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別 ﹃ 所

ドキュメント内 甲南女子大学学術情報リポジトリ (ページ 91-109)

﹄ の 変 容

︶一 三

木 合 戦 を 別 所 氏 側 の 立 場 か ら 描 い た 別﹃ 所 記

﹄ を 知 る こ と が で き る

そ の 成 立 事 情 こ

れ に よ れ ば

︑ 別 所 方 の 武 士 で あ っ た 来 野 弥 一右 衛 門 が 負 傷 し な が ら も 生 き 残 り

︑ 作 州 の 側 山 家 に 身 を 寄 せ 記 し た の が

︑ 別﹃ 所 記

﹄ で あ る と い う

︒ 別﹃ 所 記

﹄ の 伝 本 は

︑ 日 本 各 地 に 三 十 冊 以 上 を 数 え る こ と が で き る

︒ 心7 有 ン 人 ハ 此 日 記 ヲ シ ル ベ ニ 文 章 ニ モ ノ セ 置 玉 ヘ カ シ

﹂ と 来 野 が 願 っ た よ う に

︑ 別﹃ 所 記

﹄ は 広 く 流 布 し て い っ た の で あ る

︒ 地 元 三 木 周 辺 に も 多 く の 別﹃ 所 記

﹄ が 伝 わ っ て い る

︒ 現 在 で も 三 木 城 城 主 別 所 長 治 の 命 日 に あ た る 二 月 十 七 日

︑ 法 界 寺 に 別 所 氏 ゆ か り の 人 々 が 集 い

︑ 長 治 を 始 め 三 木 合 戦 で 死 ん だ 人 た ち の 霊 を 慰 め

︑ 絵 解 き を 行 う こ と か ら も

︑ 三 木 の 人 々 の 三 木 合 戦 に 対 す る 並 々 な ら ぬ 熱 い 思 い を 感 じ 取 る こ と が で き よ う

︒ 地 元

に は 次 の よ う な 跛 文 が あ り 此 ニ モ ヲ 直 此

綴 有 `

中 二 日 リ テ 深 村 敵 記 卜 存 手 右 陣 別 ム 命 二 之 へ 所 ル 也 テ 助 駈 譜 モ °

平 卜 入 代 ノ 合 愈 云 `

ノ 也 戦 ノ 者 一 士° ノ 後 助 人 ` 心 討 歩 来 切 来 有 死 行 り 伏 野

ン 武 不 ` 首 弥 人 勇 叶 長 ヲ ー ハ ノ °

刀 得 右 此 跡 其 ヲ ル 衛

日 モ 後 以 ° 門 記 後 軍 テ 残 為 ヲ 世 場 敵 ル 軍 シ ニ エ ニ 敵 使 ル ハ 不 人 六 ` べ 名 出 切 七 平 ニ ヲ °

伏 人 山 文 ダ 三 `

二 二 章 二 木 残 被 ノ ニ 知 落 ル 取 目 モ 人 城 敵 篭 ノ

ノ 有 ノ ヲ ` 合 セ マ 後 追 三 戦 置 ジ `

払 ケ 半 玉 キ 作 `

所 ニ ヘ ヲ 州 傍 手 行 力 嘆 側 輩 負 ` シ カ 山 二 既 敵°

ハ 家 被 二 味 シ ニ 助 討 方 ク 知 帰 死 入 テ 人 候 ス 乱

`ノ ヘ ベ ル 如 許 ド キ ゛

に 残 る 別﹃ 所 記

﹄ は

︑ 別 所 氏 へ 深 い 哀 悼 の 念 を 寄 せ る 三 木 周 辺 の 人 々 に よ っ て 書 き 継 が れ 広 ま っ て い っ た た め

︑ 強 い 思 い 入 れ や 地 元 で し か 知 り 得 な い よ う な 情 報 を 取 り 込 み 加 筆 さ れ て い っ た と 思 わ れ る

