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13.01 政治囚支援協会(ビルマ)(AAPP)による拷問、政治囚および法の無視:ビルマにお ける平和、安全および人権への取り組みと題するレポート(2010年10月14日は発 行)は、次のように言っている。「ビルマには、42の刑務所、109の労働キャンプ、

および数不明の尋問所がある。これら施設の悲惨な状況はよく知られたことであ る。隔離拘禁、貧しい食事、十分な医療手当の欠如、拷問等があげられる。ビル マの拘禁所の状況はぞっとさせられるようなもので、間違いなく残虐・非人道的 または屈辱的なものであり、拷問に等しいようなものである。」[44d] (p4)

13.02 国連人権理事会のミャンマーにおける人権状況に関する特別報告官のプログレス

レポート(2010年のミヤンマー訪問の後2010年3月10日に発表)によると、「ミャ ンマーには44の刑務所と少なくとも59の労働キャンプがある。」[32e] (パラグラフ 20)

13.03 foreignprisoners.com のウェブサイト(2011年4月28日アクセス)Tの報じるとこ ろでは、ビルマには38の主な刑務所があり、そのうち20には政治囚が収監されて いる。このウェブサイトには、”有名刑務所”の名前とその所在地を示したリスト が掲載されている。[68a] (ビルマの刑務所の所在地)

13.04 米国国務省の2011年4月8日発表の2010年人権状況に関するカントリーレポート

(USSD レポート2010) には、次のように述べられている。「ある人権活動家に よれば、約63,000人の男性囚人と8,900人の女性囚人がいる。審理前の拘留者も有 罪判決を受けた囚人と一緒に収監されているが、政治囚は一般の囚人とは別に隔 離されることが多い。元囚人が訴えるところによると、刑務所の建物は、老朽化 し、しかるべき維持補修もされておらず、ネズミ、バクテリア、カビ等がはびこ っている。」[7a] (セクション 1c)

13.05 上記AAPPレポートには、次のように書かれている。

「…刑務所当局は、常にまた意図的に刑務所環境を悪化させているように見える。

囚人に医療手当を与えず、拷問に等しいような苦しみをもたらしている。栄養失 調、貧しい衛生施設、不潔な水などは刑務所特有の深刻な問題であり、健康に対 するリスクをもたらしている。証言によると政治囚には質の悪い食事が与えられ ているという。食料はしばしば腐っており、生煮えだったり、石や虫が入ってい たりで、食中毒や胃腸障害をもたらしている。多くの囚人が飢餓に近い状況にあ る。」[44d] (p16)

13.06 刑務所における保健ケアについて、AAPP の報告は次のようなものである。

「結核、マラリア及びエイズがビルマの刑務所における深刻な脅威となっている。

それは、過密収容、不衛生、十分な医療ケアの欠如、過酷な環境にさらされてい ること、等が原因である。インセイン刑務所には約9,000人から10,000人が収容さ れているが、本来の収容能力は6,000人程度である。病人と健康者が常に混在して いる。囚人はひげそりのかみそりを共用しており、肝炎やHIVの感染の可能性を高 めている。注射針の再使用は当たり前であり、医療スタッフは多くの囚人に同じ 注射針を使って注射している。」[44d] (p17)

13.07 刑務所の女性に関して、AAPP は、拷問、政治囚および法の無視:ビルマにおけ る平和、安全および人権への取り組みと題するレポート(2011年1月14日付け)に て、次のように言っている。「2010年12月31日時点で、….少なくとも174人の女性 が拘束された。ビルマの刑務所では、女性のための医療手当、衛生設備、栄養必 要量が得られない。刑務所における医療手当が不足しているのは女性も男性も同 じだが、不足のなかには女性に対するインパクトが不釣り合いなため差別的と思 われるものもある。」[44b] (女性)

13.08 国連総会提出のミャンマーにおける人権状況:事務総長のメモ(2009年8月28日付 け)には、次のように記されている。

「特別報告官は、刑務所の保健環境に関する驚くべき報告を受けた。それによる

と、136人ほどの囚人が適切な医療手当と投薬を受けていないという。…政治囚の 多くは、薬や食糧を家族からの差し入れに頼っている。650人以上の囚人が家族の 住む家から遠く離れた所へ移転させられたという。そのようなケースでは、家族 の定期的な面会は難しくなり、場合によっては不可能にもなる。そのような状況 は、囚人にとっても家族にとっても精神状態に影響を及ぼすばかりでなく、薬が 定期的には手に入らなくなることで体に変調をきたすことにもつながる。特別報 告官が得た情報では、刑務所の医師の処方する薬が囚人に売られている所さえあ るという。薬を買う余裕のない囚人は、当然、病気が治らないということになる。

