Oxolinic acid / [ng/mL]
A: Standard solution (The concentration is 5 ng/mL for oxolinic acid.) B: Sample solution of paddy rice (spiked at 0.3 mg/kg of oxolinic acid)
C: Sample solution of whole-crop rice silage (blank)
稲発酵粗飼料及び籾米中のオキソリニック酸の液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による定量法
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3.9 定量下限及び検出下限の検討
本法の定量下限及び検出下限を確認するため,
WCS
及び籾米にオキソリニック酸を添加した 添加回収試験により得られたピークのSN
比が10
及び3
となる濃度を求めた.その結果,得られたピークの
SN
比が10
以上となる濃度はWCS(風乾物)及び籾米中でそれ
ぞれ
0.02
及び0.01 mg/kg,SN
比が3
となる濃度はWCS(風乾物)及び籾米中でそれぞれ 0.007
及び
0.003 mg/kg
であったことから,本法の定量下限はWCS
(風乾物)及び籾米中でそれぞれ0.02
及び0.01 mg/kg
,検出下限はWCS
(風乾物)及び籾米中でそれぞれ0.007
及び0.003 mg/kg
であった.3.10 共同試験
本法の室間再現精度を確認するため,濃度非通知,かつ非明示の
2
点反復で共通試料による共 同試験を実施した.共通試料としては,WCSにオキソリニック酸として原物換算して
0.1 mg/kg
相当量(分析用試料
10 g
に対して1 mL
中に3 µg
を含有する標準液0.75 mL
添加)及び籾米にオキソリニック酸として
3 mg/kg
相当量(分析用試料10 g
に対して1 mL
中に30 µg
を含有する標準液1 mL
添加)を,各試験室にて分析開始の前日に添加して調製した試料を用いた.
参加試験室は,協同飼料株式会社研究所,一般財団法人食品環境検査協会東京事業所,一般財 団法人日本食品分析センター彩都研究所,独立行政法人農林水産消費安全技術センター肥飼料安 全検査部,同札幌センター,同仙台センター,同名古屋センター,同神戸センター及び同福岡セ ンター(計
9
試験室)であった.結果の解析については,国際的にハーモナイズされた共同試験 に関する手順10), 11)を参考に,Cochran検定,外れ値1
個のGrubbs
検定及び外れ値2
個のGrubbs
検定を行い,外れ値の有無を確認した上で平均回収率,繰返し精度(RSDr)及び室間再現精度(
RSD
R)を算出し,得られたRSD
Rから,修正Horwitz
式12)を用いてHorRat
を求めた.結果は
Table 8
のとおりであった.WCS
及び籾米について,平均回収率はそれぞれ89.4
及び92.6 %,RSD
rはそれぞれ2.9
及び4.8 %,RSD
Rはそれぞれ9.2
及び6.3 %,HorRat
はそれぞれ0.42
及び0.46
であった.なお,HorRat が0.5
を下回っていたが,特に共同試験の実施要領に異 常があったとは考えられず,本定量法が抽出後,ミニカラムで1
回精製してからLC-MS/MS
で 測定するという比較的平易なものとなっていることが原因ではないかと考えられた.参考のため,各試験室で使用した
LC-MS/MS
の機種等をTable 9
に示した.Table 8 Collaborative study results of oxolinic acid
1 0.0908 0.0890 2.98 2.87
2 0.0853 0.0891 2.78 2.82
3 0.0700
a)0.0495
a)2.56 2.54
4 0.0844 0.0788 2.80 2.51
5 0.0897 0.0956 2.95 2.89
6 0.0785 0.0825 2.87 2.61
7 0.108 0.105 2.98 2.77
8 0.0882 0.0873 2.45 2.77
9 0.0898 0.0890 2.98 2.90
Spiked level (mg/kg) Mean value
b)(mg/kg)
Recovery
b)(%) RSD
rc)(%) RSD
Rd)(%) PRSD
Re)(%) HorRat
22 14
0.42 0.46
2.9 4.8
9.2 6.3
0.0894 2.78
89.4 92.6
0.1 3
Lab. No.