︒ 例一 を 挙 げ る と

︑ 長﹁ 治

︑ 友 之 自 害

﹂ と い う 章 段 の 中 で

︑ 長 治 を 指 し て

︑ 別﹁ 所 小 二 郎 源 朝 臣 長 治

﹂ と 呼 ん だ り

︑ 神 吉 城 城 主 神 吉 定 範 が 一族 の 神 吉 藤 太 夫 の 裏 切 り に よ っ て 討 た れ た こ と に つ い て

︑ 累 小情 討 タ リ シ ハ

︑ 前 代 未 聞 ノ 事 ド モ 也

﹂ と 評 し た り す る の は

︑ 東 京 大 学 付 属 図 書 館 蔵 別﹃ 所 家 盛 衰 記

﹄ や 内 閣 文 庫 蔵 別﹃ 所 長 治 記

﹄ な ど 早 く に 地 元 か ら 流 出 し た 伝 本 に は 見 え ず

︑ 地 元 に 残 る 伝 本 に し か 見 え な い 在﹁ 郷 性

﹂ を 帯 び た 表 現 で あ る

︒ こ の よ う な 表 現 は

︑ 地 元 か ら 外 に 出 た か ら と い っ て す ぐ に 消 失 す る よ う な も の で は な い か ら

︑ な い 形  ︑ つ ま り

︑ 三 木 周 辺 以 外 の 地 に 残 る 伝 本 の 方 に

︑ か え っ て 古 態 性 が 認 め ら れ る の で あ る

︒ こ の 在﹁ 郷 性

﹂ に 注 目 す る と

︑ 別﹃ 所 記

﹄ 伝 本 は

︑ 一 

第 一類   比 較 的 在 郷 性 が 認 め ら れ る 本 一一   第 二 類   在 郷 性 が 認 め ら れ な い 本 一  第 三 類   増 補 の 著 し い 本 の

