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ALIC報告書書式

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(1)

平成 15 年度

「情報化人材育成プラットフォーム(情報技術活用

学習基盤システム開発)」報告書

(概要編)

第5編

高等教育 e ラーニングインストラクショナルデザイン

の開発及び実証実験

平成 15 年 3 月

経済産業省

(2)

目 次

1. 背景... 1

2. 目的・目標... 1

3. 概要... 1

4. 実施体制... 2

4.1 プロジェクト体制 ... 2

4.2 実施体制図... 3

5. 調査結果... 4

5.1 調査内容... 4

5.1.1 高等教育インストラクショナルデザイン要件に関する調査 ... 4

5.1.2 高等教育インストラクショナルデザインプロセスの調査 ... 4

5.1.3 高等教育におけるインストラクショナルデザインを適用した授業実施ガイドの策定.... 4

5.2 調査方法... 4

5.2.1 各種文献・資料・書籍、及びインターネットなどでの公開情報 ... 4

5.2.2 高等教育 ID タスクフォースとの連携 ... 5

5.3 結果... 5

5.3.1 高等教育インストラクショナルデザイン要件に対する調査 ... 5

5.3.2 高等教育インストラクショナルデザインプロセスの調査 ... 6

5.3.3 高等教育におけるインストラクショナルデザインを適用した授業実施ガイドの策定.. 22

6. 実証実験結果... 22

6.1 実証実験項目... 22

6.1.1 実証実験項目の構成 ... 23

6.1.2 実証実験項目の構成説明 ... 24

6.2 計画・準備... 30

6.2.1 「MOUS 資格取得準拠エクセル演習」実証実験計画... 30

6.2.2 「国際コミュニケーション論」実証実験計画 ... 30

6.2.3 実証実験準備作業 ... 30

6.3 実施方法... 31

6.3.1 「MOUS 資格取得準拠エクセル演習」に関する実証実験... 31

6.3.2 「国際コミュニケーション論」に関する実証実験 ... 33

6.4 評価・考察... 34

6.4.1 高等教育インストラクショナルデザインプロセスにおけるスキル要件の検証... 34

6.4.2 ニーズ調査・分析プロセスの妥当性の検証 ... 41

6.4.3 設計・開発プロセスの妥当性の検証 ... 46

6.4.4 実施・評価プロセスの妥当性の検証 ... 51

6.5 全体考察とまとめ ... 54

6.5.1 成果及び総括 ... 54

6.5.2 課題・問題点 ... 58

6.5.3 今後の展開 ... 59

(3)

1. 背景

これまで、先進学習基盤協議会(ALIC)では e ラーニング品質向上に向けた活動の一環と

して、e ラーニングの品質を向上させるための教育工学的手法であるインストラクショナルデ

ザイン、およびそれを実践する人材であるインストラクショナルデザイナ育成に係わる普及、

調査、研究を行ってきた。

e ラーニングに携わる人材については、我が国も含め欧米、アジアにおいてさまざまな職種

や専門分野が定義されており、ALIC ではこれらを踏まえて、主に企業内教育担当者等ユーザ

の視点から、これら職種にかかわる知識やスキルを横断的に備えるとともに、高い品質の教育

を提供するための設計技法を熟知し、学習者の潜在ニーズを満足させ、企画・制作を支援し、

学習効果を保証する、分析・設計・開発・実施・評価の役割を担うインストラクショナルデザ

イナに係わる普及、調査研究を行ってきた。

しかしながら高等教育においては、単位認定基準や学位認定基準が存在すること、学期制な

ど授業実施期間に制限があること、人文科学系・社会科学系など教員による主観的な評価が行

われ易いことなど、企業内教育に比べ授業の実施方法や学習条件並びに実施環境にいくつかの

相違点があることから、特に分析から測定や評価までの広範な領域を取り扱うことができ、そ

の各段階に対して必要となる教育方法を包含した、総合的な学習コースのコーディネートを統

括する「広義のインストラクショナルデザイン」が必要とされている。

2. 目的・目標

本プロジェクトでは、e ラーニングに係わる高等教育における教員を支援する授業設計担当

者向けのインストラクショナルデザイン(以下、ID という)の開発と、その妥当性を検証する実

証実験を実施するものであり、高等教育におけるインストラクショナルデザインを確立すると

ともに、高等教育の現場においてインストラクショナルデザインを適用した授業を開発、実施

するためのガイドラインを策定することを目的とする。

3. 概要

本プロジェクトの概要を図 3-1に示す。本プロジェクトでは、調査研究において高等教育に

おける ID プロセスを策定し、その結果を踏まえたうえで実証実験にて策定した ID プロセスに

おけるインストラクショナルデザイナ(以下、IDer という)のスキル要件、及び ID プロセス自

身の妥当性の検証を行った。また実証実験の結果を踏まえた上で、高等教育の現場において

ID を適用した授業を開発、実施するためのガイドラインを策定した。

(4)

高等教育インストラクショナル デザインに関する調査研究 調査報告書 調査報告書 本編 実証実験報告書 本編

授業実施

ガイド

3. 実証実験項目 7. 評価・考察 3.2.1 高等教育インストラクショナルデザインプロセス におけるスキル要件の検証 3.2.2 ニーズ調査・分析プロセスの妥当性の検証 3.2.3 設計・開発プロセスの妥当性の検証 3.2.4 実施・評価プロセスの妥当性の検証 2.1 高等教育インストラクショナルデザイン プロセスの全アクションアイテム 4 高等教育インストラクショナルデザイナ養 成カリキュラムの要件の調査 7.1 高等教育インストラクショナルデザインプロセスに おけるスキル要件の検証 7.2 ニーズ調査・分析プロセスの妥当性の検証 7.3 設計・開発プロセスの妥当性の検証 7.4 実施・評価プロセスの妥当性の検証 2.2 分析プロセス 2.3 設計プロセス 2.4 開発プロセス 2.5 実施プロセス 2.6 評価プロセス スキル要件 IDプロセス 妥当性を実証 3 高等教育インストラクショナルデザインプ ロセスを適用した授業実施ガイドの策定 実証実験 別添 凡例 : 報告書などドキュメント : 章・節・項タイトル : 調査結果の推移

図 3-1 本プロジェクトの概要

4. 実施体制

4.1 プロジェクト体制

本プロジェクトの体制を図 4-1に示す。

(5)

総研特別プロジェクト Aoyama&Asia e-Learning Network プロジェクト

(A

2

EN プロジェクト)

青山学院大学総合研究所

ENプロジェクト

リーダ 佐伯 胖

AMLⅡ

プロジェクト

プロジェクトマネジメント

PM 齋藤裕

秘書 中山悦子 萬田宏子

実証実験授業開発/実施/評価

青山学院大学

早稲田大学

実証実験授業開発支援/実施支援

/評価支援

日本ユニシス

オフィネットドットコム

相互連携

日本ユニシス・ラーニング

本公募案件プロジェクト

リーダ 玉木 欽也

総研特別プロジェクト Aoyama&Asia e-Learning Network プロジェクト

(A

2

EN プロジェクト)

青山学院大学総合研究所

ENプロジェクト

リーダ 佐伯 胖

AMLⅡ

プロジェクト

プロジェクトマネジメント

PM 齋藤裕

秘書 中山悦子 萬田宏子

実証実験授業開発/実施/評価

青山学院大学

早稲田大学

実証実験授業開発支援/実施支援

/評価支援

日本ユニシス

オフィネットドットコム

相互連携

日本ユニシス・ラーニング

本公募案件プロジェクト

リーダ 玉木 欽也

図 4-1 運営体制

4.2 実施体制図

青山学院大学を主担当とし、「情報経済基盤(アジア e ラーニングの推進)」事業を推進

する一環として組織されているアジア e ラーニングネットワーク(AEN)における

WG3(企業内教育・高等教育 ID)及び高等教育 ID タスクフォースと連携を図りながら実施

した。

AEN WG3

企業内教育・高等教育ID

高等教育インストラクショナル

デザインに関する調査研究

(高等教育ID-TF)

