第 5 章 生物多様性保全活動の評価基準案
5.3 評価基準案
5.3.3 レベル評価表
本評価基準は、市民社会から見た際の企業活動の「理想像」である。「あまり厳しい基準を作成される と取組みへのモチベーションが失われる」「目指す地点がわかってもどうやってそこまで到達すればいい のかがわからない」などの企業からの意見も予想されることから、本検討委員会では、レベル分けが必 要であると考え、5 段階の「レベル評価表」(別表)を作成した。なお、この表は、試験的に作成したも のであり、今後さらに検討が必要である。
このようなレベル表を用いることにより、市民や NGO/NPO などは、企業が公表する環境報告書等 を見て、または企業に対してアンケート調査などを行うことにより、当該企業の取り組みのレベルを評 価することができる。
一方、企業は、このようなレベル表を用いることによって、現実的な目標を段階的に設定できるし、
また、自らの生物多様性保全への取組みの評価にも用いることができる。
このように、本評価基準とレベル評価表が、市民やNGO/NPO と企業が共有できることになれば、
両者の間のコミュニケーションは容易になることが期待できる。
別表
企業の生物多様性に関する活動の評価基準案(レベル評価表)
評価基準 LEVEL 1 LEVEL 2 LEVEL 3 LEVEL 4 LEVEL 5
基準M1
企業の経営方針に生 物多様性の保全を組 み込むとともに、その 方針に基づく目標と 計画を策定している こと
企業の経営方 針の中に生物 多様性保全が 組み込まれて いない。
―
企業の経営方 針の中に生物 多様性保全を 組み込んでい る。
―
企業の経営方針 に生物多様性の 保全を組み込む とともに、その 方針に基づく目 標と計画を策定 し、これを公表 している。
基準M2
企業として生物多様 性に与える影響をす べての側面で量的、質 的に回避または低減 することを方針とし ていること
企業として生 物多様性に与 える影響をす べての側面で 量的、質的に 回避または低 減することを 方針としてい ない。
―
企業として生 物多様性に与 える影響をす べての側面で 量的、質的に 回避または低 減することを 方針とするこ とを検討して いる。
―
企業として生物 多様性に与える 影響をすべての 側面で量的、質 的に回避または 低減することを 方針とし、これ を 公 表 し て い る。
経営方針
基準M3
企業活動が生物多様 性に与える影響を分 析し、その結果を公表 することを方針とし ていること
企業活動が生 物多様性に与 える影響につ いて分析して いない。
―
企業活動が生 物多様性に与 える影響を分 析し、その結 果を公表する ことを方針と することを検 討している。
―
企業活動が生物 多様性に与える 影響を分析し、
その結果を公表 することを方針 としており、こ れを公表してい る。
管理体制
基準M4
企業の環境管理シス テムの中に生物多様 性保全管理を組み込 んでいること
企業の環境管 理システムの 中に生物多様 性保全管理を 組み込んでい ない。
―
企業の環境管 理システムの 中に生物多様 性保全管理を 組み込む予定 がある。
―
企業の環境管理 システムの中に 生物多様性保全 管理を組み込ん でおり、これを 公表している。
基準M5
生物多様性保全の視 点で事業活動を統括 し、生物多様性保全を 推進する体制が構築 されていること
生物多様性保 全の視点で事 業活動を統括 し、生物多様 性保全を推進 する体制は構 築されていな い。
―
生物多様性保 全の視点で事 業活動を統括 する担当者が 指名されてい る。
―
生物多様性保全 の視点で事業活 動を統括し、生 物多様性保全を 推進する体制は 構 築 さ れ て お り、これを公表 している。
評価基準 LEVEL 1 LEVEL 2 LEVEL 3 LEVEL 4 LEVEL 5 基準M6
生物多様性保全活動 を継続的に改善する た め 、 研 究 機 関 や
NGO/NPOなどの協
力を得ていること
研 究 機 関 や NGO/NPOな どの協力は得 ていない。
―
研 究 機 関 や NGO/NPOな どの協力を得 る 計 画 が あ る。
―
研 究 機 関 や NGO/NPOなど の協力を得てお り、これを公表 している。
実施
基準M7
環境報告書等にて、生 物多様性保全に関す るすべての活動実績 を公表していること
生物多様性保 全に関する活 動実績を公表 していない。
―
生物多様性保 全に関する一 部の活動実績 を公表してい る。
―
生物多様性保全 に関するすべて の活動実績を公 表している。
基準M8
企業活動が生物多様 性に与える影響を定 期的に確認し、目標を 達成するために必要 があれば計画を修正 していること
企業活動が生 物多様性に与 える影響を定 期的に確認し ていない。
―
企業活動が生 物多様性に与 える影響を定 期的に確認し ている。
―
企業活動が生物 多様性に与える 影響を定期的に 確認し、必要が あれば計画を変 更し、その旨を 公表している。
基準M9
事業のすべての段階 でステークホルダー と積極的に対話し、そ こから得られた意見 を生物多様性保全に 関する方針などに反 映させていること
ステークホル ダーと対話し ていない。
―
ステークホル ダーと積極的 に対話してい る。しかし、
得られた意見 を生物多様性 保全に関する 方針などに反 映させていな い。
―
ステークホルダ ーと積極的に対 話し、そこから 得られた意見を 生物多様性保全 に関する方針な どに反映し、そ の旨を公表して いる。