三 種 に 分 類 で き る 第︒ 一類 に は 三︑ 木 市 立 図 書 館 蔵 本 や 加 古 川 総 合 文 化 セ ン タ ー 図 書 館 蔵 本

︑ 卜 部 家 蔵 本 な ど

︑ 主 に 三 木 周 辺 の 地 に 残 る 伝 本 が あ て は ま る

︒ 第 二 類 に は

︑ 先 に 挙 げ た 東 京 大 学 付 属 図 書 館 蔵 本

︑ 内 閣 文 庫 蔵 本 の 他 に

︑ 島 原 市 教 育 委 員 会 松 平 文 庫 蔵 本

︑ 神 宮 文 庫 蔵 本

︑ 加 賀 市 立 図 書 館 聖 藩 文 庫 蔵 本 な ど が 入 る

︒ 第 二 類 は 別﹃ 所 記

﹄ を 大 幅 に 改 訂 し た 増 補 系 と 言 う べ き 伝 本 で あ り

︑ 岩 崎 家 蔵 別﹃ 所 記

﹄︑ 今 村 家 蔵 別﹃ 所 在 城 伝 記 略 書

﹄︑ 三 木 市 立 図 書 館 蔵 播﹃ 州 太 平 記

﹄︑ 神 戸 大 学 人 間 科 学 系 図 書 室 蔵 別﹃ 所 記

﹄︑ 法 界 寺 蔵 別﹃ 所 軍 記

﹄ が こ れ に 属 す る

…89¨

本 節 で は 別﹃ 所 記

﹄ か ら 派 生 し た 第 三 類 に 分 類 で き る 作 品 か ら

︑ 岩 崎 家 蔵 別﹃ 所 記

︵以 下

︑ 岩 崎 本 と 略 す

︶︑ 神 戸 大 学 人 間 科 学 系 図 書 室 蔵 別﹃ 所 記

﹄ 以︵ 下

︑ 神 大 本 と 略 す

︶︑ 法 界 寺 蔵 別﹃ 所 軍 記

︵以 下

︑ 法 界 寺 本 と 略 す

︶ の 三 種 を 選 び

︑ 別﹃ 所 記

﹄ が ど の よ う な 変 容 を 遂 げ て い っ た の か を 追 い か け て い く

︵一 一︶ 一 

岩 崎 本 別﹃ 所 記

﹄ 岩 崎 本 は 兵 庫 県 加 西 市 北 条 の 岩 崎 家 所 蔵 本 で

︑ 上 下 三 巻 か ら 成 る

︒ 享﹁ 和 二 年 成 五 月 吉 日 写 之   山 下 千 蔵   重 信 花︵ 押 ご の 奥 書 を 有 す る

︒ 同 系 統 の 写 本 に

︑ 三 木 市 立 図 書 館 蔵 播﹃ 州 太 平 記

﹄︑ 兵 庫 県 西 脇 市 今 村 家 蔵 別﹃ 所 在 城 伝 記 略 書

﹄ が あ る

︒ 播﹃ 州 太 平 記

﹄ に は

︑ 巻 三 に 絵﹁ 本 太 間 記 に 野 口 の 壱 番 衆 は 加 藤 左 馬 助 と 有

﹂ と 割 注 が あ る こ と か ら

︑ も﹁ し こ れ が 原 作 の ま ま で あ っ て

︑ 後 の 書 き 入 れ で な け れ ば

︑ 本 書 は

︑ 少 な く と も 絵﹃ 本 太 閤 記

﹄ の 成 っ た 寛 政 以 後

︵一 七 八 九

︶︑ 恐 ら く は 文 化

︒文 政 頃

︵一 八

〇 四

〜 二 九

︶ に 著 さ れ た と い ふ こ と に な る

﹂ と 図﹃ 説 三 木 戦 記

﹄ で は 推 測 し て い る

︒ 播﹃ 州 太 平 記

﹄ と 岩 崎 本 は 極 め て 近 い 本 文 を 持 つ が

︑ 播﹃ 州 太 平 記

﹄ は 評﹁ に 日

﹂ と し て 岩 崎 本 に は な い 様 々 な 逸 話 を 紹 介 し て い る た め

︑ 岩 崎 本 の 方 が 先 出 本 で あ る と 考 え ら れ る

︒ 今 村 家 蔵 別﹃ 所 在 城 伝 記 略 書

﹄ は

︑ 藤 田 素 淳 が 高 砂 に お い て 文 化 四 年

︵一 八

〇 七

︶ に 書 写 し た も の を 今 村 氏 の 祖 先 で 医 師 だ っ た 今 村 正 興 が 取 得 し た も の だ と 奥 付 よ り 確 認 で き る