青山学院大学

総研特別プロジェクト

主担当

図 4-2 実施体制図

(6)

5. 調査結果

5.1 調査内容

e ラーニングに係わる高等教育インストラクショナルデザインのプロセス及び、プロセ

スの各フェーズにおける担当者のタスク等、高等教育インストラクショナルデザインを開

発する。

5.1.1 高等教育インストラクショナルデザイン要件に関する調査

高等教育におけるインストラクショナルデザインに求められる要件について、以下の

観点にもとづき調査した。

高等教育特有の要件

企業内教育との差異に係わる要件

5.1.2 高等教育インストラクショナルデザインプロセスの調査

「5.1.1 高等教育インストラクショナルデザイン要件に関する調査」にもとづき、高等

教育インストラクショナルデザインのプロセスおよび技法を以下の観点にもとづき開発

した。

ニーズ調査

分析

設計

開発

実施

評価

5.1.3 高等教育におけるインストラクショナルデザインを適用した授業実施ガイドの策定

「5.1.2 高等教育インストラクショナルデザインプロセスの調査」、「6. 実証実験結

果」にもとづき、高等教育におけるインストラクショナルデザインを適用した授業実施

ガイドを策定した。

5.2 調査方法

本調査研究は、以下に示す方法などにより実施した。

5.2.1 各種文献・資料・書籍、及びインターネットなどでの公開情報

関連する文献・資料、書籍、論文など及び、インターネットでの公開情報を利用して、

インストラクショナルデザインにおける一般的な分析技法、設計技法について調査分析

した。主として、以下の書籍等、インターネット公開情報等をもとにした。

(7)

Wiley & Sons(1999) .

[2] 玉木, 小酒井, 松田(編): e ラーニング実践法, オーム社(2003) .

[3] 鈴木(2002) : 教材設計マニュアル−独学を支援するために− , 北大路書房

(2002) .

[4] 日本ユニシス・ラーニング株式会社 編集制作: ID 入門, 日本ユニシス・ラー

ニング株式会社(2003).

[5] Lynnette R Porter: Creating the Virtual Classroom- Distance Learning with the Internet,

John Wiley & Sons, Inc (1997) . (小西正恵 訳: インターネットによる遠隔学習 バー

チャルクラスルームの創造, 海文堂(1999) . )

[6] Gilly Salmon: E-Moderating -The Key to Teaching and Learning Online, Kogan

Page(2000) .

[7] Mary E. Huba and Jann E. Freed: Leaner - Centered Assessment on College Campuses:

Shifting the Focus from Teaching to Learning, Allyn and Bacon (2000) .

[8] Ormond Simpson: Supporting Students in Open and Distance Learning (2nd ed.),

Kogan Page(2002) .

[9] The Institute for Higher Education Policy: Quality on the Line-Benchmarks for Success

in Internet-Based Distance Education, The Institute for Higher Education Policy(2000) .

[10]William Horton Evaluating E-Learning. Alexandria, VA: ASTD(2001)

[11]企業内教育インストラクショナルデザインタスクフォース: 企業内教育インス

トラクショナルデザイナ タスク分析/スキル要件(2003)

5.2.2 高等教育 ID タスクフォースとの連携

高等教育 ID タスクフォース(以下、高等教育 ID-TF という)と月 1 回程度の定期的な

ミーティング及びメーリングリスト等で、成果物のレビューを行い、調査項目の妥当性

や成果に関する意見を収集した。また AEN WG3(企業内教育・高等教育 ID)に対しても月

1回程度の定期的なミーティング及び国際会議等で、成果物のレビューを行い、調査の

進行、内容等にかかわる意見を求めた。

5.3 結果

5.3.1 高等教育インストラクショナルデザイン要件に対する調査

日本の高等教育の特色を考えると次のような点があげられた。

学生の多くは受動的であり、「学ぶ」のではなく「教わる」という伝統的な学習者

像をロールモデルとしている。

IDer の地位が確保されておらず、専門職としての IDer がほとんど存在しない。

教員は教授法や教育成果を厳しく問われない。

現状の事務系組織が e ラーニングならびにサイバーユニバーシティのプロジェク

ト運営に対応していない。

高等教育における産官学の連携が限定的である。

また、企業内教育との差異に係わる要件については、以上のことが導き出された。

(8)

監督官庁である文部科学省の基準が存在する。

学期制など授業実施期間の制限がある。

成果保証の概念が希薄である。

学習目標の性格が幅広い。

ID 自体を研究対象としても捉えることができる。

既存の学問体系と、IDer 育成用カリキュラムとの整合性

5.3.2 高等教育インストラクショナルデザインプロセスの調査

「5.3.1 高等教育インストラクショナルデザイン要件に対する調査」における高等教育

特有の要件、企業内教育との差異に係わる調査結果を踏まえ、高等教育インストラクシ

ョナルデザインプロセスを表 5-1のように策定した。以降でプロセスごとにその特徴な

らびに企業内教育 ID との差異について詳細な説明を加えていく。

表 5-1 高等教育インストラクショナルデザインプロセス

プロセス 名 アクションアイテム (職責) タスク 学習制約条件を分析し、文書化する 授業実施に関する制約条件を分析し、文書化する。 カリキュラム体系分析 形成的情報(学部、学年など)を入手し、文書化する 「大学組織」、「教授者」、「学生」、「社会」の 4 つのニーズについて、現状を調 査する。新規科目では、新しく定義する。修了者に望む知識とスキルの基準、 現状の教育内容の問題点、単位認定基準などに関し、調査し、文書化する。 ニーズ分析 3つのモデルを用いたニーズ分析をする(問題解決型モデル、発見型モデル、 目標達成型モデル)。 学習者の統計的情報や特徴を分析する。所属する学部、学科、学年(グループ属 性)、社会経験の有無、特徴、学習方法の嗜好性(個人属性)などを明確に し、記述する。 学習者の学習内容に対する態度を明確にし、記述する。 学習対象者分析 学習者間の共通点及び相違点を考慮し、記述する。 適切と思われる担当 SME を正式決定する。 SME 分析

(subject matter expert 専門学問領域や e ラーニングへの関心度、授業に関する信念、授業スキルなど の、SME 特性を明確にし、記述する。 ニーズ分析で提案された授業の概略を受けて、学習領域を決定し、記述する。 レベルを決定し、記述する。 ゴール宣言文を記述する。 学習目標の質的相違(宣言的知識獲得、法則学習など)に対応したゴールを記 述する。 最終目標とレッスン目標を記述する。 ゴール分析 上記ゴール分析を踏まえ、事前テストを作成する。 ゴールレベルと学習者の初期能力を比較し、学習開始点の難易度をレベルを設 定する。 ギャップ分析 学習開始点で持っているべき知識、技術と学習者の初期能力の差を明記する。 ゴール分析、対象者分析などの結果を踏まえ、適切な教授方略を選択する。場 合によってはメディア分析によるフィードバックを受ける。 授業概要書作成 選択した教授方略に応じた、授業全体の講義内容、実習内容についてのラフな イメージを作り、文書化する。 学習者がゴールの達成に有効と考えられるメディアやソフトウェア、SME をは じめとする運営者が用いるのに適しているメディアやソフトウェアを列記す る。 分析 メディア分析 既存の資料や情報が利用可能かどうか分析し、利用可能なものを列記する。

(9)

