通は摘発でやるのが良い。
② 今後の模倣品に対する取組み、政策に関して
・ 国内法制に関しては、著作権法の改正が近々立法院(国会)を通過する予定である が、成立にはまだ時間がかかる予定。財政部(含む関税総局)と経済部(含む知財 局)で連携して立法化を進めている。
・ 水際措置に関しては政府サイト www.dgoc.gov.tw/ipeg/ipegl.htm にそって行われ る予定。
・ 税関職員の研修は、①関税総局と知財局の連携で毎年実施しているプログラム、② 関税総局で欧米の知名度の高い商標の関係者を呼んで実施しているプログラム、が ある。
・ 侵害情報のデータベースを利用している。リスク・マネージメント・ポリシーを応 用したデータベース。詳細は非公開だが、人(業者) ・物(模倣品)ともに管理し ている。
③ 二国間での協力
・ 二国間での税関協定を実施しているのは米国とフィリピンのみ。その他の国とは日 本を含め合意していない。しかし、 IPR 侵害情報の交換などは日本及びその他の 国と行っており、実質的には協力体制にある。
・ 日本-台湾間で協力の例としては、おもちゃの模造品で、中国製造-日本中継-台 湾仕向けの流れにおいて、日本から台湾へ連絡が入り、台湾で差押えた例がある。
④ FTA
・ 台湾が締結した FTA は台湾パナマ FTA のみ。条文に国境措置があるが、規定は パナマから台湾への輸出に関するもの。
・ 米国、フィリピンとは貿易に関する協定があるが、侵害品の取締りはケースバイケ ースである。模倣品の出所の追跡など協力をしている。先月も米国商標の模倣医薬 品を台湾で押さえることができた。
・ 台湾は 301 条優先監視国であり、米国からの圧力でいろいろな対応を迫られてい る(現在は、 「監視国」へ変更された) 。
・ 欧米からの協力は特別にはなく、常に我々が助けている側だ(冗談) 。トレーニン グでは手伝ってもらっている。米国の税関には司法警察の役割があるが、台湾には 司法警察制度はない。制度的な違いもある。
⑤ 多国間での協力
・ 多国間の枠組みでの協力は、ようやく WTO に加盟できたが、中国との関係で未だ に国連未加入であり、 WCO や ICPO へは加盟できていない。国連に加盟できるよ うに日本のサポートを求めたい。 WCO 、 ICPO へは未加入だが、情報の交流は行 っており、他国の税関からの侵害の情報は入手している。
・ 税関としての薬物や武器の多国間協力は実施している。しかし、知的財産と麻薬・
武器とは取締りの制度・システムが異なり、比較参考にならないのでは。
・ 侵害品の経由地である場合、取締りは難しいのではないか。核物質など国際テロ行 為に関するものは、取締りに法的根拠がなくても特別に取調べ、取締まることはで きる。 IPR 侵害品はマフィアの資金源となるが、国際テロ行為とは言えない。
⑥ 新しい枠組み
・ 知的財産法は国ごとに異なり、各国ごとに保護されるものであるから、国際的に統 一を図る事は困難であるが、国際間におよぶ問題のときは、情報を共有し、情報を 交換することが大切であると考える。そのために情報の共有化のための窓口を作る 事、ネットワークを作ることが大切であると考える。エンフォースは各国毎の問題 である。
・ 先に述べたように、薬物・武器(社会悪)と模倣品(金をもうけているだけ)は区 別して考えている。模倣品問題は、台湾としては国際的な枠組みに合わせる様に努 力して行きたいと考えている。 (中国による国際組織参加阻止の圧力があるのだ が)
(3) 宏鑑法律事務所
日時 2004 年 8 月 24 日(火) 10 時~ 11 時 30 分 場所 台北 宏鑑法律事務所( Chen & Lin ) 相手 陳 哲宏(所長、弁護士)
翁 雅欣(弁護士) (挨拶のみ)
内容
① 陳所長のバックグラウンド
・ 約 20 年の弁護士としての経歴がある。 86 年にハーバード大のロースクールを出て
