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三大紙における「就活」に関する記事

第 4 章 新聞における省略語

第 3 節 三大紙における「就活」に関する記事

まず、「就活」(就職活動」の略語)を取り上げる。「就活」は近年新聞においても取り 上げられることが多いがその登場は日本企業の雇用状況の変化と密接なつながりを有して いる。そもそも、日本企業において従来「終身雇用」「年功賃金」「一括採用」「企業別労 働組合」など日本独特の雇用慣行が行われてきた。いったん就職すれば会社内で手厚い職 業訓練を受けられ、充実した福利厚生もあり、家族の一員のように扱われ定年まで雇用が 守られる。その対価として、会社には転勤や出張、残業を命じる広い裁量権を与えてき た。しかし、平成初期にバブルが崩壊して、日本の経済に大きな衝撃が与えられ、このよ うな日本独特の雇用慣行も次第に崩れてきた。これに伴い企業の採用活動も変化が生じて きた。1990年代前半までは同じ時期に採用活動が行われていたが、後半に入り、一年を通 して採用活動をする企業が増えた。このため就活期間が長くなり、注目されるようにな る。就職活動を“就活”と縮めて言うようになったすでに1980年代からあったともいわ れるが、新聞に初めて現れるのは2000年10月である。現代用語の基礎知識2001年版に 初めて「就活」の語が現れる。いわゆる“就職氷河期”の真っただ中である。この時期に

「就活」が定着したものと見なされる。

3-1 「朝日新聞」における「就活」記事の調査

以下の表1は「朝日新聞」2000年1月1日~2000年12月31日における「就活」記事 を示したものである。

表1

年月 件数合

本文(記事の件数) 見出し(記事の件数)

就職活動 のみ

就活の

就職活動と就活 との両方

就職活動 のみ

就活の

就職活動と就活 との両方

2000.1 36 36 0 0 0 0 0

2000.2 39 39 0 0 0 0 0

2000.3 31 31 0 0 0 0 0

2000.4 47 47 0 0 0 0 0

2000.5 35 35 0 0 0 0 0

2000.6 43 43 0 0 0 0 0

2000.7 39 39 0 0 0 0 0

2000.8 21 21 0 0 0 0 0

2000.9 20 20 0 0 0 0 0

2000.10 28 28 0 0 0 1 0

2000.11 43 43 0 0 0 1 0

2000.12 33 33 0 0 0 2 0

以下の表2は「朝日新聞」2001年1月1日~2001年12月31日における「就活」記事 を示したものである。

表2

年月 件数合

本文(記事の件数) 見出し(記事の件数)

就職活動 のみ

就活の

就職活動と就活 との両方

就職活動 のみ

就活の

就職活動と就活 との両方

2001.1 40 37 1 3 2 1 1

2001.2 39 37 1 0 1 2 0

2001.3 38 35 1 1 2 2 0

2001.4 37 33 1 0 1 4 0

2001.5 36 32 1 2 3 3 0

2001.6 25 21 1 4 0 4 0

2001.7 19 18 0 1 1 0 1

2001.8 21 20 1 0 0 1 0

2001.9 16 16 0 0 2 0 0

2001.10 23 23 0 0 4 0 0

2001.11 33 33 0 0 5 0 0

2001.12 36 34 2 1 1 1 1

以下の表3は「朝日新聞」2002年1月1日~2002年12月31日における「就活」記事 を示したものである。

表3

年月 件数合

本文(記事の件数) 見出し(記事の件数)

就職活動 のみ

就活の

就職活動と就活 との両方

就職活動 のみ

就活の

就職活動と就活 との両方

2002.1 33 30 2 1 3 3 1

2002.2 41 38 1 0 5 2 0

2002.3 45 45 0 0 5 2 0

2002.4 30 30 0 0 3 4 0

2002.5 40 40 0 0 2 3 0

2002.6 42 39 0 0 1 3 0

2002.7 37 32 0 1 1 5 0

2002.8 20 20 0 0 1 3 0

2002.9 32 29 0 0 1 2 0

2002.10 44 41 1 2 1 5 0

2002.11 26 26 0 0 2 0 0

2002.12 32 32 0 0 2 0 0

朝日新聞では2000年9月以前には見出しにおいても本文においても「就活」の語例は見 当たらない。「就活」が初めて登場したのは 2000 年 10 月の記事で見出しに用いられてい る。

さらにこの社告の中で「就活(仮題)」として連載コラムを始める予定であることを記して いる。実際に2000年10月03日の「朝日新聞」朝刊から2001年08月21日まで朝日新聞 このコラムが連載された。これは見出しにおける「就活」の用例である。本文では 2001

年01月09「朝日新聞」の朝刊 見出し「氷河期乗り切りノウハウ伝授(就活)」の記事で

ある。

以下は「就活」が最初に用いられた2000年10月03日の「朝日新聞」朝刊のくらし 面、見出しは「就活モニター」を募集 クラブA&Aで定期アンケート〈社告〉である。

その時の新聞記事を翻字すると以下のとおりである

「就活モニター」を募集

くらし編集部では、学生の就職活動にまつわる様々な問題を取り上げるため、このペ ージで新しいコラム「就活(しゅうかつ)=仮題」を始める予定です。学生だけでな く、企業の動向もリアルタイムで伝える情報の交差点をめざします。

