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(1)特徴ある各地域の住環境

池袋副都心を中心とした豊島区の住宅地は、都心と一般的な山の手住宅地、木造密集地域等が あり、住環境にはそれぞれ特徴があります。

新築のマンションが供給され街が姿を変えている地域がある一方、建物の建替えが行われず老 朽化し、空き家が見られる地域も見られます。

木造密集地域では、自力で建替えができない建物が見られ、耐震面、防災上問題があります。

高齢化が進む一方バリアフリーに対応できていません。地域ごとにそれぞれの課題があり、住宅 施策においては、それぞれに対応できる懐の深さが求められます。

     

     

       

図表2‑ 41   

(2)豊島区内で住環境を重点的に整備すべき地域

東京都住宅マスタープランでは、住生活基本法第17条第 2 項第 6 号の規定に基づき、住宅の 供給等及び住宅地の供給を重点的に図るべき地域(以下「重点供給地域」といいます。)に関す る事項について定めています。また、区部における重点供給地域のうち、快適な住環境の創出及 び維持・向上、住宅市街地における都市機能の更新並びに住宅の供給等に関する制度・事業を実 施または実施の見込みが高い地区について、特定促進地区として指定しています。 

豊島区における特定促進地区は、次のとおりです。

図表2‑ 42  特定促進地区(東京都住宅マスタープラン  平成 19 年 3 月) 

番号  地区名  面積(ha) 主な計画・整備手法 

1  上池袋地区  67 

緊急木造住宅密集地域防災対策事業(完了) 

住宅市街地総合整備事業<密集型>(事業中) 

木造住宅密集地域整備事業(事業中) 

地区計画 

防災再開発促進地区(決定済) 

2  染井霊園周辺地区  53 

緊急木造住宅密集地域防災対策事業(完了) 

住宅市街地総合整備事業<密集型>(事業中) 

木造住宅密集地域整備事業(事業中) 

地区計画 

防災再開発促進地区(決定済) 

3  東池袋四・五丁目地区  19 

緊急木造住宅密集地域防災対策事業(完了) 

住宅市街地総合整備事業<密集型>(事業中) 

木造住宅密集地域整備事業(事業中) 

地区計画 

防災再開発促進地区(決定済) 

4  東池袋四丁目地区  3 

市街地再開発事業(事業中) 

再開発等促進区を定める地区計画(決定済) 

5  池袋本町地区  64  住宅市街地総合整備事業<密集型>(事業中) 

6  南池袋二丁目地区  6 

市街地再開発事業 

再開発等促進区を定める地区計画  7  高松三丁目地区  1  公営住宅建替事業(事業中) 

8  目白二丁目地区  1  機構住宅建替事業 

(3)建替えが困難な未接道敷地がある

幅員が4m未満の道路に接道する住宅は半数近くを占めています。 

前面道路の幅員が足りない敷地では、建替えるときに、敷地を削って道路の幅員を確保する必 要があり、老朽化した住宅の建替えが進まない原因の一つになっています。 

         

コラム《狭あい道路整備事業》 

 

建築基準法では、建築物や敷地の利用、避難、消防活動の確保等を図り、道路のない部分での 建築物の林立を防止するため、建築物の敷地が道路に接していることを定めています。 

都市計画区域内において 2m以上接しなければなりません。ただし大規模建築物や多量の物資 の出入する建築物などについては、用途や規模の特殊性に応じ、避難や通行の安全を保つため、

地方公共団体は、条例で敷地と道路の関係について必要な条件が定められていることがありま す。 

豊島区では、細街路の整備を推進しており、建替え時に建物をセットバックしてもらうことで、

生活道路の幅員を整備し、接道条件の改善を図っています。

図表2‑ 43  敷地に接している道路の状況別住宅数の推移(住宅・土地統計調査  平成 15 年) 

43,230

46,970

49,700

44,980

30,750

35,600

34,130

40,240

11,280

10,160

12,470

15,570 2,830

1,430

2,400

660 12,210

13,900

15,670

10,870

17,890

16,690

10,580

17,080

0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000 昭和63年

平成5年

平成10年

平成15年

道路に接し ていない

2m未満 2〜4m未満 4〜6m未満 6〜10m未満 10m以上

(4)緑地

公園等は昭和 39 年から増加しています。平成 19 年は 178, 700 ㎡で、区面積の 1. 4%にあたり ます。 

 

 

 

図表2‑ 44  公園等(児童遊園、仮児童遊園、庭園含む) 

(資料:としま政策データブック 2008  平成 20 年 3 月)

0 25,000 50,000 75,000 100,000 125,000 150,000 175,000 200,000

総 面 積

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180

箇 所 数

総面積 30,800㎡ 68,577㎡ 120,166㎡ 163,922㎡ 179,512㎡178,700㎡

箇所数 17  66  117  150  159 161 

S 39 S 49 S 59 H6 H17 H19

コラム  《住宅すごろく》 

 

私たちは、年齢や取り巻く環境によって生活の場を変えていきます。親元を離れ新たな生活 のスタートは独身時代の下宿や新婚時代の賃貸アパート、後に子供が生まれ少し広めの賃貸マ ンション、そして分譲マンションを購入。「あがり」は分譲マンションを売って庭付き一戸建て。

この住宅すごろくは、1973年に建築学者の上田篤氏(当時・京都大助教授)によって唱えられ ました。 

それから 30 年、現在のすごろくの「あがり」は多岐にわたりつつあります。都心の分譲マン ションや親子が近居で住む親子マンション、老人ホーム、血縁関係がない人同士で集まって住 むコレクティブハウス(共有空間や施設を持つ住宅)やコーポラティブハウス(共同で設計す る住宅)など、その選択肢は様々です。また、郊外の一戸建てから都心のマンションや老人ホ ームに移り住む人もいて、今日の生活スタイルの多様化が大きく影響しています。 

女性の社会進出や、家族のあり方の変化から「すごろく」のコマを進める動機も多岐にわた って、「あがり」の形や時期も十人十色となっています。 

                 

           

 

↑   1973 年当時の住宅すごろく   

(出典  住まいと家族をめぐる物語         2004 年 10 月 20 日  西川裕子  ㈱集英社)

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