,cotψsinϕ
sinθ (B.111)
ξ3Rαˆ =
−cosχcosϕ−sinχcosθsinϕ
sinβsinψ ,sinχcosϕ+ cosχcosθsinϕ
sinψ ,
−cotβsinχcosθsinϕ−(cosψcotθ+ cotβcosχ) cosϕ
sinψ ,
−sinθsinϕ,−cotψcosθsinϕ,−cotψcosϕ
sinθ (B.112)
ξ4Rαˆ =
0,0,−sinϕ
sinθ,0,−cosϕ,cotθsinϕ (B.113)
ξ5Rαˆ =
0,0,cosϕ
sinθ,0,−sinϕ,−cotθcosϕ (B.114)
ξ6Rαˆ = (0,0,0,0,0,−1) (B.115)
となる。またこれに対応した共変左不変vector場ξnLαˆは、
ξ1 ˆLα = (0,0,0,cosβ,sinβcosχsinψ,sinβsinχsinψsinθ) (B.116) ξ2 ˆLα = (0,0,0,−cosαsinβ,−sinαsinχsinψ+ cosαcosβcosχsinψ,
sinαcosχsinψsinθ+ cosαcosβsinχsinψsinθ) (B.117) ξ3 ˆLα = (0,0,0,sinαsinβ,−cosαsinχsinψ−sinαcosβcosχsinψ,
cosαcosχsinψsinθ−sinαcosβsinχsinψsinθ) (B.118) ξ4 ˆLα = (0,cosα,sinαsinβ,0,cosαcosχcosψ−sinαcosβsinχcosψ,
sinαsinβcosθ+ cosαsinχcosψsinθ+ sinαcosβcosχcosψsinθ) (B.119) ξ5 ˆLα = (0,−sinα,cosαsinβ,0,−sinαcosχcosψ−cosαcosβsinχcosψ,
cosαsinβcosθ−sinαsinχcosψsinθ+ cosαcosβcosχcosψsinθ) (B.120) ξ6 ˆLα = (1,0,cosβ,0,sinβsinχcosψ,cosβcosθ−sinβcosχcosψsinθ) (B.121) となる。
(B.52), (B.58)に対応する方程式はそれぞれ、
fmnpΦip+εijkΦjmΦkn = 0 (i= 1,2,3;m= 1,· · ·,6;n= 4,5,6) (B.122)
∂αΦin−εijkAjαΦkn = 0 (i= 1,2,3;α =t, r;n= 4,5,6) (B.123) となる。この方程式は2組の解を持つ。最初の組は、
Ait = (0,0, At) (B.124)
Air = (0,0, Ar) (B.125)
Φam = 0 (B.126)
となり、t, rに依存した2つの独立な関数At, Arで表される。これを(B.45), (B.63)に代入することで
Ait = (0,0, At) (B.127)
Air = (0,0, Ar) (B.128)
Aiψ = 0 (B.129)
Aiθ = 0 (B.130)
Aiϕ = 0 (B.131)
B.2. 球対称時空におけるSU(2) gauge場 99 が得られる。もう1組の解は、
Ait = (0,0,X˙) (B.132)
Air = (0,0, X) (B.133)
Φi1 = (0,0, φ) (B.134)
Φi2 = ±(φcosX, φsinX,0) (B.135)
Φi3 = (φsinX,−φcosX,0) (B.136)
Φi4 = ±(sinX,−cosX,0) (B.137)
Φi5 = −(cosX,sinX,0) (B.138)
Φi6 = (0,0,±1) (B.139)
となり、t, rに依存した2つの独立な関数X, φで表される。ここで、および˙はそれぞれr微分およびt微 分を示す。これを(B.45), (B.63)に代入することで
Ait = (0,0,X˙) (B.140)
Air = (0,0, X) (B.141)
Aiψ = (0,0, φ) (B.142)
Aiθ = (sinXcosψ+φcosXsinψ,−cosXcosψ+φsinXsinψ,0) (B.143) Aiϕ = (−cosXcosψsinθ+φsinXsinψsinθ,−sinXcosψsinθ−φcosXsinψsinθ,cosθ)
(B.144) が得られる。
101
付 録 C 5 次元非可換解の自明性と漸近構造