新規に教材や教育コース開発が必要かどうか分析し、文書化する。 環境分析 対象者分析で得られた学生の PC 環境などのデータを踏まえ、授業概要書作成 によって選択された教授方略を実現するのに適している教室の規模や設備、学 習サポート体制(TA、メンタなど)、教材メディアを選択する。 学習に利用できるコミュニケーション技術を分析し、記述する。 テスト、評価に利用できる技術を分析し、文書化する。 配信、配布のための技術を分析し、文書化する。 技術分析 教育開発に利用する専門技術を分析し、文書化する。 授業効果分析 目標達成率、平均点、受講継続断念率など、見込まれる授業効果を推定し、具 体的な数値として明記する。 コスト分析 コース実施に必要な資金、人材等を算出する。 企画提案書作成 各分析作業の結果を企画提案書としてまとめる。 (PM と上級 IDer が共同で行う) 全体計画を立てる。 プロジェクトの出力物の一覧を作成する。 開発手法を決定する。 プロジェクト計画立案 詳細スケジュールを設定する。 チーム役割分担の決定をする。 各人に役割と責任を割当てる。 プロジェクトチーム編 成 (PM と上級 IDer が共 同で行う) 各タスクをメンバに割当てる。 学習目標詳細化 分析プロセスによって設定された最終学習目標を詳細化し、SME と協力してコ ース設計を行い、学習目標詳細図(コンセプトマップ)として文書化する。 詳細化された学習項目を、1 コマ分の分量ごとにまとめる。この作業は系列化 作業と往復しながら進める。 学習目標詳細図を元にコースフロー、学習手順を定め、学習目標構成図(スト ーリーボード)として文書化する。 学習目標構造化 SME と完成したストーリーボードのレビューを行う。 学習目標系列化 構造化作業でまとめられた学習項目を、実際に教授する順に系列化する。こ の作業は構造化作業と往復しながら進める。 単位認定基準を決定する。 学生評価基準設計 単元および各授業での実習、課題、テストの配点を決定する。 ネットワーク性能、LMS 機能、学習ソフトウェア、アプリケーションソフトウ ェアなどの使用メディアの要件定義を定め、文書化する。 開発概要策定 教材コンテンツのフォーマットやユーザビリティに関する指針を策定する。 メンタリングの指針を定め、必要人員を割り出す。 基本的な講義時間と実習時間の配し方など授業実施手順の概要を定め、文書化 する。 実施概要策定 採点スケジュールなど運営上のルールを定め、文書化する。 ストーリーボードから評価タイミングを決める。 開発概要を見てレビューのポイントを決める。 形成的評価基準設計 実施概要を見て学習活動記録の収集方法を決める。 総括的評価基準設計 総合学習活動記録の収集方法を決める。 プロジェクト評価基準 設計 参加人員を元に、人月計算によるプロジェクト全体の評価計画を立案する。 設計

設計仕様書作成 設計仕様書 CDS(Course Design Specifications)として、設計情報を纏め る。 素材の作成と編集 プロダクションチームに対して、教材の素材となるラーニングオブジェクト (LO)の作成を指示する。その際、プロダクションチームのメンバの役割、職 責を明らかにする。 学習教材の作成を行う。 詳細学習目標到達確認教材(学習者用テスト、課題など)の作成を行う。 教材の作成 目標到達確認教材の作成を行う。 検査の実施 設計仕様書に沿って作成されているか検査する。 レビューの実施 関係者を集め、制作したコンテンツのレビューを行う。 実証実験の実施 開発した教材の一部について、実際の環境と同環境において実験授業を行う。 開発 最終レビューの実施 実証実験を経て修正された点を含めて、関係者をあつめてコンテンツのレビュ ーを行う。

(10)

SME の支援を受けてメンタ育成方法を決定する。 メンタリングやインストラクションのガイドを作成し、実証実験を利用してメ ンタへの教育、訓練を行う。 設計仕様書および、最終レビューの結果に基づき、学習システム、評価システ ム、人材管理システム等の必要システムを導入する 授業実施中、メンタリングを支援する。 授業実施中のテクニカルトラブルに適切・迅速に対応する。 授業を通じてデータを収集し、メンタ育成のための示唆を記述する。 実施 授業を通じてデータを収集し、追加機能や新たなソフト開発などを提案する文 書を作成する。 実証実験のデータとの比較によって、学習プロセスで作成した学習目標到達確 認教材(テストなど)の信頼性を検証する。 学習成果測定 実施プロセスで収集したデータをもとに、学習プロセスで作成した学習目標到 達確認教材(テストなど)の妥当性を検証する。 実 施 ・ 運 用 学習成果評価 SME と協力して、学習成果の観点から到達目標との整合性を評価する。 形成的評価のステップに沿って、設計時に定めた評価方針に従った評価計画を 策定する。 開発時、実施時を含む適切な時期に形成的評価を実施する。 形成的評価 評価結果を文書化し、開発にフィードバックする。 総括的評価のステップに沿って、設計時に定めた評価方針に従った評価計画を 策定する。 総括的評価を実施する。 コ ー ス 評 価 総括的評価 評価結果を文書化し、フィードバックする。

表 5-1に示した分析、設計、開発プロセスのアクションアイテムは、企業内教育イン

ストラクショナルデザインタスクフォースが作成した「企業内教育インストラクショナ

ルデザイナ タスク分析/スキル要件」や書籍等、及び 2002 年度情報ネットワークリテラ

シの 1 単元として実施された Excel の操作方法を教授する学習コースである「MOUS 資

格取得準拠エクセル演習」における問題点を解決するために ID プロセスに組み入れるべ

きものから導いた。2002 年度情報ネットワークリテラシにおける問題点と問題解決のた

めの ID アクションアイテムの一覧を表 5-2に示す。

以降、表 5-1に示した高等教育 ID と「企業内教育インストラクショナルデザイナ タ

スク分析/スキル要件」に示されている企業内教育 ID との差異について解説する。

表 5-2 2002 年度情報ネットワークリテラシにおける問題点と

問題解決のための ID アクションアイテム一覧

ID アクションアイテム 2002 年度情報ネットワークリテラシ における問題点 分析プロセス 設計プロセス 開発プロセス 学習項目が少なかった ゴール分析 学習目標詳細化 学習目標構造化 学習目標系列化 教材の作成 授業全体の目的(ゴール)が明確かつ具 体的でなかった 結果的に、授業を実施すること自体の効 果も明確でなかった ニーズ分析 ゴール分析 授業概要書作成 学習目標構造化 学習目標詳系列化 教材の作成 同一試験に複数の同一スキルを問う問題 が出題され、結果的に最終試験がカバー している学習範囲が狭かった ゴール分析 学習目標詳細化 開発概要策定 素材の作成と編集 教材の作成

(11)

説明を聞くのが中心であり、技術として 習得するための内容ではなかった ニーズ分析 授業概要書作成 学 習 シ ナ リ オ 設 計 ( 学 習 目 標 詳 細 化 、 構造化、系列化) 開発概要策定 実施概要策定 素材の作成と編集 検査の実施 レビューの実施 進行の速さと授業中のサポート不足の原 因から、教授内容についてこられない学 生が多く存在した SME 分析 授業概要書作成 学習目標構造化 学習目標系列化 形成的評価基準設計 開発概要策定 実施概要策定 −−− SME が説明に使用する教材掲示装置が、 座る席によっては見難いとの声が多かっ た 環境分析 −−− −−− PC が持参だったので、PowerPoint がイン ストールされていない学習者が多く存在 した メディア分析 環境分析 −−− −−− 学習者の学習に対するモチベーションが 低かった ニーズ分析 ゴール分析 授業概要書作成 学 習 シ ナ リ オ 設 計 ( 学 習 目 標 詳 細 化 、 構造化、系列化) 総括的評価基準設計 −−− 最終的に行った試験結果が悪く、Excel が使えるようになったとは考えにくかっ た 分 析 プ ロ セ ス 全 て の アクションアイテム 設 計 プ ロ セ ス 全 て の アクションアイテム −−− 授業ぎりぎりにならないと教材が仕上が らないことや、教材より後にテストを作 成することがあった −−− プ ロ ジ ェ ク ト 計 画 立 案 プ ロ ジ ェ ク ト チ ー ム 編成 プ ロ ジ ェ ク ト 基 準 設 計 レビューの実施 最 終 レ ビ ュ ー の 実 施 実証実験の実施 プロジェクト評価