︒ 略﹁ 書

﹂ と い う 題 名 の 示 す と お り

︑ 播﹃ 州 太 平 記

﹄ に 近 い 本 文 を 持 つ 本 か ら 一部 分 を 順 不 同 に 抜 き 出 し 写 し た も の で あ る

︒ 岩 崎 本 で は 羽 柴 秀 吉 に 関 す る 増 補 が 賞 賛 を 伴 っ て 多 く 見 ら れ る こ と か ら

︑ 中 前 正 志 氏 は 岩﹁ 崎 本 は

︑ 別 所 家 特 に は 長 治 の 没 落 物 語 を 中 心 と し つ つ も

︑ そ の 上 に

︑ 秀 吉 一代 の 出 世 物 語 を 重

ね 合 わ せ て い る の で あ る

﹂ と し

︑ 石ョ 崎 本 や 播﹃ 州 太 平 記

﹄ は

︑ 没 落 と 繁 栄 と い う 正 反 対 の 方 向 に 向 か い な が ら

︑ 共 に 地 元 三 木 の た め に 尽 力 し た

︑ 長 治 と 秀 吉 と い う 二 人 の 英 雄 の 交 錯 す る 場 と し て

︑ 三 木 合 戦 を 描 い て い る

﹂ と さ れ て い る

︒ 岩 崎 本 は 別﹃ 所 記

﹄ を 読 み 物 風 に 増 補 し た も の で あ る が

︑ 内 容 を ア レ ン ジ す る に あ た っ て 平﹃ 家 物 語

﹄︑ 特 に 江 戸 時 代 最 も 流 布 し て い た 源﹃ 平 盛 衰 記

﹄ を 参 考 に し た 箇 所 が 数 力 所 見 ら れ る

︒ 別﹃ 所 記

﹄ に お い て も

︑ 淡 河 合 戦 で 三 木 方 の 淡 河 弾 正 が 牝 馬 を 五 六 十 匹 集 め 敵 陣 の 中 へ 駆 け 入 ら せ

︑ 牝 馬 に 驚 き は ね 狂 う 馬 か ら 振 り 落 と さ れ た 秀 吉 勢 が 敗 北 す る 話 は

︑ 倶 利 伽 羅 峠 の 火﹁ 牛 の 計

﹂ を 思 い 出 さ せ る し

︑ 平 井 合 戦 で 三 木 城 へ 引 き 上 げ る 勢 の 中 か ら 取 っ て 返 し

︑ 十 七 歳 で 討 死 を す る 長 治 の 弟 小 八 郎 治 定 は

︑ 敦 盛 像 と 重 な る な ど

︑ 平﹃ 家 物 語

﹄ を 感 じ さ せ る 記 事 を 持 つ

︒ そ れ が 岩 崎 本 に お い て は

︑ 更 に は っ き り と 平﹃ 家 物 語

﹄ の 影 響 が 感 じ ら れ る の で あ る

︒ 以 下

︑ 注 目 す る 箇 所 を 紹 介 す る

︵例 文 一︶ 長 治 の 叔 父

︑ 別 所 山 城 守 賀 相

︵吉 親

︶ の 妻 は 武 勇 に 秀 で た 女 性 で あ っ た

︒ E 一木 城 後 詰 士附 口 親 妻 女 之 事

﹂ で は

︑ 山

城 守 の 内 室 は 長 井 が 陣 に 居 ら れ し が

︑ 鉄 漿 黒口に う す 化 が し︐ て

︑ た け と 等 し き 黒 髪 を 打 す べ ら か し

︑ 紅 の 鉢 巻 し 朽 葉 色 の 下 着 に 小 桜 を 黄 に 返 し た る 鎧 を 着 て

︑ 白 月二 毛 の 馬 に 鏡

L︑ を 置 ゆ ら り と 打 乗

︑ 弐 尺 七 寸 の 太 刀 を 以 て 敵 の 中 へ 一文 字 に か け 入

︑ や に わ に 七 八 人 切 伏 け れ ば

︑ 元 よ り 臨ン 立 た る 敵 な れ ば

