第 3 章 事業計画書
3.1 事業計画
3.1.9 事業性評価
表 3.1.8 インド市中銀行を利用する場合の資金調達設定
項目 値 備考
Debt / Equity 比 70 / 30 ―
自己資本コスト 12% ―
借入 金利 12% ―
償還期間 8年 据置期間なし
法人税 33.9% 実効税率
加重平均資本コスト(WACC) 9.15% NPV算出時の割引率に使用 出所:三菱総合研究所
表 3.1.9 スペシャル・ローンの資本調達想定
項目 値 備考
Debt / Equity 比 70 / 30 ―
自己資本コスト 12% ―
借入
仕上金利 5%
償還期間 25年 据置期間を含む
据置期間 10年 元本支払なく、利息のみ支払う
法人税 33.9% 実効税率
加重平均資本コスト(WACC) 5.91% NPV算出時の割引率に使用 出所:三菱総合研究所
出所:三菱総合研究所
図 3.1.13 スペシャル・ローンで考えうる融資スキーム SPV
現地パートナー ESS
企業
出資
州政府等 ESS
リースバック
リース料
EPC
JBIC
スキーム 1 海外投資金融(OIL)
JBIC
スキーム 2
GREENアンタイド・ツーステップ・ローン
ICICI
JICA IREDA
本邦企業
スキーム3
ODA + セール&リースバック
3.1.9 事業性評価
本調査において想定する6事業(前出表 3.1.1)、すなわち、① ピーカー事業、② ピーカー事業(太 陽光発電あり)、③ UI最適化事業、④ 発電抑制収益化事業、⑤ ピーカー+UI最適化事業及び⑥ 周 波数制御制御事業について検討を行った。
検討の詳細と結果を次ページ以降(PP. 71 - 57)に示す。
(1) 個別事業の事業性評価 1) ピーカー事業
試算条件
ピーカー事業の試算条件を表 3.1.10 のように定め、コストカットを行った場合に、事業性がどのように変化 するかを試算した。
表 3.1.10 ピーカー事業の試算条件
項目 値 備考
発電想定 風力発電 100 MW ―
ESS構成 NaS
定格出力 5 MW
時間容量= 6時間 蓄電容量 30 MWh
資本的支出 21百万$
0 ~ 50% でコストカット試算 運用費 0.63百万$/年
売上想定 初年度 1.23百万$/年 エスカレーション 7%/年 ―
試算結果
ピーカー事業において期待される想定売上高(初年度)は、1.23 百万ドルである。一方、スペシャル・ロー ン条件においてコストカットなしでEIRR = 15%を達成するために必要売上高は1.71百万ドルであり、0.47百 万ドルの売上高不足となる。
そこで、ピーカー事業において、資本的支出及び運用費のコストカット等(10%~50%)を行った場合に、
EIRR = 15%を達成するために必要な売上高がどの程度圧縮されるかを試算した(図 3.1.13)。
EIRR = 15%を達成するために必要な売上高は、コストカット等 10%の場合は1.54百万ドルであり、 0.30
百万ドルの売上高不足、同20%の場合は必要売上高1.36百万ドルに対して0.13百万ドルの売上高不足と なり、不足額が圧縮される。
そして、28%のコストカット等を行えば、必要売上高は 1.23 百万ドル = 現状売上高となり、すなわち、現 状の売上高で EIRR = 15%を達成が見込まれるようになる。さらに、30%、40%、50%のコストカット等で、それ ぞれ0.04百万ドル、0.21百万ドル、0.38百万ドルの余剰が生じる。
以上より、ピーカー事業において現状の資本的支出及び運用費 について 28%のコストカットを行えば、
現状売上高1.23百万ドルの下でEIRR = 15%を達成することができる(NPV = 0.67百万ドル)。
(0.5) 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5
0% 10% 20% 30% 40% 50% 0% 10% 20% 30% 40% 50%
インド市中銀行条件 スペシャル・ローン条件
必要売上高(百万ドル)
コスト削減率または補助率
不足 現状
IRR = 15%達成
2) ピーカー事業(PVあり)
試算条件
ピーカー事業において、風力発電に加えて太陽後発電(PV)が併設されている前提での試算条件を表
3.1.11のように定め、コストカットを行った場合に、事業性がどのように変化するかを試算した。
表 3.1.11 ピーカー事業(PVあり)の試算条件
項目 値 備考
発電想定 風力発電 100 MW
風力+太陽光のハイブリッド
太陽光発電 15 MW
