6. 実証実験結果
6.5 全体考察とまとめ
3.80 3.67 3.40
3.87
3.80 3.40 3.40
3.80
1.00 1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 4.50 5.00 このコースを友人にも勧めたい
もし機会があれば、この形式のコースを再び 受講したい
この講義のスタイルは自分に合っている よく準備されていたコースである
終了者 全体
図 6-1 コースの評価
このように本コースは研究科や専攻が潜在的に抱えている課題の解決に寄与する可
能性を持っているが、SME のボランタリワークや大学院生中心のプロジェクト運営に
はおのずと限界があり、e ラーニング授業を継続的に、また規模を拡大して行うため
には、インストラクショナルデザイナのような専門職が必要であることはいうまでも
ない。
*学習環境としての
LMSの中で、授業中に必要となる利用機能を選択できる。
☆(追加)大学全体としてのカリキュラムなど、様々な制約条件を理解し、それに 対応させたコンテンツを提案することができる。
☆(追加)「大学組織」、 「教授者」、 「学生」、「社会」の
4つのニーズを総合し、授 業に反映させたコンテンツを提案することができる。
☆ゴール分析の結果と学習者が現在持っている知識・スキルと、これから開発し ていこうとしている学習コースの取得に必要とされる知識・スキルとの乖離の状況 を把握して(ギャップ分析)、適切なスキル・レベルの設定ができる。
☆コース実施に必要な資金、人材等を算出できる。
「MOUS 資格取得準拠エクセル演習」は単位認定正規授業であり、分析過程をケ ースとして上記項目を検証する。
(b)設計
*教授の信念やシラバスに応じた学習目標が明示できる。
*単位認定条件を満たしたカリキュラムが策定できる。
☆複数の教授方法に応じた学習目標が明示できる学習環境として必要な
LMSなど の要件定義ができる。
☆教育機関の情報ポリシーに対する提案ができる。
(c)開発
*適切な学習メディアを選択できる。
*学習環境としての
LMSの中で、授業中に必要になる利用機能を選択できる。
*効果的な教材開発を指導できる。
☆コース実施に必要な資金、人材等を算出できる。
☆学習環境として必要な
LMSなどの要件を定義できる。
(d)実施
*技術的トラブル解決のための適切・迅速な対応ができる。
*状況、学習者特性に応じたメンタリングを指導できる。
☆メンタ育成に関する示唆を抽出できる。
☆評価に基づいた機能付加や新たなソフト開発を提案できる。
(e)評価
*形成的評価の計画を立案できる。
*アンケート結果やインタビュー結果などを分析できる。
*総括的評価の計画を立案できる。
*総合的なコースの成果を記述できる。
☆学習履歴(ログ)や他の測定データなどを包括的に関連付けて分析できる。
(2)
ニーズ調査・分析プロセスの妥当性の検証結果
調査報告書では、分析プロセスのアクションアイテムとして、スキル要件をもとに 次のようなアクションアイテムが明示された。
・ カリキュラム体系分析
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ニーズ分析 学習対象者分析
SME
分析
ゴール分析 ギャップ分析 授業概要書作成 メディア分析 環境分析 技術分析 授業効果分析 コスト分析
ここでは、2003 年度に
IDを用いて設計、開発された「MOUS 資格取得準拠エクセ ル演習」を分析の対象とした。ニーズ調査・分析プロセスを構成する上記のアクショ ンアイテムを活用することによって「情報ネットワークリテラシ応用」が抱えていた 問題を解決できたことで、調査報告書で提案したニーズ調査・分析プロセスは妥当で あるとの結果が得られた。
(3)
設計・開発プロセスの妥当性の検証結果
調査報告書では、設計・開発プロセスのアクションアイテムとして、スキル要件を 元に次のようなアクションアイテムが明示された。
プロジェクト計画立案 プロジェクトチーム編成 学習目標詳細化
学習目標構造化 学習目標系列化 学生評価基準設計 開発概要策定 実施概要策定 形成的評価基準設計 総括的評価基準設計 プロジェクト評価基準設計 素材の作成と編集
教材の作成 検査の実施 レビューの実施 実証実験の実施 最終レビューの実施
ニーズ調査・分析プロセスの妥当性の検証と同様に、「MOUS 資格取得準拠エクセル
演習」では、ID を利用しなかった「情報ネットワークリテラシ応用」のエクセル単元
