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全体的考察 と 今後の課題

』夢

本報告書の研究 3  では、利用 数に加 えて、利用者の子

Ⅳ   全体的考察 と 今後の課題

これま で見てき た よ う に、本調査では、 「子育て相談教 室」の利用者と非利用者‑の質問紙調査を中心に、 「子育 て相談教室」の利用の され方について総合的に検討 して

き た。

まず最初に先行実態調査(本報告書研究 3 )の結果と 本質問紙調査によ って明 らかになった利用回数、利用内 容、初回利用時年齢を比較検討する と、全体的傾向には 大 き な違いを認めなかっ た。従っ て、本質問紙調査の回 答者は、利用実態を よ く 代表 してお り、本質問紙調査の 結果を「子育て相談教室」利用者全体の傾向 と して と ら

え る こ と が可能 と 考 え ら れた。

利用者の利用行動は「知識・情報 と しての利用」と「居 場所と しての利用」の 2因子からな り、いずれの得点の 高 さ も利用満足感 と 関連 していた。さ ら に、普段のサポ ート を統制要因 と した上で、利用行動 と 利用後の身近な 人た ち と の会話行動の 関連を、偏相関に よ っ て確認 した

と こ ろ、利用者は、 「知識・情報 と しての利用」 「居場所

と しての利用」のいずれにおいて も、相談後に夫、祖父

母、友人 ら の身近な人たち と の会話に話題に繋がっ てい

た。特に得 られた情報や助言は夫 と の会話、居心地よ く

時間 を過 ごせた こ と は友人 と の会話 の 契機 と な る 傾 向 に あ る こ と が 推察 さ れ た。

行政 が 行 な う 支援事業 は、平 日 の 業務 時間 内 に 限定 さ れ る た め、主 に 専業主婦の母親へ の働 き か け に な ら ざ る

を えず、有職 の 母親や父親 の 参加 を 推奨す る に は 限界 が

あ る。 自 治体 に よ っ て は、土曜 日 や平 日 の 夜 に 事業(例 え ば、妊娠 中 の 両親教室 な ど)を 開催 し好評の よ う で あ る が、閉所 日 の安全保障上の 問題 な ど も一あ り、 ど の 自 治

蕗でも可能と い う わけにはいかないのが現状である。し か し本結果か ら は、 「子育て相談教室‑の参加が、育児 中

の母親 に つい て の 直接的援助 と な る と も に、母親 を 通 じ て 間接的 に 周 囲 の 人 々 ‑ の働 き か け と も な り う る こ と が わかっ た。従 っ て、 「母親 を 取 り 巻 く 身近 な人た ち の存在 を 意識 し つつ、母親 を通 じ て そ の 背後 の 家族 に も 働 き か け て い る こ と に 自 覚的」で あ ら な ければな ら な い。参加

者の緊 張や不安が 低減 さ れて、母親 た ち が よ り 積極的 な

利用 行動 を と る こ と が で き れば、利用 後 の身近な人 々 ‑ の行動 も よ り 高 ま る こ と が期待 さ れ る。対応者側 に よ る 相 談 の 場 の 雰 囲気 づ く り や利用 者‑ の 心配 り は、 こ の よ

う な意味で も 必要 と 考 え ら れた。

ま た「子育て相 散教室」の利用者 は、非利用 者 に 比べ

て、 「居住歴が 浅い」、 「第一子が年少児」、 「身近なサ ポー

ト が 少 な い」、 「子 ど も を 扱 い に く い」 と 感 じ て い る 母親 が 多か っ た。従 っ て、非利用 者 に 比 べて、育児初期 の ス キ ル獲得やネ ット ワ ーク 形成 に 関す るリ スク が よ り 高 い 集団 で あ る こ と が 推察 さ れ る。地域全体 を視野に入れて

行 う 相談事業 と し て は、概ね支援 の必要な人 に 良好 な成

果 を 上 げ て い る だ ろ う と 思われ る。 し か し、開催時 間 や 参加 者 の 雰 囲 気 な ど の 面 で利 用 し に く さ が あ る こ と も 示

さ れ、逐次、 「子育 て 相談教室」の 見直 し に繋げ ら れ た。

一方、非利用 者 に と っ て の利用 し に く さ が存在す る こ と も 示 さ れた。非利用者の約 81% の 母親 は「子育て相 談

(

教室」を 認知 し て お り、 「やや利用 し た い」と「と て も 利 用 し た い」を 合わせ る と 約 72% の母親が利用 を希望 し て いた。し か し そ の う ち 47% は利用 で き ない、あ る い は し