この章では初めに第C.1節において静的球対称な5次元Einstein-Yang-Mills方程式(3.80)-(3.82)において 漸近的平坦またはAdSな= 0および= 1の粒子解は存在しないということを示す。その後第C.2節に おいて擬漸近的平坦またはAdS時空となる粒子解の無限遠の近くでの漸近構造を解析する。
C.1 5 次元 Einstein-Yang-Mills 方程式の自明性
この節では静的球対称な5次元Einstein-Yang-Mills方程式(3.80)-(3.82)において漸近的平坦またはAdS となる粒子解、すなわちr→ ∞で有限な質量関数μを持つ解は自明解以外存在しないということを示す。
初めに動径座標を表す変数rに対して新しい変数zを次のように定義する。
z = 2 lnr (C.1)
zを用いて方程式(3.80)-(3.82)を書き直すと、
dμ
dz = 4f dw
dz
2
+
1−w22
(C.2)
fd2w dz2 +
e−zμ+
2ez−e−z(1−w2)2 dw
dz +1
2w(1−w2) = 0 (C.3)
と書き表すことが出来る。ここで、fは
f = 1−e−zμ+
2ez (C.4)
と表される。また、方程式(3.80)を方程式(3.80), (3.82)に代入することでδは方程式から消去できるため、
ここでは省略する。
以下でこの方程式の漸近構造を調べるが、その前に重力場と結合しない5次元Minkowski時空上での Yang-Mills方程式について考える。この場合Yang-Mills方程式は式(C.3)でμ== 0とした式
d2w
dz2 −e−z(1−w2)2dw dz +1
2w(1−w2) = 0 (C.5)
として与えられる。これを積分すると 1 2
dw dz
2
−1 8
1−w22
= E0 (C.6)
となる。ここでE0は積分定数である。z→ −∞(すなわちr→0)とz→ ∞(すなわちr→ ∞)でw→ ±1 となる境界条件の下でこの方程式を解くと、
w = ±tanhz
2 (C.7)
図C.1: 式(C.9)で表される5次元Yang-Mills方程式のpotentialU(w)。
が解として得られる。このとき
E0 = 0 (C.8)
となる。この解は4次元Euclid空間におけるYang-Mills instanton解[61]に一致する。式(C.6)はpotential U(w) = −1
8
1−w22
(C.9) を持つenergy保存則を表している。すなわち、Yang-Mills instanton解は式(C.6)のenergyが0の解であ り、図C.1で表されるpotentialの中をzが−∞から∞に行く間にwが±1から∓1に遷移する解となっ ている。
次に重力場と結合したEinstein-Yang-Mills方程式(C.2), (C.3)を考える。初めに次のようにenergy関数 E(z)を
E = 1
2f dw
dz
2−1 8
1−w22
(C.10) と定義する。このとき方程式(C.2), (C.3)は
dE
dz = −4e−z dw
dz
2 E+μ
8 + 82e2z
(C.11) dμ
dz = 8E+ 2
1−w22
(C.12) と書き換えられる。粒子解を考えるため、中心z→ −∞において正則であることを仮定し、μおよびwを 次のようにz=−∞のまわりで展開する。
μ = μ1ez+μ2e2z+μ3e3z+· · · (C.13) w = 1 +w1ez+w2e2z+w3e3z+· · · (C.14)
C.1. 5次元Einstein-Yang-Mills方程式の自明性 103 方程式(C.2), (C.3)より、これらの展開係数の低次のorderは
μ1 = 0 (C.15)
μ2 = 4w12 (C.16)
μ3 = −4
2w21+16
3 w31(1 +w1) (C.17)
w2 = −2
32w1+w21
6 (3 + 8w1) (C.18)
w3 = 2
24w1−
82w12(5 + 24w1) +w31
4 (1 + 8w1)(1 + 2w1) (C.19) となり、parameterw1を用いて表される。式(C.10), (C.13)よりμ,Eはz→ −∞で
E = −1 6w21e3z
2 + 4w21
(C.20)
μ = 4w21e2z (C.21)
と振舞う。すなわち、= 0および= 1の両方の場合において、z→ −∞で
E → −0 (C.22)
μ → +0 (C.23)
と収束することがわかる。ここで、式(C.12)の右辺は 8E+ 2
1−w22
