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ドキュメント内 マダイの品種改良に関する研究 (ページ 62-66)

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声 ︑

J 4

2 (0) 

6 (4)  6 (5) 

1歳魚においては卵巣のみをもっ魚の数と精巣のみあるいは雌雄同体生殖腺をもっ魚の数との 比が約 1: 1であった。また, 2歳魚では l歳魚に比べ雌雄同体生殖腺をもっ魚の中で痕跡的に 卵母細胞をもっ魚の割合が高くなり, 3歳魚には雌雄同体生殖腺はみられなかった。これらの結 果は,精巣への分化が 1....2歳にかけて完了することを示している。

M a t s u y a m a  

et  al. 69)は,マダイ天然集団の生殖腺について調べ,解化後

1 2

....

1 8

ヶ月目の魚の 生殖腺は卵巣あるいは雌雄同体生殖腺であるが, 2歳魚では卵巣,雌雄同体あるいは精巣であり,

3....8歳魚では3および4歳魚にわずかに雌雄同体がみられたことを除いては卵巣あるいは精巣 であったことを報告している。彼らの研究におけるサンプリング条件は,頻度やサンプル数の他,

特に稚魚期には鮮化後4ヶ月目のみの魚を調べている点などで本研究とは異なっている。従って,

単純に彼らのデータと本研究の結果を比較して選抜育種マダ、イと天然集団との性分化過程の比較 はできないが,いずれの場合においても 2歳魚に卵巣,雌雄同体および精巣がみられ, 3歳魚で は雌雄同体がほとんど認められなかった。選抜育種マダ、イの性分化過程は基本的には天然集団の それと似ているものと考えられる。

D o n a l d s o na n d  O l s o n ω

は,ワシントン大学において

2 3

年 間の強度な選抜育種を行った結果,ニジマスの成熟が早くなり産卵量も著しく増加したことを報 告している。本研究においては,選抜育種マダ、イの成熟・産卵については明らかにできなかった。

今後の検討課題である。

以上のように,選抜育種マダ、イの性分化過程としては,稚魚期には全個体の生殖腺が卵巣へと 分化し,半数の個体はそのまま雌になるが,残りの半数の個体では鮮化後8ヶ月目頃から精巣が 発達し始め, 1....2歳魚にかけて完全な雄に分化すると考えられた。雌雄異体魚の場合には,性 統御のためのホルモン処理は性分化の期間中およびその前後に亘って行われる 68)が,マダイ のように性分化が比較的長い期間に亘る場合の適切なホルモン処理時期に関する報告はほとんど 見当たらない。この点については

1 1 1 ‑ 2

において検討する。

III‑2.  17 cxーメチルテストステロン経口投与による全雄群誘導出)

III‑lにおいて,選抜育種マダイの性分化過程ついて明らかにしたo Yamamoto 127) ,土,魚類にお いて完全で機能的な性転換を誘導するためにはホルモン処理を性的に未分化な時期から性分化の 期 間 を 通 し て 行 う 必 要 が あ る と 述 べ て い る 。 一 方 , 雌 か ら 雄 に 性 転 換 す る ハ タ 科 の マ ハ タ Epinephelus septemfasciatus 1掛およびクエ E.moara闘では,雌成魚に対する Mτ処理により性転 換した成熟雄が得られており,さらにPandianand Sheela 130)は少なくともカダヤシ科,キノボヲ

ウオ科, Cyprinodondidae,カワスズメ科およびコイ科に属する魚の一部では,性転換に感受性を 示す時期は特定の生理的なステージには限定されないと述べている。従って,幼魚期雄雄同体性 を示すマダイにおいて様々な成長段階にある個体にホルモン処理を施して性比を調べることは非 常に興味深いことである。

本研究では,実験 1で全雄群誘導に有効な 17α・メチルテストステロン(以下, Mτ と略記) の投与濃度について調べ,実験 2では様々な成長段階にある雄由来のゲノムのみで作出されたマ ダイを用いて全雄群誘導に有効なMT投与開始時期について検討した。

1II‑2・1.材料および方法

(1 ) 実験1:前投与濃度の検討 鉾 諒 察

供試魚として第二極体放出阻止型雌性発生二倍体(解化後281日;平均魚体重, 112.8g)を用 いた。作出はII・2で述べた方法で、行ったD

封Sき~M

雄性ホルモンには 17α・メチルテストステロン〈ナカライ社製)を用いた。各試験区のMT投 与量を Tab1e1II‑3に示した口 MT含有飼料は, MTをTab1e1II‑3に示した投与量になるように飼 料の5%)に棺当するエタノールに溶解して市販配合飼料(大洋飼料社製〉とよく混合し, 40Cで エタノーノレを蒸発させた後, ビニーノレ袋に入れて40

C

で保存したG

Table 

1 1 1 ‑ 3 .  

