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第 4 章 Flip chip パッケージの反りを考慮したチップ表面の残留応力評価 48

4.4 Flip chip パッケージの反り・応力解析

4.4.3 解析結果および考察

Flip chipパッケージの反りとピエゾ抵抗ゲージ(Gauge X1,X2)の応力値の測定結 果を,前述の解析方法を用いて求めたシミュレーション結果と比較した.測定サンプル

(Flip chipパッケージ)の反り形状を室温から240℃の温度範囲で図4.12に示す.反 りの測定値は,1回目の昇温過程では硬化反応が進むため,それ以後の降温・昇温の繰 り返し過程とは反りの温度履歴が異なることが知られている.そこで,本研究では2回 目の昇温と降温の値を採用した.Flip chip パッケージの反り値は,模擬チップや基板 の初期反りと同じ定義で求めた.すなわち,図4.12 に示す反りの計測結果を最小二乗 法を用いて二次式で近似し,最大値と最小値の差を,その反り値と定義した.次にシミ ュレーション結果の反り値と測定値との比較を図 4.13(a)に示す.模擬チップと基板の

初期の反りを考慮することにより,反りは,シミュレーション結果と実験値とでほぼ一 致した.一方,ピエゾ抵抗ゲージ(Gauge X1,X2)部の応力値のシミュレーション結 果との比較結果を図4.13(b)に示す.

まず,図 4.13(a)の反りについては,すべての材料を弾性と仮定しても初期反りを考 慮することで実測値とほぼ一致し,基板とダイボンディング剤の粘弾性を考慮した解析 値もほぼ同じであった.なお,弾性解析のヤング率の値としては,測定機器メーカ推奨 条件で行った前出の図4.3(b)に示す DMAの測定値を使用した.125℃での実験値とシ ミュレーション値との差が大きいが,図4.12の測定データを参照すると100℃と125℃ の反り量の測定値は非常に小さく,基板の表面の凹凸が顕著に測定されている状態であ り,実質的には 100℃と 125℃の反り量の差異は非常に小さいと見なすことができる.

図4.13(a)には,反りの測定値をプロットしているが,125℃の場合には基板周辺部の測 定値のばらつきにより見かけ上大きな反りが生じたもの考えられる.そのような意味で,

125℃の反り量の測定値は参考値と見なすべきであろう.しかし,それらを考慮しても 150℃を超えた温度領域での単位温度当たりの反り量は,150℃以下よりも小さくなっ ており,温度依存の反りの非線形性が認められる.その原因としては,ダイボンディン グ剤の粘弾性挙動が関係していると推測される.図4.3(b)に示すダイボンディング剤の 弾性率は100℃を超えた付近より,非常に小さい弾性率になっている.このため,模擬 チップ界面や基板界面において,粘弾性解析では再現できない微小な粘性滑り現象が発 生し,100℃を超える温度域では反りの変化量が小さくなったと推定した.よって,こ の現象を再現できるモデルの開発が,今後の研究課題として残るが,現行のモデルでも,

概ね反りは全温度域で実験値と一致した.一方,図 4.13(b)の模擬チップ上の応力の測 定値については,弾性解析では実測値と大きく離れ,初期反りを考慮しても,まだ差が 存在した.しかし,基板とダイボンディング剤の粘弾性を考慮することで,実測値とほ ぼ一致した.通常,チップが図 4.13(a)に示す上に凸方向の反りでは,チップ表面には 引っ張り方向の応力しか発生しない.しかし,基板の初期反りが凹方向のため,チップ は上に凸方向の反りから凹方向の反りへの影響を受ける.そのため,チップに圧縮方向 の応力が発生した.さらにダイボンディング剤の粘弾性を考慮することにより,緩和弾 性率の影響で,ダイボンディング剤のひずみが増し,基板の初期の反りの影響をより受 けることになり,実験値と合う結果となったと推定した.これらのことにより,基板と 模擬チップの初期反りの考慮と,基板とダイボンディング剤の粘弾性を考慮することで,

反りと模擬チップ上の残留応力の両方をシミュレーションにより,ほぼ正確に予測する ことができた.

0 10 20 30 40 50

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13

Warpage[m]

[mm]

0 10 20 30 40 50

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13

Warpage[m]

[mm]

0 10 20 30 40 50

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13

Warpge[m]

[mm]

0 10 20 30 40 50

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13

Warpage[m]

[mm]

Cross line A Cross line B 0 10 20 30 40 50

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13

Warpage[m]

[mm]

0 10 20 30 40 50

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13

Warpage[m]

[mm]

0 10 20 30 40 50

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13

Warpag[m]

[mm]

0 10 20 30 40 50

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13

Warpage[m]

[mm]

25

50

100

125

150℃

200℃

220

240 Cross line A

Cross line B Approximate expression A Approximate expression B

Fig. 4.12 Warpages measured along cross lines of a test samples.

-80 -60 -40 -20 0 20 40 60 80 100

0 50 100 150 200 250 300

Temperature(℃)

Elastic analysis

Elastic analysis considering initial warpage Viscoelastic analysis considering initial warpage Experiment

(a) Result of warpage.

(b) Result of mechanical stress.

Average Min Max

-30 -20 -10 0 10 20 30

X1 X2

Stress[MPa]

Elastic analysis

Elastic alanysis considering initial warpage Viscoelastic analysis considering initial warpage Experiment

Fig. 4.13 Comparison between experimental measurements and numerical results.