IBM に就職した。当時 IBM は IBM 製 PC のクローン機対策に頭を痛めており、
特に台湾でのエンフォースが重要であった。その後、 IPR のエンフォースは次第 に PC ソフトウエア、パテントへと移ってきた。 IBM とクローン機メーカーとの 間で特許ライセンス契約を結ぶようになった。特許訴訟を起こす場合は、台湾では なく米国で起こすことになる。
・ IBM の後、サンフランシスコの法律事務所へ移り、主にインテル社の商標関連の 台湾でのエンフォースの仕事をした。インテル社の模倣半導体チップにインテル社 の商標である“ i ”のロゴを入れたチップが多く売られていた。
・ その後、自力で事務所を開設。主なクライアントは地元台湾で 2 番目の半導体ファ ウンドリーメーカー(委託製造会社)である UMC(United Microelectronics Corp.) 。 UMC と任天堂の特許紛争を担当した。
・ 大きなケースでは、 O2Micro と MPS の半導体チップに関する紛争がある。
・ USTR の仕事(ロビー活動)も受けている。 301 条の対応に関して台湾政府との 仲介をしている。
・ 最近、日本のメーカーの台湾における IPR エンフォースの手伝いもしている。
② 台湾の知的財産法制度に関して
・ 台湾の法制度は、米国の圧力でどんどん変わってきている。米国法にどんどん近づ いている。エンフォースが違うのみとなっている。
③ 特許におけるエンフォースメント
・ 台湾の特許法は昨年 7 月の改正で、特許侵害の刑法罰がなくなった。この規制の緩 和に関して 1994 年から台湾議会に対してロビー活動を行っている。 94 年以前に は誰も民法・刑法の議論はしていなかった。自然に刑法の手続きで扱われていた。
米国は米国法に合わせて刑法罰はなくすべきであると考え、ロビー活動を行い、成 功した。特許・実案・意匠のいずれの侵害においても懲役刑はなくなり、罰金のみ となった。
・ この間、立法関係者へ働きかけ、提案を行い、その結果、特許法には他にないユニ ークな条文が入っており、特許権者が侵害品の差押えを求めることができるような 条文がある。 O2 マイクロと MPS の紛争では実際に差押えを 3 回も実行した。
・ 侵害に対して特許権利保有者が行う救済としては、民事手続きの仮差止め命令が多 く使われるが、多額の担保金が必要であり、経済的余裕がないと使えない。ちなみ に、先の例の O2 マイクロとの紛争では担保に 200M 元( 6 億円)支払った。経済 的に厳しい場合、多くは特許庁へ無効の請求を求める。あるいは、行政裁判所へ救 済を求めることになる。現在、救済手続きをリフォームする作業を行っており、提 案作成中。刑・民・行政をまとめた知財裁判所を作る提案を作成中であるが、まだ 熟していない。
④ 商標におけるエンフォースメント
・ 特許侵害には刑事の適用はなくなったが、商標侵害は刑事で処理される。刑事手続
きで侵害が認められれば、民事の救済手続きを求められる。特許侵害に対する訴訟
は 3 つの方法があり、① District Attorney 、②警察、③検察の知的財産侵害を扱う
捜査局。経済省の模倣品対策チームもある。これは外国企業からの商標・著作権侵
害対策の圧力でできた。また、税関に対しても可能で、税関内に検察の知的財産捜
査局の出先があり、エンフォースに協力している。税関での侵害品取締りは、特許 侵害も可能であるが、判断が難しいので通常はあまりやりたがらない。
⑤ 著作権侵害のエンフォースメント
・ 商標のエンフォースとほぼ同じ。刑事手続きを取れる。 民事でも訴訟を起こせるが、
担保金が侵害額の 1.1% であり、多額のお金が必要。権利者側は少ない額でできる
ドキュメント内
本文: 外国知的財産制度に関する調査研究報告 | 経済産業省 特許庁
(ページ 115-118)