に く い状態 に あ っ た。ま た利用者に比べて非利用者は有 職者が多 く、会場か ら 離れた地 区の母親が多かっ た。

本 結 果 か ら は、支 援 プ ロ グ ラ ム の「利 用 し や す さ (aeeesSibility)」の問題は、開催施設の立地場所、開催

日 時、会場の雰囲気な ど、すな わ ち、一構造的 な問題か ら 機能的 な 問題ま で、様々 な レベルにおいて考慮 さ れな け

ればな ら な い と い う こ と が示 さ れて い る。勝浦(2002) は、先行研究の レ ビュ ー に よ り、施設 ま での所要時間 の

長 さ と 利用状況の減少の 関係 を 考察 し てお り、本調査に

おいて も、こ れを支持 した結果 と な っ た。送 り 手の意図 と し て は、 「地域全休」を対象 と し て いて も、会場の場所

や 日 時が 既 に利用 しやすい対象者 を 限定 し て い る 可能性

が あ る こ と を 自 覚 し ておかな ければな ら ない。幸い、本

事業 の非利用 者は、夫、祖父母、友人 な ど の身近 な サ ポ

ート が 高 く、子 ど も に つ い て も 扱 い に く さ を感 じ て い な いが人が 多い こ と が見受 け ら れ、深刻 なリ スク 集団 では ない と 思われ る。 し か し、自 由 記述の 中 に は、土曜 日 開

催や、会場か ら 離れた も み じ ケ 丘地 区での開催 を 望む声

も 強 く、今後、利用機会の狭め ら れて い る 対象者‑の補 完的対応(例 え ば、有職の母親‑の特別プ ロ グ ラ ムや、

地区特定の 出 張サー ビス な ど)が必要 と な る 局面 も あ る か も し れ な い。

乳幼児健康診査の よ う に規格化 さ れた一斉事業 と は逮 い、 「子育て相談教室」は、利用者の状況やニー ズに応 じ

て、目 的や方法が模索 さ れ練 り 上 げ ら れて い く 性質の も の で あ る。本研究で は、調査結果 を フ ィ ードバ ック す る に よ り、随時、プ ロ グ ラ ム の修正や強化が な さ れて い る。

例 え ば、 「参加者の雰囲気」を和 ら げ る た め に、保育士 の

遊び紹介や保健推進員 の フ ロ ア 参加 な どが始ま っ た。ま

た、子 ど も の相談 だ け で な く 母親相 談 が 可能 で あ る こ と、

個 別相 散‑ の 対応 も 可能 で あ る こ と、祖母参加 の勧 め な どは、周知パンフ レ.y,ト に加筆修正 された。どの よ う な 相 談 が 出 来 る の か と い う 具体的 な 例 も 加 え ら れ る よ う に な っ た。ま た、開催時間 の 利用 し に く さ の 指摘 を 受 け て、

受付 開 始時間 も 遅 ら せ る 対応 が と ら れた。平成 11年〜

14 年 ま で は、 1歳 6 ケ 月 ま で の年少児 を 持つ 母親 が 6 ‑ 7 割 を 占 め て いた が、平成15 年度の利用者では、 1歳 6

ケ月 以後 の年長児 を持つ母親 に増加 がみ られ、そ の割令

は 全体 の 47% に ま で伸 びて い る (平成16 年1月 現在)。

研究1が指摘 し て い た よ う に、児年齢の上昇 に伴 っ て 増 加 し て い く ア ン ビバ レ ント な養育上の 問題への支援 と い う 面 か ら 考 え る と、年長 児 の 母親 の利用 が 増加 し て い る こ と は好 ま し い変化 と み る こ と が で き る。

し か し、課題 と な る 点 に つ い て 次 々 に修正が 図 ら れ る こ と は、心理学的効果研究 の 本来的 な 方法論 と し て の 理

論的問題が大 き い。変動要因 に よ る 効果が厳密 に 問 われ る た め に は、同時 に複数要 因 が換作 さ れた場合、有効 に

寄与す る 要因 の同 定が 不能 と な る か ら であ る。 し か し、

毎回 の 参加者 と そ の 問題性 に よ っ て 対応 に変化 を 求 め ら れ る よ う な、ま さ に 生 き た かかわ り と し て の 地域臨床 現 場 に お い て は、統制 的 な研究方略 はふ さ わ し く な か っ た。

可能 な修正 はい ち 早 く と ら え、対応 の質 を 高 め よ う と す る 現場 の 方向性の流れ の 中 で、本研究 は進 め ら れた。 こ の 点 は、本研究の最大 の 限界 で あ り、同 時 に 特徴で も あ っ た と 考 え て い る。