「刑務所医師のいない刑務所が12か所ほどあるといわれており、保健ケアサービ スが全くない刑務所もあるという。刑務所診療所もしくは病院は、あったとして も、囚人の数に比して不十分なキャパシティーのものである。情報によると、イ ンセイン刑務所は10,000人以上を収容しているが、刑務所医師は3人しかいないと

いう。」(パラグラフ 24- 26)

13.09 国連人権理事会のミャンマーにおける人権状況に関する特別報告官のプログレス レポート(2010年3月10日付け)によると、「…驚くべき数の囚人が刑務所内で死 亡しているという報告がある。公式発表の統計はないが、政治囚だけでなく一般 の囚人も共に死に至る環境に置かれているようである。」[32e] (パラグラフ 24) 13.10 上記レポートは、更に次のように言っている。

「特別報告官が深く憂慮しているのは、尋問中及び収監中に政治囚が拷問を受け ているという報告があることである。釈放された元政治囚の証言によれば、拘束 者に対する虐待と拷問には体系的なパターンがある。報告には、係官による肉体 的、審理的、性的虐待の様々な形が詳細に示されている。意図的な保健医療に係 る手抜きをはじめとして故意に悪化させた刑務所の環境は、囚人に耐えがたい苦 しみを与えている。」[32e] (パラグラフ 33)

13.11 外務・連邦省の2009年人権と民主主義に関するレポート(2010年3月17日)には、

次のように述べられている。「多くの囚人が、…2008年後半から2009年初めにかけ てインセイン刑務所から厳しい環境にある僻地の国境地帯の刑務所に移送された。

この移送プログラムは、政治囚を家族やサポーターから隔離しようという意図で 行われたものである。一部の家族は食糧、薬などの差し入れ物資を持って5日も 旅して面会に訪れなければならなくなっている。それらなしに囚人たちは生き残 ろうと戦っている。」[5b] (p92)

13.12 同じレポートは、次のようにも言っている。「ビルマでは、囚人との面会には厳し い制限があり、国際赤十字委員会(ICRC)も、2006年に中断していた独自の刑務所 訪問を再開することが出来ないでいる。それでも、ICRCは、囚人の家族に対する 若干の支援を続けている。」[5b] (p92)

13.13 国連総会提出のミャンマーにおける人権状況:事務総長のメモ(2009年8月28日付 け)には、次のようにある。「拘束の過酷な状況に関する配布資料を受領した。そ こには、特に尋問段階での状況が報告されており、独房監禁、強制労働、足枷、

囚人に対する虐待行為などが含まれている。…緊急医療ケアに必要なものの長い リストもある。信頼できる筋によれば、25人ほどの政治囚が独房監禁に置かれて いるという。」[32c] (パラグラフ 28)

13.14 上記レポートは次のようにも言っている。

「…2009年2月にインセイン刑務所の診療所を訪れ、ランダムに囚人たちと話をし た際、特別報告官は、カレン州の軍の基地での強制労働から逃れようとした囚人 が足を鎖でつながれているのを発見した。刑務所当局は、インセイン刑務所には 30人から40人が足を鎖でつながれていることを認めた。刑務所長が店を経営し、

囚人たちを好きなように扱い、現行のルールや規則を無視している刑務所もある という。しっかり監視し責任を明確にするよう上層部の注意が求められる。」[32c]

(パラグラフ 30-31)

13.15 国連人権理事会のミャンマーにおける人権状況に関する特別報告官のプログレス レポート(2010年3月10日付け)には、次のように記されている。

「…報告官は、シットウエ、ブティドンおよびインセインの3つの刑務所を訪れる ことができた。そこで、14人の政治囚および児童1人と面会した。水や食料の不 足、刑務所スタッフによるゆすり、などを含む刑務所の環境に深く憂慮する一方、

特別報告官は、ブティドンとインセインの刑務所の環境はここ数カ月の間に改善 されてきていることが分かった。特別報告官は、当局に対し、刑務所システム全 体でそのような改善の努力を続けるよう促した。2010年2月にブティドンとインセ インの刑務所で、食事と医療ケアの改善、読み書きの材料を求めてハンストを行 った囚人達の要求に積極的に取り組むよう当局に求めた。」[32e] (パラグラフ 19)

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