• 検索結果がありません。

信頼性目標及び品質保証プロセスの妥当性評価

31

(1) 目的

プロジェクト計画におけるプロダクト目標(信頼性目標)及びプロセ ス目標(信頼性目標達成のための品質保証プロセスの目標)が、

信頼性を確保するために妥当な水準に設定されているか否かを 評価し、必要に応じて調整する。

プロジェクト計画の実現性を高める。

(2) ベンチマーク

信頼性及び品質保証プロセスに関する白書等の統計情報を、

目安として参考にする。

①信頼性(

SLOC

発生不具合密度)の統計情報

②品質保証プロセス関連の統計情報

設計レビュー工数密度、テスト密度、設計文書化密度、

上流工程での不具合摘出比率等

Copyright © 2015 独立行政法人情報処理推進機構

32

3.1

信頼性目標及び品質保証プロセスの妥当性評価

<メトリクス>

SLOC

発生不具合密度

稼働後(最長

6

ヶ月以内)に発生した不具合数÷開発規模

KSLOC

◇設計レビュー工数密度

基本設計から製作までの設計レビュー工数÷開発規模

KSLOC

◇テスト密度

(結合テストケース数+総合テスト(ベンダ確認)ケース数)

÷開発規模

KSLOC

◇設計文書化密度

(基本設計書のページ数+詳細設計書のページ数)

÷開発規模

KSLOC

◇上流工程での不具合摘出比率

基本設計から製作までのレビュー指摘数÷(基本設計から製作 までのレビュー指摘数+結合テストから総合テスト(ベンダ確認)

までの検出不具合数)

Copyright © 2015 独立行政法人情報処理推進機構

33

3.1

信頼性目標及び品質保証プロセスの妥当性評価

◇信頼性目標に関するベンチマーク:業種別発生不具合密度

0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25

全体

F :製造業 H :情報通信業 J :卸売・小売業 K :金融・保険業 R :公務

発生不具合密度

(件

/KSLOC

業種

業種別発生不具合密度 (新規開発)

(件/KSLOC)

大業種 最小 P25 中央 P75 最大 平均 標準偏差

全体 373 0.000 0.000 0.014 0.063 2.413 0.081 0.204

F:製造業 45 0.000 0.000 0.048 0.165 1.013 0.123 0.200

H:情報通信業 43 0.000 0.000 0.000 0.098 0.483 0.066 0.112

J:卸売・小売業 34 0.000 0.003 0.021 0.058 2.413 0.127 0.416 K:金融・保険業 128 0.000 0.000 0.009 0.035 1.117 0.044 0.134

R:公務(他に分類 されないもの) 51 0.000 0.000 0.007 0.056 1.269 0.114 0.265

発生不具合密度

Copyright © 2015 独立行政法人情報処理推進機構

34

3.1

信頼性目標及び品質保証プロセスの妥当性評価

◇品質保証プロセス関連のベンチマーク:

業種別設計レビュー工数密度

● 業種別設計レビュー工数密度(新規開発、主開発言語グループ、開発

5

工程有り)

0 5 10 15 20 25

全体

F :製造業 K :金融・保険業 R :公務(他に分類

されないもの)

業種

設計レビュー工数密度 (新規開発)

人時/

KSLOC

業種 最小 P25 中央 P75 最大 平均 (人時/KSLOC)標準偏差

全体 104 0.08 1.73 4.13 10.96 1559.36 34.11 173.07

F:製造業 16 0.53 1.83 4.39 8.27 55.63 10.10 14.87

K:金融・保険業 39 0.08 2.92 5.49 12.20 1559.36 70.85 274.66

R:公務(他に分類 されないもの) 23 0.20 1.20 3.36 13.74 17.54 6.74 6.39

H:情報通信業 5 データ不足

J:卸売・小売業 5 データ不足

設計レビュー工数密度

Copyright © 2015 独立行政法人情報処理推進機構

35

3.1

信頼性目標及び品質保証プロセスの妥当性評価

◇品質保証プロセス関連のベンチマーク:

業種別テスト密度

●業種別テスト密度(新規開発、主開発言語グループ、開発

5

工程有り)

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180

全体 F:製造業 H:情報通信業 J:卸売・小売業 K:金融・保険業 R:公務(他に分類 されないもの)

業種

テスト密度 (新規開発)

(ケース/KSLOC

業種 最小 P25 中央 P75 最大 平均 標準偏差

全体 509 0.0 13.5 31.1 59.8 1703.3 65.4 146.1

F:製造業 66 0.2 10.8 22.9 44.5 302.8 43.9 59.9

H:情報通信業 87 0.4 21.2 41.9 68.2 970.7 64.5 111.5 J:卸売・小売業 42 0.5 14.4 31.7 42.0 587.1 49.1 95.0 K:金融・保険業 162 0.2 14.1 32.3 83.5 1703.3 94.1 225.2

R:公務(他に分類 されないもの) 58 0.0 12.3 35.4 49.8 698.5 59.4 101.2

テスト密度

Copyright © 2015 独立行政法人情報処理推進機構

36

3.1

信頼性目標及び品質保証プロセスの妥当性評価

◇品質保証プロセス関連のベンチマーク:

業種別設計文書化密度

● 業種別設計文書化密度(新規開発、主開発言語グループ、開発

5

工程有り)

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

全体

F

:製造業

J

:卸売・小売業

K

:金融・保険業

R

:公務(他に分類 されないもの)

業種

設計文書化密度 (新規開発) ページ/

KSLOC

(ページ/KSLOC

業種 最小 P25 中央 P75 最大 平均 標準偏差

全体 160 0.3 9.2 17.4 33.1 1527.9 39.2 130.4

F:製造業 24 0.3 11.8 23.0 44.4 109.9 33.6 30.7

J:卸売・小売業 14 4.0 9.4 16.7 36.6 97.3 30.5 31.5

K:金融・保険業 68 2.0 13.6 21.7 37.7 1527.9 61.3 196.8

R:公務(他に分類されないもの) 24 0.7 9.1 11.1 17.1 47.1 13.5 8.9 H:情報通信業 3 4.5 6.2 7.9 17.7 27.4 13.3 12.4

設計文書化密度

Copyright © 2015 独立行政法人情報処理推進機構

37

3.1

信頼性目標及び品質保証プロセスの妥当性評価

◇品質保証プロセス関連のベンチマーク:

業種別上流工程での不具合摘出比率

● 業種別上流工程での不具合摘出比率(新規開発、主開発言語グループ、開発

5

工程有り)

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

全体

F

:製造業

J

:卸売・小売業

K

:金融・保険業

R

:公務(他に分類 されないもの)

業種

上流工程での不具合摘出比率 (新規開発)

(%)

業種 最小 P25 中央 P75 最大 平均 標準偏差

全体 133 1.7% 50.7% 74.6% 88.3% 97.6% 65.9% 27.5%

F:製造業 24 10.8% 44.8% 73.4% 84.0% 95.2% 63.2% 26.6%

J:卸売・小売業 10 6.9% 15.0% 41.7% 57.2% 93.3% 40.9% 28.6%

K:金融・保険業 41 1.8% 64.4% 86.8% 93.5% 97.6% 74.0% 27.7%

R:公務(他に分類されないもの) 27 1.7% 51.5% 67.7% 86.7% 89.7% 62.1% 28.1%

H:情報通信業 6 66.3% 71.3% 75.0% 83.1% 89.5% 76.9% 8.9%データ不足

上流工程での不具合摘出比率

Copyright © 2015 独立行政法人情報処理推進機構

38

①特に金融・保険業では、業種間比較において相対的に次の ような傾向が見られる。

3.1

信頼性目標及び品質保証プロセスの妥当性評価

<ベンチマークに関する備考(考察)>

信頼性要求 レベルが高い

品質保証プロ セスが手厚い

信頼性が高い 生産性は低い

信頼性要求 レベルが高い

品質保証プロ セスが手厚い

信頼性が高い 生産性は低い 次のような因果関係が推察される。

ひいては、一般に、信頼性要求レベルが高いソフトウェアの開発 には、それ相応の品質保証の工数が必要と考えられる。

②業種が信頼性や品質保証プロセスの主要な変動要因になって いることから、業種別ドメインに分けてベンチマーキングすること が推奨される。

Copyright © 2015 独立行政法人情報処理推進機構

3.1

信頼性目標及び品質保証プロセスの妥当性評価

(3) ベンチマーキング方法

①自組織が金融・保険業の業種ドメインに該当するのであれば、

妥当と評価できる範囲を、白書等の金融・保険業の各統計情報 の

25

パーセンタイル(

P25

)から

75

パーセンタイル(

P75

)までの 範囲とする。

メトリクス 単位

P25 P75

SLOC

発生不具合密度 件/

KSLOC 0.000 0.035

設計レビュー工数密度 人時/

KSLOC 2.92 12.20

テスト密度 ケース/

KSLOC 14.1 83.5

設計文書化密度 ページ/

KSLOC 13.6 37.7

上流工程での不具合摘出比率

64.4 93.5

39

Copyright © 2015 独立行政法人情報処理推進機構

3.1

信頼性目標及び品質保証プロセスの妥当性評価

<ベンチマーキング方法>

P25

P75

の範囲内に収まっているか否かを判定する。

ただし、信頼性変動要因(信頼性要求レベル等)に応じて、

妥当と評価できる範囲を調整(上方修正/下方修正)しながら 評価することが望ましい。

P25

P75

の範囲外となる場合、評価対象プロジェクトの特性 を勘案しながら、範囲外となる合理的な理由が無いか検討する。

合理的な理由が有れば妥当と評価し、合理的な理由が無けれ ば目標の見直しを検討する。

40

Copyright © 2015 独立行政法人情報処理推進機構

3.プロジェクト計画の妥当性評価例 3.2 工期の妥当性評価

41

(1) 目的

プロジェクト計画における工期(月数)が、妥当な範囲に収まって いるか否かを評価し、必要に応じて調整する。

(2) ベンチマーク

工数と工期に関するベンチマーク(白書等)の統計情報を、

目安として参考にする。

Copyright © 2015 独立行政法人情報処理推進機構