本研究で は支援事業 の「利用 しやす さ」を 高 め て い く

必 要性 に つ い て検討 し て き た。 し か し 同 時 に、そ の こ と 自 体が 抱 え る 問題性 も 見越 し て お き た い。そ れは 主催者

側 の「収容力」の 問題で あ る。利用 者の増加 は、提供す

る サ ポート ‑の 関心 が 高 ま り 「利用 しやす さ」が 高 ま っ た 結果 と 見 る こ と が で き る が、同 時 に、利用 者が増加す

れば、ス タ ッ フの負担が増加する こ と は避け られない。

そ も そ も地域におけ る支援は、 「地域全体を対象 と して、

個々.に対応する」と′い う、背反的な課題を負っている。

仮に「収容力」を超えた参加者を集めれば、十分な対応 は失われかねない。すなわち支援事業のあ り 方を考える 際には、利用者の意識や行動に対 して敏感であるだけで はな く、対応側が持っ資源能力の査定が常に求め られる

と い う こ と であろ う。そ う いった意味においても、地域

‥の支援現場は「生き物」である。受け手のニーズを感知

し、送 り 手が提供し う る援助と の間の適正域を探ってい

く 努力は不断の も のでな く てはな らない。

Ⅴ  ま と め

< 利 用 者 >

1・74%の母親は、 「子育て相談教室」を広報か ら知っ て

いた。利用 回数は 3 回以下が半数であ り、 2 0 回を

超え る母親 も1割弱存在 した。

2・利用内容では、 「身体計測」が最も多く の母親に利用

され(95.6%)、 「歯科相談」が続いていた(69.8%)。

3・利用者の居住地区は、吉岡が 44%、吉岡南 と もみ じ

ケ 丘が 22% で あ っ た。

4・子 ども数は1人が 71%、 2人以上は 29%であった。

5・初回相談時の子ども月齢は、 0‑5 ケ月 が 26%、 6‑

11ケ 月 は 25%、 12‑17 ケ 月 は 21%、 18 ケ 月 〜3歳 半は 22% で あ っ た。

6・核家族は 66%、父方同居は 23%、母方同居は10%

で あ っ た。

7・利用者の 80%は育児専業、 10%は育児休暇中の母親

で あ っ た。

8・利用者の 23%は大和町に居住 して1年未満、1‑3年

未満 は 35% で あ っ た。

9.子 ど も を扱い に く い と 感 じ て い る 母親は 33%で あ っ た。

10.初回参加時に利用 し よ う と 思っ て いたの は、 「身体 計測」 ( 79.1% )、 「仲 間 作 り」 (35.7%)、歯科相 談 (26.9%)で あ っ た。そ の場で「つ いで」に利用 し た も の は、各内容 ご と に 20%前後 にのぼっ た。

ll.参加する と き の気持ち は、 「不安・席拷」を持ち「緊 張」し て い た と 答 え る 母親は「ややあ っ た」 「と て も あ っ た」を合わせ る と 半数に のぼっ た。一方で、 「楽 しみ・期待」に つ い て も、 「やや あ っ た」 「と て も あ っ た」を合わせる と 74%であ っ た。

12. 「利用 しやす さ(しに く さ)」について、 「場所・位 置」 「施設・設備」 「交通の便」 「経済性」 「開催 日」

「開催時間」 「安全性」 「家族の反応」 「参加者の雰囲

気」 「ス タ ッ フ の雰囲気」について検討 した。その結

果、平均値は概ね 3 点(「やや利用 しやすい」)を超 えていたが、 「開催 日」 「開催時間」 「参加者の雰囲気」

の平均値は他 と 比べてやや低め であ っ た。自 由 記述 を併せて検討する と、 「開催 日」については土曜開催 を望む声がみ られた。 「開催時間」については、幼稚 園の見送 り の時間や家事の時間 と の都合の間居、 「参 加者の雰囲気」について は、既に仲の 良い どお し の

グルー プが 出 来上 が っ て い る と 入 り 込み に く か っ た と い う 声 が 聞 かれた。

13. 「子育て相談教室」の利用行動 と して、 「知識・情

報 と し て の利用」、 「居場所 と して の利用」の 2 因子

が抽出 さ れた。平均値をみ る と、ス タ ッ フや参加者

と 自 分の こ と や子 ど も の こ と を話 し、必要な情報 を 得 る 利用 に 比べ る と、居場所 と し て の利用 はやや低 め で あ っ た。

14.身近なサポート の様子をみる と、夫サポート と 祖父