5.3.2.1 分析プロセス

分析プロセスではゴールだけでなく、学習者のレディネス(学習開始前の実力レベ

ル)を正確に定めるための情報を収集することが重要である。企業内教育 ID との最大の

相違点としては、授業をデザインする上で、ニーズよりも制約条件を明確にすることが

優先される。企業内教育 ID の業務に関連するタスクは全て不要になる。

表 5-3 高等教育 ID と企業内教育 ID における分析プロセスの職責の比較

高等教育 ID 企業内教育 ID プロセス名 アクション アイテム (職責) タスク 職務・職責群名 職責 タスク 分析 (企業内教育 ID のニーズ調査と 初 期 分 析 が 統 合) カリキュラ ム体系分析 学習制約条件を分析し、文 書化する。 授業実施に関する制約条件 を分析し、文書化する。

(12)

形成的情報(学部、学年な ど ) を 入 手 し 、 文 書 化 す る。 ニーズ調査 ニーズ分析 ニーズ調査 「 大 学 組織 」、 「 教 授者 」 、 「学生」、「社会」の 4 つのニ ーズについて、現状を調査 する。新規科目では、新し く定義する。修了者に望む 知識とスキルの基準、現状 の教育内容の問題点、単位 認定基準などに関し、調査 し、文書化する。 現状を調査する。新規業務 では、新しく定義する。職 務に必要なスキルと要員選 定 の 基 準 、 現 状 の 育 成 内 容、業務実施上の環境など の問題点、組織の業務支援 方法、褒賞などに関し、調 査し、文書化する。 −−− 職務を定義する。既存の職 務は調査し、定義が無い場 合や新しい職務の場合は、 新しく作成する。 −−− ゴールを列記し、重要なも のから並べる。 −−− 現状とゴールの相違を明確 にする。 −−− 現在成功している領域を調 査する。 −−− 解決策を列記し、最適な提 案を行なう。 3 つのモデル(問題解決型 モデル、発見型モデル、目 標達成型モデル)を用いた ニーズ分析をする。 初期分析 学習対象者 分析 対象者分析 学習者の統計的情報や特徴 を 分 析 す る 。 所 属 す る 学 部、学科、学年(グループ属 性 )、 社 会 経 験 の 有 無 、 特 徴、学習方法の嗜好性(個 人属性)などを明確にし、 記述する。 学習者の統計的情報や特徴 を分析する。一般的な教育 レ ベ ル 、 背 景 ・ 経 歴 、 特 徴、学習方法の嗜好性、同 時に実施する他の職務など を明確にし、記述する。 学習者の学習内容に対する 態 度 を 明 確 に し 、 記 述 す る。 学習者の学習内容に対する 態 度 を 明 確 に し 、 記 述 す る。 −−− 対象者の言語スキルを明確 にし、文書化する。アジア 内の多くの国を対象にする ような場合は、現地の人の 助けも借りて、具体的に調 査 し 、 対 応 方 法 を 決 定 す る。また、対象が子供のよ うな場合は、単語や漢字の 使い方をそのレベルに合わ せる。 学習者間の共通点及び相違 点を考慮して記述する。 SME 分析 適切と思われる担当 SME を 正式決定する。

(13)

専門学問領域や e ラーニン グへの関心度、授業に関す る 信 念 、 授 業 ス キ ル な ど の、SME 特性を明確にし、 記述する。 −−− 技術分析 −−− 学習に利用できるコミュニ ケーション技術を分析し、 記述する。 −−− 業 務 遂 行支 援( PSS)や参 考情報(ヘルプディスク等 含む)に利用できる技術を 分析し、文書化する。 −−− テスト、評価に利用できる 技 術 を 分 析 し 、 文 書 化 す る。 −−− 配信、配布のための技術を 分析し、文書化する。 −−− 教育開発に利用する専門技 術を分析し、文書化する。 −−− 環境分析 −−− 職務環境を分析し、文書化 する。 −−− 学習環境を分析し、文書化 する。 −−− タスク分析 −−− 職務名を定義して、文書化 する。 −−− 職務に関する職責を全て明 確にし、列記する。 −−− 職責を果たすために必要な タスクを明確にし、それに 必 要 な 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度 (KSA)を記述する。 −−− タスクを順序化して、列記 する。 −−− 重要項目分 析 −−− 重要なタスクを決定し、記 述する。 −−− 本質的でないタスクを決定 し、記述する。 −−− 学習対象から排除するタス クを決定し、記述する。 ゴール分析 目標分析 ニーズ分析で提案された授 業の概略を受けて、学習領 域を決定し、記述する。 学習領域を決定し、記述す る。 レ ベ ル を 決 定 し 、 記 述 す る。 レ ベ ル を 決 定 し 、 記 述 す る。 ゴール宣言文を記述する。 ゴール宣言文を記述する。 学習目標の質的相違(宣言 的 知 識 獲 得 、 法 則 学 習 な ど)に対応したゴールを記 述する。 −−− 職務遂行目標を記述する。

(14)

−−− 職務遂行目標を関係者を集 めて、全員でレビュー、評 価する。 最終目標とレッスン目標を 記述する。 最終目標とレッスン目標を 記述する。 上記ゴール分析を踏まえ、 事前テストを作成する ギャップ分 析 ゴールレベルと学習者の初 期能力を比較し、学習開始 点のレベルを設定する。 学習開始点で持っているべ き知識、技術と学習者の初 期能力の差を明記する。 授業概要書 作成 ゴール分析、対象者分析な どの結果を踏まえ、適切な 教授方略を選択する。場合 によってはメディア分析に よるフィードバックを受け る。 選 択 し た 教 授 方 略 に 応 じ た、授業全体の講義内容、 実習内容についてのラフな イメージを作り、文書化す る。 メディア分 析 メディア分 析 学習者がゴールの達成に有 効と考えられるメディアや ソフトウェア、SME をはじ めとする運営者が用いるの 適しているメディアやソ フトウェアを列記する。 に 期待される学習結果に有効 と考えられるメディアを選 択 す る 。 通 常 の 教 科 書 、 Web、CD-ROM 等だけでな く、メンタ、コーチやイン ストラクタ、e ラーニング など教育の実施に必要な全 てのメディアも列記する。 −−− メディアの特質と教育結果 の評価を行い、最適なメデ ィアを選択する。 既存資料分 析 −−− 既存資料を調査する情報源 を特定する。 −−− 既存資料やカリキュラム、 教育結果報告等の情報を収 集する。 既存の資料や情報が利用可 能かどうか分析し、利用可 能なものを列記する。 既存の資料や情報が利用可 能かどうか分析し、利用可 能なものを列記する。 (企業内教 育 ID のメ ディア分析 と既存資料 分 析 が 統 合) 新規に教材や教育コース開 発が必要かどうか分析し、 文書化する。 新規に教材や教育コース開 発が必要かどうか分析し、 文書化する。 環境分析

(15)

