2.2 藻場の復元の検討・計画段階における配慮事項
2.2.4 モニタリング及び維持管理の計画
-<維持管理>
② 維持管理とは、モニタリングの結果から、復元措置を行った藻場に何 らかの影響がみられる場合に行う取組であり、海草の生育を阻害する生 物のコントロールや生育基盤の補修などが含まれる。復元に係る目標の 達成が困難と判断される場合には、以下に述べる順応的管理の考え方に 沿って、必要に応じて維持管理を検討し、実施する。
<順応的管理>
③ 順 応 的 管 理*bは 、 不 確 実 性 の 大 き な シ ス テ ム を 対 象 と し た 管 理 手 法 の ひ と つ で あ り 、 管 理 の 方 針 及 び 実 施 を モ ニ タ リ ン グ に よ っ て 継 続 的 に 改 善 し て 行 く 総 合 的 な 取 組 で あ る 。 藻場の復元の計画立案に際 しても、モニタリング結果に応じて適切な措置を検討・実施する順応的 管理を計画に組み入れておく。(⇒考え方②)
*b:用語集参照。
【考え方】
<モニタリング計画>
① モニタリングは、評価年次及び中間年次における藻場の復元に係る目 標の達成を評価するために行う取組である。そのため、あらかじめ設定 した目標及び評価基準が適切に把握できるよう、モニタリングの調査項 目、評価基準、方法、範囲、期間、頻度などを設定する必要がある。
モニタリングの期間については、藻場の復元までに長い時間を要する と考えられることから、相応の年数を設定する必要がある*c。また、頻 度については、復元措置の実施後、藻場として安定するまでは高い頻度 で調査を行い、安定した後は調査頻度を減らしていくことが考えられる
*d。
*c:NOAA(米国商務省 海洋大気庁)では、5〜10 年の調査期間が適当としている。こ のうち、アマモ属・ウミジグサ属・シオニラ属・ウミヒルモ属では最低でも 3年間 モニタリングを継続する必要があり、スガモ属・リュウキュウスガモ属ではこれよ りも長い調査期間が必要としている7)。
*d:NOAAでは、移植後1年間は年 4回、その後の 4年間では年 2回のモニタリングを 行う手順を示している7)。
<順応的管理>
② 藻場などの生態系は、人間活動を含めた極めて多様な要素とそれらの 要素間の関係からなる複雑なシステムである1)。また、復元措置として 用いる方法・技術には、その効果や影響について不確実性があり、予測 によって問題が少ないと見積もられても、実際には予測外に大きな影響 が生ずる可能性を否定できない18)。そのため、モニタリング結果に応じ
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-てより適切な対応を検討するという順応的管理が必要となる。順応的管 理の考え方に基づく対応例としては、以下のようなケースが考えられる。
《順応的管理の考え方に基づく対応例》
○復元措置を行った藻場が一部消滅している。
・ 原因を究明し対策を講じた上で、必要な維持管理を行う(例えば、移植・
播種を再実施するなど)。
○生育基盤の一部が維持されていない。
・ 原因を究明し対策を講じた上で、生育基盤の補修を行う。
○復元措置の実施場所の環境条件が予測したよりも悪いことが判明した。
・ 原因を究明し対策を講じた上で、生育基盤を適切に再整備する(例えば、
流れが予測以上に速いために、流動制御工を追加的に設置する、など)。
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