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保険は専門家(プロ)の力が必要 という環境に作り変えていく

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<平成20年度報告>  [平成21年3月]

⑶  保険は専門家(プロ)の力が必要 という環境に作り変えていく

① 業界全体の募集人教育システムの拡充とPRを行う:

・平成23年度からスタートする新しい「損保一般試験制度」は、募集人としての適格性を確保していく仕 組みの一つとなるものであり、厳格な運営が期待される。

・同時に、新たに創設される「損害保険大学課程」については、更にレベルの高い募集人を育成する観点 から、質量ともに拡充を図っていくとともに、消費者が募集人を選択する際の判断材料の一つとなるよ う、広く制度のPRを行い、プロの代理店・募集人の存在を周知していく。

・こうした取り組みを通して代理店業界に「学ぶ文化」を浸透させ、継続的な質的向上を図る。

② 販売基盤の構造改革に徹底して取り組む(対症療法から根治療法への転換):

・各保険会社においては、自由化の流れの中で、販売基盤の構造改革に注力してきたが、「正確・迅速・

親身な顧客対応力」という観点から、消費者対応上の問題が生じないように、問題を先送りせず、具体 的な対策を実施する。

<3.今後の損保代理業のあり方>

⑴ お客様との永続的な関係構築を図る

① 「お客様の声」を計画的に収集し、代理店経営に活かす:

・「お客様本位」の基盤は、「お客様の声」に真面目に耳を傾けることであり、代理店に日々寄せられる声 を集める仕組みを構築する。

・寄せられた「声」を社員全員で分析、共有化して代理店経営に反映させる。併せて、定期的なアンケー トの実施により、継続的な検証を行う。

・代理店自身の取り組みと併せ、保険会社で集約された様々な声も参考にして自社の経営に活かす。また、

自社で集めた「声」を保険会社に届け、施策の検討に活かしてもらう。

② 「お客様を知る」ために、世帯単位で情報を収集し、データベースを構築する:

・マーケティングの基本は「お客様を知る」ことであり、個人ベースの情報から世帯ベースの多面的な情 報に深化させ、整理した情報を無駄なく活用できるようにデータベースを構築する。(各保険会社から も対応ソフトが提供されている)

③ ITを活用して 行きつけの居酒屋 の心地よさを実現する:

・代理店の活動に、One to One(一人ひとりのニーズに応じる戦略)、CRM(顧客との良好な関係を築い ていくための戦略)、ICT(顧客に関する情報を収集、蓄積し、タイムリーに、効果的に活用するため のパソコンとインターネットを活用した技術)を取り入れ、規模が大きくなっても(契約者の数が増え ても)、 行きつけの居酒屋 の心地良さを実現する。

④ お客様との接点を増やし、継続的な情報発信を実行する:

・代理店業は、人と人とのネットワークであり、お客様との接点を増やし、質の高い対応を行う必要がある。

同時に、大規模災害時の対応のために、契約者との間に複数の連絡ルートを用意しておく必要がある。

・収集したルートを活用し、お客様に対する情報提供を継続して行う。「損保代理業は情報提供業」でも あるが、更改(更新)時期に合せた年1回の対応ではタイムリーな情報は提供できず、付加価値も生ま れない。一斉メールやメルマガ発信、情報紙の他、進化するITツールも活用し、商品改定情報や防 災・減災につながる有益な情報等を継続的に発信する。(現実には実行できている代理店はまだまだ少 ない。だからこそ付加価値になる)

⑤ 既存顧客の満足度を高める「ロイヤリティ」戦略を進める:

・高度成長期を過ごしてきた日本企業にとって、「量的拡大こそわが命」であったが、成熟市場、少子化 社会においては、既存の一人ひとりのお客様とどう向き合い、その満足をどう高めていくか、という戦 略が極めて重要になっている。新規の取引獲得は当然重要だが、既存顧客のケアはもっと大事だという 認識を持ち、夫々の代理店の顧客層や強みに応じて、既存顧客の満足度を高める施策を展開し、顧客と のより良い関係を作っていく。

⑥ 地域における代理店のブランドを構築する:

・「地域におけるブランド構築」は、地域密着型代理店にとって重要な戦略となるが、ブランドは、広報 や宣伝だけで構築されるものではない。保険加入時の説明や対応、加入後のアフターケア、事故時の対 応、電話の応対、日常の情報提供、事務所の清潔さ他等、お客様と接する様々な「コンタクトポイント

(接点)」の量と質がブランドを形づくる。こうした認識の下で、日々の業務に注力し、地域で信頼され

るブランドを作っていく。

⑵ 代理店の一人当たり生産性を引き上げる

① ITインフラを活用して事務処理等の効率化を図り、代理店の価値を発揮できる業務に注力する:

・代理店の生産性向上は長年の課題であるが、特に昨今は代理店を取り巻くコンプライアンス環境の変化 等により、保険募集に際して従来以上にロードがかかり、生産性は低下している現状にある。課題解決 の鍵は一つではないが、少なくともITインフラを活用し、事務処理業務等、効率的に行えるものは徹 底的に効率化を行うと同時に、各業務の担い手を見直すことが求められる。

・一方、人と人のネットワークである代理店の仕事は、一見非効率に見える仕事に大きな価値がある。効 率化が最終目的ではなく、代理店の価値を発揮できる「顔が見える顧客対応」に注力できる時間を創出 していくことが目的である。ハイテクとローテクを駆使し、 身近で親しみやすく、信頼感に溢れ、正 確で迅速な対応 でお客様の悩みを解決できる仕組みを創出し、生産性向上につなげていく。

