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4. プロジェクト実現に向けた調査

4.1 プロジェクト計画

4.1.7 リスク分析

プロジェクト実施において想定されるリスクとその影響及び対応策、実現可能性を検討した。検討は三段 階で実施した。

第1段階 調査実施前に、一般的なインフラ投資において考慮すべきリスク項目を網羅的に整理 第2段階 各リスクの度合いをデスクトップ評価し、本調査の中で特に検討すべきリスク項目の抽出 第3段階 調査の中で上記抽出した各リスク項目について検討を行い、調査内で解決できるものに関し

ては解決し、調査後の検討が必要なものについては、今後の対応方針を提示 図 23 リスク項目の抽出・評価・今後の方針提示までの流れ

なお、リスクインベントリ-については、プロジェクトファイナンスのリスク評価で定評のある、格付け投資 情報センターのR&Iカントリーリスク調査における、カントリーリスク評価項目を利用した。

カントリーリスク評価 項目を利用し、網羅的 にリスクを整理

企画書作成時にデ スクトップ評価を実 施し、検討すべきリ スク項目を抽出

本調査内で各リ スクの評価を実 施する

リスク評価結果と 積み残し検討課題 についての方針を 提示

リスク評価結果と 今後の検討方針 リスクの

全体像

1.リスク項目の網羅的整理 2.検討すべき リスク項目の抽出

3.調査内での検討

対応方針

H26 JCM FS

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1 本プロジェクトに関係ないリスク

2 他のインドネシアJCM PSで既に検討されているリスク 3 Fajar社のビジネス全体において検討すべきリスク 4 本プロジェクトで検討すべきリスク

凡例

検討第一段階の、「調査内で検討すべきリスクの抽出」においては、他のインドネシアJCMプロジェクト で検討済みのものや、FajarPaperが本調査に関わらず自ら検討すべきものは除外した。また、天災や、

本プロジェクトの建てつけからして明らかに無関係であるリスク等も検討対象から除外した。

すなわち、リスク項目ごとに以下の4つに分類し、4に当てはまるもののみを本調査における検討対象とし た。

1. 本プロジェクトに明らかに関係のない(もしくは当てはまらない)リスク 2. 他のインドネシアJCM FS/PSにて既に検討済みのリスク

3. Fajar Paperのビジネス全体において検討すべきリスク(本調査が特別検討すべきでないもの)

4. 本プロジェクトにて検討すべきリスク

表 12 網羅的なリスク整理と本調査で検討すべきリスクの抽出

大分類 中分類 小分類

国内通貨の交換対象となる外貨が不

足するリスク 1 ドル建て取引であり、既にキャッシュを得ている為、検討不要 外貨交換が認められないリスク 1 上記に同じ

外貨を国外に送金できないリスク 2 本検討内で特別検討すべきものではない。

為替変動リスク 2 本検討内で特別検討すべきものではない。

物価変動リスク 2 本検討内で特別検討すべきものではない。

関連法制度変更リスク 3 Fajar社の他のラインも同様である為、本検討内で特別検討すべきものではない。

許認可変更、取り消しリスク 3 新設計画は2年前からあり、申請関連はクリアしていると考えられる 4

日本国から補助金を活用したプロジェクトにおける現地税制度、および排出権にか かる税制度は未確認。他のJCMプロジェクトでも検討しているであろうが、影響評 価は本件において再度実施するべき。

2 本リスクは限りなく低い上に、他のJCM案件で検討済み 2 本リスクは限りなく低い上に、他のJCM案件で検討済み

ストライキ・ 内乱・ 暴動・ テロリスク 3 Fajar Paperにおけるストライキの可能性は未確認だが、本検討内で特別検討すべ きものではない。

侵略・ 戦争リスク 2 本検討内で特別検討すべきものではない。

関連インフラストラクチャー・ ユーティリ

ティリスク 3 ボイラーや排水施設との接続に係る課題はFajar が検討中

環境・ 社会問題リスク 3 Fajar社全体の話である為、本検討内で特別検討すべきものではない。

設計・ 技術リスク 4 相川鉄工の機器の詳細設計はまだ仮説段階であり、マテリアルバランス等詳細は 未検討

コストオーバーランリスク 4 他社の仕様が入り込む事により顧客の要望が変わるリスクがある

労働力の確保・ 質リスク 4 ライン4を入れたCBK社は完工に失敗している。設計に起因するのか、工事の質 に起因するか未確認。

機材納入リスク 3 Fajar社の既存のライン導入の際と同様の納入プロセスを取るためリスクは低い スポンサーリスク 4 相川鉄工の受注は、補助金を前提としている為、GECから設備補助をもらえない

