事例検討研修 ~医療的ケアが必要なケースの地域支援連携について~ アンケート結果
Ⅳ 先進地視察研修
誰もがあたりまえに暮らしていける地域づくり しぇあーどの 24 時間ケアから学ぶ
視察地:有限会社しぇあーど(兵庫県伊丹市 5 丁目 11-27 )
日時:平成 27 年 12 月 19 日 ( 土 ) ~ 20 日 ( 日 )
1 .目的
2 .施設見学
3 .しぇあーど 李国本氏講議 4 .事例検討会「西から東から」
5 .感想
6 .まとめ
先進地視察
1 、目的
どんな重い障害があっても誰もがあたりまえ
に暮らしていけるように、当事者本位のサービ
スを 24 時間構築し続ける「しぇあーど」のケア
を現地で体感すると同時に、出前で事例検討
会「西から東から」を現地で開催し、事例検討
のノウハウと姿勢を学ぶ
2 、施設見学
しぇあーどの特徴
・有限会社しぇあーど ( 制度・給付費 ) と、 NPO 法人地域生活を 考えよーかい ( 制度外 )
・建物は住宅街にあり、一見施設のように見えない
・拠点 ( しぇあーどだけではなく地域の拠点 )
※様々なご利用者・事業所の職員が出入りしている
・ 24 時間暮らしを支えている。 2 階では入居者、 1 階では、短期 入所の方が、夜間も滞在。訪問も 24 時間対応。
・生活の空間
・医療的ケアがあっても、なくても
・研修スペース ( こうのいけスペース ) 集える場所、アジト
・阪神淡路大震災を経験していて、災害時の対応も考えてある
※駐車場は、建物に隣接していて、災害時に車から電力を
供給できる。スプリンクラー等
1 階(事務所・解放スペース) ※別紙 1 参照 ・事務所 ( 居宅介護等、全体の経理の事務 ) ・リビング ( 床の間)・畳
様々な事業所の利用者、ヘルパーが日中の活動 スペースとして活用
( 移動支援、重度訪問介護、短期入所、自費 サービス等)
※短期入所 毎日 6 ~ 7 名利用
・お風呂 個浴 2 箇所 ( 左右対称の構造 ) ・ミニキッチン
・エレベーター
2 階(入居スペース・研修スペース【こうのいけ】)
※別紙 2 参照
・寝室 4 箇所( 4 名の入居者)
・お風呂 1箇所 (2 階と浴槽タイプが異なる )
・ミニキッチン
・バルコニー ( 緊急避難経路 )
3 、しぇあーど 李国本氏講議
①しぇあーど理念
②成り立ち
③人財育成と働き甲斐
④地域に与える影響とネットワーク
⑤経営ノウハウ
①しぇあーどの理念
基本理念
☆誰もが暮らせる地域創り
☆ケアの分かち合い (shared care)
「あなたとわたし」 ( 相互主体 ) の関係性を大切に します
☆どなたにも在る「存在価値」を明確にしていき ます
☆「唯、生きる」こと ( 命 ) に添いつづけます
②しぇあーどの成り立ち
• 1990 年代の活動から
• 2000 年 9 月 「地域共生スペースぷりぱ」
• 2003 年 有限会社しぇあーど
NPO 法人地域生活を考えよーかい 設立
• 2010 年 9 月 新拠点オープン
☆有限会社しぇあーど
居宅介護、訪問介護、移動支援、日中一時、短期入所、相談支援等 28 年 4 月より「児童発達支援」「放課後等デイサービス」開始
☆地域生活を考えよーかい
自費サービス、送迎事業、研究、イベント開催、拠点解放の事業等
③人財育成と働き甲斐
• 人財育成について、特別に何かしていることはない ご利用者から学ぶ ( 勝手に育つ)
• 研修や研究が好き ( 国本氏 )
• こうのいけスペースを作った 2 つの意味 「勉強」と「集う」
• 働き甲斐については?