対象者分析で得られた学生 の PC 環境などのデータを 踏まえ、授業概要書作成に よって選択された教授方略 を実現するのに適している 教室の規模や設備、学習サ ポート体制(TA、メンタな ど)、教材メディアを選択す る。 技術分析 学習に利用できるコミュニ ケーション技術を分析し、 記述する。 テスト、評価に利用できる 技 術 を 分 析 し 、 文 書 化 す る。 配信、配布のための技術を 分析し、文書化する。 教育開発に利用する専門技 術を分析し、文書化する。 授業効果分 析 目標達成率、平均点、受講 継続断念率など、見込まれ る授業効果を推定し、具体 的な数値として明記する。 コスト分析 コスト分析 −−− 開発前に行う費用便益分析 (Cost Benefit Analysis)と実施 後 の 評 価 で 行 う 投 資 効 果 (Return on Investment)の計 算を実施し、文書化する。 −−− パフォーマンス向上率を計 算し、分析する。 注:P=(K +S)/EB × A コース実施に必要な資金、 人材等を算出する。 企画提案書 作成 各分析作業の結果を企画提 案書としてまとめる。

5.3.2.2 設計プロセス

高等教育における設計の対象は、教材や学習コースだけでなく、授業の実施体制、形

成的評価や総括的評価の手順や基準作りまで含んでおり、企業内教育 ID に比べて、より

マクロな視点での設計となる。高等教育 ID の設計プロセスの目的をひとことで言い表す

なら、開発・実施・評価プロセスで発生する作業への要件定義であるといえる。

表 5-4 高等教育 ID と企業内教育 ID における設計プロセスの職責の比較

高等教育 ID 企業内教育 ID プロセス名 アクション アイテム (職責) タスク 職務・職責群名 職責 タスク

(16)

設計 設計 プロジェク ト計画立案 (PM と上級 IDer が共同で 行う) プロジェク ト計画立案 (プロジェクト管理は PM が実施するので、PM 等と 編成する) 全体計画を立てる。 全体計画を立てる。 プロジェクトの出力物の一 覧を作成する。 プロジェクトの出力物の一 覧を作成する。 開発手法を決定する。 詳細スケジュールを設定す る。 詳細スケジュールを設定す る。 プロジェク トチーム編 成 (PM と上級 IDer が共同で 行う) プロジェク トチーム編 成 (プロジェクト管理は PM が実施するので、PM 等と 編成する) チーム役割分担の決定をす る。 チーム役割分担の決定をす る。 各人に役割と責任を割当て る。 各人に役割と責任を割当て る。 各タスクをメンバに割当て る。 各タスクをメンバに割当て る。 −−− メディア仕 様決定 −−− 表示の統一イメージ(Look & Feel theme ) を 決 定 し、クリエータにテンプレ ートを作成させ、関係者全 員 で レ ビ ュ ー し て 決 定 す る。 −−− インターフェースと機能性 を定義する。 −−− 対話機能とフィードバック 方法を決定する。 −−− ビデオ、音声、画像、アニ メーションなどの取り扱い を定義する。 −−− 文字デザインの基準を決定 する。 −−− メディア加工編集のアプリ ケーション等を統一する。 −−− 各種メディアのテンプレー トを決定する。 学習目標詳 細化 コンテンツ 構造決定 分析プロセスによって設定 された最終学習目標を詳細 化し、SME と協力してコー ス設計を行い、学習目標詳 細図(コンセプトマップ) として文書化する。 コンテンツを構造化する。 学習目標構 造化 詳細化された学習項目を、1 コマ分の分量ごとにまとめ る。この作業は系列化作業 と往復しながら進める。

(17)

学習目標詳細図を元にコー ス フ ロ ー 、 学 習 手 順 を 定 め、学習目標構成図(スト ーリーボード)として文書 化する。 コースフローチャート、学 習手順などを作成する。 SME と完成したストーリー ボードのレビューを行う。 学習目標系 列化 構造化作業でまとめられた 学習項目を、実際に教授す る順に系列化する。この作 業は構造化作業と往復しな がら進める。 学生評価基 準設計 単位認定基準を決定する。 単 元 お よ び 各 授 業 で の 実 習、課題、テストの配点を 決定する。 開発概要策 定 ネットワーク性能、LMS 機 能、学習ソフトウェア、ア プリケーションソフトウェ アなどの使用メディアの要 件 定 義 を 定 め 、 文 書 化 す る。 教材コンテンツのフォーマ ットやユーザビリティに関 する指針を策定する。 実施概要策 定 メ ン タ リ ン グ の 指 針 を 定 め、必要人員を割り出す。 基本的な講義時間と実習時 間の配し方など授業実施手 順の概要を定め、文書化す る。 採点スケジュールなど運営 上のルールを定め、文書化 する。 形成的評価 基準設計 ストーリーボードから評価 タイミングを決める。 開発概要を見てレビューの ポイントを決める。 実施概要を見て学習活動記 録の収集方法を決める。 総括的評価 基準設計 総合学習活動記録の収集方 法を決める。 プロジェク ト評価基準 設計

(18)

参加人員を元に、人月計算 によるプロジェクト全体の 評価計画を立案する。 −−− バージョン 管理計画立 案 −−− 教材のバージョン管理を、 教材バージョン管理者を決 定し、全関係者にわかりや すく、実施可能な形で、管 理計画を立案する。 設計仕様書 作成 設計仕様書 作成 設 計 仕 様 書 CDS ( Course Design Specifications)とし て、設計情報を纏める。 設 計 仕 様 書 CDS ( Course Design Specifications)とし て、設計情報を纏める。

5.3.2.3 開発プロセス

高等教育 ID の開発プロセスにおける企業内教育 ID との特徴的差異は、教材コンテン

ツ制作の過程で、レビューにとどまらず、パイロット実験授業の実施を正式なアクショ

ンアイテムとして設置することである。教材だけでなく実施面にまで踏み込んだ開発に

なる。これは高等教育 ID において本プロセスが単純に教材コンテンツを作り込むことだ

けを目的としていないことを示している。

また、企業内教育 ID の開発プロセスが主として VOD 等映像コンテンツ向けにデザイ

ンされているのに対し、高等教育 ID では必ずしも VOD を用いるとは限らないため、メ

ディアを限定せず、開発プロジェクト全体に関わる立場からみたアクションアイテムを

設けた。

表 5-5 高等教育 ID と企業内教育 ID における開発プロセスの職責の比較

高等教育 ID 企業内教育 ID プロセス名 アクション アイテム (職責) タスク 職務・職責群名 職責 タスク 開発 開発と実施 −−− ストーリー ボードの作 成 (シナリオライタを指導す る) −−− 学習目標を、学習の最小単 位(一度に学習が知覚認識 できる最小単位であるチャ ンク)に分割。尚、シナリ オライタを指導して作業さ せる。 −−− 学 習 の 最 小 単 位 を 構 造 化 し、提示方法、順番等を決 定する。尚、シナリオライ タと共同で作業する。 −−− シナリオライタにストーリ ーボードを記述させる。必 要時はシナリオライタを支 援する。

(19)

−−− ストーリーボートのレビュ ーを関係者全員で行う。 素材の作成 と編集 素材の作成 と編集 −−− PM の支援として、メンバを 集め、全員に制作内容、ス ケジュール、役割と責任等 を確認すると共に、メンバ から問題点等を全て出させ る こ と な ど を フ ォ ロ ー す る。 プロダクションチームに対 して、教材の素材となるラ ーニングオブジェクト(LO) の 作 成 を 指 示 す る 。 そ の 際、プロダクションチーム のメンバの役割、職責を明 らかにする。 教材の作成 学習教材の作成を行う。 詳細学習目標到達確認教材 ( 学 習 者 用 テ ス ト 、 課 題 な ど)の作成を行う。 目標到達確認教材の作成を 行う。 検査の実施 検査の実施 −−− PM の支援として、検査担当 部署に設計仕様書とストー リーボードに沿って作成さ れているか検査させ、報告 書を提出してもらう。 設計仕様書に沿って作成さ れているか検査する。 レビューの 実施 レビューの 実施 関係者を集め、制作したコ ン テ ン ツ の レ ビ ュ ー を 行 う。 PM の支援として、関係者を 集め、制作したコンテンツ のレビューを行う。 実証実験の 実施 開発した教材の一部につい て、実際の環境と同環境に おいて実験授業を行う。 最終レビュ ーの実施 実証実験を経て修正された 点を含めて、関係者をあつ めてコンテンツのレビュー を行う。 SME の支援を受けてメンタ 育成方法を決定する。 メンタリングやインストラ ク シ ョ ン の ガ イ ド を 作 成 し、実証実験を利用してメ ン タ へ の 教 育 、 訓 練 を 行 う。

