第3章 現市場大 黄の品質評価 に関す る研究 緒 言
第1節 各種 大黄の潟下作用
緒 言
大 黄 の種 類 は多 くその代 表 的 な もの に錦 紋 系 菰 坦 伽 伽var.た ㎎ η施{π が あ り中国,ヨ ー ロ ヅパで 主 に用 い られ,本 邦 で は雅 黄 系 丑o租 厩na1θ が 主 に用 い られ て きた.し か し,そ の 品質,起 源植 物,産 地 に つ いて は 古 来,本 草 学 的 に も 定説 が な く現代 に お いて も結 論 を得 るに至 って い な い.切 面 に錦 紋 のあ る大 黄 が 良 品 ζいわ れ て い るが ・そ れ は根 茎 に存 在 し・根 に は存 在 しな い とい う点 のみ で, その科学的な根 拠はまった くない.し たが って,大 黄の 品質 については有効成分 の含量 と薬理学的試験の結果 に基づいて判定する必要があ る.
そ こで,本 節 では現市場 において入手可能な各種 大黄 を17種得,そ の主薬効で あ る潟下作用を指標 に品質評価を行 った.
実験材料および方法
1.実 験 材料 と被 検 エ キス の調 製
表38に 示 した 中 国 ・成 都,香 港,大 阪 市場 品 の17種 の 大 黄 を実 験材 料 に用 い た.
実 験 に 際 して は細 切 に した各 種大 黄 を1(賠 量 の熱 水(90±5℃)に 投 入 し,15分 間撹 拝 抽 出 した.ろ 過 した後,得 られ た抽 出液 は凍 結乾 燥 し,被 検 体 に供 した.
2.実 験動 物
実 験 動物 にはKwl:ddY系 雄 性マ ウス(18〜209)を 用 い た.飼 育環 境 は恒 温[亘 湿,12時 間 明/12時 間 暗 の サイ クル の飼 育室で,市 販 の 固形 飼 料(CE‑2,日 本 ク
レア)を 用 い,自 由に水 を摂 取 させ,購 入後1週 間予備飼 育 した.
表.38各 種 大 黄 のSennosideA含 量
サンプル番号 品 名 入 手場所 エ キ ス 収 量SennosideA
(%)含 量(皿9/ext.9)
1234567891011121314151617
㌦{{{一{嚇}}叱﹄〜﹃}輔〜﹁SSSSSSSSSSSSSSSSS
炮 製馬 蹄 大黄 青 海錦 紋大 黄 貴 州産 大黄 等 外雅 黄 四川 大 黄 青 海 大 黄 陰干 馬 蹄大黄 四川 大黄 四川 大黄 馬 蹄 大黄 雅 黄
小 塊錦 紋大 黄 2等 雅 黄 錦 紋大 黄 甘 粛 錦紋 大黄 甘 粛 錦 紋大黄
1等 大 黄
中国(成都) 香 港 大 阪 香 港 大 阪 大 阪 中 国(成都) 大 阪 大 阪 中国(成都) 大 阪 香 港 香 港 大 阪 香港 香港 香港
33.8 35.2 32.2 25,9 29.8 29.0 35.4 30、8 29.2 32。1 32。2 33。1 25.4 35。1 25。9 30。2 24.1
18.8 4.1 16.6 15.0 16.3 15.0 3.7 8.2 18.4
8.1 7。8 6。7 5。7 0。5 1。1 0。4 2。4
3、 潟 下試験
潟下試験 はTs㎜iら230)の 方法 に従 い,Kw1:ddY系 雄 性 マ ウス を用 い て行 っ た 。すな わ ち,体 重18〜2⑪9の マ ウス を1群10匹 用 い,ろ 紙 を敷 い た隔 絶 箱 に1 匹 ずつ入 れ,2時 間観 察後 下痢 排 出マ ウス を除 外 し,正 常 マ ウス に被 検 体(水 に 懸 濁)を 経 口投 与 し,2時 間 ご とに潟 下効 果 を判 定 す る と とも に ろ紙 を 交 換 し,
6時 間後 まで3回 潟 下 効 果 を測 定 した 。ま た,各 種 投 薬 量 に お け る0〜6時 間後 まで の 成 績 に よ り50%潟 下有 効 量(ED50;㎎/kg)をHtchfield&Wilcoxon法
23ユ)によって算 出 した。
4。 統 計 学的 処 理
実 験 結 果 は 平 均 値 ±標 準 誤 差 で 表 記 し,有 意 性 はWilli㎝s's}姐tiple磁 ㎎e testを 適 用 した.
実験結果および考察
17種の大黄エ キスの潟下作用は表39に示 した.今 回,被 検体 に供 した大黄の 中 で は中国 ・成都市場品の炮製馬蹄大黄 に最も高 い潟下活性 を認 めた。 しか し,雅 黄,馬 蹄大黄,錦 紋大黄 な ど市場 品名 と潟下活性 にはなん ら相 関性 が認 め られな
か った.よ って,大 黄 に潟下活性 を期待 して用いるときには高価な錦紋大黄でな くとも,安 価な雅 黄,馬 蹄大黄で充分 に事足 りる といえ る.換 言すると,明 治初 期 か らわ が国が輸 入 して いた雅黄,馬 蹄大黄は単 に安価故 に輸入 していたのでは
な く,当 時の漢方 医は大黄 に潟下作 用を期待 し,そ れ らの大 黄で充分に事足 り, それが当時のわが国の経済事情 と都合 よ く合致 していたともいえ る.
表.39各 種 大 黄 の 潟 下 作 用
サンブ幡 号 品 名 潟 下作用 サンブ幡 号 品 名 潟 下作 用
ED50(mg/kg) ED5。(mg/kg)
S‑1 炮製 馬蹄 大黄 68 S‑10 馬蹄大黄 173
S‑2 青 海 錦紋大 黄 119 S‑11 雅黄 176
S‑3 貴 州 産大黄 133 S‑12 小塊錦紋大黄 197
S‑4 等 外雅 黄 139 S‑13 2等 雅黄 239
S‑5 四川大 黄 141 S‑14 錦紋大黄 246
S‑6 青海大黄 148 S‑15 甘粛錦紋大黄 264
S‑7 陰 干馬 蹄大 黄 148 S‑16 甘粛錦紋大黄 360
S‑8 四 川大 黄 150 S‑17 1等 大 黄 486
S‑9 四 川大 黄 169