= 4f dw
dz
2
+
1−w22
(C.24) と変形することが出来、また仮定によりf >0となるためこの式は常に正となる。よって、この結果と式 (C.23)より質量関数μは全てのzで正すなわち
μ > 0 (C.25)
次に無限遠すなわちz→ ∞における振る舞いを考える。解の全energyが有限を仮定すると、μおよび wは次のようにz=∞のまわりで展開できる。
μ = M0+M1e−z+M2e−2z+M3e−3z+· · · (C.26) w = −1 +W1e−z+W2e−2z+W3e−3z+· · · (C.27) 方程式(C.2), (C.3)より、これらの展開係数の低次のorderは= 0のとき、
M1 = 0 (C.28)
M2 = −4W12 (C.29)
M3 = 4
3W12(4W1−3M0) (C.30)
W2 = 2
3M0W1−1
2W12 (C.31)
W3 = W1 8
4M02−5M0W1+ 2W12
(C.32)
また= 1のとき、
M1 = −4W12
2 (C.33)
M2 = −8
2W1W2 (C.34)
M3 = −2
3W12(4M0−3W1) (C.35)
W2 = 0 (C.36)
W3 = 2
12W1(4M0−3W1) (C.37)
となる。ここで自由なparameterはM0およびW1である。このときEは式(C.10)より= 0のとき、
E = 1
6e−3zW12 (C.38)
また= 1のとき、
E = 1
22e−zW12 (C.39)
と振舞う。すなわち= 0と= 1の両方の場合において、z→ −∞で
E → +0 (C.40)
と収束することがわかる。式(C.22), (C.40)より、解が正則ならば
E(z0) = 0 (C.41)
dE dz
z=z0
≥ 0 (C.42)
となるある有限の点z0が存在する。一方、式(C.11), (C.25)および(C.41)よりこの点で dE
dz
z=z0
≤ 0 (C.43)
となることがわかる。すなわち、
dE dz
z=z0
= 0 (C.44)
が導かれる。再び式(C.11)より
dw dz
z=z0
= 0 (C.45)
となり、またこの結果と(C.10)および(C.41)より
w(z0) = ±1 (C.46)
となる。z0において境界条件(C.45), (C.46)を持つEinstein-Yang-Mills方程式(C.2), (C.3)の解は自明な 解となるため、この結果はすなわちz=∞で有限な質量関数μを持つ解は自明解のみであることを示して いる。
C.2. 5次元粒子解の漸近構造 105
C.2 5 次元粒子解の漸近構造
この章では第3.3.3節および第3.3.4節において数値的に導出された5次元粒子解の無限遠の近くでの解 の漸近構造について解析する。
C.2.1 = 0 の場合
初めに= 0の場合を考える。前節と同様に(C.1)によってrを変換すると方程式(3.80)-(3.82)は(C.2),
(C.3)と書き直される。ここで、数値的な結果を考慮して
μ ∼ MLz (C.47)
のorderで漸近的に発散する場合を考える。このときYang-Mills方程式(C.3)はz→ ∞で漸近的に d2w
dz2 +1
2w(1−w2) = 0 (C.48)
となる。これを積分すると
1 2
dw dz
2
−1 8
1−w22
= E0 (C.49)
となる。ここでE0 は積分定数である。すなわち前節におけるMinkowski時空上でのYang-Mills方程式 (C.6)と同じ形になり、E0は漸近的なenergyを表す。すなわちwは漸近的に図C.1で表されるpotential の中を動くenergyE0を持つ粒子の解として記述されることになる。E0はwがz→ ∞で発散しないため にはE0≤0でなければならないことがわかる。また前節の議論によりE0= 0となる解は存在しないこと が示されているため、結局粒子解の漸近解は
E0 < 0 (C.50)
における解として表されることになる。
式(C.49)を書き換えると
dw
dz = ±1 2
8E0+ (1−w2)2
= ±1 2
w2−−w22
w2+−w22
(C.51) となり、この微分方程式の解はJacobiの楕円関数を用いて
w = ±w−sn w+
2 z, k
(C.52) と表される1。ここで、
w± =
1±2
−2E0 (C.53)
1sn(u, k)はJacobiの楕円関数でu=
z 0
dx
(1−x2)(1−k2x2)の逆関数として定義される。