(20)

設計仕様書および、最終レ ビューの結果に基づき、学 習 シ ス テ ム 、 評 価 シ ス テ ム、人材管理システム等の 必要システムを導入する。

5.3.2.4 実施プロセス

高等教育における実施プロセスではメンタリングが非常に重要である。学習者は「学

ぶ」のではなく「教わる」といった受動的なロールモデルを有している。とりわけ非同

期分散型の遠隔学習の場合、メンタの役割は学習者からの質問に的確に答え、進捗を管

理するだけでは全く不十分である。企業内教育 ID と大きく異なるのは、学習者の評価、

つまり学習効果の測定というアクションアイテムが本プロセスに含まれており、評価プ

ロセス内ではない点である。これは、学習コースの評価(Evaluation)と学習者の成績評

定(Assessment)という異なる意味の「評価」を、本来のプロセスに合致するよう区別

したためである。

もう一つの相違点として、企業内教育と高等教育におけるプレイヤならびにその役割

の差がある。高等教育 IDer は SME の指導者ではなく、協力者であるという立場で新た

にタスクを追加した(表 5-6)。

表 5-6 高等教育 ID と企業内教育 ID における実施プロセスの職責の比較

高等教育 ID 企業内教育 ID プロセス名 アクション アイテム (職責) タスク 職務・職責群名 職責 タスク 実施・運用 開発と実施 実施 授業実施中、メンタリング を支援する。 授業実施中のテクニカルト ラブルに適切・迅速に対応 する。 授業を通じてデータを収集 し、メンタ育成のための示 唆を記述する。 授業を通じてデータを収集 し、追加機能や新たなソフ ト開発などを提案する文書 を作成する。 −−− 運用支援 −−− 教育推進部署に協力し、イ ンストラクタ、メンタ等の 育 成 、 実 施 方 法 を 決 定 す る。 −−− 教育推進部署に協力 11 し、 インストラクタガイド、メ ンタガイド、教育実施計画 書、時間割、クラス構成計 画、実施日程計画などを作 成する。

(21)

−−− 教育推進部署に協力し、ハ ンドアウト資料、その他の 補助資料の準備を行う。学 習に必要な実習機器などの 準備も行う。 −−− 教育推進部署に協力し、学 習 シ ス テ ム 、 評 価 シ ス テ ム、人材管理システム等の 必要システムの導入の計画 を立てる。 −−− 被験者を使った試行コース の実施とフィードバックを 行う。 学 習 成 果 測定 実証実験のデータとの比較 によって、学習プロセスで 作成した学習目標到達確認 教材(テストなど)の信頼 性を検証する。 実施プロセスで収集したデ ータをもとに、学習プロセ スで作成した学習目標到達 確認教材(テストなど)の 妥当性を検証する。 学 習 成 果 評価 SME と協力して、学習成果 の観点から到達目標との整 合性を評価する。

5.3.2.5 評価プロセス

評価プロセスには、形成的評価、総括的評価、運用評価が含まれる。文献調査等の結

果から、形成的評価と総括的評価の具体的な実施段階と、いずれかの段階を省略する際

の手法や、評価報告書の記述方法と開発プロセスへのフィードバック手法などを盛り込

んだ(表 5-7)。

次に、企業内教育 ID との差分については次のように仮定した。前述したように、企業

内教育 ID においては、評価プロセスに「学習者の成績評定(Assessment)」と「プログ

ラムまたはコースの評価(Evaluation)」が混在している。高等教育 ID における本プロセ

スは後者のみを指すこととし、学習者の評価は実施プロセスに移した。さらに、「開発し

た教育の販売」といったタスクは高等教育 ID には求められないので削除した。

表 5-7 高等教育 ID と企業内教育 ID における評価プロセスの職責の比較

高等教育 ID 企業内教育 ID プロセス名 アクション アイテム (職責) タスク 職務・職責群名 職責 タスク コース評価 評価 −−− 評価目的の 決定

(22)

−−− 組織的なニーズに対する評 価と個人的なニーズに対応 する評価を分離する −−− 開 発 し た 教 育 が 商 業 的 に (不特定多数の)一般に販 売するか判別する。社内利 用で評判が良いので外部に 販売するような場合は、再 度、評価を行う −−− 妥当性の測 定 −−− 評価そのものの実施方法、 内容等に合った必要な妥当 性のタイプを決定し、文書 化する −−− 測定手段の 開発 −−− 学習目標を分析し、KSA の い ず れ を 測 定 す る か 調 査 し 、 何 を 測 定 す る か 決 定 し、文書化する −−− 測定を到達度(絶対)評価 に す る か 相 対 評 価 に す る か、定性評価、定量評価に するか決定する −−− 定性的評価や、定量的評価 をプレテスト、ポストテス ト、またはコース中の質問 に利用するか決定する −−− 測 定 手 段 で あ る テ ス ト 問 題、アンケート等を開発す る。尚、通常、この測定手 段の決定は初期分析を実施 するときに同時に実施する 質問の数と回答に必要な時 間を算出し、適当であるか どうか判断し、文書化する −−− いつ測定をするか決定し、 文書化する 形成的評価 評価の実施 −−− ニーズ調査で得られたニー ズを満たす教育が開発でき たかどうかを判定する評価 計画を立案する −−− データを収集分析し、報告 書を作成する 形成的評価のステップに 沿って、設計時に定めた 評価方針に従った評価計 画を策定する 開発時、実施時を含む適 切な時期に形成的評価を 実施する 評価結果を文書化し、開 発にフィードバックする 総括的評価

(23)

総括的評価のステップに 沿って、設計時に定めた 評価方針に従った評価計 画を策定する 総括的評価を実施する 評価結果を文書化し、フ ィードバックする

5.3.2.6 実証実験項目と高等教育 ID プロセスの関連

本章で述べた各 ID プロセスの差異は、高等教育 ID における検証前 ID プロセスの仮説

に該当し、本プロジェクトの実証実験においては、その妥当性を実証する。

本章で示した高等教育 ID プロセスはいずれもスキル要件を含んでいるが、特に企業内

教育 ID における初期分析プロセスと設計プロセスでは追加された項目や改変されたタス

クが多数ある。企業内教育 ID におけるニーズ調査プロセスと初期分析プロセスが、高等

教育 ID では分析プロセスに統合されるなど、プロセスの構造までもが変わっている。そ

の結果、検証スキルは場合によってはいくつかのアクションアイテムをまたいだり、開

発プロセスの検証スキルは、その特性上設計プロセス内に収められることになった。

したがって実証実験においては、分析、設計、開発の各プロセスでは、検証前 ID プロ

セスに準拠して実施する。一方、実施、評価プロセスについては、検証スキルと ID プロ

セスは基本的に同一性を保っており、両者の妥当性の検証を同時に行うことになる。

分析、設計、開発プロセスにおける、検証スキルと ID プロセスの仮説の対応を表 5-8

に示す。

表 5-8 分析、設計、開発プロセスにおける検証スキルと高等教育 ID プロセスの対応

検証スキル 高等教育検証前IDプロセス 大学全体としてのカリキュラムや授業回数など、さま ざまな制約条件や環境を理解し、それに対応させたコ ンテンツを提案することができる。 カリキュラム体系分析 「大学組織」、「教授者」、「学生」、「社会」の4 つのニーズを総合し、授業に反映させたコンテンツを 提案することができる。 ニーズ分析 学習者間の共通点及び相違点を指摘できる 学習対象者分析 学習目標の性格分類ができる ゴール分析 適切な学習メディアを選択できる メディア分析 環境分析 学習環境としてのLMSの中で、授業中に必要となる利 用機能を選択できる 技術分析 環境分析 ゴール分析の結果と学習者が現在持っている知識・ス キルと、これから開発していこうとする学習コースの 取得に必要とされる知識・スキルとの乖離の状況を把 握し、適切なスキル・レベルの設定ができる 授業概要書作成 ギャップ分析 分析 コース実施に必要な資金、人材等を算出できる コスト分析 教授の信念やシラバスに応じた学習目標が明示できる 学習目標詳細化 単位認定条件を満たしたカリキュラムが策定できる 学習目標詳細化 学習目標構造化 学習目標系列化 複数の教授方法に応じた学習目標が明示できる 学習目標詳細化 学習環境として必要なLMSなどの用件定義ができる。 開発概要策定 設計 教育機関の情報ポリシーに対する提案ができる 開発概要策定

