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ドキュメント内 マダイの品種改良に関する研究 (ページ 67-73)

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E x p .  2 ‑ 1  ( t r e a t m e n t  from 55 d a y s  a f t e r  h a t c h i n g )  

C o n t r o l   697 

1 4 2   2 7 . 3  

1.

9  0 . 3 9  

0 . 1 4   20  T ' r e a t m e n t   711 

1 2 3   2 7 . 5  

1.

7  0 . 1 5  

0 . 0 6

0  Exp.2

2( t r e a t m e n t  from 1 4 1  d a y s  a f t e r  h a t c h i n g )  

C o n t r o l   930 

89  3 0 . 2  

1 . 0   0 . 6 9  

0 . 0 6   1 8   T r e a t m e n t   833 

85  2 8 . 9  

:f:: 1.

1  0 . 4 8  

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0 . 1 9

0  E x p .  2 ‑ 3  ( t r e a t m e n t  from 893 d a y s  a f t e r  h a t c h i n g )  

C o n t r o l   1462 

225  T r e a t m e n t   1214 

1 4 1  

3 4 . 6

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6  3 3 . 6  

1 . 8  

2 . 0 4  

0 . 6 2   1 . 0 8  

0 . 8 9

1 3   0 

34 

o  0 

20 

1 1   O 

2  1 4  

O  O 

O  20  O 

3  1 3  

*  1  1 0 0 x g o n a d  w e i g h t  /  b o d y  w e i g h

t. 

* 2 N u m b e r  o f  a s h :

♀,

O v a r y ;

♀♂, 

B i s e x u a l  g o n a d ;

♂, 

T e s t i s .  

S i g n i f i c a n t l yd i f f e r e n t  f r o m  t h e  v a l u e s  o f  t h e  c o n t r o l  

(p <0.05). 

の1尾に放精が確認され,組織学的に 13尾中2尾が雄雄間体で、あったが残りの魚の生殖腺は全 て卵巣で、あったのに対して, MT処理区では, 16尾中日産に放精が確認、され組織学的にも精 巣部の精小嚢に精子が充満している精巣および雄雄同体生殖腺が観察された。また, MT処理区 の雄雄同体生殖腺をもっ 14尾のうち 6尾の生殖線は痕跡的に卵巣部分を残しているもので、あっ た。

III‑23.考察

実験1では,通常では錐雄同体が出現している時期である解化後281日目から雌性発生二倍体 マダイに対して, M Tを魚体重 1kg当たり 1ヨに 0.01"'"'1.0 mgの濃度になるように飼料に添加 し, 16適関経口投与した結果,翌年の成熟期に辻全てのM T投与区の魚が雄であり放精が確認 され,通常離の卵と媒精すると正常に授精した。また,自熟産卵実験においても正常鮮化仔魚が 得られたことから,今巨設定したいずれのM T濃度でも 16週間の経口投与により性転換雄の誘 導が可能であることがわかった9 しかし,投与期間中の各M T投与区の成長は対照区に比べ劣り,

高護度区になるほどそれは顕著に現れたことなどから,魚体重 1埼当たり 0.01"'"'0.1mgまでが 適当な投与濃度であると考えられた。本実験においては, M Tを魚体重当たりの投与量とした。

魚類のホルモンによる性統梅では額料当たりの投与量の場合が多いことから,本実験の適正投与 量を飼料当たりに換算したところ, 1 "'"'10 mg/kg飼料となった。この値は,メダカ131)(25 ‑50  mg/g),ティラピア Oreochromismossambicus民132)(30 ‑50 mg / kg)およびコイ出)(50mg/kg) 

よりも低く,サケ科魚類民間制(I‑5 mg /kg)およびヒラメ紛(I‑10 mg /持)とおよそ同範囲 であったc

実験2では,生殖腺が未分化である解化後 55日,生殖腺に卵母細胞が出現し始める解化後 141自および性分化がほぼ完了した瞬化後893

S

から M Tを魚体重 1kg当たり 1日に0.1mgと なるように 16週間投与した結果,いずれのM T処理魚の生殖腺に精巣組織が観察された。従っ て,マダイにおいては性的未分化時の鮮化後55日目から性分化がほぼ完了した893S目までの 広い期間においてM Tによる雄性化が可能であることが示された。一方 141および893

S

白か らの投与区では精子が得られたが鮮化後 55

B

目からの投与区では生殖腺指数が著しく低く精子 を得ることはできなかった。実験 1,実験21および実験22ではM T処理されたすべての魚の 生殖農が精巣で、あったのに対して,実験23ではM T処理魚の一部は雄雄関体であったことから,