また、部外者からの苦 情や意見などについ ても対応する窓口を 設置し、同様に方針に 反映させていること
部外者からの 苦情や意見な どについて対 応する窓口を 設置していな い。
―
部外者からの 苦情や意見な どについて対 応する窓口を 設置してい る。
―
部外者からの苦 情や意見を生物 多様性保全に関 する方針などに 反映させ、その 内容を公表して いる。
マ ネ ジ メ ン ト
点検・改善
基準M10
NGO/NPOや研究機
関など第三者からの 外部評価を受けてい ること
NGO/NPOな ど第三者から の外部評価を 受けていな い。
―
NGO/NPOな ど第三者から の外部評価を 受けている。
―
NGO/NPOなど 第三者からの外 部評価を受け、
その結果を公表 している。
評価基準 LEVEL 1 LEVEL 2 LEVEL 3 LEVEL 4 LEVEL 5
基準P1 企業活動が生物多様性に与え る影響を分析し、その結果を公表して いること
企業活動が生 物多様性に与 える影響を分 析 し て い な い。
―
企業活動が生 物多様性に与 える影響を分 析している。
―
企業活動が生物 多様性に与える 影響を分析し、
その結果を公表 していること
生物多様 性への影
響
基準P2
企業の事業が生物 多様性へ与える負 の影響を回避し、最 小化し、代償を行う ことにより、ネット での影響をゼロ(ノ ーネットロス)また は正(ネットゲイ ン)としていること
企業活動が生 物多様性に与 える影響を回 避し、最小化 し、代償を行 う 方 針 は な い。
―
生物多様性に 与える影響を 回避し、最小 化し、代償を 行う方針はあ り、実施して いる。
―
ネットでの影響 をゼロ(ノーネ ットロス)また は正(ネットゲ イン)としてお り、その旨を公 表している。
地域社会 への影響
基準P3
事業の事前事後の 人文社会科学的モ ニタリングによっ て明らかとなる地 域社会への影響に 対し、適切な是正措 置を講じているこ と
対象地域への 影響はモニタ リングも、配 慮もしていな い。
―
事前事後の人 文社会科学的 モニタリング を適切に実施 し、地域社会 への影響を明 らかにしてい る。
―
地域社会への影 響に対し、適切 な是正措置を講 じており、その 旨を公表してい る。
基準P4
(1)事業のすべての 段階において、ステ ークホルダーの公 正な参加があるこ と
ステークホル ダーの参加が 全くない。 ―
一部の段階の 公正な参加が ある。
―
全ての段階で公 正 な 参 加 が あ り、その旨を公 表している。
(2)先住民族の権利 が保護されている こと
先住民族の権 利が保護され ていない。
―
先住民族の権 利の一部は保 護 さ れ て い る。
―
先住民族の権利 は保護されてお り、その旨が公 表されている。
パフォーマンス
直 接 影 響
ステーク ホルダー の参加と 事後監視
(3)事後監視と是正 が実施されている こと
事後監視は実 施されていな い
―
事後監視は実 施されている が、是正はし ていない。
―
事後監視と是正 が実施されてお り、その概要が 公 表 さ れ て い る。
評価基準 LEVEL 1 LEVEL 2 LEVEL 3 LEVEL 4 LEVEL 5
生物多様性に 配慮した原材 料・製品を調 達 し て い な い。
―
サプライチェ ーンを原料採 取段階まで遡 って生物多様 性へ与える影 響を回避又は 低減する計画 がある。
―
サプライチェー ンを原料採取段 階まで遡って生 物多様性へ与え る影響のすべて を 回 避 し て お り、このことを 公表している。
基準P5− (1) サプライチェーン を原料採取段階ま で遡って生物多様 性へ与える影響を 把握し、その影響を 回避または低減し ていること
この結果、生物多 様性保全に配慮し た資材・製品の調 達・購入率が100%
に近づいているこ と
生物多様性に 配 慮 し た 資 材・製品を調 達 し て い な い。
―
生物多様性に 配 慮 し た 資 材・製品の調 達・購入率は 50%以上。
―
生物多様性に配 慮した資材・製 品の調達・購入 率は100%。
基準P5− (2) 生物資源の利用か ら得られる利益を 公正かつ公平に配 分していること
生物資源の利 用から得られ る利益を公正 かつ公平に配 分 し て い な い。
―
50%以上の生 物資源の利用 から得られる 利益を公正か つ公平に配分 している。
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すべての生物資 源の利用から得 られる利益を公 正かつ公平に配 分しており、こ のことを公表し ている。
サプライ チェーン
/バリュ ーチェー ン
基準P5− (3) 生物多様性に配慮 した生産・提供を行 っていること
生物多様性に 配 慮 し た 生 産・提供を行 っていない。
―
50%以上の製 品で生物多様 性に配慮した 生産・提供を 行っている。
―
すべての製品で 生物多様性に配 慮した生産・提 供 を 行 っ て い る。
間 接 影 響
金融
基準P6
投融資の対象とな る事業者がマネジ メント評価基準を 満たし、その事業活 動がパフォーマン ス評価基準(P6は 除く)を満たすまで は投融資を行って いないこと
全く配慮して いない。 ―
50%以上の投 融資が本基準 を満たしてい る。
―
すべての投融資 が本基準を満た している。