消費税調整額が発生した際の、会計資料での調整額の扱いを例を挙げて説明します。
※得意先の「消費税通知」が[請求書一括]、「消費税端数」が[切捨て]、「税率」が[5%]、「請求締日」
が[20日締]を想定しています。
※『商魂』を例に挙げ説明していますが、『商管』も同様となります。
■調整額が発生するまで
次のような売上伝票が2枚あったとします。
売上日 商品 売上金額 外税額
10/22 A商品 430 21
10/23 B商品 390 19
請求書を10/21~11/20の請求期間で出力します。
税別御買上計 820 消費税等 41 合計 861
調整額が1円発生し、10/23の伝票消費税に加算されます。
このとき、請求期間の終了側(上記例ですと 11/20)を「調整日」として記憶し、会計資料の出力時 に参照して消費税の表示を制御します。
■調整額の表示仕様
調整額の表示仕様を会計資料ごとに説明します。
調整額の加算された売上伝票の売上日・調整日と、会計資料の集計期間を比較して出力方法を変えて います。上記例ですと以下の3パターンに分類されます。
①集計期間が10/1~10/31の場合
売上日は集計期間内ですが、調整日が集計期間後となる場合です。
調整額は集計対象となりません。
「売上帳」「仕訳集計表」では、調整額を[ ]付きで参考表示します。
②集計期間が11/1~11/30の場合
売上日は集計期間前で、調整日だけが集計期間内となる場合です。
調整額だけが集計対象となります。
「売上帳」「仕訳集計表」では、外税に含まれる調整額を{ }付きで参考表示します。
③集計期間が10/1~11/30の場合
売上日・調整日とも集計期間内となる場合です。
伝票消費税・調整額とも集計対象となります。
「元帳」「売上帳」では、調整伝票に「*」印をつけて表示します。
【重要】
売上資料(売上明細表、売上集計表など)では、調整日を参照せずに集計します。
売上日が集計期間内なら調整額も集計対象としています。
■得意先元帳
①集計期間が10/1~10/31の場合 調整額は翌月に回します。
売上日 品名 売上金額 差引残高
繰越残高 0
10/22 A商品
消費税等 430
21 451
10/23 B商品
消費税等 390
19 860
期間合計 860 860
②集計期間が11/1~11/30の場合
調整額を「消費税調整額」として1行に表示します。
売上日には調整日を表示します。
売上日 品名 売上金額 差引残高
繰越残高 860
11/20 消費税調整額 1 861
期間合計 1 861
③集計期間が10/1~11/30の場合
10/23の伝票消費税に調整額を含んで表示し、調整の有ったことを示す「*」印を表示します。
売上日 品名 売上金額 差引残高
繰越残高 0
10/22 A商品
消費税等 430
21 451
10/23 B商品
消費税等 390
20* 861
期間合計 861 861
■売掛金残高表
①集計期間が10/1~10/31の場合 調整額は翌月に回します。
繰越残高 税抜売上高 消費税等 差引残高
0 820 40 860
②集計期間が11/1~11/30の場合
調整額を「消費税等」欄に表示し、「差引残高」に含めます。
繰越残高 税抜売上高 消費税等 差引残高
860 0 1 861
③集計期間が10/1~11/30の場合
調整額を「消費税等」欄に表示し、「差引残高」に含めます。
繰越残高 税抜売上高 消費税等 差引残高
0 820 41 861
■売掛金の明細表
金額欄に消費税額を含んで表示していますが、調整額を足しこむ仕様は残高表と同様です。
■売上帳
①集計期間が10/1~10/31の場合
外税額は調整額を含まず表示し、調整額を別途[ ]付きで表示します。
【品名版】
売上日 品名 売上 <外税額> 備考
10/22 A商品
伝票計 430 430
<21>
<21>
0
10/23 B商品
伝票計 390 390
<19>
<19> [1]
期間合計 820 <40> [1]
【伝票版、日計版】
売上日 外税売上 外税額 合計
10/22 430 21 451
10/23 390 19
[1]
409
期間合計 820 40
[1]
860
②集計期間が11/1~11/30の場合
外税額は調整額を含んで表示し、調整額も別途{ }付きで表示します。
売上日には調整日を表示します。
【品名版】
売上日 品名 売上 <外税額> 備考
11/20 消費税調整額 <1> {1}
期間合計 <1> {1}
【伝票版】
売上日 外税売上 外税額 合計
11/20 {1} 1
期間合計 1 {1}
1
【日計版】
売上日 外税売上 外税額 合計
11/20 1
{1}
1 期間合計 1
{1}
1
③集計期間が10/1~11/30の場合
外税額は調整額を含んで表示し、調整の有ったことを示す「*」印を表示します。
※「*」印は「日計版」では表示しません。
【品名版】
売上日 品名 売上 <外税額> 備考
10/22 A商品
伝票計 430 430
<21>
<21>
10/23 B商品
伝票計 390 390
<19>
<20>*
期間合計 820 <41>
【伝票版、日計版】
売上日 外税売上 外税額 合計
10/22 430 21 451
10/23 390 20* 410
期間合計 820 41 861
■仕訳集計表
①集計期間が10/1~10/31の場合
外税額は調整額を含まず表示し、調整額を別途[ ]付きで表示します。
税率 外税売上 外税額
5.0% 820 40
課税合計 820 40 [1]
②集計期間が11/1~11/30の場合
外税額は調整額を含んで表示し、調整額も別途{ }付きで表示します。
税率 外税売上 外税額
5.0% 0 1
課税合計 0 1 {1}
③集計期間が10/1~11/30の場合 外税額は調整額を含んで表示します。
税率 外税売上 外税額
5.0% 820 41
課税合計 820 41