︑ 是 に 恐 れ て 近 寄 者 な し

︒ 猶 敗 軍 の 敵 を

.蹄 に´ か け て 蹴 ち ら か し

︑ 三 木 勢 の 中 へ か け 入 れ し か ば

︑ 大 将 始 め 皆 々 大 に 感 じ け る

¨91‐

と 活 躍 し

︑ ま た 賀 相 が 守 る 新 城 に 秀 吉 勢 が 押 し 寄 せ た 際 に も

︑ 夫 の 賀 相 は 本 丸 に 居 る の に 彼 女 は 一人 で 大 男 と 渡 り 合 い

︑ 首 を か き 切 る な ど 大 層 勇 ま し い

︒ 彼 女 の 勇 姿 は 別﹃ 所 記

﹄ に は 全 く 描 か れ て お ら ず

︑ 岩 崎 本 の 彼 女 の 姿 は 巴 御 前 を 街 彿 さ せ る も の で あ る

︵例 文 二

︶ 別 所 方 に つ い た 高 砂 城 主 梶 原 景 行 は

︑ 天 正 六 年 十 月 十 八 日

︑ 高 砂 で の 合 戦 で 時﹁ な ら ね 共

紅 梅 の 作 花 を 一枝 後 に さ し

︑ 真 先 に 進 み

﹂ 貧 毛 利 家 後 詰 梶附 原 景 行 退 同砂 一事 井 重 植テ 二相 生 松 ヲ 一事

し と あ り

︑ 景 行 が 例 の 梶 原 景 時 の 子 孫 で あ る こ と か ら も

︑ 梶 原 源 太 景 季 の 生 田 の 森 に お け る 簾 の 梅 を 明 ら か に 真 似 て い る

︒ な お

︑ 熊 の 梅 の 話 は 平﹃ 家 物 語

﹄ 読 み 本 系 の 諸 本 に 見 え る が

︑ 梅 と す る 本 と 桜 と す る 本 と が あ る

︒ 梅﹁

﹂ と す る の は 源﹃ 平 盛 衰 記

︒長 門 本 な ど で あ る が

︑ ど の 本 も 梅 の 色 ま で は 記 さ な い

︒ 岩 崎 本 が な ぜ 紅﹁ 梅

﹂ に し た の か は 不 明 で あ る

︵例 文 三

︶ 平﹃ 家 物 語

﹄ 橋 合 戦 か ら の 引 用 も あ る

︒ 上 巻 神﹁ 吉 軍 之 事 梶附 原 道 庵 武 勇 之 事

﹂ 中 の 道 庵 の 活 躍 ぶ り は 別﹃ 所 記

﹄ に も 描 か れ る

︒ こ の 部 分

︑ 岩 崎 本 と 別﹃ 所 記

﹄ を 比 較 し て み る

︒ 別﹃

所 記

﹄ 掛 ル 処 二 二 丸 ノ 引 橋 ノ 板 ヲ ハ ネ ハ ヅ シ

︑ 行 桁 計 残 シ タ ル 橋 詰 二

︑ 六 尺 余 ノ 男

︑ 昔 甲 猪 頭 二 着 黒 皮 威 ノ 腹 巻 二 三 尺 余 ノ 大 長 刀 ヲ 提 ゲ

︑ 高 声 二 名 乗 ケ ル ハ

︑ 鎌﹁

岩 崎 本 二 の 丸 の 橋 板 を 刻 は づ し

︑ 行 桁 ば か り 残 り た る

樅 話 に エ ︑ ハ 尺 有 余 の 大 の 法 師 馬 ︑

ぱ 蘇 颯 ァ の F に 一

露 配

の 兜 を 坊メ

ヵ︶ 窓マに む ず と 着 し 一︑ 二尺 記 の 大 長 刀

︑ 弓 張 月 の 光 る 如 く 水 車 に ま は し

︑ 大 音 上

︑ 桓﹁ 武

倉 ノ 権 五 郎 景 政 ガ 末 葉

︑ 梶 原 十 右 衛 門 入 道 道 庵 卜 云 者 也

︒ 三 木 ノ 城 ヨ リ 一騎 当 千 二 被 撰 加 勢 二 来 ル

︒ 近 国 ノ 者 共 ハ 某 ガ 手 ナ ミ ハ 知 ツ レ ド モ

︑ 東 国 武 士 ハ 今 日 初 テ ノ 見 参 ナ リ

