開催状況
日時:平成 27 年 12 月 9 日(水) 10:00 ~ 16:30 場所:とちぎ健康の森小会議室
参加者:54名
(県内の障害者相談支援専門員、保健師)
☆県主催の相談支援専門コース別研修と共催
研修内容
①講義Ⅰ 『医療的ケアが必要なケースの地域支援とは』
~医療の立場から~
講師:髙橋 昭彦 医師 (研究会代表)
②講義Ⅱ 『難病ケースの支援の実際』
講師:齋藤 澄子 保健師(県西健康福祉センター)
③演習Ⅰ 『事例を通して、初期介入(支援チームづくり)を 検討しよう』
④演習Ⅱ 『事例を通して、夢のある支援(プラン)を検討
しよう』
講義Ⅰ 医療的ケアが必要なケースの地域支援とは
~医療の立場から~
小児在宅医療・在宅ケアの現状や課題を 説明いただくとともに、講師の実践を交えて、
「地域で普通に暮らすということ」とそれを 支えるための「多職種チームの必要性」を 分かりやすく示される。
~講師から参加者へのエール~
みんなで、少しずつできることを増やしていけば、
地域の子どもと家族は、少しずつ幸せになる!
講義Ⅱ 難病ケースの支援の実際
前半は、支援の対象となる難病の範囲が大きく 拡大したことを中心に、制度をきちんと押さえて おく必要性や県の難病相談センター等の活用で きる社会資源情報を説明される。
後半は、保健師の立場で支援している神経難病 ケースの支援の実践報告を通して、病気の進行・
変化に合わせた支援チームの柔軟な動き方につ
いて分かりやすく説明される。
事例の概要(演習Ⅰ・演習Ⅱ)
4歳の男児(太郎くん:仮名)で、急性脳症の後遺症により、四 肢麻痺や呼吸障害が有り、人工呼吸器装着。
両親と太郎くん、妹の 4 人家族。家族関係は良好で、近隣在住 の父方祖父母も協力的である。家族で頑張り過ぎてしまう面も ある。
(課題1)
退院して地域で生活するにあたって、どんな準備が必要か。
どのような支援チームが必要か。どんな配慮が必要か。
(課題2)
太郎君が、4歳の子どもらしく、社会参加を楽しむために、どう
すれば夢が実現できるか。
演習Ⅰ 初期介入(支援チームづくり)
活動圏域毎のグループでワーク
・自分の活動地域に太郎くんが退院して戻る としたら、具体的に地域のどんな関係機関 と連携してどのように初期介入していくのか 実際に活用できる社会資源の把握とあった らいいなという柔軟な発想でまとめる。
(Point)
・地域診断と柔軟な社会資源の捉え方を学ぶ。
・研究メンバーがグループのファシリテーターとして、
円滑なワークの進行及び足りない視点などの助言を
行う。
演習Ⅱ 夢のある支援(プラン)
活動圏域毎のグループでワーク
・太郎くんの夢(SLに乗りたい、いちご狩りに行きたい、
遊覧船に乗りたい等)を叶えるために、地域の社会 資源(人・物・場所)を上手く組み合わせて魅力的な お出かけプランを企画してみる。
(Point)
・社会資源を活用するためのアプローチ方法を学ぶ。
・障害が重くても、当たり前に社会参加を楽しめることの
大切さを学ぶ。
研修アンケート結果
☆アンケート回答数 47名(87%)
【10段階評価の平均点】
参考度
医療的ケアが必要なケースの地域支援 9.38
難病ケースの支援の実際 8.53
グループワークで得た知識の活用度 9
医療的ケアが必要なケース支援に対する意欲(気持の変化) 8.83
研修アンケート結果
☆感想(一部抜粋)
・医療的ケアが必要な方々のご家族や本人の気持ちに 寄り添っていける支援者になれるよう頑張りたいです。
・医療的ケアが必要な児童への支援はとても難しそうと 思うばかりでしたが、その分喜びも大きいこともよく分か りました。 1 人ではなく連携していけばなんとかなると思え ました。
*アンケート結果の詳細は、別紙アンケート結果参照。
研修フォローアップ事例検討会開催状況
日時:平成 28 年 2 月 29 日(月) 18:00 ~ 20:00
場所:とちぎリハビリテーションセンター 大会議室
参加者: 17名
(県内の障害者相談支援専門員、保健師)
方法:12/9の研修受講者から、医療的ケアを必要 とする支援事例を挙げてもらい、実践力を高め るためのスーパーバイズを行う。
フォローアップ事例検討会 事例概要
36歳の男性(二郎さん:仮名)で、脳性マヒで出生し、四肢マヒ・
視覚障害・知的障害を持つ重度心身障害者。20代で肺炎を頻発し、
現在は、気管切開、酸素吸入、胃ろうのケアが必要。
要介護状態の祖母と両親と二郎さんの5人家族。訪問看護や 訪問入浴、短期入所など複数の機関から支援を受けているが、
両親の高齢化等に伴う支援の見直しやチーム連携の強化が課題 となってきている。
(検討課題1)
将来を見据えた支援の見直し
(検討課題2)
チーム連携強化に向けた相談支援専門員の役割
フォローアップ事例検討会 支援のアイデア
●関係機関で情報や役割を共有する機会を作る。
(自宅等で本人の誕生日パーティーや音楽会などを企画する ことで集まりやすい雰囲気づくりをする。)
●日頃の様子をメーリングリストなどを活用して気軽に共有できる ようにする。
○重度の障害児者を持つ家族間の交流の機会を設ける。
●本人や家族との信頼関係構築のために、相談支援専門員の 訪問(モニタリング)の機会を増やしていく。
○様々な福祉サービスの情報提供を行う。
○災害時を想定した支援体制の提案を行う。
○週間スケジュールを確認しながら支援体制の見直しを行う。
○両親が高齢なため、兄弟の協力状況、意向を確認しておく。
●居宅介護事業所(重度訪問介護や移動支援等)の活用を提案する。
* ●は事例提供者が選択したアイデア
フォローアップ事例検討会 スーパーバイズ
(Point)
・加齢に伴い、医療的ケアを必要とするケースが今後増えて いく可能性が高い。
・筋力の低下や側湾の進行などにより、呼吸状態悪化、逆流性 の誤嚥のリスクが高くなり、二次障害が起こりやすい。
・医療的ケアが必要になった時、家族のケア技術(手技)の 獲得などの負担も大きく、専門的な知識・経験のある支援者 が必要となる。(特に、気管切開になった場合、入浴の方法や 感染症の予防、抜管時の対応など多くの配慮を要する。)
・不安な本人や家族に対して、寄り添う姿勢とチームで支える 連携体制、少し先の見通しを考え整理していくアプローチが 必要。
研修効果と課題
①講義により、医療的ケアの現状や制度の学び。
②モデル事例を用いた演習により、ネットワークの 作り方や社会資源の活用方法の学び。
③実際に支援している事例を多職種で検討すること により、チーム連携や会議(検討)技術の学び。
①~③のようにステップアップを意識した研修プログラ ムを組み立てたことにより高い学習効果が図れた。
今後は、研修受講者を中心に、地域レベルで多職種
が参加する事例検討が活発に開催され、ネットワーク
づくりが推進されることが望ましい。
ドキュメント内
障害児者の地域生活を支える多職種ネットワークの構築 〜夢のあるライフプランづくりを目指して〜
(ページ 36-52)