(24)

検証スキル 高等教育検証前IDプロセス 開発 効果的な教材開発を指導できる 開発概要策定

5.3.3 高等教育におけるインストラクショナルデザインを適用した授業実施ガイドの策定

高等教育における教員を支援する授業設計担当者が、授業を開発、実施する際の手引

きとなる「高等教育におけるインストラクショナルデザインを適用した授業実施ガイ

ド」を作成した。目次構成を表 5-9に示す。なお詳細は別冊「高等教育におけるインス

トラクショナルデザインを適用した授業実施ガイド」を参照のこと。

表 5-9 授業実施ガイドの章節とその要旨

章節 内容 1 授業実施ガイド策定の目的 1.1 目的 本ガイドの目的 1.2 概要と特徴 本ガイド全体の概要とその特徴。高等教育インストラクショナルデザインプ ロセスの全体像とその説明。 2 高等教育インストラクショナルデザインプロセス 2.1 分析プロセスの進め方と 技法 高等教育インストラクショナルデザインプロセスのうち分析プロセスを進め る上で必要な手続きや入力情報、出力情報などの説明。 2.2 設計プロセスの進め方と 技法 高等教育インストラクショナルデザインプロセスのうち設計プロセスを進め る上で必要な手続きや入力情報、出力情報などの説明。 2.3 開発プロセスの進め方と 技法 高等教育インストラクショナルデザインプロセスのうち開発プロセスを進め る上で必要な手続きや入力情報、出力情報などの説明。 2.4 実施プロセスの進め方と 技法 高等教育インストラクショナルデザインプロセスのうち実施プロセスを進め る上で必要な手続きや入力情報、出力情報などの説明。 2.5 評価プロセスの進め方と 技法 高等教育インストラクショナルデザインプロセスのうち評価プロセスを進め る上で必要な手続きや入力情報、出力情報などの説明。 3 高等教育インストラクショナルデザイナ 3.1 高等教育インストラクシ ョナルデザイナ 2 章で説明したプロセスを遂行するためのプレーヤーであるインストラクショ ナルデザイナの定義および人材像の説明 3.2 高等教育インストラクシ ョナルデザイナのスキル要件 インストラクショナルデザイナが持つべきスキル要件に関する説明 4 高等教育インストラクショナルデザインの適用事例 4.1 概念学習・態度変容方略 における適用事例(セルフレ ギ ュ レ ー テ ィ ッ ド ラ ー ニ ン グ) 2章で説明したプロセスの適用について、教授方略が概念学習や態度変容型 教授方略の際において、SRL を行った時の具体的な事例の紹介 ここでは、実証実験で用いた「国際コミュニケーション論」を例にとって説 明 4.2 概念学習・態度変容方略 に お け る 適 用 事 例 ( 協 調 学 習) 2章で説明したプロセスの適用について、教授方略が概念学習や態度変容型 教授方略の際において、CSCL を行った時の具体的な事例の紹介 ここでは、実証実験で用いた「国際コミュニケーション論」を例にとって説 明 4.3 手続き的知識型教授方略 における適用事例(ブレンデ ィッドラーニング) 2章で説明したプロセスの適用について、教授方略が手続き的知識型教授方 略の際において、ブレンディッドラーニングを行った時の具体的な事例の紹 介。ここでは、実証実験で用いた「MOUS 資格取得準拠エクセル演習」を例 にとって説明 5 まとめ 本ガイドのまとめ

6. 実証実験結果

6.1 実証実験項目

本実証実験は、ケーススタディとして「MOUS 資格取得準拠エクセル演習」と「国際コ

ミュニケーション論」の 2 つの学習コースを用いる。

(25)

6.1.1 実証実験項目の構成

6.1.1.1 両授業がカバーする範囲

本実験は異なる学習目標を達成しようとする 2 授業を選択することによって、妥当性

検証における信頼性を高めようとした。「MOUS 資格取得準拠エクセル演習」は学部 1、

2 年生を対象に手続き的知識を獲得させようとしており、

「国際コミュニケーション論」

は大学院修士課程院生を対象とし、概念学習と態度変容を目的にしている。

6.1.1.2 両授業の教授法

実証実験の 2 授業のうち、「MOUS 資格取得準拠エクセル演習」は、2002 年度まで

ICT を取り入れた対面授業で行われていたものを、ID によって設計したブレンディッド

ラーニング形式に変更して実施した。また、「国際コミュニケーション論」は、昨年度ま

で全く ICT を用いていなかった対面授業に ID を適用して、学習者自身が学習計画を決定

し、分散非同期で学習、メンタがネットを通して支援するというオンラインのセルフレ

ギュレーティッドラーニング方式で提供した。

6.1.1.3 両授業の学習内容と実証実験対象としての意義

調査報告書において、高等教育における e ラーニングに係わる ID プロセスを提案する。

表 6-1に示した教授方略の異なる 2 つの学習コースを取り扱った実証実験を通して、そ

の ID プロセスの妥当性の検証を行う。そして、ID プロセスの段階ごとに含まれるアク

ションアイテムに対応して、その分析・設計・開発・実施・評価のための技法を設定す

る。

表 6-1 実証実験概要

MOUS 資格取得準拠エクセル演習 国際コミュニケーション論 学習内容 外部資格(MOUS)に準拠した Excel 技能 を教授する学部授業 国際共同開発による、世界諸英語論の諸相 を SRL*と CSCL**によって学ぶ大学院授業 授業形式 ブレンディッドラーニング: 1)事前学習として SRL*を実施 2)授業では対面で、MOUS 試験対応した 講義と実習 国際規模の非同期分散学習: 1)SRL* 2)CSCL** *事前説明会以外の対面形式の授業はな い。 受講者属性 経営学部第 2 部 経営学科 1・2 年生 国際政治経済学研究科修士課程院生、海外 大学院生 実験規模(人数) 約 50 名 約 40 名(約半数海外より) 募集方法 正規授業として募集 正規授業として募集 (海外院生には e メールで参加呼びかけ) 事前の予習用 Web ベース自習教材 (フラッシュアニメーション、シミュレー ション機能含) 講義用 PowerPoint 教材 実習用 Excel シート教材 HTML 教材 VOD 教材 音声ファイル PDF 資料 オンライン辞書 教材 メディア 学習基盤として 2 授業共通の LMS を使用 指導方法 対面授業(TA のアシスト) 自習時チュータリング オンラインメンタリング 事前予約による対面カウンセリング

(26)

教授方略タイプ ・手続き的知識型: 手続き的知識獲得を目 的とした教授方略をデザインできる ・概念学習型: 概念学習型課題に応じた教 授方略をデザインできる ・態度・モチベーション型:態度変容を目 的とした教授方略をデザインできる

