6. 実証実験結果
6.4 評価・考察
6.4.2 ニーズ調査・分析プロセスの妥当性の検証
本節では、表 6-4に挙げた問題点がニーズ調査・分析プロセスのアクションアイテム を用いて真に改善されたかどうかを検証する方法とその結果について述べる。
(1)
評価・考察方法
検証方法を表 6-16に示す。
表 6-16 問題点の改善のために行った作業内容と妥当性の検証方法
2002年度情報ネットワークリテラシ応用に おける問題点
取り入れたアクション アイテム
改善のために実際に行った作業内
容(ID技法) 妥当性の検証方法 (a)学 習 項 目 が 少 な か
った。
ゴール分析 MOUS 取得に必要な学習項目を 細かく分け、1つ1つを順序だて て埋めていく形式での開発方針を 用いた。
学習手段の差異を比較した後、そ こに含まれている学習項目の量的 差異を比較する。(2002 年度のエ クセル単元と当該授業)
(b)授 業 全 体 の 目 的
(ゴール)が明確かつ 具体的でなかった。
ニーズ分析 ゴール分析 授業概要書作成
ニーズ分析にて、「より実践的で 仕事にも使えるExcel技術を身に つける必要性がある。」とのニー ズを導き出した。
ゴール分析にて、ニーズ分析で出 さ れ た 抽 象 的 な 学 習 目 標 を MOUS に対応させて考え、具体 的にした。
授業概要書作成にて、毎回の授業 の目標となる模擬試験と、全ての 範囲をカバーした模擬試験を開発 する方針をアウトプットした。
学習者に向けて、具体的な学習目 標があったかを尋ねるアンケート を実施し、その結果を調査する。
目標を明確に持って教授を行えた かを尋ねる教員インタビューを実 施する。
(c)同 一 試 験 に 複 数 の 同一スキルを問う問題 が出題され、結果的に 最終試験がカバーして いる学習範囲が狭かっ た。
ゴール分析 ゴール分析にて、MOUS 取得に 必要な学習項目を明確にした。
ゴール分析にて、MOUS の試験 問題形式を調査した。
2002 年度の試験問題と当該授業 の試験問題を MOUS の範囲に置 き換え、MOUS 全範囲に対して その試験範囲がカバーした割合を 算出し、比較する。
(d)説 明 を 聞 く の が 中 心であり、技術として 習得するための内容で はなかった。
ニーズ分析 授業概要書作成
ニーズ分析にて、聞くだけでなく 実践的な練習を多く取り入れた授 業体制が必要との考えが導き出さ れた。
教授概要書作成では、ニーズ分析 の結果を受けて、毎回の授業でそ の学習範囲における模擬試験(実 習問題)を開発し、それを解ける ようになるための練習ワークシー トを開発、そして、それらの問題 を解くために分かりやすく工夫さ れた講義用 PowerPoint 教材を開 発していく指針を作成した。
学習者に向けて、利用した教材と 授業運営方法が理解を深める上で 役立ったか尋ねるアンケートを実 施、その結果を検証する。
(e)進 行 の 速 さ か ら 、 教授内容についていけ ない学生が多く存在し た。
SME分析
授業概要書作成
SME 分析では、SME の教授方針 や特徴を分析し、学生の進行を意 識した運営を行うよう、指示を出 した。
授業概要書作成にて、学習対象者 の初期能力向上を図り、自習を実 施した。
授業概要書作成にて、試験などか ら分かる学習者一人一人の学習項 目についての弱点を、学習者に向 けて頻繁にフィードバックした。
学習者に向けて、担当教員の説明 の分かりやすさや進行スピード、
サポート体制が学習しやすいもの であったかを尋ねるアンケートを 実施し、その結果を検証する。
(f)SME が説明に使用
する教材掲示装置が、
座る席によっては見難 いとの声が多かった。
環境分析 2002 年度多く聞かれた意見を反 映し、学生二人に対し、一つの説 明画面を用意できる教室を用意し た。
初めに分析することで、この問題 は解決されるので、検証の必要は ないと考えられる。
(g)PC が持参だったの
で、Power Point がイ
ンストールされていな い学習者が多く存在し た。
メディア分析 環境分析
メディア 分析 では、Power Point で教材を作成するのが扱いやすさ やコストの点から見て適切である と考えられた。
環境分析では、全員が同じ PC 環 境を得るため、PC が設置された 教室を用いる方針が出された。
初めに分析することで、この問題 は解決されるので、検証の必要は ないと考えられる。
(h)学 習 者 の 学 習 に 対 するモチベーションが 低かった。
ニーズ分析 ゴール分析 授業概要書作成
ニーズ分析では、学生からのアン ケート結果などから、「目標が具 体的であり、実践的な練習機会を 多く与え、それが将来に役立つこ とを実感させること」がモチベー ションの向上につながると考えら れた。
ゴール分析では、ニーズ分析の結 果を受け、ゴールの具体化を図っ た。