が抱えていた問題を解決できた。従って、調査報告書で提案した設計・開発プロセス が妥当であるとの結果が得られた。
(4)
実施・評価プロセスの妥当性の検証結果
実施・開発プロセスにおけるアクションアイテムは、スキル項目と同じであるため、
スキル要件の検証と同時に、以下のようなアクションアイテムの妥当性が検証できた。
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技術的トラブルへの迅速かつ適切な対応 メンタリング指導
メンタ育成に関する示唆提示 付加機能、新ソフトウェア開発提案 形成的評価計画の立案
アンケート、インタビュー等の結果分析 総括的評価計画の立案
総合的なコースの成果の記述
各種データを包括的に関連付けた分析
(5)
高等教育
IDプロセス適用の成果
(a)MOUS
資格取得準拠エクセル演習
ID
プロセスの適用が授業全体に対して及ぼした総合的な成果は次のようなもので ある。
2002
年度に発生した問題について、解決あるいは改善することができた 各プロセスにおける成果は次のようなものである。
分析:高等教育における制約条件を列挙し、制約条件から来る問題を排除で きた
設計:分析で得られた条件をプロジェクトで運営するための指示が明確にで きた
開発:分析・設計を元に授業実施を意識した教材を作成することができた
(b)国際コミュニケーション論ID
プロセスの適用が授業全体に対して及ぼした総合的な成果は次のようなもので ある。
多忙な社会人大学院生に適したコース開発、運営ができた 海外の研究者と協力してバーチャルな教育の場を提供できた 他専攻の大学院生の単位取得にも問題がなかった
専攻科ではじめての
eラーニング授業を成功させた 各プロセスにおける成果は次のようなものである。
設計:文部科学省が定める単位認定のための条件を満たしたコース設計が可 能であった
開発:システマチックなアプローチを用いて、効果的な教材開発やメディア
選択を行うことができ、予算、開発期間の制約内で有効なコース開発ができた
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実施:メンタの配置やメンタリング技術の指導などを行うことで、技術トラ ブルに的確に値負うし、効果的なメンタリングを実施できた
評価:形成的評価、総括的評価をそれぞれの評価計画に基づいて実施し、教 材の再開発や
2004年度のコース環境改善へ向けた多くの示唆を得ることがで きた
6.5.2
課題・問題点
(1) MOUS
資格取得準拠エクセル演習
分析プロセスのスキルのうち
☆
(追加)大学全体としてのカリキュラムなど、様々な制約条件を理解し、それに対応させたコンテンツを提案することができる
☆ (追加)「大学組織」、「教授者」、「学生」、「社会」の
4つのニーズを総合し、
授業に反映させたコンテンツを提案することができる の
2つについて、更に詳細化していく必要がある。
また、設計プロセスのスキルでは、プロジェクトを管理するというアクションアイ テムについての検証が容易ではなかった。本実証実験では、IDer 像をプロジェクトマ ネジメントを兼ねた存在としてとらえていたが、プロジェクトの規模が大きくなった ときのことを考えると、更なる研究の余地がある。
開発プロセスのスキルからは
☆効果的な教材開発を指導できる
について、どのレベルで指導をすることを想定するかが課題として残った。
(2)
国際コミュニケーション論
設計プロセスにおいては、本コースのような非同期分散型の場合、個々の学習者の 学習活動を把握することが非常に難しいため、「単位認定条件を満たしたカリキュラム が策定できる」というスキルの検証が容易ではなかった。そこで、このスキルに関連 して、
*分散環境における学習活動の実態を分析可能なデータとして把握できる というスキルを追加すべきである。
実施プロセスでは「コース実施に必要な技術を
SMEに教えることができる」という スキルが問題になった。SME との連携は必須となることが考えられるため、
☆スムーズな授業実施のため、SME、メンタなど授業提供者側のプレイヤの役割 調整を行う
というスキルを提案したい。
評価プロセスにおいては、学習者の評価に関する項目、例えば「成績判定の基準ま で示すことができる」などは、評価プロセスではなく、実施プロセスもしくは設計プ ロセスに含めるべきであることが示唆された。
(3)
全体的な課題・問題点
ドキュメント内
ALIC報告書書式
(ページ 56-61)