*SRL とは Self-Regulated Learning の省略形である。

**CSCL とは Computer Supported Collaborative Learning の省略形である。

(1)MOUS 資格取得準拠エクセル演習

この授業は、知識・経験に散らばりのある二部 1、2 年生を対象に Excel の操作方法

を教授する授業であり、事前の Web ベースのオンライン自習用教材を用いた SRL と、

実習を中心とした対面授業からなる。この授業は、高度な実習をともなう「手続き的

知識型」の学習コースの特徴を踏まえたもので、ID を用いて分析・再設計を行った授

業結果に有効性が得られることにより、ほとんどの大学が実施している情報基礎科目

や、初学者の実習科目に対する ID モデルのガイドラインを示すことにつながるととも

に、基礎的な資格試験に対する学習コースの設計・開発にも大きな意義を持つ。

(b)国際コミュニケーション論

この授業は、修士課程大学院生を対象に、アジア、オセアニア地域 6 ヶ国、7 人の

研究者が教員として参加する国際共同開発 e ラーニングコースである。授業は全て英

語で実施され、世界諸英語論、すなわち国際言語としての英語の普及と変容について

教授する。その目的は、実質的に国際言語となった英語の特徴を社会言語学的視点か

ら分析し、国際ビジネスや国際交流の場における英語コミュニケーションの実践的ア

プローチを提示することである。

「国際コミュニケーション論」は、プロフェッショナルな大学院において、IDer チ

ームが開発した学習コースを用いて、実際に国際的な流通や評価を行うものであり、

複数の SME と IDer の関係性を探る側面を持つなど、高等教育 IDer が持つべきスキル

への示唆は大きい。

6.1.2 実証実験項目の構成説明

6.1.2.1 高等教育インストラクショナルデザインプロセスにおけるスキル要件の検証

本実証実験では、正規単位認定授業として実施されている「MOUS 資格取得準拠エク

セル演習」と「国際コミュニケーション論」を使いスキル要件を検証する。検証項目は

表 6-2および表 6-3に示すとおりである。

なお ID プロセスを実施する IDer の役割については、高等教育 ID-TF にて定義されて

いる基本インストラクショナルデザイナ(以下、基本 IDer という)、上級インストラクシ

ョナルデザイナ(上級 IDer という)の 2 つのレベルを想定している。

(1)基本 IDer

ID のプロセスに則って、実際に e ラーニングコースを分析、設計、開発、実施、評

価できる専門的技能を持つ IDer である。ただし、(メタ)カリキュラム全体における

コースの位置付けを設定したり、予算獲得や人的資源の配分などを統括したりするプ

(27)

ロデュース業務までは求められない。

(2)上級 IDer

基本 IDer の必要技能に加えて、より高い立場から複数のコースを統括する業務も担

当できる IDer である。例えば、カリキュラム体系に応じて担当した学習コースの策定、

ブレンディッドラーニングに関する適切な教授方法の統合、必要とする教育システム

や学習ソフトウェアの要件定義、学習コースの品質保証、さらに ROI を含む複数の視

点からのコースの効率性評価、組織外部や資金提供者に対するプログラム全体の説明

責任を果たせる IDer である。

表 6-2 「MOUS 資格準拠エクセル演習」検証項目

検証スキル 検証対象 使用データ ☆(追加) 大学全体としてのカリキュラムや授業回数 など、さまざまな制約条件や環境を理解し、それに対応 させたコンテンツを提案することができる 授業全体 教員インタビュー ☆(追加)「大学組織」、「教授者」、「学生」、「社 会」の4つのニーズを総合し、授業に反映させたコンテ ンツを提案することができる 教授内容 教授方法 プレアンケート 教員インタビュー *学習者間の共通点及び相違点を指摘できる Excel受講者 受講者情報 プレアンケート ログ *学習目標の性格分類ができる 授業全体 教員インタビュー プロジェクト記録 IDツールファイル *適切な学習メディアを選択できる 教材 dot-Learning 環境情報 教員インタビュー プロジェクト記録 *学習環境としてのLMSの中で、授業中に必要となる利 用機能を選択できる LMS プロジェクト記録 教員インタビュー 環境情報 ☆ゴール分析の結果と学習者が現在持っている知識・ス キルと、これから開発していこうとする学習コースの取 得に必要とされる知識・スキルとの乖離の状況を把握 し、適切なスキル・レベルの設定ができる エクセル受講者のレベ ルと教材のレベル プレアンケート プロジェクト記録 分析 ☆コース実施に必要な資金、人材等を算出できる 環境整備 授業開発 授業運営費用 プロジェクト記録 教員インタビュー *教授の信念やシラバスに応じた学習目標が明示できる シラバス ポストアンケート 教員インタビュー ポストアンケート *単位認定条件を満たしたカリキュラムが策定できる 教材 テスト プレ、 ポストテスト結果 ☆複数の教授方法に応じた学習目標が明示できる dot-Learning 対面授業の方略 IDツールファイル 教員インタビュー ☆学習環境として必要なLMSなどの用件定義ができる LMS仕様書 教員インタビュー 環境情報 プロジェクト記録 設計 ☆教育機関の情報ポリシーに対する提案ができる 授業全体 教員インタビュー 環境情報 プロジェクト記録 開発 ☆効果的な教材開発を指導できる 教材制作過程 学習活動、成果 教員インタビュー プロジェクト記録 IDツールファイル *基本 IDer スキル、☆応用 IDer スキル

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表 6-3 「国際コミュニケーション論」検証項目

検証スキル 検証対象 使用データ 設計 *単位認定条件を満たしたカリキュラムが策定できる 学習活動 学習成果 ログ 提出課題内容 *適切な学習メディアを選択できる 学習タスク 学習者特性 メディア特性 教授内容 プレアンケート 文献 *学習環境としての LMS の中で、授業中に必要になる 利用機能を選択できる 学習タスク LMS 仕様書 コンテンツ 学習目標 *効果的な教材開発を指揮できる 教材制作過程 学習活動 成果 プロジェクト記録 ログ 提出課題内容 ☆コース実施に必要な資金、人材等を算出できる 実験計画書 プロジェクト記録 ☆学習環境として必要な LMS などの要件を定義できる タスク分析結果 プロジェクト記録 プレアンケート 開発 ☆教育機関の情報ポリシーに対する提案ができる 提案書 プロジェクト記録 プレ・ポストアンケー ト *技術的トラブル解決のための適切・迅速な対応ができ る トラブル対応記録 ログ 掲示板データ e メール内容 *状況、学習者特性に応じたメンタリングを指導できる メンタリング 学習者特性 学習活動 ログ 掲示板データ e メール内容 提出課題内容 ☆メンタ育成に関する示唆を抽出できる メンタリング 学習成果、活動 ログ 掲示板データ e メール内容 提出課題内容 実施 ☆評価に基づいた機能付加や新たなソフト開発を提案で きる メンタリング アンケート プロジェクト記録 ポストアンケート 掲示板データ *形成的評価の計画を立案できる 評価活動 アンケート プロジェクト記録 プレアンケート *アンケート結果やインタビュー結果などを分析できる アンケート インタビュー プレ・ポストアンケー ト インタビュー記録 *総括的評価の計画を立案できる 学習成果、活動 メンタリング 評価活動 提出課題内容 ログ 掲示板データ プロジェクト記録 *総合的なコースの成果を記述できる 学習活動、成果 アンケート インタビュー 提出課題内容 ログ ポストアンケート インタビュー記録 プロジェクト記録 評価 ☆学習履歴(ログ)や他の測定データなどを包括的に関 連付けて分析できる 学習活動、成果 アンケート インタビュー 提出課題内容 ログ ポストアンケート インタビュー記録 プロジェクト記録 *基本 IDer スキル、☆応用 IDer スキル

参照

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