のであり、税関で対処することは、現状、困難である。
・ 知的財産局との連携も積極的に図っており、現在、1週間に 1 度は会合を持っている。
・ 関税局では、権利者の申立てがなくても、職権で調査を開始する。
・ 知的財産権侵害品に関する輸出規制について、それを差止めるための法律が現在フィ リピンにはない。ただし、光メディア (Optical Media) の輸入および輸出に関しては、
2004 年 2 月 10 日から施行された 2003 年光メディア法 (Optical Media Act) により、規 制されている。一方で、裁判所による仮差止命令が存在すれば、輸出の段階で差止め ることは可能である。最近これについて、偽造タバコ(マルボロ)の摘発の例があっ た。
・ JICA の支援による税関関係者のトレーニングは有効であり、たいへん手助けとなって いる。
※ 税関にて Victor N. De Leon 氏の立会いの下、 BOC で取締りを行い、その晩に廃棄予 定となっているという物品(アディダスのラバーシューズ)を見る機会を得た。倉庫の手 前で 10 数箱の荷物を、数人の男が取り囲んで見張っていた。この件に関する取り押さえ の経緯はこうである。すなわち、 BOC が職権で調査し、疑わしい品物を発見した後、知 的財産局に商標登録に関する代理人を問い合わせ、代理人となっていた Victor N. De Leon 氏の事務所に連絡が入り、氏が物品を検査して、偽物であることが明らかとなったため、
摘発された。
2.6. ベトナム
2.6.1 税関における模倣品取締りに関する調査
Ms. Nguyen Thu Anh ( AMBYS-Company Hanoi Office )より入手した質問票の回答 を以下に示した。
税関における模倣品取締りに関する調査
Ms. Nguyen Thu Anh(AMBYS-Company Hanoi Office)
Ⅰ.現行法制における模倣品等の税関取締り
(1)模倣品や侵害品等の規制根拠となる法律や規則を教えてください。
①関税法(ベトナム社会主義共和国法No.29/2001/QH10、2001年6月29日国民議会通過)の第5節57 条~59条
②2001年12月31日付の政令101/2001/ND-CP号は、税関における手続、取締り及び監視に関する関税 法のいくつかの規定について詳しく定めている(第14条・知的財産権保護の要請を受けている輸出入品 に関する一時的通関停止)。
③2003年10月17日付の文化通信省及び財務省の共同通達58/2003/TTLT-BVHTT-BTC(税関における 輸出入品に関係した著作権保護の指針)
(産業財産権保護の指針に関する科学技術省及び財務省の共同通達が現在作成されているところであり、
これは近いうちに発行されると思われる)
(2)税関での取締りは、「輸入品」も対象となりますか?
なる。産業財産権分野における行政罰に関する1999年3月6日付の政令12/1999/ND-CP号(以下「政
令12/CP号」とする)によると、知的財産権侵害品の輸出入は罰せられる。同12条は、税関に知的財産
権侵害に関する処罰権限を与えている。
関税法第58条及び2001年12月31日付の政令101/2001/ND-CP号第14条は、知的財産権者、ライセ ンシー又は知的財産権者により権限を与えられた者の要請(注)により、被疑侵害物品は税関における取 締りの対象になることを定めている。
(注)税関に対する要請の提出を認められるための要件については、下記(6)を見よ。
(3)輸出が規制されるのは、自国の知的財産権が侵害されている場合ですか、それとも輸出品の仕向地にお ける知的財産権が侵害されている場合ですか?
輸出の規制は、ベトナム法に基づき行われる。
(4)税関での取締りの対象とされている権利を教えてください(商標権、著作権、意匠権、特許権、実用新 案権、形態模倣品等)。
すべての知的財産権を対象としている(すなわち、商標権、著作権、意匠権、特許権、実用新案権)
(5)不正競争防止法に違反する物品は税関取締りの対象ですか?
まだ取締りの対象になっていない。
原則として知的財産権を侵害する物品の輸出入が規制の対象とされている。不正競争法に基づく権利も ベトナム知的財産権法(政令54/2000/ND-CP)による保護の対象とされているので、原則的には、不正競 争行為に相当する商品も取締りの対象となるべきであるが、しかし、税関その他の当局が不正競争法違反 かどうかを判断するのは困難であり、その結果、現在の実務においては、不正競争法違反品の取締りは行 われていない。
(6)権利者は、権利侵害の疑いのある物品や輸入者を、税関に事前に登録し、申請したりする制度はありま すか? どの様な手続ですか?
