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LIGHT EMITTING DIODE

3.6 基板

これら上述した 3 種類の基板について代表的な特性・特徴を表 3.6.1-1 にまとめた。放熱特性的 にはセラミック基板(アルミナ基板)が優れており、量産性(コスト含む)は樹脂系基板が向いてい

る。金属ベース系基板は、放熱性に関しては、樹脂系基板よりも良好で、アルミナ基板とほぼ同 等であり、各物性においても良好な特性を有している基板である。単位面積当たりの発熱量が大 きい LED を搭載するランプモジュールには、金属ベース系基板が最適と考えられる。

セラミック基板

厚膜回路基板(アルミナ,AlN等)

薄膜回路基板(アルミナ,AlN等)

多層配線基板(アルミナ,AlN等)

セラミック系基板

厚膜回路基板(アルミナ,AlN等)

薄膜回路基板(アルミナ,AlN等)

多層配線基板(アルミナ,AlN等)

有機絶縁基板

リジット

フレキシブル基板 フィルム材料(ポリイミド,ポリエステル) 耐熱性熱可塑樹脂(テフロン,ポリサルフォン) コンポジット(異種基材の組合せ)

ガラス布基材(エポキシ,ポリイミド) 紙基材(フェノール,エポキシ)

樹脂系基板

リジット基板

フレキシブル基板 フィルム材料(ポリイミド,ポリエステル) 耐熱性熱可塑樹脂(テフロン,ポリサルフォン) コンポジット(異種基材の組合せ)

ガラス布基材(エポキシ,ポリイミド) 紙基材(フェノール,エポキシ)

金属ベース基板

樹脂貼り合せ多層基板 金属コア基板(Al,Cuベース)

金属ベース基板(Al,Fe,Cuベース) 金属ベース系基板

樹脂貼り合せ多層基板 金属コア基板(Al,Cuベース)

金属ベース基板(Al,Fe,Cuベース)

図 3.6.1-1 基板別分類図

表 3.6.1-1 各種基板における基板物性比較表

比較物性 有機系樹脂基板

熱抵抗

耐電圧性

耐熱性

誘電特性

機械強度 ×

加工性 ×

量産性

セラミック系基板 金属ベース系基板

×

3.6.2 各種金属ベース系基板の概要及び構造について (1) 金属コア基板の概要及び構造

金属コア基板は、大別して 2 種のタイプがある。その第 1 のタイプは、図 3.6.2-1 に示すように 金属コアの両面に形成された電気回路をスルーホール等によって電気的に接続した構造である。

一例を説明すると、あらかじめ所定の穴をパンチングまたはドリリングによってあけた鉄板また はアルミ板に 100~200μm の樹脂による絶縁層を設け、セミアディテブ法またはフルアディテブ 法でスルーホール配線を行うものである。第 2 のタイプは図 3.6.2-1 に示す樹脂基板を金属コア の両面に張り合わせた構造である。

構造的には違いはあるが、金属コアの両面の回路側に搭載された部品から発生した熱を金属コ アから放熱させる構造であり、有機系樹脂基板の放熱性の欠点を補う構造になっている。

(2) 金属ベース基板の概要及び構造

金属ベース基板は従来の有機系樹脂基板やセラミック基板の特性に加え、磁気シールド性及び 耐熱衝撃性など金属の特性が生かされた基板と言える。図 3.6.2-2 に示すように、金属ベースの 片面に銅箔をエポキシ系樹脂剤で張り合わせた構造の基板である。すなわち、そのベース金属の 材質、絶縁層の材質の組み合わせを変えることにより、そのベース金属のもつ特性を基板に発揮 することができる。

その中でも、アルミベース基板はアルミの持つ高熱伝導性、軽量性等を生かした高密度実装用 基板であり、銅箔、絶縁層及びアルミ板から構成されている。絶縁層にはエポキシ、フィラー入 りエポキシ、ポリイミドなどやガラス・エポキシプリプレグ樹脂が用いられている。高熱伝導性が 要求される照明用 LED ランプモジュール基板には無機フィラー入りエポキシ樹脂で構成された基 板が多く使われている。

銅導体パターン

樹脂層

メタルコアー材

銅導体パターン

樹脂層

メタルコアー材

メタルコアー材

樹脂基板 銅導体パターン

樹脂接着層 メタルコアー材

樹脂基板 銅導体パターン

樹脂接着層

スルーホール有り構造

スルーホール無し構造

図 3.6.2.-1 金属コア基板の構造(断面図)

図 3.6.2-3 に金属ベース基板における各種グレード別分布図を示す。一般的に金属ベース基板 の熱伝導率は、2W・m-1・K-1程度が標準とされている。更に高熱伝導性を有するグレードとして、4 及び 8W・m-1・K-1があり、開発品として 14W・m-1・K-1クラスも発表されている。このように、絶縁層 の熱伝導性もセラミック基板レベルになっており、ハイパワー(3W 以上)LED を使用した LED モジ