ESS想定 NaS
定格出力 5 MW
時間容量= 6時間 蓄電容量 30 MWh
資本的支出 21百万$
0 ~ 50% でコストカット試算 運用費 0.63百万$/年
売上想定 初年度 1.47百万$/年 エスカレーション 7%/年 ―
試算結果
ピーカー事業+PV において期待される想定売上高(初年度)は、1.47 百万ドルである。一方、スペシャ ル・ローン条件においてコストカットなしでEIRR = 15%を達成するために必要売上高は1.71百万ドルであり、
0.23百万ドルの売上高不足となる。
そこで、ピーカー事業+PVにおいて、資本的支出及び運用費のコストカット等(10%~50%)を行った場合 に、EIRR = 15%を達成するために必要な売上高がどの程度圧縮されるかを試算した(図 3.1.14)。
EIRR = 15%を達成するために必要な売上高は、コストカット等10%の場合は1.54百万ドルとなり、売上高
不足は0.06百万ドルに圧縮される。
そして、14%のコストカット等を行えば、必要売上高は1.47百万ドル = 現状売上高となり、すなわち、現状 の売上高で EIRR = 15%を達成が見込まれるようになる。さらに、20%、30%、40%、50%のコストカット等で、
それぞれ0.11百万ドル、0.28百万ドル、0.45百万ドル、0.62百万ドルの余剰が生じる。
以上より、ピーカー事業+PVにおいて現状の資本的支出及び運用費 について14%のコストカットを行え ば、現状売上高1.47百万ドルの下でEIRR = 15%を達成することができる(NPV = 0.80百万ドル)。
図 3.1.15 コストカットによる必要売上高の削減効果(ピーカー、PVあり)
(0.5) 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5
0% 10% 20% 30% 40% 50% 0% 10% 20% 30% 40% 50%
インド市中銀行条件 スペシャル・ローン条件
必要売上高(百万ドル)
コスト削減率または補助率
不足 現状
IRR = 15%達成
3) UI最適化事業 試算条件
UI 最適化事業の試算条件を表 3.1.12 のように定め、コストカットを行った場合に、事業性がどのように変 化するかを試算した。
表 3.1.12 UI最適化事業の試算条件
項目 値 備考
発電想定
風力発電 100 MW ―
LiB
定格出力 5 MW
時間容量= 15分 蓄電容量 1.25 MWh
資本的支出 7.21百万$
0 ~ 50% でコストカット試算 運用費 0.71百万$/年
売上想定 初年度 0.29百万$/年 エスカレーション 7%/年 ―
試算結果
UI最適化事業において期待される想定売上高(初年度)は、0.29百万ドルである。一方、スペシャル・ロー ン条件においてコストカットなしでEIRR = 15%を達成するために必要売上高は0.93百万ドルであり、0.63百 万ドルの売上高不足となる。
そこで、UI 最適化事業において、資本的支出及び運用費のコストカット等(10%~50%)を行った場合に、
EIRR = 15%を達成するために必要な売上高がどの程度圧縮されるかを試算した(図 3.1.15)。
EIRR = 15%を達成するために必要な売上高は、コストカット等10%の場合は0.84百万ドルであり、0.54百
万ドルの売上高不足、同20%の場合は必要売上高0.74百万ドルに対して0.45百万ドルの売上高不足とな り、不足額が圧縮される。
そして、50%のコストカット等を行えば、必要売上高は0.46百万ドルとなるが、なお0.17百万ドルの売上高 不足となる。
EIRR = 15%は、69%のコストカットを行った場合に達成される。このとき、必要売上高は 0.29 百万ドル =
現状売上高となる(NPV = 0.14百万ドル)。
(0.5) 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5
0% 10% 20% 30% 40% 50% 0% 10% 20% 30% 40% 50%
インド市中銀行条件 スペシャル・ローン条件
必要売上高(百万ドル)
コスト削減率または補助率
不足 現状
4) 発電抑制収益化事業 試算条件
発電抑制収益化事業の試算条件を表 3.1.13 のように定め、コストカットを行った場合に、事業性がどのよ うに変化するかを試算した。
表 3.1.13 発電抑制収益化事業の試算条件
項目 値 備考
発電想定 風力発電 100 MW ―
ESS想定
NaS
定格出力 5 MW
