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共同試験

ドキュメント内 全体版 (Full version) PDF (ページ 109-113)

B: Sample solution of whole-crop silage (spiked at 0.089 mg/kg of chlorothalonil)

3.9 共同試験

本法の室間再現精度を確認するため,濃度非通知,かつ非明示の

2

点反復で共通試料による共 同試験を実施した.

共通試料としては,WCSにクロロタロニルとして原物換算して

0.089 mg/kg

相当量(分析用試

10 g

に対し

1 mL

中に

2 µg

を含有するクロロタロニル標準液

1 mL

添加)及び籾米にクロロ

タロニルとして

0.1 mg/kg

相当量(分析用試料

10 g

に対し

1 mL

中に

1 µg

を含有するクロロタ ロニル標準液

1 mL

添加)を,各試験室にて分析開始の前日に添加して調製した試料を用いた.

参加試験室は,一般財団法人日本食品分析センター多摩研究所,一般財団法人食品環境検査協 会東京事業所,JA 東日本くみあい飼料株式会社本社品質安全部,独立行政法人農林水産消費安 全技術センター肥飼料安全検査部,同札幌センター,同仙台センター,同名古屋センター,同神 戸センター及び同福岡センター(計

9

試験室)であった.結果の解析については国際的にハーモ ナイズされた共同試験に関する手順6), 7)を参考に,Cochran検定,外れ値

1

個の

Grubbs

検定及び

外れ値

2

個の

Grubbs

検定を行い,外れ値の有無を確認した上で平均回収率,繰返し精度(RSDr)

及び室間再現精度(

RSD

R)を算出し,得られた

RSD

Rから,修正

Horwitz

8)を用いて

HorRat

を求めた.

結果は

Table 8

のとおりであった.

WCS

及び籾米について,平均回収率は

85.3

及び

93.0 %,RSD

r

4.9

及び

8.6 %,RSD

R

8.7

及び

8.5 %

HorRat

0.40

及び

0.39

であった.なお,いずれも

HorRat

の値が

0.5

を下回ったが,

原因の

1

つとして,本分析法が既存の農薬の

GC-MS

による一斉分析法 5)を更に簡略にしたもの であり,各試験室が分析操作に習熟していたことが考えられた.

参考のため,各試験室で使用した

GC-MS

の機種等を

Table 9

に示した.

稲発酵粗飼料及び籾米中のクロロタロニルのガスクロマトグラフ質量分析計による定量法

101 Table 8 Collaborative study results of chlorothalonil

Lab. No.

1 0.0756 0.0827 0.0960 0.105

2 0.0809 0.0853 0.0803 0.105

3 0.0809 0.0738 0.0906 0.0828

4 0.0831 0.0853 0.0968 0.0976

5 0.0751 0.0747 0.0988 0.103

6 0.0800 0.0751 0.0889 0.0978

7 0.0667 0.0707 0.0875 0.0849

8 0.0702 0.0627 0.0825 0.0981

9 0.0747 0.0693 0.0855 0.0924

Spiked level (mg/kg) Mean value

a)

(mg/kg) Recovery

b)

(%)

RSD

rb)

(%) RSD

Rc)

(%) PRSD

Rd)

(%) HorRat

Paddy rice Feed types

85.3 4.9 Whole-crop rice silage

(mg/kg)

0.089 0.0759

22 8.5 8.6 0.1 0.0930

0.39 22

0.40

(mg/kg)

93.0

8.7

a) n=18

b) Relative standard deviation of repeatability within laboratory c) Relative standard deviation of reproducibility between laboratories d) Predicted relative standard deviation of reproducibility between

laboratories calculated from the modified Horwitz equation

Table 9 Instruments used in the collaborative study GC colume (i.d.×length, film thickness) GCMS-QP2010 Plus, Shimadzu Rtx-5MS, Restek

(0.25 mm×30 m, 0.25 µm)

FOCUS GC/POLARIS Q, Thermo Electron DB-5MS+DG, Agilent Technologies (0.25 mm×30 m, 0.25 µm, Duraguard 10 m)

GCMS-QP2010, Shimadzu Rtx-5MS, Restek

(0.25 mm×30 m, 0.25 µm) FOCUS GC/POLARIS Q, Thermo Electron TR-5MS, Thermo Scientific