︒ 寄 テ 手 ナ ミ ノ 程 ヲ 見 ヨ

﹂ ト テ

︑ 橋 ノ 行 桁 ヲ 走 渡 ル

︒ 東 国 勢 ロ ニ 掛

︑ 我 打 取 ン ト 五 六 騎 道 庵 ニ 打 力 ヽ ル

︒ 道 庵 カ ラ 々 々 卜 打 笑 テ

︑ ヤ﹁ サ シ キ 人 々 也

︒ イ

デ 物 見 セ ン

﹂ 卜

︑ 長 刀 ノ 石 突 取 延

︑ 八 方 不 透 切 廻 り

︑ 敵 三 人 堀 ノ 中 へ 切 ハ メ 一騎 ニ ハ 深 手 負 セ ケ ル

︒ 残 一騎 卜 引 組 デ 首 カ キ 落 シ 左 ノ 手 二 提 テ

︑ 橋 ノ 行 桁 閑 二 渡 り 本 ノ 陣 二 帰 り

︑ 暫 ク 息 ヲ ゾ 続 ニ ケ ル

︒ 味 方 是 ヲ 見 テ 誉 ヌ 人 ハ ナ シ

︒ 其 後 梶 原 ガ 跡 ニ ツ ヾ キ

︑ 三 木 ノ 加 勢 ノ 内

︑ 小 寺 主 馬 助

︑ 柏 原 治 部 右 衛 門

︑ 中 村 壱 岐 守

︑ 長 谷 川 権 太 夫

︑ 藤 田 藤 次 ハ 道 庵 ガ 渡 リ タ ル ヲ 手 本 ト シ テ

︑ 敵 味 方 行 桁 ヲ 走 り 渡 々 々 戦 ヒ ケ ル

︒ 或 ハ 討 死 ス ル フ ア リ

︒ 或 引 組 デ 堀 底 工 落 ル モ ア リ

天 皇 の 後 胤 鎌 倉 の 権 五 郎 景 政 が 末 葉 に 梶 原 十 右 衛 門 入 道 道 庵 と て  ︑ 一騎 当 千 に 撰 れ

︑ 三 木 の 城 よ り 加 勢 と し て 来 る 者 也

︒ い で 東 国 の 人 々 に 手 並 の 程 を 見 す べ し

﹂ と  ︑ 件 の 長 刀 を 打 振 な が ら

︑ 橋

の 行 桁 を 飛 蝶 の 如 く 走 り 渡 る を 東 国 勢 五 六 騎

︑ や に わ に 打 て か ゝ る 所 を 入 道 か ら 〆ヽ と 打 笑 ひ

︑ や﹁ さ し き 汝 等

︑ 日 に 物 見 せ ん

﹂ と

︑ 長 刀 の 石 突 取 の べ

︑ 透 さ ず 敵 三 人 ま で 堀 の 中 へ 刻 込 み  ︑ 一騎 は 手 負 て 逃 行 に ぞ

︒ 今 一騎 と む ず と 組

︑ 馬 よ り 引 落 し 押 伏 て 首 か き 切

︑ た ぶ さ を 引 さ げ 元 の 行 桁 の 上 立f 帰 り

︑ 悠 々 と 衝 立 な が ら 暫 く 息 を 継 居 た り

︒ 同

じ く 三 木 よ り 加 勢 に 来

︑ 柏 原 治 部 左 衛 門

︑ 長 谷 川 権 太 夫

︑ 小 寺 主 馬 助

︑ 中 村 壱 岐 四 人

︑ 道 庵 が 渡 り し を 手 本 に し て 行 桁 を 走 り 渡 り

︑ 震 を 大 事 と 戦 ひ け り

︒ 寄 手 は 梶 原 入 道 を 目 が け

︑ 堀 の 中 へ 射 落 さ ん と 一同 に 射 か く る 矢 は

︑ 雨 よ り も し げ か り し を 入 道 少 も 騒 が ず

︑ 橋 桁 を 彼 方 へ 飛 越

︑ 此 方 へ う つ り

︑ 件 の 長 刀 に て 薙 払 ふ 勢 は  ︑ 古 の 筒 井 の 部 漱 叙 1

﹁ 剰 劇 翻

﹁ コ 引 列 倒 劇

﹁ 副 引 馴

﹁ 利 1 余 の 面

‑93‑

ドキュメント内 甲南女子大学学術情報リポジトリ (ページ 91-109)

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