マダイにおける雄性化に有効なM T投与量および期間は成長に伴い変化する可能性があると考え られるc

実験1および実験2のいずれにおいても M T投与期間中における成長低下がみられた。タンパ ク質問化作用を示す投与量のアンドロゲンは魚類において成長を提進することが報告されてい るωぺしかしながら,性統御に有効な投与量は通常成長促進に用いられるものよりも高く,

成長祖害効果がいくつかのケースで報告されているI刻。

マダイは異型染色体をもたずωどのような性決定機構をもつのか明らかではない。 Matsuyama et  al.ω)は,マダイ天然集団において性比が 1: 1であることを報告している白 III‑l,こ示したよ うに選抜育種マダイ

l

歳魚においても雌と雌雄同体あるいは雄との比が

1:  1

であった。しかし ながら,雄性発生二信体あるいは雑性発生二倍体同士の交配により作出された魚を用いた本実験 の対照匿においては雄の比率が高くなった。これらのことは,マダイが遺伝的性決定機構をもっ 可能性を示している。一方,本実験の対照区において,実験 1 では 1~ ,実験 2・1 では 13 尾,

実験23では2尾の生殖擦に精巣組織が観察された。従って 現段階では性決定モデルが雌ヘテ ロであるか雄ヘテロであるかは判断できない。また,数種の魚類の性比は環境により変化するこ とも知ちれている4

ないo 今後,マダイの性統御技術を確立するためには, M T処理して得た雄を用いた後代検定に よる性決定機構の解明や,性にリンクしたDNAマーカーの検索開制,さらには遺伝子レベルの での性決定機構の解明が必要であると考えられる。

第IV章 クローンマダイの量産と養殖用品種としての震望

第I章では,これまで近畿大学水産研究所で行われてきた高成長マダイ選抜育種の成果につい て天然集団由来の非選択系と比較することにより確認し,選抜育種によって摂餌量や消化能,栄 養素の利用などが改善されていることを明らかにした。しかしながら,近年の不況や種苗生産技 術の飛躍的な向上に伴う生産過東などによりマダイの市場倍格は低迷し,コスト削減の必要性か らより護れた形質を備えた養殖用品種の確立が要求されるようになった。また,上記の選抜育種 は通常二信体雌雄の集居交配により行われたものであり,

1 1 1 ‑ 1

でも述べたように性比は

1:  1

と なるQ マダイの雄は産卵期およびその前後に二次性徴により体色が黒化し商品価値が低下する2)

ので,この時期には雌のみを選別して出荷する必要があるが,和歌山県田辺湾に設置した生隻で 養成された魚をみるとこの体色黒化は

1 0

月頃に始まり

6

月頃まで続くことから雌のみを選別し て出荷することは事実上園難である。そこで,さらなる品種改良のひとつとして第II章では染 色体操作による品種改良として特にクローンの作出とその特性を中心に述べ,第

1 1 1

章では性統 御に関する基礎的および応用的知見を明らかにした。本章ではここで得られた知見をもとに,ク

ローンマダイの量産とその養殖用品種への応用に関する問題点と展望について述べる。

IV‑1.親魚の選定

品種改長を行うためには,その出発点となる親魚の資質がまず重要となる。親魚に優良形質の 遺伝的要素が含まれていない場合には,それ以降の品種改良は不可能となるからである。従来の 選抜育種4)においては,親魚の選定までに養成作業的要素を加味して稚魚期に2回,若魚から成 魚期に2屈の合計4自のサイズによる選別が行われてきた。一方,野田ら150)は,マダイの選抜 育種における体重による選別時期について検討し,鮮化後

1 2

ヶ月目と鮮化後

3 4

ヶ月吾とでは上 位

10%

に含まれた個体は必ずしも一致せず,

3 4

ヶ月自に上位

10%

に含まれる魚をすべて残して おくためには鮮化後

1 2

ヶ月自には上位

61%

もの魚を選抜して餌育する必要があることを示して いる。また,ニジマス山では,高品サイズまでの養成を明確な自標として定め,フライパンの 大きさに合うサイズを基準とした選抜育種が行われている。今後,高成長形質のマダイ親魚を選 定する場合には,目標となる高品サイズを設定して,そのサイズまでの成長の最も速い魚を確実 に選定するようにすべきであると思われるa