場合は受注できない可能性がある

オペレーションリスク 4

・JCMを踏まえたオペレーション体制をとっていない為、新しく体制構築をする必要 がある。

・MRVが増えたことによるオペレーションコストの増加について検討する必要があ る。

メンテナンスリスク 4 業者ごとのメンテナンス提供サービスも含め受注が決定する。設備補助による割 引等も踏まえ、全体として計算する必要がある。

労働力の確保・ 質リスク 4  

原料調達リスク 3 増設にかかる原料調達増が必要だが、本検討内で特別検討すべきものではな い。

関連インフラストラクチャー・ ユーティリ

ティリスク 4 MRVで必要なエネルギー管理システムの詳細仕様において不透明なところがあ り、確認が必要

環境・ 社会問題リスク 4 相川鉄工の技術導入により、環境リスクが増加することはないと予想されるが念の ため定量的な把握を行う必要がある

生産物・ サービスの販売・ 引き取りリス

ク( 価格) 3 Fajar社全体の話である為、本検討内で特別検討すべきものではない。

生産物・ サービスの販売・ 引き取りリス

ク( 量) 3 Fajar社全体の話である為、本検討内で特別検討すべきものではない。

3 本プロジェクト特有ではないリスク 3 本プロジェクト特有ではないリスク 3 本プロジェクト特有ではないリスク 3 本プロジェクト特有ではないリスク

1 海から離れている工場の為、本プロジェクトに関係ないリスク 3 本プロジェクト特有ではないリスク

3 本プロジェクト特有ではないリスク 税務リスク

洪水リスク 疫病リスク 地震リスク 台風リスク ポリティカ

ル・ リスク

コマー シャル・ リ スク

フォース・

マジュー ル・ リスク

プロジェクト・ リスク 暫定リスク

評価 理由

津波リスク 落雷リスク その他災害リスク 送金リスク

物価/為替変動リス

法制・ 許認可変更リ スク

有事リスク

完工リスク

操業リスク

マーケット・ 経済性リ スク

収用・ 接収・ 国有化リスク

政府・ 政府機関による契約義務履行違反リスク

H26 JCM FS

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表 13 抽出リスク項目の検討結果と今後の対応方針

リスク項目 詳細検討項目 検討結果と今後の対応方針

税務リスク  外国の補助金が入ったプロジェク トに対しての課税のされ方

日本国からの補助金は、インドネシア税務当局から贈与等とみなされて、税務上のリスクを抱える事 が懸念される。

検討を進めた結果、本補助金による割引を除した額での資産計上を実施すれば、補助金の受け渡し を合法的に課税外取引にできることが分かった。

実際に、10年前にFajar社の焼却炉建設において、日本のNEDOからCDM実証事業による資金 支援があったが、支援額を除した形での資産計上がなされ、税務申告上も特に問題は出ていない。

以上のことから、本リスクはないものと判断される。

完工リスク 設計・技術リ スク

 マテリアルバランス等の詳細設 計

2014年7月~2014年12月の間に詳細設計を終えており、現時点で設計に係るリスクはないものと 判断される。

コストオーバ ーランリスク

 コストオーバーランリスク 他社(IHI-Voith社)がシステム内の要素機器に中国製の廉価部品を利用することで、システム総額 を下げて提案したため、価格面で厳しい戦いを迫られ、コストが利益を圧迫する可能性がある。

→今後は、受注額で赤字が出ないように、より正確なマテリアルバランスを組んで機器のサイズ等を 正確に決定し、調達コストが予定コストを上まらないように、製造、部品調達におけるコスト削減が必 要となる。具体的には以下を実施する方針である。

 大体の処理量で見積っていたシックナーのサイズの見直し

 フロー変更に伴う計装機器のサイズの見直し 労働力の確

保・質リスク

(完工)

 ライン3の導入が失敗した原因 ライン3は操業されてはいるもの、Fajar社の中では、品質や歩留まりが悪く、導入に失敗したライン として認識されている。ライン3の失敗原因が機器の設計に起因するのか、施工業者の不作為に起 因するのか当初は不明であり、後者の場合は同じ施工業者をライン8でも起用する予定であり、完工 にかかるリスクが生じる可能性があった。本調査におけるFajar社へのヒアリングの中で、ライン3は

導入業者KADANTの設計ミスに起因することが分かり、同じ施工業者を利用したライン5の稼働は

好調であることも分かった。よって、ライン8においても同じ施工会社を起用する予定であるが、施工 に係るリスクはないものと判断される。

操業リスク オペレーショ ンリスク

 MRV体制の構築可否

 MRVを維持するための費用 Fajar社は過去にCDMを実施したことがあることがわかった。今回もCDMのMRV実施体制と同 じ体制を構築した為、MRVにかかる体制構築におけるリスクはないものと判断される。また、MRVを 維持するための費用に関しても、モニタリングは管理システムの利用により実質コストがかからず、そ の他のMRVコストは環境省の全面的な支援があることが判明したため、リスクはないといえる。

メンテナンス リスク

 受注条件におけるアフターサービ ス範囲

Fajar社のコンペにおいては、受注後のアフターサービス要件も込みで競争が行われる。相川鉄工は

その綿密なアフターサービスを買われているが、際限ないアフターサービスは、受注後の利益減少の 原因となってしまう可能性があった。

→アフターサービスをする事で、機械の状態が把握できるので消耗品の交換を促し、その受注をする 事で利益の確保が可能となることがわかった。よって今後の対応方針としては既存ラインも含め今後 も丁寧なアフターサービスを実施する事で客先からの情報も得やすくなり、Fajar社は数年毎に新マ シンの増設を行っている事から次の計画の情報もいち早く入手が出来る事で次の受注の可能性も高 くなる。