ュール基板としても対応可能である。

0 2 4 6 8 10 12

0

超高熱伝導性グレード

TH-1グレード K-1グレード

EL-1グレード

高信頼性グレード

ヒートサイクル回数

用途:車載用など 用途:産業用、LED用など

用途:民生、産業用など 用途:民生、産業用など

用途:車載用(開発中)

小 大 熱伝導率(Wm-1K-1

図 3.6.2-3 金属ベース基板における各種熱伝導率グレード別分布図

3.6.3 信頼性確保のための留意点

(1) 金属コア基板/1 次要因(熱)による信頼性低下

従来の樹脂基板は熱伝導性の悪いエポキシ樹脂で構成されているため、照明用 LED(大光量)用 途では放熱性不足で LED 温度が高くなり、寿命が大きく低下する。金属コア基板では、内部の金 属コア(メタルコア)により、搭載された各種部品からの発熱を分散させることができる。そのた め、照明用 LED を搭載した場合でも、熱放散性が良好で、LED の局部的な温度上昇を低減でき寿 命等低下を大幅に低減できる。また、金属コアの効果として、基板自体の温度の均一化も向上で き、二次要因である熱応力による信頼性低下も低減できる。但し、金属コア基板の放熱性は金属 (資料:電気化学工業株式会社) 金属ベース

(アルミニウム、鉄、珪素鋼板、ステンレス)

絶縁層 導体(銅箔、複合箔、導体ペースト)

図 3.6.2-2 金属ベース(メタルベース)基板の構造(断面図)

(2) 金属ベース基板/1 次要因(熱)による信頼性低下

照明用 LED 搭載基板として金属ベース基板を適用した場合には、金属コア基板と同様に、金属 べース材が放熱板として働き、各 LED からの発熱を大幅に分散・放熱することが可能となり、LED 自体の温度上昇を抑えることができる。その結果として、LED の寿命低下を低減でき LED の信頼 性を大幅に向上できる。

例えば、照明用 LED のように放熱面積が小さく発熱量の多い素子を基板上に搭載した場合、基 板の放熱性(熱伝導性)の違いにより、LED チップ自体の温度は大きく影響される。一例として、

図 3.6.3-2 に、2W・m-1・K-1と 8W・m-1・K-1の熱伝導性を有するアルミベース基板におけるシミュレー ション比較結果を示す。これらの結果からわかるように、金属ベース基板を使用する場合でも、

熱伝導性の高い基板を使用することにより、LED チップの温度を大きく低減でき、LED の長寿命化 がさらに可能となる。

自然対流放熱 LEDチップ

アルミベース

放熱ブロック 放熱シート 絶縁層

アルミベース 透明樹脂

プラスチック

ケース 放熱ブロック

自然対流放熱 自然対流放熱

LEDチップ

アルミベース

放熱ブロック 放熱シート 絶縁層

アルミベース 透明樹脂

プラスチック

ケース 放熱ブロック

自然対流放熱 自然対流放熱

LEDチップ

アルミベース

放熱ブロック 放熱シート 絶縁層

アルミベース 透明樹脂

プラスチック

ケース 放熱ブロック

自然対流放熱

図 3.6.3-1 基板放熱シミュレーションモデル

絶縁層熱伝導率 2Wm-1K-1 絶縁層熱伝導率 8Wm-1K-1 図 3.6.3-2 放熱シミュレーション結果

(3) 金属ベース基板/2 次要因(ヒートサイクル)による信頼性低下

金属ベース系基板のベース材料には前述したように主にアルミが多く用いられる。その基板上 にはセラミックチップ抵抗等の部品が搭載され、LED ランプモジュールでも、セラミック LED パ ッケージを搭載されることが想定される(図 3.6.3-3 参照)。しかし、アルミとセラミックの線膨 張係数及びヤング率には数値的に大きな違いがある。温度変化の激しい環境においては、この線 膨張係数の差異よる熱応力が、はんだ付け部に集中し(構造的にはんだ部に熱応力が集中する)、

はんだクラックが発生し、この結果、電気的接続信頼性が低下する。

また、はんだ部だけなく、パッケージにもダメージが発生し、亀裂等が発生するケースがある。

対応策として、上述の熱応力を金属ベース基板の絶縁層で吸収緩和するために、絶縁層を低応力 化(ゴム化)する金属ベース基板も開発・販売されている。

このように、金属ベース基板は放熱性に優れているが、基板上に搭載される部品(チップ抵抗等) とのマッチング等を設計段階で考慮する必要がある。

AlN

金属ベース基板 はんだ

パッケージ LED

蛍光体

アルミベース

絶縁層

導体パターン(配線パターン)

図 3.6.3-3 AlN パッケージを用いた LED モジュール概略図

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