マダイにおいては,これまでのところ高成長に関する選抜を中心に品種改良が行われてきた。

育種に関わる形質としては,成長の他に生理形質では,生殖,免疫機能,耐病性,水温適応性な と形態形質では繁殖行動,縄張りに関わる形質などがある152)が,この中で、マダイにおいても 実用面で特に重要な形賓として,生殖,免疫機能および耐病性が挙げられる。また,マダイはそ の体企の赤いことが高品としての重要な偏植をもつことから,体色も育種の対象となる形質であ るといえる9 さらにII4‑2ではクローンマダイの肉賓について述べたが,養殖魚の肉質,すなわ ち味の良い魚をつくるということも高品値値を高める手段として有効であり,育種学的な検討を 進めるべきであると考えられる。これまで、に成長以外の形質についてマダイで行われてきた育種 の慨を挙げると,まず生殖形質では,村田ら附が導入育種の例として,香港産マダイの成熟期

一一239一一

E

本産のそれとは異なり,秋と春に年2回産卵することを報告しており,このような形質を由 定することにより産卵時期の容易なコントヨールが可能となる。耐病性では,大高ら附が,イ リドウイルスの人為感染から生き残った魚同士の交配により得られた魚でイヲドウイルス耐性が 向上したことを示した。また,マダイの体色改善として,熊井ら民15岳}はマダイよりも体色が美 しいとされるチダイとの交雑について述べている。今後,以上のような形質を錆えた親魚を選定 する必要があるが,対象とする形質によっては遺伝的な要因以外の影響を大きく受けるものも存 在する。各形震がどの程度遺伝的な支配を受けているのか,すなわち各形質の遺伝率はクローン 魚を利用することにより推定できる問)ことから,多数のクローン系統を作出して様々な形質の 遺伝率を讃べることにより育種の可能なターゲットを絞り込むことが可龍となる。

上に述べた親魚の選定は魚の表現型に基づいて行うものであるが,近年急速に進歩を遂げてい る分子生物学的手法を用いた方法もあるc この方法のひとつに, DNA多型マーカーを用いた連 鎖地図の作成およびそれを用いた量的形質遺伝子産 (QuantitativeTrait  Loci:  QTL)解析の利用 があるo DNA多 型 マ ー カ ー と し て は , マ イ ク ロ サ テ ラ イ ト お7)あ る い は AFLP (Amplified  Fragment Leng也 子01no平副sm)フィンガープリント械などが用いられ,これらのマーカーをも

とに連鎖地図を作成し, リンケージ解析によって目的とする形質の遺伝子座とヲンクしている (染色体上で近くに位置する)マーカーを決定するD 親魚を選定する場合には,このDNAマー カーをもっ魚を血液や鰭などごく少量のサンプルから得られる DNAから検出するというもので ある (markerassisted  selection, MAS) 0 関本および坂本部}は,これらの手法を用いて目的とす る遺伝形質のみをホモ化させ,他の形質には多様性を持たせながら有用遺伝子座のみを固定する fポジショナノレクローニング法jについても有用性を指摘している。以上は, DNA多型マーカー を用いた方法であるが,最近ではヒト159)を始めとして,魚類においてもトラフグおよびゼブラ フィッシュ闘でゲノム解析が進み,さらにヒトの医学的な研究においてそデ、ル生物として魚類 を用いる臥162)など,今後魚類の様々な遺伝子に関する情報が飛躍的に増大することが予想され る。このような情報をもとに標的とする形質に関与する遺伝子の構造や機能を直接調べることに より,優れた形質を発現する遺伝子を持った魚を親魚として選定することも可能になると考えら れる。

IV‑2.第一界都題止型雌性発生二倍体の作出と親魚養成

親魚の選定の次に,その親魚が雑である場合には優良形質を国定するために雌性発生二倍体を 作出するo 11‑1でも述べたように雑性発生二倍体は,遺伝的に不活性化した精子で卵を媒精後,

第二極体放出の阻止〈以下, meiotic‑G2Nと略記あるいは第一卵裂の担止(以下 mitotic‑G2Nと 略記)により作出される牧へ

前者では減数第二分裂を担止することから減数第一分裂時の遺伝子一動原体聞の組換え率によっ て部分的にヘテロ接合型となる個体が得られるが この第二極体放出阻止型の雄性発生を2世代 あるいは3世代繰り返すことにより遺伝子型は完全に同一ではないが固定化が進み,実用的には クローン化した近交系が得られる5ヘしかしながら,マダイにおいては

1

世代に

2‑3

年を要す ること, II‑4・1で第二極体放出担止の際の抵温処理による分散の拡大が示唆されたことなどこの 方法をマダイの品種改良に用いるには問題が残る。

ドキュメント内 マダイの品種改良に関する研究 (ページ 67-73)

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