第5章 立体自動倉庫ラックへの適用と地震応答観測
5.2 制振ラックの施工手順
- 160 - 5.2 制振ラックの施工手順
制振ラックの工事においてリニアガイドの設置はラックの建て方に先行して行われる。
ラックが構築された後、制振装置が滑らかに作動するためには、長手方向に配置される複 数のリニアガイドを平行に設置することが重要である。
実際の工事において、隣り合うリニアガイドの平行度を確認している様子を写真 5.3 に 示す。この管理方法では、治具で連結された基準側と従動側のリニアガイドが一体となっ て滑らかに転がることにより、両者の平行度を確認する。つまり、隣り合うリニアガイド を寸法通りに正確に配置することよりも、滑らかな動きをする位置に据えることに主眼を おいた管理方法〔5.1〕である。なお、リニアガイドは、若干の取付け面の狂いや誤差があっ ても、リニアガイドの自動調整能力により軽快な直線運動が得られる。本工事では、これ を繰り返すことで15列に並ぶリニアガイドの平行を確保した。その後、あと施工アンカー により、リニアガイドを床スラブに固定した。
b) リニアガイドの平行度を確認する作業
写真5.3 リニアガイドの施工
a) 隣り合うリニアガイドを治具で接続した状況
仮固定(工事中)兼 ストッパー(完成時)
平行度確認時の連結治具
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制振ラックの工事手順を図 5.8 に示す。ラック工事の準備作業として、最初に①床スラ ブへの墨出しを行う。制振装置を設置する位置の墨出しは、通常のラック工事の墨出しと 合わせて行われる。今回の工事では、床スラブにアンカー位置を効率的に墨出しするため、
専用のテンプレートを製作して省力化を図った。墨出しが完了した後、②制振装置を所定 の位置に仮置きする。そして、③寸法測定による装置位置の確認を行った上で、④治具で 連結した隣り合うリニアガイドが滑らかに作動することにより平行度の確認を行う。この 作業を全装置について繰り返し行った後、⑤あと施工アンカーにより制振装置を床スラブ に固定する。その後は一般のラック工事と同様の手順となり、⑥ラックの建て方を開始す る。なお、制振ラックが完成するまでの間、作業中に転がり支承が動かないよう治具で仮 固定する。
図5.8 制振ラックの工事手順
5.2 制振ラックの施工手順
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ラック工事の状況を写真 5.4に、立体自動倉庫ラックの完成状況を写真 5.5 に示す。本 工事におけるラック架構の建て方は、制振ラックと耐震ラックを合わせて概ね10日間の工 程であり、そのうち制振装置の取付け作業は 4 名の作業員により半日で完了した。スタッ カークレーン等の設備機器などを含めた全体工程を表 5.1 に示す。制振ラックとすること により、制振装置の設置工事と作動性の確認に要する工程(約 2 日間)が増えたが、立体 自動倉庫ラック新設工事の全体工程(2016年12月12日~2017年2月3日)に与える影響 は殆どなかった。また、実際の工事を通じて、施工手順の妥当性を確認することができた。
今後の課題として、大規模なラックにおける全体工程への影響の把握や、既存ラックに適 用する際の制振装置の取付け手順の確認などが挙げられる。
写真5.4 ラック工事の状況
写真5.5 自動倉庫ラックの完成状況
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表5.1 新倉庫棟ラック工事の工程 No項目担当 121314151617181920212223242526272829910111213141516171819202122232425262728293031123 1資材搬入仮設材豊田織機▽8:30 ラック↑13:30▽▽8:308:30▽▽▽8:30▽8:30 下部レール↑▽8:30 クレーン↑13:30▽▽8:3013:30▽ 周辺部品↑▽8:30 自走台車↑▽8:30 制振装置THK▽8:30▽8:30 2豊田織機 3豊田織機 4豊田織機 5豊田織機 6豊田織機 7豊田織機 8豊田織機 9豊田織機 10豊田織機 11豊田織機 12奥村組 豊田織機 13奥村組 豊田織機
2月1月12月
稼動立会
スタッカークレーン
自走台車 設置 電気配線工事
ラック建方、制震装置 芯出増締 スタッカークレーン 総合調整自走台車
アンカー穴明 走行レール据付 設置 完成立会・取扱説明
単体調整
墨出・レベル測定 周辺部品取付 単体調整
墨出、レベル測定 アンカー穿孔 下部レール据付 1~3号機 クレーン荒組
1~3号機 ラック建方 芯出し、本締め
ラック芯出し、本締め 上部レール芯出し、本締め 化粧板、ゴルフネット張り
ラック内 足場払 下部レール据付 自走台車設置 侵入防止柵据付 号機間ネット張りドグ等取付 トロリ張り
工事品質確認 クレーン電気工事 クレーン単体調整 自走台車 単体調整
移載確認 移載確認 総合調整 完成立会 取扱説明 稼動立会い(5日間)
クレーン本組
ボルト 部材等 16P
24P8P 1~4号機 マスト搬入
クレーン 1~3号機クレーンマスト 高浜部材 1~4号機
24P31P 8:30 制振装置 据付
制振装置の確認
4号機 ラック建方(8P) 芯出し、本締め 1~3号機 ラック建方 (20P+4P) 芯出し 本締め
下部レール据付 4号機 クレーン荒組
4号機 ラック建方
クレーン 4号機
24P テンプレート制振装置