• 版木の研究
ー 浄 土 宗 寺 院 所 蔵 文 献 類 調 査 整 理 研 究
│
[目 的] 浄土宗寺院において
その寺の住職さえ自坊に何が所 蔵されているのか知らないまま︑また︑什物帳で所蔵し ていることは知っていても蔵の中にあって一度も見たこ とがないまま︑徽や虫食いによって損傷していく文献類 がある︒また中には︑本堂や庫裏の新築・改築などで その寺院所蔵の文献類が廃品として処分されたりする例 もある︒しかしこれらの中には貴重な文献類が存在する
ので
ある
︒ よっ て︑これらの文献類を調査整理し︑各所蔵寺院に その存在価値を認識してもらい︑保存し後世に伝えてい
くことがこのプロジェクト研究の目的である︒
竹
真 道 内
[ニれまでの経過]
本プロジェクトは︑例教大学に部屋を借用している浄 土宗総合研究所分室所属の研究員が中心となり︑平成五
26 年十月より計画され︑平成六年四月より調査研究活動に 入った︒
まず
︑ 既存の情報を調査整理するため︑浄土
宗
宗務庁の許可を得︑﹃
浄土宗寺院名鑑
﹄掲載の全浄土宗寺 院のデータ及び昭和四十三年の浄土宗宗勢調査記載の寺 院什物(掛け軸
・古文書
・記録等)を︑浄土宗総合研究 所分室のパソコンに全て入力した︒これによりどの寺院 にどのような文献があるかが前もって把握できることに
なっ
た︒
(デ
l
タ漏れを防ぐためこれらは厳重に分室で保
管している)
次に平成六年九月と平成八年六月に﹃
宗報
﹄にアンケ
ート
︹﹁
浄土
宗典
籍
・版木の研究﹂
へのご協力のお願い!
お寺の古文書古書籍の保存状況をお知らせ下さい!︺を
載せ
︑
回答のあった寺院及び研究所への依頼のあった寺
院より十箇寺を調査し︑このうちニ箇寺は終了した︒
またこれと平行して︑﹃
全国
寺院名鑑
﹄ ﹃
増上寺史料集﹂
﹃浄土宗全書﹂等に掲載の浄土宗寺院所蔵文献類のパソ
コン入力︑毎月研究会を聞いて調査対象寺院所蔵の古文
書‑掛け軸等の解読を現在も続行中である︒
[謂査方法]
調査依頼のあった寺院での調査は以下の手順をとる︒
‑保管現状の記録(写真などで記録する)︒
全文献類の大まかな分類︒
‑並
べか
え︒
‑上記分類に基づき︑通番(仮番号)を付した付筆を
全文献類に挟む︒
‑番号順にパソコンに入力(データベース化)︒但し場
合によってはカードでとることもある︒
この
時︑
書 名・著者・編者・奥付等を記録︒必要あれば順番の
並べかえも行う︒
‑再度の並べかえ︒
通番(正式なもの・目録番号)をパソコン入力︒
所蔵者の許可が得られれば通番ラベルを添付︒
保管場所に目録番号順に収蔵︒
‑防虫剤を置く︒
O
所蔵寺院の許可を得て︑重要文献は写真・マイクロフィルムに撮り︑調査研究する︒
O
調査対象寺院の文献類は悉皆調査を原則とし︑簡易目録を作成し所蔵寺院に渡すことでその寺院の調査を
応の終了とする︒
[平成十年三月現在までの調査状況]
現在までに調査した寺院また現在調査中の寺院の調
査状況は以下の通りである︒(寺院名などは所蔵者の管理
上のこともありここでは伏せておく)
京都教区古書籍五六七点調査終了
簡 易
目録作成
完 了
新潟教区
古書籍六六八点 簡易目録作成完了
版木約
三O点
埼玉教区
長野教区
静岡教区 富山教区
終 了 岐阜教区 大阪教区 実質 鳥取教区 京都教区
古書籍約六
OO
点
古書籍約二
OOO点
古書籍約五
OO
点
簡易目録作成中 古書籍約
二七五点
古書籍一八
一五
点
古文書
調査中 古書籍約六
OO
点
[今後の実施計画]
古書籍約四
二O点
大蔵経
古文書
調査終了
調査はぽ
調査中
古文書
調査中
巻子
本 古 車 由
調査中 調査中 大蔵経一部
大蔵経 古文書
調査中 古軸類十点
調査中
必要であり このプロジェクト
は長期にわたる継続
・人員・費用が
成九年度は 一
応平成十四年三月終了の予定である
︒平 分室の部屋を借用している偽教大学の事情 で分室の移動があり︑保管していた文献類を移して整理
するのに時間がかか
ったりまた︑代表の竹内が︑住職を
している自坊の急な用務で時間をとられたりで︑予定し ていた目録の作成などがあまりすすまなか
った
︒平
成十
年度は本プ
ロジェクトの研究員をさらに二名ふやし
三
箇寺は調査を終了するようにしたい︒
調査終了の寺院についてはその結果及び
研
究成果を所 蔵寺院の許可を得て︑何らかの形で発表する予定である
︒
古書籍の整理だけでなく︑依頼があれば古文書
・掛け軸
等のくずし字の解読もしているため︑時間がかかり調査
28
対象寺院をあまり増やすわけにもいかず︑
しかし浄土宗 より費用を項いているのであるから
できるだけ各浄土
宗寺院の要請に答えていくことも大切であり︑この両方 を考えながら調査を進めていくつもりである
︒
またこのプ
ロジェクトは往々学
者が行う
学問的関心の
ある一部調査とならないよう︑
一寺
院文献類全調査を基
本とし
対象寺院に調査した文献の簡易目録を渡して
喜ば
れる結果となるよう努力していきたい
︒