職員の方は活き活きしていた。
• 「様々な時間帯・様々な場面」を如何に一緒に過ご したか?の積み重ね
• しかし、人はそんなに育たない、集まらない
④地域に与える影響とネットワーク
• なんとなく伊丹市周辺でも重症心身障害や重症児と いわれる方々が「らしく」暮らせるようになってきた
( かな? )
• 地域に理念が少しばかり根付いたか?例えば「医 療的ケア」を巡っての考え方等
• 中間支援的な役割を担うことで、社会資源が増えた
• ラーの会や「誰もが暮らせる地域づくりフォーラム」
の開催によるネットワークの拡大
• おのずと医療や行政とも、ある程度の関係性
• 本人もただやってもらうのではなく、「やって」と依頼
する。 ( 相互主体 )
⑤経営のノウハウ
• 24 時間の活動が事業になった
• ハコモノ事業はせず個別給付事業が大半
• 障害種別等 ( 程度・有無も含め ) 対象者を選別しない こと
• 介護給付費の量等、地域性もある
• 積み上げてきたことが糧
• 経営より、本人・家族のことを一生懸命考えること
• 後は、普通に「みんながご機嫌に居れる(働ける)」
環境づくり
4 、事例検討「西から東から」
参加者
西 ( しぇあーど )
・国本氏(しぇあーど代表)
・しぇあーど職員(看護師)
・しぇあーど職員 ( 機能訓練職 ) 計 3 名 東 ( とちぎ地域生活サポート研究会 )
・髙橋 ( 研究会代表 医師 )
・研究者 ( 相談支援専門員 ) 5 名 (保健師) 1 名
(看護師) 2 名
(介護福祉士) 1 名
・研究協力者 ( 看護師) 1 名 計 11 名
①事例検討「東から」概要
• 栃木県在住 A 君 ( 学童期 ) 男児
• 小学生低学年の時の交通事故による後遺症
(頸椎脱臼による脊髄損傷のため、呼吸器不全。気管切開 し人工呼吸器装着。)
• 家族構成 父・母・本児 同市内に祖父母在住
• 本児・家族の思い(退院当初)
一日でも長く、一分、一秒でも長く大好きな家族みんなで 過ごしたい。
(課題)
・ 「地域の中で、社会の一員として、たくさんの経験をし、
喜怒哀楽を感じながら楽しく生活したい」と、変化して
きた本児、家族の思いにいかに寄り添い、どう実現に
向けてサポートしていけるか。
西から東への質疑応答
• 地域の小学校との交流はあるのか
→ ある。地域の小学校の行事に参加することもある。
• なぜ訪問学級になったか
→ 家族も迷っていた。地元の学校の整備、加配体制や、本人にあった 授業の進め方などから訪問学級を両親が選択された。
• 兵庫周辺の特別支援学級は、重度の障害があると訪問学級しか
選べない。親が声を上げていかないと行けない。声を上げても行けない こともある。栃木ではどうか?
→ 栃木でも同様のケースがある。
• 保育園時代の同級生との関わり
→ 保育園の先生がボランティアで本人宅で、音楽会を開いてくれる。
( 長期休暇時 )
→ 同級生からは、遊びに行きたいけど、 ( 支援や学校で ) 本児が忙しい から遊びに行く暇がないと話もあった。
• 表情の変化
→ 同級生と関わる時に笑顔がたくさん見られる。
話し合いから
• 退院後、状態が安定しており、症状の安定だけ でなく、様々な社会経験をしたいとニーズが拡が ってきている。今後は、育ちや成長の視点も大切 にしながら計画を考える必要がある。
• 住んでいる地域によって制度や学校の受け入れ 態勢も違う。地域の特性を知って、地域資源の活 用や、開拓が必要。
• 制度でもできないことは、自費負担制度を利用し
て行うことも時に必要。(学校行事への参加)
②事例検討「西から」概要
• 兵庫県在住 B 君 ( 未就学 ) 男児
• 事故による低酸素脳症。気管切開し人工呼吸器装着。
• 家族構成 母・姉・本児
• 家庭の事情により、離婚後、他県から転居。
• 母の妹と子ども離婚の前の年に他界。協力的だった祖父 も翌年病気のため他界。
• 市の相談窓口が機能しなく申請ができない、サービスに 繋がらない。母の抱く不安感、不信感。
(課題)
• ケア度が高いので、入ってもらえるサービスが少ない。
• 母の不安感、不信感をどう取り除くか。
話し合いから
• 家庭環境や母の思いを聴くことで、支援者が 母の理解者に変わる。(信頼関係の構築)
• 母の他者(支援者)への不安感や、不信感 は、子どものことを知ること、子どもとまっすぐ 向き合うことで、緩和してくる。
• 本人がどこで過ごしたいのかを尊重すること
が大切。
ドキュメント内
障害児者の地域生活を支える多職種ネットワークの構築 〜夢のあるライフプランづくりを目指して〜
(ページ 55-73)