Dosage of 17α‑methyltestosteron (MT) in Experiment 1 

v d  

T d  

M

L‑dw  N 一

mpa a σ b  

s L

&

 

D /

ob   

2  3  4  5 

。 0 . 0 1   0 . 1   0 . 5  

1.

0  J j j j 7 f n

t ,

各試験区2水槽ずつを設定した。供試魚を5001容ポリカーボネート水槽に30是ずつ奴容し,

自然水温および自然巨長下で紫外線殺菌漬過海水による流水飼育を行った。 MT飼料の投与期間 は, MT投与亙の魚の生殖腺に精巣組織が認められるまでの 16週間 (1998年2月2司から同年 5月25日〉とした。 MT投与期間中は2週間目毎に魚体重を測定し,その魚体重に合わせてMT 飼料を調製したロ MT投与終了後 16適時陸上水槽で飼育した後,蛍光タグ (NorthwestMarine  Technology Inc., Shaw Isl ds,WA)で標識して和歌山県田辺湾に設置した網いけす1面に収容

一一233一一

して翌年の産卵期まで飼育した。

ずンプグング

実験開始時および飼育試験終了後に各区の供試魚の魚体重および標準体長を測定後,生殖腺を 摘出して生殖腺指数 (GSI,

100X

生殖腺重量/魚体重)を求めた。また,生殖腺の組織切片を

1 1 1 ‑ 1

に示した方法で作成し,光学顕微鏡で観察した。

パ工芸軍務Jぢ。

t

8

然 屋 務

MT

投与の翌年の産卵期

( 1 9 9 9

3

月から

4

月)に,搾出法により各試験区の魚が放精するか どうかを調べた。また,その時に得られた精子をマダイ卵と授精し,怪体形成率および解化率を 調べた。また,性転換雄が自然産卵するかどうか調べるために,

MT

処理魚

1 3

尾および通常雌

5

尾を 3m3容FRP水槽に収容して産卵状況を観察した。

(2)  実験2: MT投与開始時期の検討 従 長 悦

. t

o"

c k

ぴ討虜

E

供試魚の日齢,魚体重および由来を

T a b l e1 1 1 ‑ 4

に示した。供試魚には,実験

2

1

として生殖腺 が未分化である解化後

5 5

日,実験

2

2

として生殖腺に卵母細胞が出現し始める瞬化後

1 4 1

日お よび実験

2 ‑ 3

として性分化がほぼ完了した解化後

8 9 3

日のものをそれぞれ用いた。各試験区に

MT

投与区および対照区をそれぞれ

2

水槽ずつ設定した。

Table  1 1 1 ‑ 4 .  Days a f t e r  h a t c h i n g

, 

a v e r a g e  body w e i g h t  and o r i g i n  o f  t h e  f i s h  u s e d  i n   Experiment 2 

Days a f t e r   A  v e r a g e  body  h a t c h i n g   w e i g h t  ( g )  

55  0 . 6  

O r i g i n  

h

3

h

nr

n y 

E 一 E x‑x 

3 4 . 9   1 0 1

1.

Normal f e m a l e   X  M e i o t i c  g y n o g e n e t i c  d i p l o i d   M i t o t i c  g y n o g e n e t i c  d i p l o i d  ( M i t ‑ G 2 n )  f e m a l e   X 

Mit‑G2n male  Exp.2‑1 

M e i o t i c  g y n o g e n e t i c  d i p l o i d s  

MTMf-f~ちゴぴ輝彦対虜

実験

1

と同じ方法で,魚体重

1kg

当たり

1

日に

0 . 1mg

となるように

MT

飼料を調製した。各 水槽に実験

2

1

1 0 0

尾,実験

2

2

5 0

尾および実験

2

3

1 0

尾ずつ収容して

1 6

週間

MT

飼 料 を投与した。投与終了後,各区とも性比を判定できるようになるまで陸上水槽で飼育を続けた。

MT

投与期間および飼育期間は,それぞれ実験

2

1

1 9 9 9

6

7

日から同年

9

2 7

日および

2 0 0 0

1 1

4

日まで,実験

2

2

1 9 9 8

8

3 1

日から同年

1 2

2 1

日および

1 9 9 9

年 11月

2 7

日まで,実験

2

3

1 9 9 8

1 0

5

日から

1 9 9 9

1

2 5

日および

1 9 9 9

5

1 6

日までであっ た。

ずンプグング

試験開始および飼育試験終了時に,魚体重,標準体長およびGSIを測定し,供試魚の放精の

有無を確認した後,生殖腺を掃出して組織学的に観察した。

( 3 )  

生殖線組織の性判定

生殖腺組識の性判定の基準はIII‑l~こ準じて行った。

( 4 )  

データ解析

実験1における MT投与期間中の魚体重 増重率および生残率は,各区2水槽の平均値で表記 し, Sheffe' F ~こより有意差検定した(P<0.05)0 すべての試験の額育終了時の魚体重,標準体長 およびGSIを平均±標準偏差で表示した。 GSIおよび性比には各試験区内の2水槽間でUIaired t‑testおよびFisher'sexact pro切るilitytestでそれぞれ有意差がみられなかったので, 2水槽の結果