Feed types
Whole-crop rice silage Paddy rice
(mg/kg) (mg/kg)
a) Data excluded by Cochran test
b) Whole-crop rice silage: n=16; Paddy Rice: n=18
c) Relative standard deviation of repeatability within laboratory d) Relative standard deviation of reproducibility between laboratories e) Predicted relative standard deviation of reproducibility between
laboratories calculated from the modified Horwitz equation
稲発酵粗飼料及び籾米中のオキソリニック酸の液体クロマトグラフタンデム型質量分析計による定量法
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Table 9 Instruments used in the collaborative study LC column (i.d.×length, particle size) LC: ACQUITY UPLC, Waters Inertsil ODS-4, GL Sciences MS/MS: ACQUITY TQD, Waters (3.0 mm×150 mm, 3 µm) LC: ACQUITY UPLC, Waters Inertsil ODS-4, GL Sciences MS/MS: ACQUITY TQD, Waters (3.0 mm×150 mm, 3 µm) LC: Nexera X2, Shimadzu ZORBAX Eclipse XDB-C18, MS/MS: LCMS-8040, Shimadzu Agilent Technologies
(3.0 mm×150 mm, 3.5 µm) LC: ACQUITY UPLC, Waters Inertsil ODS-4, GL Sciences MS/MS: ACQUITY TQD, Waters (3.0 mm×150 mm, 3 µm) LC: ACQUITY UPLC, Waters) Inertsil ODS-4, GL Sciences MS/MS: Quattro premier XE, Waters (3.0 mm×150 mm, 3 µm) LC: Alliance 2695, Waters Inertsil ODS-4, GL Sciences MS/MS: Quattro premier XE, Waters (3.0 mm×150 mm, 3 µm) LC: 1200, Agilent Technologies Inertsil ODS-4, GL Sciences MS/MS: 6410 Triple Quad LC/MS, (3.0 mm×150 mm, 3 µm)
Agilent Technologies
LC: 1200, Agilent Technologies Inertsil ODS-4, GL Sciences MS/MS: 6410 Triple Quad LC/MS, (3.0 mm×150 mm, 3 µm)
Agilent Technologies
LC: ACQUITY UPLC, Waters Inertsil ODS-4, GL Sciences MS/MS: Quattro premier, Waters (3.0 mm×150 mm, 3 µm) 8
9 5 6
7
Lab. No. LC-MS/MS
1 2
3
4
4 まとめ
飼料用イネ中に残留するオキソリニック酸について,
JFRL
法を基にLC-MS/MS
を用いた定量法 の飼料分析基準への適用の可否を検討したところ,飼料用イネのうちWCS
及び籾米を対象としてJFRL
法の抽出液を10
倍希釈する操作の追加及び定量操作を遮光条件下で実施することにより,以 下の結果が得られ,適用が可能であると考えられた.1)
検量線は,0.1~50 ng/mL
相当量(注入量として0.0005~0.25 ng
相当量)の範囲で直線性を示し た.なお,当該検量線における各マトリックスの添加回収試験の設定濃度は,WCS で
2.25
及び0.225 ng/mL
相当濃度,籾米で30,3
及び0.1 ng/mL
相当濃度とした.2)
本法に従い得られる試料溶液についてマトリックス効果を確認した結果,オキソリニック酸は 試料マトリックスによる大きな影響を受けることなく測定可能であった.3) WCS
及び籾米について,本法に従って得られたクロマトグラムには,定量を妨げるピークは 認められなかった.4) WCS
にオキソリニック酸として原物中に換算して0.1
及び0.01 mg/kg
相当量,籾米に3
,0.3
及び
0.01 mg/kg
相当量を添加し,本法に従って3
点併行分析を実施し,回収率及び繰返し精度を求めたところ良好な結果が得られた.
5)
本法のオキソリニック酸の定量下限はWCS
(風乾物)及び籾米中でそれぞれ0.02
及び0.01
mg/kg,検出下限は WCS(風乾物)及び籾米中でそれぞれ 0.007
及び0.003 mg/kg
であった.6) WCS
にオキソリニック酸として原物中に換算して0.1 mg/kg
相当量及び籾米にオキソリニック酸として
3 mg/kg
相当量を添加した試料を用いて9
試験室において本法に従い共同試験を実施したところ,良好な結果が得られた.
謝 辞
共同試験に参加していただいた協同飼料株式会社研究所,一般財団法人食品環境検査協会東京事 業所,一般財団法人日本食品分析センター彩都研究所における関係者各位に感謝の意を表します.
文 献
1)
食品安全委員会:農薬・動物用医薬品評価書 オキソリニック酸(第3
版)平成25
年11
月(2013).
2) 農林水産省畜産局長通知:飼料の有害物質の指導基準の制定について,昭和 63
年10
月14
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(Page 75-79)