これに先立ち、これから就職活動に入る予定の学生の方々から、インターネットを通 じて定期的にアンケートにお答えいただく「就活モニター」を募集します。

詳しくは、朝日新聞の「クラブA&A就活係」

(http//mail.clubAA.com/life/monitor.html)まで。アンケートにお答えいただいた方 の中から抽選で図書券などを差し上げます。

そのほか、手紙やファックス、eメールによるご意見・ご感想もお待ちしています。

クラブA&Aで定期アンケート

3-2 「朝日新聞」における「就活」記事の調査

表4は「朝日新聞」2014年1月1日~2016年12月31日における「就活」記事をしめ したものである。

表4

以上の表2から2014年1月1日から2016年12月31日までこの三年間で朝日新聞に おける「就活」記事が最も多く使われた年は2015年で851件である。見出し最も使われ たのは2016年で197件である。2014年の月別で多く使われたのは1月で95件、次に2 月で89件である。2015年の月別で最も多く使われたのは3月で94件、2016年は3月で 121件、これがこの三年間の月別で最も多い。

新聞 略 語 就 活

朝日新聞

発行期間 2014 年 1 月 1 日~2014 年 12 月 31 日

発行月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 月件数 95 89 74 82 49 56 60 37 50 56 68 61 年件数 777 件

見 出 し 年 件

111 件

発行期間 2015 年 1 月 1 日~2015 年 12 月 31 日

発行月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 月件数 64 63 94 84 68 78 64 57 52 70 94 63 年件数 851 件

見 出 し 年 件

128 件

発行期間 2016 年 1 月 1 日~2016 年 12 月 31 日

発行月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 月件数 67 66 121 77 65 90 57 32 49 51 50 46 年件数 773 件

見 出 し 年 件

197 件

3-3 「読売新聞」における「就活」記事の調査

表5は「読売新聞」2014年1月1日~2016年12月31日における「就活」記事を示し たものである。

表5

2014 1 1 2016 12 31

新聞 略 語 就 活

読売新聞

2014 年 1 月 1 日~2014 年 12 月 31 日

発行期間 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 月件数 37 48 51 44 36 36 40 36 34 20 36 24 年件数 442 件

見 出 し 年 件

243 件

発行期間 2015 年 1 月 1 日~2015 年 12 月 31 日

発行月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 月件数 35 48 68 34 34 40 39 41 41 31 48 49 年件数 508 件

見 出 し 年 件

338 件

発行期間 2016 年 1 月 1 日~2016 年 12 月 31 日

発行月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 月件数 33 32 62 44 40 50 24 34 30 34 37 34 年件数 456 件

見 出 し 年 件

311 件

3-4 「毎日新聞」における「就活」記事の調査

表6は「毎日新聞」2014年1月1日~2016年12月31日における「就活」記事を示し たものである。

表6

以上の表から2014年1月1日から2016年12月31日までの三年間で毎日新聞におい て「就活」記事が最も多く使われたのは2015年で199件である。

次が2016年で165件、第3位は2014年で140件である。

見出しによく使われたのは2014年に84件である。次に2015年に53件で、第3位は 2016年で50件である。

2014年月別に最も多く使われたのは1月で18件である。2015年は月別で最も多く使 われたのは11月で26件、次に10月で23件である。2016年に3月で27件である。

新聞 略 語 就 活

毎日新聞

発行期間 2014 年 1 月 1 日~2014 年 12 月 31 日

発行月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 月件数 18 14 14 15 16 8 13 6 7 9 10 10

年件数 140 件

見 出 し 年 件

84 件

発行期間 2015 年 1 月 1 日~2015 年 12 月 31 日

発行月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 月件数 10 20 21 15 12 15 14 15 17 23 26 11 年件数 199 件

見 出 し 年 件

53 件

発行期間 2016 年 1 月 1 日~2016 年 12 月 31 日

発行月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 月件数 14 12 27 17 8 25 12 10 11 16 5 8 年件数 165 件

見 出 し 年 件

50 件

3-5 三大紙における「就活」記事の調査・比較

表7は「朝日新聞」「読売新聞」「毎日新聞」における「就活」記事の初出を示したもの である。

表7

以上の表から新聞で「就活」を使った最初の文は2000年10月03日の朝日新聞朝刊、

面くらし面「「就活モニター」を募集クラブA&Aで定期アンケート〈社告〉」であること が分かった。

読売新聞における「就活」を使った最初の記事は2001年1月21日の大阪版朝刊、見出 し「就職氷河期こそ結束 関西の大学生NGOがイベント開く/大阪・吹田」であり、毎

新聞 略 語 就 活

朝日新聞

見出し 「就活モニター」を募集グラブA&Aで定期アンケート 朝夕刊 朝刊

くらし 発行期間 2000.10.03

読売新聞 見出し 就職氷河期こそ結束 関西の大学生NGOがイベント開く/大阪・吹田 朝夕刊 朝刊

大阪 発行期間 2001.01.21

毎日新聞 見出し 「憂楽帳」最近の若いモン 朝夕刊 夕刊

東京 発行期間 2001.02.22