を組み合わせた。 GSIについて実験 lではSheffe'F,実験2ではunpairedt‑testによりそれぞれ 平均の差の検定 (p<0.05)を行った。

1II‑2‑2.結果 (1)実験1

各試験区のMT投与開始時および終了時の平均魚体重, MT投与期間(16週間)申の増重率お よび生残率をTableIII‑5に示した。 MT投与開始時の平均体重には各試験亙関で、宥意な差はなかっ たが, MT投与終了時ではOmg亙と 0.5および1.0mgとの間に有意差がみられ,増重率も MT 濃度の増加に伴い低下し, 0および0.01mg区と 0.1mg以上の区との慢に有意差が認められたo

MT処理終了後の各試験区の成長には顕著な差はみられなかった。生残率では, 0.1 mg亙と1.0 mg区との関に有意差がみられたもののいずれも

9 0

0

1 0

以上の高い値で、あった。

Table 111‑5. Effect of oral administration of 17 

‑methyltestosteron (MT) on growth and  survival of gynogenetic diploids 1吋 seaちream(mean

, 

n=2) 

No.  2  3 

DosageofMT 

0.01  0.1  0.5  1.0  (mg 

kg‑BW 

a day) 

Initial  117.3  110.6  113.6  113.9  108.6  Averageちodyweight (g) 

Final  253.7 229.8ab  203.0ab  186.2 179.5 Weight gain (%ザ 116.4 107.6 78.8 63.5 65.6

Survival rate 

(%) 

95.0ab  96.7ab  l00.0 93.3ab  91.7

ab Means within a line not marked by the same superscript letter are significantly different (p0.05).

Weight gain (%) 

100 x (final avegrage BW ‑initial avegrage BW ) I initial average BW. 

MT投与の翌年に行った飼育試験終了時の各試験区の魚体重,標準体長, GSIおよび性比を Table 1II‑6 ~こ示したo GSIには各試験[K関に有意差はなかった。 Omg区では1尾を除く全ての個 捧が卵巣を持っていたのに対し, MT投与区ではいずれの濃度区でも全ての個体が精巣をもっ雄 であった。各試験区の個体数にばらつきがあるのは, MT投与終了後の飼育過程での繁死および 傾向タグの脱離により僧体識別が不可能になった魚がいたためである。

媒精試験は, 5自開に亘って行ったため,各試験日に通常雄から採取した精子を用いて通常卵

Table  I I I   ‑ 6 .  E f f e c t s  o f  o r a l  a d m i n i s t r a t i o n  o f  1 7 α ‑ m e t h y l t e s t o s t e r o n  (MT) on t h e  g o n a d a l   s e x e s  o f  g y n o g e n e t i c  d i p l o i d  r e d  s e a  bream a t  t h e  end o f  t h e  f e e d i n g  

cxpenment 

No.  2  3  4  5 

Dosage o f

1T

O  0 . 0 1   0 . 1   0 . 5  

1.

0  (mg/ 見 ‑BW/  d a y )  

Body w e i g h t  ( g )   947 

:f: 

2 3 7 * 1   894

:f: 

170  803 

:f: 

1 3 9   815 

:f: 

2 0 1   828 

:f: 

203  S t a n d a r d  l e n g t h  (cm)  3 2 . 1   z  2 . 3   3 2 . 2  2 . 8   3 0 . 4   z  2 . 0   3 0 . 9   z  2 . 0   3 0 . 7   z  2 . 7   GSI(%)  0 . 5 3  

:f: 

0 . 2 5   0 . 4 8  

:f: 

0 . 2 8   0 . 4 9  

:t 

0 . 4 0   0 . 4 2

:t 

0 . 3 9 0 . 4 9

:t 

0 . 5 9  

* 3  

♀ 

22  O  。 O  O 

Gonadal s e x  

♂ 

1 1   1 6   24  20  Spawning o f  sperm  1 1   1 6   24  20 

* 1   Mean 

j: 

s . d .  

21 0 0  x  g o n a d  w e i g h t  /  b o d y  w e i g h

t. 

* 3Num

e ro f f i s h :

♀, 

O v a r y ;

♂, 

T e s t i s .  

Table 1 1 1 ‑ 7 .   S u r v i v a l  r a t e  a t  embryonic s t a g e  (SRES) and h a t c h i n g  r a t e  (H

畏)

o f t h e  e g g s   f e r t i l i z e d  w i t h  t h e  sperm from t h e  1 7 a ‑ m e t h y l t e s t o s t e r o n  (MT) t r e a t e d  f i s h  

No.  .  r ‑ ‑ 2  3  4  5 

Dosage of M T  

n. 

(mg/

g‑BW/  aday)  Number o f  f i s h  

SR

S( % ) * 1  

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