② データベースマーケティングを導入する:

・ITインフラを活用し、蓄積した顧客データをベースに、必要な顧客に、必要な情報を、必要な時に届 けられ、成功確率も高い科学的な営業スタイルを構築する。(「営業を科学する」)同時に、蓄積された データベースを基に、新たなニーズの掘り起こしを行い、新規取引につながる仕組みを構築する。

③ 契約構造の変革を図る:

・代理店における生産性向上の鍵の一つは、契約構造の変革にある。従来、個別の商品ありき、で顧客へ のアプローチを行ってきた結果、過度に単種目(自動車)に依存した構造になっている。顧客のリスク に的確に応えきれていないと同時に、契約が増えればロードも増える状態になっている。

・ オールリスク・フルカバー を前提にしたリスクから入るアプローチに転換し、世帯単位、法人単位 で顧客の求めるリスクカバーを提供し、同時に契約構造の変革を図る。

・特に、中小企業分野では費用利益や約定履行費用といった新種分野に未開拓のニーズがある他、今後は 円高を嫌って海外展開する企業も更に増えることが予想されるため、そうしたニーズに応えるアドバイ スができれば付加価値も高まることとなる。「顧客の悩み解決」にどれだけ応えられるかがポイントで あり、顧客のニーズに即したコンサルベースの契約構造に転換を図る。

・個人・団体・法人をバランスよく取り込むとともに、生保・医療・介護を中心とした人保険分野に注力 し、第1・第2・第3分野から安定的な収益が得られる契約構造に転換する。

⑶ 成功確率の高い代理店のビジネスモデルを描く

○ 代理店の発展段階や地域特性に応じた経営モデルを構築する:

・損保代理店を取り巻く環境が大きく変化する中で、代理店も企業化の方向に向かっており、個々の店主 の過去の経験にのみ依存した経営では限界がきている。代理店主自身が企業経営者としての資質を高め るとともに、保険会社としては、代理店それぞれの発展段階や地域特性に応じた成功確率の高いビジネ スモデルを提示し、その成長をサポートする。

⑷ 環境変化に対応できる態勢を整える

① システムの高度化、ビジネスモデルの質的転換に対応できる態勢を構築する:

・ITインフラの向上とともに代理店として求められる能力は飛躍的に高度化する。こうした変化に的確 に適応できる規模、態勢、人材を確保(または育成)し、活用する。

② 「若い人が就職したくなる企業」としての代理店の環境を整える:

・研修生卒業後に代理店に就職するというルートが出来た現在において、若い人材が勤めたいと思える環 境を整えることは重要なポイントとなる。その前提として、就業規則や人事考課制度、社会保険等、社 員が安心して働ける環境をつくることは大事なことである。しかしながら、一方で、多くの代理店に とっては「分かっていてもできない」課題も多く、飛び付き感もある。

・「制度を作る」こと先にありきではなく、その実現を妨げている問題は何なのか把握し、中小零細企業 が主体である保険代理店の実態を踏まえて、様々な社会制度についても業界を挙げて具体的な提言を行 い、課題解決を図っていく。

⑸ 代理店における経営管理を実践する

① 経営管理の手法を共有化する:

・損害保険代理業が個人経営から企業形態へ向かう中で、経営管理の重要度は増しているが、形態におい ては法人であっても実態は個人営業に止まっている代理店も多く、経営管理手法の習得は課題である。

中小企業診断士のノウハウも活かしながら、代理店の発展段階に応じた分かりやすい経営管理の手法を、

保険会社と代理店で共有し、実践する。

② PDCAサイクルを実践する:

・経営理念、ビジョン、中長期目標、単年度目標、アクションプラン等をメンバー全員で共有し、スター ト・途中経過・ゴールをイメージしながらPDCAを実践し、検証可能な経営を実現する。

<4−1.保険会社との関係のあり方[制度面]>

⑴ 納得感のある代理店手数料体系を提示する

① 中長期的な代理店経営を支援する:

・手数料体系は各社の代理店政策の一つとして重要な位置付けになっている。保険会社サイドとしては、

評価期間前に次年度判定の手数料体系を案内し、営業担当者との対話を通して代理店毎に取り組み課題 を共有した上で、共に進捗管理を行いながら、代理店の成長をサポートしているとの認識である。

・一方、代理店サイドでは、改定によって代手が下がるケースも多く、また、ゴールのない指標判定に疲 れてしまい、不満の大きな原因になっている実態がある。

【以下、日本代協の意見】 代手体系のあり方については、双方の意見には依然として乖離があるが、少 なくとも頻繁な改定や指標の追加・基準の引き上げは、代理店にとって収入の安定を欠き、先行投資 の意欲を削ぎ、中長期の展望が描けない一因となる。それは結果として代理店の活力を削ぐことにも なるので、分かりやすい体系に改定した上で、一定期間は固定して適用し、中長期的な代理店経営を 支援できる体系に改めていくことを求めたい。

② 担当者との対話を通じて課題を共有し、共に納得して取り組める環境をつくる:

・欧米と異なり、日本では、手数料体系に様々な会社戦略を織り込んでおり、規模、お客様対応力、業務 品質、成長性、効率性、収益性等を総合的に評価した委託業務への対価として構成されている。(従って、

保険会社の戦略の相違によって、内容が異なっている。)

・一方、代手は代理店にとって唯一の収入であり、生活の基盤である。厳しい収益環境の中で、保険会社 の手数料ファンドは、今後も引き下げ傾向にあるものと思われるが、それだけに代理店、保険会社の双 方が認識を共有し、納得感を持って取り組むことが重要である。

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