授業概要書作成では、実践的に授 業に参加すること内容理解する授 業体制をとるために、講義用教材 と合わせ、模擬試験や練習ワーク シートを開発していく方針を出し た。
学習者に向けて、将来に役立つ授 業内容であると感じるかを尋ねる アンケートを実施し、その結果を 検証する。
学習者に向けて、今回のような資 格試験のための授業について肯定 的であるかを尋ねるアンケートを 実施し、その結果を検証する。
学習者に向けて、各学習教材が理 解を助けるものであったかを尋ね るアンケートを実施し、その結果 を検証する。
学生が意慾を持って学習をしてい たと感じるかを尋ねる教員インタ ビューを実施する。
(i)最終的に行った試験 結果が悪く、Excel が 使えるようになったと は考えにくかった。
分析プロセス全てのア クションアイテム
2002 年度と同じ試験を行い、点 数を比較する。
今回の授業内容の達成率を、
ポストテストを用い測定する。
(2)
対象とする実証実験データ
表 6-16で示された検証方法において、検証のために用いたデータを表 6-17に示す。
表 6-17 ニーズ調査・分析プロセスの妥当性の検証に用いたデータ
2002年度情報ネットワークリテラシ応用に おける問題点
取り入れたアク
ションアイテム 妥当性の検証方法 検証に用いたデータ (a)学 習 項 目 が 少 な か
った。
ゴール分析 学習手段の差異を比較した後、そこに 含まれている学習項目の量的差異を比 較する。(2002 年度のエクセル単元と 当該授業)
2002 年度授業との学習手段の差 異
当 該 授 業 に お け る 学 習 項 目
(MOUS試験範囲との対比)
(b)授 業 全 体 の 目 的
(ゴール)が明確かつ 具体的でなかった。
ニーズ分析 ゴール分析 授業概要書作成
学習者に向けて、具体的な学習目標が あ っ た か を 尋 ね る ア ン ケ ー ト を 実 施 し、その結果を調査する。
目標を明確に持って教授を行えたかを 尋ねる教員インタビューを実施する。
アンケート結果(絶対評価)
教員インタビュー結果
(c)同 一 試 験 に 複 数 の 同一スキルを問う問題 が出題され、結果的に 最終試験がカバーして いる学習範囲が狭かっ た。
ゴール分析 2002 年度の試験問題と当該授業の試験 問 題 を MOUS の 範 囲 に 置 き 換 え 、 MOUS 全範囲に対してその試験範囲が カバーした割合を算出し、比較する。
試験に用いられた学習項目数
(d)説 明 を 聞 く の が 中 心であり、技術として 習得するための内容で はなかった。
ニーズ分析 授業概要書作成
学習者に向けて、利用した教材と授業 運営方法が理解を深める上で役立った か尋ねるアンケートを実施、その結果 を検証する。
アンケート結果(絶対評価)
(e)進 行 の 速 さ か ら 、 教授内容についていけ ない学生が多く存在し た。
SME分析
授業概要書作成
学習者に向けて、担当教員の説明の分 かりやすさや進行スピード、サポート 体制が学習しやすいものであったかを 尋ねるアンケートを実施し、その結果 を検証する。
アンケート結果(ID を用いない 他単元との比較)
(f)SME が説明に使用
する教材掲示装置が、
座る席によっては見難 いとの声が多かった。
環境分析 初めに分析することで、この問題は解 決されるので、検証の必要はないと考 えられる。
当該授業では教材掲示装置が2人 に1つずつ割り当てられたため、
見込みどおり問題が発生しなかっ た。
(g)PC が持参だったの
で、Power Point がイ ンストールされていな い学習者が多く存在し た。
メディア分析 環境分析
初めに分析することで、この問題は解 決されるので、検証の必要はないと考 えられる。
当該授業では全員が情報実習室の 同型の端末を使用したため、見込 みどおり問題が発生しなかった。
(h)学 習 者 の 学 習 に 対 するモチベーションが 低かった。
ニーズ分析 ゴール分析 授業概要書作成
学習者に向けて、将来に役立つ授業内 容であると感じるかを尋ねるアンケー トを実施し、その結果を検証する。
学習者に向けて、今回のような資格試 験のための授業について肯定的である かを尋ねるアンケートを実施し、その 結果を検証する。
学習者に向けて、各学習教材が理解を 助けるものであったかを尋ねるアンケ ートを実施し、その結果を検証する。
学生が意慾を持って学習をしていたと 感じるかを尋ねる教員インタビューを 実施する。
アンケート結果(絶対評価)
アンケート結果(2002 年度との 比較)
(i)最終的に行った試験 結果が悪く、Excel が 使えるようになったと は考えにくかった。
分析プロセス全 てのアクション アイテム
2002 年度と同じ試験を行い、点数を比 較する。
今回の授業内容の達成率を、ポストテ ストを用い測定する。
同一の試験の結果(2002 年度と の比較)
当該授業における学生の目標達成 率