および
k = w−
w+ (C.54)
と定義した。定義より0≤k≤1である。この解は図C.1で表されるpotentialの中を振動する解を表して いる。EnergyE0と振幅w−をkで表すと
E0 = −1 8
1−k2 1 +k2
2
(C.55) w− =
√2k
√1 +k2 (C.56)
となる。また振動の周期Δzは楕円関数の性質より
Δz = 8
w+K(k) (C.57)
となる2。
次にこのときの質量関数μの振る舞いを考える。式(C.13)を積分しE=E0を代入すると、
μ =
dz
8E0+ 2(1−w2)2
= M0+μ0z+ 4w+w−2
w+z/2
dx
(1−k2)cn2(x, k) +k2cn4(x, k)
(C.58) となる3。ここで第2項の積分定数だけを抜き出してM0とおいた。また、
μ0 = 8E0+ 2(1−w2−)2 (C.59)
と定義した。式(C.53)より
μ0 = −8E0 (C.60)
となる。(C.58)の第3項は楕円積分を用いると
dxcn2(x, k) = 1 k2
−(1−k2)x+E(sin−1(sn(x, k)), k)[1−k2sn2(x, k)]
dn2(x, k)
(C.61)
dxcn4(x, k) = 1 3k2
(1−k2)x+ cn(x, k)dn(x, k)sn(x, k)
+
2(2k2−1) 3k4
−(1−k2)x+E(sin−1(sn(x, k)), k)[1−k2sn2(x, k)]
dn2(x, k) (C.62)
と書き表される4。これらの項は振動しながらzの1次のorderで発散していく項になっている。ここでこ
の漸近解(C.58)を見やすくするために第3項を振動項とzの1次のorderで発散する項に分割すると、
μ = M0+MLz+ 8√ 2k2 (1 +k2)3/2μD
w+ 2 z, k
(C.63)
2K(k)は第1種完全楕円積分でK(k) =
π/2 0
dθ
1−k2sin2θと定義される。
3cn(u, k)はcn(u, k) =
1−sn2(u, k)と定義される。
4dn(u, k)はdn(u, k) =
1−k2sn2(u, k)と定義される。また、E(ϕ, k)は第2種楕円積分でE(ϕ, k) =
ϕ 0 dθ
1−k2sin2θ と定義される。
C.2. 5次元粒子解の漸近構造 107 となる。第1項が定数項、第2項がzの1次のorderで発散する項、第3項が振動項となる。MLおよび μD(x, k)は
ML = 1
(1 +k2)2
(1−k2)2+ 8k2{(1−k2)C2+k2C4}
(C.64) μD(x, k) = (1−k2)
dx
cn2(x, k)−C2 +k2
dx
cn4(x, k)−C4
(C.65) と与えられる。ここで、定数C2およびC4は
C2 = 1
K(k) K(k)
0
dxcn2(x, k) (C.66)
C4 = 1
K(k) K(k)
0
dxcn4(x, k) (C.67)
と定義される。μD(x, k)は振動関数でその周期はwの漸近解の周期(C.57)の半分となっている。
C.2.2 = 1 の場合
次に= 1の場合を考える。前節と同様に(C.1)によってrを変換すると方程式(3.80)-(3.82)は(C.2), (C.3)と書き直される。= 0の場合と異なりfがezのorderで発散するため、Yang-Mills方程式(C.3)は z→ ∞で漸近的に
d2w dz2 +dw
dz = 0 (C.68)
という形をとる。この微分方程式の解は
w = W0+W1e−z (C.69)
となり、z → ∞でwは定数W0に収束することが示される。ここで、W0およびW1は積分定数である。
またこのとき質量関数に対する微分方程式はz→ ∞で漸近的に dμ
dz = (1−W02)2+ 4W1 W1
2 −W0(1−W02)
e−z (C.70)
と表され、積分定数M0を用いて
μ = MLz+M0+M1e−z (C.71)
と解くことが出来る。ここで、定数MLおよびM1はW0,W1およびを用いて
ML = (1−W02)2 (C.72)
M1 = −4W1 1
2W1−W0(1−W02)
(C.73) と表される。すなわち= 1の場合は漸近解は振動解とはならずにwは一定の値に収束し、μはMLzの
orderで発散する解となることがわかる。
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