(0.25 mm×30 m, 0.25 µm) GC: 7890A, Agilent Technologies Rtx-5MS, Restek

MS: 5975C, Agilent Technologies (0.25 mm×30 m, 0.25 µm)

GC: 6890N, Agilent Technologies DB-5MS+DG, Agilent Technologies MS: 5973N, Agilent Technologies (0.25 mm×30 m, 0.25 µm, Duraguard 10 m) GC: 6890A, Agilent Technologies HP-5MS, Agilent Technologies

MS: 5973, Agilent Technologies (0.25 mm×30 m, 0.25 µm) GC: 6890A, Agilent Technologies HP-5MS, Agilent Technologies MS: 5973 inertMSD, Agilent Technologies (0.25 mm×30 m, 0.25 µm)

GCMS-QP2010 Plus, Shimadzu DB-5MS+DG, Agilent Technologies (0.25 mm×30 m, 0.25 µm, Duraguard 10 m)

Lab. No. GC-MS

1

2

3

4

8

9 5

6

7

4 まとめ

WCS

及び籾米中に残留するクロロタロニルについて,JFRL 法を基に

GC-MS

を用いた定量法の 飼料分析基準への適用の可否について検討したところ,GC-MS 測定時の希釈溶媒をアセトンから

PEG

0.005 v/v%添加したヘキサンとし,WCS

には

GPC

による精製の後に合成ケイ酸マグネシウ

ムミニカラムによる精製を追加することで,以下の結果が得られ,適用が可能であると考えられ た.

1) 検量線は 0.002~0.2 µg/mL

相当量(注入量として

0.004~0.4 ng

相当量)の範囲で直線性を示し

た.なお,当該検量線における各マトリックスの添加回収試験の設定濃度は,

0.1

及び

0.005

µg/mL

相当濃度とした.

2)

今回,検討に用いた

WCS

及び籾米において定量を妨げるピークは認められなかった.

3) クロロタロニルとして WCS

に原物換算して

0.089

及び

0.0044 mg/kg

相当量並びに籾米に

0.2

及び

0.01 mg/kg

相当量を添加した試料を用い,本法による回収率及び繰返し精度を求めたとこ

ろ,良好な結果が得られた.

4) 本法による定量下限は試料(WCS

は風乾物)中で

0.01 mg/kg,検出下限は 0.003 mg/kg

であっ

た.

5) クロロタロニルとして WCS

に原物換算して

0.089 mg/kg

相当量及び籾米に

0.1 mg/kg

相当量を

添加した試料を用いて,

9

試験室において本法に従い共同試験を実施したところ良好な結果を得 た.

稲発酵粗飼料及び籾米中のクロロタロニルのガスクロマトグラフ質量分析計による定量法

103

謝 辞

共同試験に参加していただいた一般財団法人日本食品分析センター 多摩研究所,一般財団法人 食品環境検査協会東京事業所,JA東日本くみあい飼料株式会社本社品質安全部における関係者各 位に感謝の意を表します.

文 献

1)

農林水産省畜産局長通知:飼料の有害物質の指導基準の制定について,昭和

63

10

14

日,

63

B

2050

号 (1988).

2) 厚生省告示:食品,添加物等の基準規格,昭和 34

12

28

日,告示第

370

号(1959).

3)

厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知:食品に残留する農薬,飼料添加物又は動物用医薬品 の成分である物質の試験法について,平成

17

1

24

日,食安発第

0124001

(2005).

4) 財団法人日本食品分析センター:平成 21

年度飼料中の有害物質等分析法開発事業 (2009).

5) 農林 水産省 消費・ 安全局長通 知:飼料 分 析基準の制 定につい て ,平成 20

4

1

日 ,19

消安第

14729

(2008).

6) Horwitz, W., Protocol for Design, Conduct and Interpretation of Method - Performance Studies, Pure &

Appl. Chem., 67(2), 331-343 (1995).

7) AOAC Int. (2012) Appendix D: Guidelines for Collaborative Study Procedures to Validate Characteristics of a Method of Analysis. In Official Methods of Analysis of AOAC Int. 19 ed. volume II, Gaithersburg, MD, USA.

8) Thompson, M., Recent trends in inter-laboratory precision at ppb and sub-ppb concentrations in relation

to fitness for purpose criteria proficiency testing, Analyst, 125, 385-386 (2000).

7 愛玩動物用飼料(ドライ製品及びセミドライ製品)中の油脂の酸価及

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