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第 3 章 側面衝突事故シミュレーションによる自動車乗員傷害予測手法の構築

3.3 側面衝突事故における乗員傷害予測式の導出

3.3.1 側面衝突事故シミュレーション

Fig. 3.24 Seat belt on and off

(2) 車種

市場に流通する車種のうち大半を占めるミニバン,コンパクトカー,軽自動車の三種とした.

車種の違いによる影響は主に加速度波形とドアの変形挙動に現れると考えた.したがって,

JNCAP衝突試験データの中からミニバン,コンパクトカー,軽自動車をそれぞれ1台選定し,

これらの加速度波形(Fig. 3.25)を側面衝突シミュレーションモデルに与えることにより車種 の違いを表現した.

-400 -300 -200 -100 0 100

0 40 80 120

A c cel e ra ti o n[ m /s

2

]

Time [ms]

light compact minivan

Fig. 3.25 Crash accelerations representing three vehicle types

Seat belt on Seat belt off

ドアの変形挙動については,車種間の定性的な傾向はあまり変わらないこと[27]から,3.2.4 節で述べた方法と同様の方法で JNCAP 試験データから各車両の最大変形量,最終変形量,最 大変形となる時刻および最終変形となる時刻を求め,ドアパネルの変位としてシミュレーショ ンモデルに入力した.Fig. 3.26に三車種それぞれのシミュレーションにおけるドアパネル各部 位の変形履歴を示す.

0 50 100 150 200

0 100 200 300 400

Time [ms]

D is p lacemen t [ mm]

Hip Point Belt Line

(a) light

0 50 100 150 200

0 100 200 300 400

Time [ms]

D is p lacemen t [ mm]

Hip Point Belt Line

(b) compact

0 50 100 150 200 0

100 200 300 400

Time [ms]

D is p lacemen t [ m m] Hip Point

Belt Line

(c) minivan

Fig. 3.26 Input displacement curves at 55 km/h

(3) シート高さ

衝突による車室側面の変形は,相手車両の接触する部分が大きく,それより上部は曲線を描 くようにして変形量が小さくなり,ルーフ部分はほぼ変形しないことが多い.したがって,シ ート高さの変化によって乗員から見た車室の変形量が相対的に変化することになり,傷害発生 に影響が現れると考えられる.条件は,シート高さの調整幅が50mm程度であることから,Fig.

3.27に示すように,基準を255mmとして,230mm,255mm,280mmの3種類とした.計測位

置はフロアから乗員モデルの骨盤位置までの鉛直方向距離である.

Fig. 3.27 Seat height

230 255 280

(4) 乗員体型

市場に流.乗員の身長や体重が異なれば,車室内構造物との相対距離や慣性の大きさが変化 するため,示す挙動に大きく影響することが考えられる.そこで,シミュレーションには日本 人標準体型の5%tle [7.578m,45.3kg],50%ile [1.714m,63.0kg],95%ile [1.85m,81.3kg]を用いるこ ととした.Fig. 3.28にそれぞれの乗員モデルを示す.小柄,標準,大柄の3種類の体型による 影響を考慮することで,傷害発生の有無に変化が現れると考えられる.

Fig. 3.28 Human mode variation

(5) 衝突速度

衝突速度が変化しても加速度波形とドアの変形挙動の定性的な傾向が変化しないと仮定し,

上で求めた各車種の加速度とドアの変形量をスケーリングすることにより衝突速度の変化を 表現した.Fig. 3.29にコンパクトカーのシミュレーション,各速度における加速度履歴を示す.

衝突速度は計測した加速度波形の積分値と比例関係にあると考え,衝突速度比を乗じることに より加速度のスケーリングを行った.また,式(3.1)に示す最大変形量の計算式[28]およびドアの 外側と内側パネルの変形量がほぼ同様であること[29]より,ドアの変形も衝突速度に比例してい ると考え,衝突速度比を用いてドアパネルへの入力変位のスケーリングを行った.Fig. 3.30に コンパクトカーのシミュレーション,各速度におけるドアパネル変形履歴を示す.

(3.1) Short [5th%ile] Normal [50th%ile] Large [95th%ile]

1 2

11 22 1 2

2 2

1

V V

m m

m m k k k

d k

 

vehicle) striking

( 2 , icle) struck veh (

1

velocity collision

mass, vehicle ,

stiffness vehicle

n, deformatio max.

   

 

i V

m k

d

i

i i

i

0 40 80 120 -300

-200 -100 0

Time [ms]

A cceler atio n [ m /s

2

]

30km/h 55km/h 70km/h

Fig. 3.29 input acceleration curves for compact car impact at 30, 55 and 70km/h

0 50 100 150 200

0 100 200 300 400

Time [ms]

Di sp la c e m e n t [ m m ] 30km/h 55km/h 70km/h

Fig. 3.30 input displacement curves for Hip Point in compact car impact at 30, 55 and 70km/h