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第4章 パレット免震装置の振動台実験とシミュレーション解析

4.3 プロトタイプの性能確認

4.3.1 試験体の概要

パレットと腕木の間に設置されるパレット免震装置は、傾斜を有するすべり支承の接触 面に働く垂直な力(重量)を利用し、積載物に応じて減衰力の得られる免震装置である。立 体自動倉庫ラックの自動搬送機が走行する通路側への積荷の落下を防止するため、免震装 置は荷物を出し入れする間口方向を対象とする。実用化に向けては、免震装置を構成するす べり材や部品の形状および加工方法を確認しておく必要がある。そこで実機モデルを製作 する前段階として、パレット免震装置を具体化したプロトタイプの試験体を製作し、すべり 材等をパラメータとした基本性能の確認を行った。

パレット免震装置のプロトタイプを写真 4.1に示す。また、免震装置の仕様を表 4.1に、

免震装置の形状を図 4.2に示す。水平ストロークを±10cmとした平面40cm×40cmサイズ の小型の免震装置を作成した。免震装置の材質を表 4.2に示す。免震装置の支持材にはステ ンレス材を用い、すべり材には高荷重条件下において耐摩耗性に優れたバックメタル付き 四ふっ化エチレン樹脂複層軸受材〔4.1〕を採用した。また、すべり材の傾斜角は、摩擦係数を パラメータとした予備解析の結果(第 2 章)より、すべり材の摩擦係数が0.07程度の場合 に免震装置の応答変位が25cm以下となる3/100とした。

装置サイズ 350 × 430 × 42 (W × D × H) mm 変位ストローク ±100 mm

積載荷重 1 kN

摩擦係数(設計目標値) 0.06~0.08

写真 4.1 パレット免震装置のプロトタイプ

表 4.1 免震装置の仕様

4.3 プロトタイプの性能確認

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表 4.2 免震装置の材質 図 4.2 免震装置の形状

部品名称 材質 図面位置

レール SUS304

レールすべり材 バックメタル付き四ふっ化

エチレン樹脂複層軸受材

レール連結プレート SUS304

スペーサー SUS304

落下防止プレート SUS304

シャフト SUS304

シャフトホルダ SUS304

ベース SUS304

つなぎプレート SUS304

80

グライトロンF

スラストベアリング Y

X

(加振方向)

A A

B

B

A-A B-B

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プロトタイプの製作においては、実機モデルの製作を想定し、傾斜を有する支持材(ステ ンレス)の表面にすべり材をボルトで固定する方法を採用した。試験体パラメータを表 4.3 に、各パラメータで採用した試験体の状況を写真 4.2に示す。実機のパレット免震装置に採 用する予定の基準ケースは、CASE2 である。試験体パラメータは、CASE1(シャフトコー ト材なし、スラストベアリング・グライトロンF〔4.1〕)、CASE2(シャフトコート材なし、

スラストベアリング#80〔4.1〕)、CASE3(シャフトコート材なし、1枚のすべり材をV形状に 配置、スラストベアリング#80)、CASE4(シャフトコート材あり、スラストベアリング#

80)、CASE5(シャフトコート材なし、傾斜1/100、スラストベアリング#80)である。これ らの試験体パラメータを設定した目的は、シャフト表面のコート処理については、支持材に コート処理を施すことで低摩擦化が図れるが製作コストが増加するため、コート処理なし でも性能を発揮することを確認するためである。スラストベアリングは、作動方向と直交す る方向への地震力が作用した場合にも免震装置がスムーズに動くように設置する部品であ るが、摩擦係数が0.2程度の#80と、摩擦係数が0.15程度のグライトロンFを比較して、

低コストの材質である#80 によって性能が得られることを確認する。すべり材の構成につ いては、実機では2枚1組とする支持材を想定しているが、すべり材を1枚ものとした場 合の性能を確認することが目的である。傾斜を因子とした試験体は、傾斜1/100を与えた条 件においても免震装置が作動することを確認する。

表 4.3 試験体パラメータ

スラストベアリング レール材 シャフトのコート処理 傾斜

CASE 1 グライトロンF

CASE 2

CASE 3 1枚もの

CASE 4 あり

CASE 5 なし 1/100

#80

2枚1組 なし

2枚1組

なし

4.3 プロトタイプの性能確認

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写真 4.2 試験体の状況

レール すべり材(1 枚もの)

すべり材(2 枚 1 組)

片側をかさ上げして装置内に傾斜を設けた スラストベアリング

CASE1:グライトロン F CASE2:#80

シャフト(コートなし) シャフト(コートあり)

c)傾斜を設けた実験の状況(CASE5:傾斜 1/100)

b)レールに敷設したすべり材(CASE3 のみ 1 枚もの)

a)シャフト表面の状況(CASE4:シャフト表面にコート処理)

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