ある。
(A)産業財産権(特許、意匠、商標)に関しては、侵害品の輸出入に関する通関の停止を要求する権利が権 利者に与えられている。通関停止の申立てには、以下が含まれていなければならない。
(i) 所定の書式にしたがって作成された通関停止願
(ii) (代理人による申立ての場合は)権利者が発行した公証済みの委任状
(iii) 権利者に対して発行された保護証の写し(申立人がライセンシーの場合は、知的財産権ライセンス
登録証の写し)
(iv) 当該輸出入品が侵害品であることを証明するための最初の証拠
(a)産業財産権保護の対象物(特許、商標又は意匠)
(b)輸入者又は輸出者の氏名と住所
(c)輸出入手続が行われると思われる日時と場所 (d)被疑侵害物の詳細な説明又は写真
(e)最初の証拠に対する管理委員会(managerial body)の審査意見
(v) 積荷の価額の20%に相当する通関停止保証金の支払を証明する受取証又は通関停止要請により生じ た損害又は費用の申立人による賠償を保証するために信用機関が発行した保証
通関停止の申立ての提出
通関停止の申立ては、被疑侵害品の輸出入が行われる地の税関事務所の所長に提出しなければならない。
通関停止の手続
(i) 通関事務所の所長による当該貨物を対象とする通関停止決定の発行。本決定には、通関停止の理由 と期間が明確に記載されていなければならず、これは貨主及び権利者に送付される。
(ii) 通関停止期間は決定の日から10日間。
(iii) 最初の停止期間が終了する前に権利者から要請があった場合には、貨物価額の20%に相当する額を
保証金に追加することを条件として、通関停止期間はさらに10日間延長される。
差止められた貨物の検査
(i) 通関停止期間中、税関は、侵害の証拠を入手するため当該貨物の検査を行わなければならない。
(ii) 被疑侵害品の検査は、関係者(輸出者又は輸入者、権利者)又はその代理人の立会いの下で行われ
る。
(iii) 侵害についての証拠は、当該物品の詳細な説明若しくは当該物品の写真、又は当該物品若しくはそ
の包装のサンプルの形で作成・収集される。それらの証拠は、封印された上で、関連当局に提出さ れ、その審査を受ける。
(B)著作権に関しては、権利者は長期にわたる保護のための措置を要請することもできるし、個々の輸出入 に対する措置を要請することもできる。
①長期的な保護の申立て(長期的な保護の申立ては、侵害が疑われる輸出入貨物に関する情報がないとき に行われる)には、以下が含まれていなければならない
(i) 所定の書式にしたがって作成された保護願
(ii) 公証済みの委任状
(iii) 申立てを証拠づける文書
-著作権登録証(CRC)、それがないときには著作権の宣言
-(申立人が著作権者ではなく使用権者である場合は)著作物の使用に関する契約
-(出願人が譲受人又は相続人である場合は)譲渡証書又は相続証明
-ベトナム法又はベトナムが締結した国際協定に基づく申立人の権利を証明するその他の書類 (iv)著作物の説明、写真又はサンプル、及び、偽造品と新製品を区別するための特徴に関する説明 (v)保証金2000万ドン(約1300ドル)又は申立人による被疑侵害品の通関停止により生じた損害若しく
は費用の補償を保証するために信用機関が発行した保証(最低保証額5000万ドン=約3200ドル)
税関は、かかる申立てを受け取った場合には、その実施のためすべての関係部局に対し通知を行う。
②個々の輸出入に関する申立て(特定の貨物に関して侵害の疑いが存在するときには、こちらの申立てを 行う)には、以下が含まれなければならない。
長期的な保護の申立てに係る(i)、(ii)、(iii)の書類に加え、以下を提出しなければならない。
(i) 所定の書式にしたがって作成された特定貨物に関する通関停止願。これには、当該貨物に関する以 下の情報が記載されなければならない。輸入者又は輸出者の氏名と住所、輸出国又は輸入国、当該 貨物の原産国、輸送方法、輸送を行う企業、B/L番号、予想される輸出入港、予想される税関事務 所、被疑侵害品の詳細な説明又は写真、製造者又は流通業者の名称。
(ii) 当該輸出入品が侵害品であることを証明するための最初の証拠
-貨物の出所(国、地域、当該著作物の製造を許諾された以外の者又は団体)
-模造品の写真(もしあれば)
(iii) 貨物価額の20%相当の保証金若しくは(貨物の価額が明らかでないときには)2000万ドン、又は
被疑侵害品が最終的に当該著作権を侵害するものでないと認定された場合に通関停止により生じ た損害又は費用の補償を保証するために信用機関が発行した保証
(7)再犯者を管理するために、輸出入業者や輸出入製品をリストしたブラックリストのようなものはありま すか? また、そのリストは一般に公開されていますか?
税関及び知的財産権エンフォースメント当局は、ブラックリスト(侵害品輸入者のリスト、知的財産権 を侵害する輸入品及び輸出品のリスト、知的財産権侵害の疑いがある輸入者のリスト等)を作成している が、それは公にはされていない。
(8)税関と裁判所との情報のやり取りはどの様に行われていますか?
知的財産権は、民事的権利と看做されていることから、知的財産権侵害事件においても税関と裁判所が