時間容量= 6時間 蓄電容量 30 MWh
資本的支出 21百万$
0 ~ 50% でコストカット試算 運用費 0.63百万$/年
LiB
定格出力 5 MW
時間容量= 15分 蓄電容量 1.25 MWh
資本的支出 7.21百万$
0 ~ 50% でコストカット試算 運用費 0.71百万$/年
売上想定 初年度 0.22百万$/年 エスカレーション 7%/年 ― 試算結果
発電抑制収益化事業において期待される想定売上高(初年度)は、0.22 百万ドルである。一方、スペシャ ル・ローン条件においてコストカットなしでEIRR = 15%を達成するために必要売上高は2.63百万ドルであり、
2.42百万ドルの売上高不足となる。
そこで、発電抑制収益化事業において、資本的支出及び運用費のコストカット等(10%~50%)を行った場 合に、EIRR = 15%を達成するために必要な売上高がどの程度圧縮されるかを試算した(図 3.1.16)。
EIRR = 15%を達成するために必要な売上高は、コストカット等 10%の場合は2.36百万ドルであり、2.15百
万ドルの売上高不足、同20%の場合は必要売上高2.11百万ドルに対して1.89百万ドルの売上高不足となり、
不足額が圧縮される。
そして、50%のコストカット等を行えば、必要売上高は1.32百万ドルとなるが、なお1.10百万ドルの売上高 不足となる。
EIRR = 15%は、92%のコストカットを行った場合に達成される。このとき、必要売上高は 0.22 百万ドル =
現状売上高となる(NPV = 0.11百万ドル)。
図 3.1.17 コストカットによる必要売上高逓減効果(発電抑制収益化)
(0.5) 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5
0% 10% 20% 30% 40% 50% 0% 10% 20% 30% 40% 50%
インド市中銀行条件 スペシャル・ローン条件
必要売上高(百万ドル)
コスト削減率または補助率(対CapEx)
不足 現状
5) ピーカー+UI最適化事業 試算条件
ピーカー+UI最適化事業の試算条件を表 3.1.14のように定め、コストカットを行った場合に、事業性がど のように変化するかを試算した。
表 3.1.14 ピーカー+UI最適化事業の試算条件
項目 値 備考
発電想定 風力発電 100 MW ―
ESS想定
NaS
定格出力 5 MW
時間容量= 6時間 蓄電容量 30 MWh
資本的支出 21百万$
0 ~ 50% でコストカット試算 運用費 0.63百万$/年
LiB
定格出力 5 MW
時間容量= 15分 蓄電容量 1.25 MWh
資本的支出 7.21百万$
0 ~ 50% でコストカット試算 運用費 0.71百万$/年
売上想定 初年度 1.53百万$/年 エスカレーション 7%/年 ― 試算結果
ピーカー+UI最適化事業において期待される想定売上高(初年度)は、1.53百万ドルである。一方、スペ シャル・ローン条件においてコストカットなしでEIRR = 15%を達成するために必要売上高は2.63百万ドルで あり、1.10百万ドルの売上高不足となる。
そこで、ピーカー+UI最適化事業において、資本的支出及び運用費のコストカット等(10%~50%)を行っ た場合に、EIRR = 15%を達成するために必要な売上高がどの程度圧縮されるかを試算した(図 3.1.17)。
EIRR = 15%を達成するために必要な売上高は、コストカット等 10%の場合は2.37百万ドルであり、0.85百
万ドルの売上高不足、同20%の場合は必要売上高2.11百万ドルに対して0.58百万ドルの売上高不足となり、
不足額が圧縮される。
そして、42%のコストカット等を行えば、必要売上高は1.53百万ドル = 現状売上高となり、すなわち、現状 の売上高で EIRR = 15%を達成が見込まれるようになる。さらに、50%のコストカット等で、0.21百万ドルの余 剰が生じる。
以上より、ピーカー+UI最適化事業において現状の資本的支出及び運用費 について42%のコストカット を行えば、現状売上高1.53百万ドルの下でEIRR = 15%を達成することができる(NPV = 0.78百万ドル)。
(0.5) 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5
0% 10% 20% 30% 40% 50% 0% 10% 20% 30% 40% 50%
インド市中銀行条件 スペシャル・ローン条件
必要売上高(百万ドル)
不足 現状
IRR = 15%達成