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プロトンバックライト法実験

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 96-117)

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96 トンの質量を示す。プロトンターゲットから計測器までの距離L=31.5 mmを移動するのに 要する時間tは、𝑣𝑦(𝑡)を積分することで求められ次式で表せられる。

𝑡 =1

𝛺sin−1(𝐿𝛺

𝑣) (4.3)

そのため、計測器でのx方向のプロトンの移動量∆𝑥は、𝑣𝑥(𝑡)を積分し式(4.3)を代入すると、

次式で表すことが出来る。

∆𝑥 =𝑣

𝛺{1 − cos (sin−1(𝐿𝛺

𝑣 ))} (4.4)

ここで、B=0.1 Tとし、プロトンのエネルギーを100 keV(𝑣 = 4.4 × 106 m/s)とすると、イオ ンサイクロトロン周波数式は𝛺 = 9.6 × 106 s−1となり、式(4.4)から∆𝑥~1.1 mmとなる。

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Fig.4.4プロトンバックライト法の実験配置図

Fig.4.5プロトン生成用ターゲット(Cu、厚さ2 μm)

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Fig.4.6 Nd永久磁石が生成する磁場形状とx=0 mmの磁束密度の変化

Fig.4.7一様磁場を通過するプロトンの軌道

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4.2.2 実験結果

Fig.4.8 に(a)磁場がない場合と(b)印加した場合のプロトンイメージを示す。レーザーは、

(z, x)=(0, 0)でプロトンターゲットに集光している。Nd永久磁石はz=4 mmの位置に配置し

ている。黒い領域がプロトンが通過した跡を示す。磁場がない場合[Fig.4.8(a)]、プロトンイ メージはほぼ円形状に広がっている。磁場がない場合のプロトンイメージから、z軸に沿っ た(-1 mm<x<1 mmの平均)ラインプロットとx軸に沿った(0 mm<z<2 mmの平均)ラインプロ

ットをFig.4.9(a)-(b)に示す。図中においてIntensityが低下する谷の部分がプロトンの跡に相

当する。z軸方向のプロトンイメージ [Fig.4.9(a)]は-5.5 mm<z<6.2 mmの範囲で広がり、x軸 方向のプロトンイメージ[Fig.4.9(b)]は-5 mm<x<5 mmの広がりを持つ。ここで、磁場が無い 場合のプロトンイメージの広がりからプロトンビームの発散角 θ を求める(Fig.4.10)。プロ トンイメージのz軸方向への広がりはx軸方向に比べて大きいため、CR-39上のプロトンイ メージの直径DD=11.7 mmとする。プロトンターゲットからCR-39までの距離はL=31.5 mmであるから、発散角θは𝜃 = tan−1(𝐷 2𝐿⁄ ) ≈ 10.5 degとなる。

一方磁場を印加した場合[Fig.4.8(b)]、z>0 方向(磁石方向)と x<0 方向にプロトンイメージ が移動しているのが分かる。磁場を印加した場合のプロトンイメージから、z軸に沿った(0 mm<x<10 mmの平均)ラインプロットとx軸に沿った(1 mm<z<5 mmの平均)ラインプロット をFig.4.11(a)-(b)に示す。z軸方向のプロトンイメージ[Fig.4.11(a)]は-3 mm<z<6.5 mmの範囲 で広がり、x方向のプロトンイメージ[Fig.4.11(b)]は-1 mm<x<11 mmまで広がった。磁場が ない場合と比較して、プロトンのイメージはx>0方向とz>0方向に移動している。x方向の

変化は、4.2.1節で予想した移動変化と同じ方向であった。実験の方が移動量が大きいのは、

(1)計算では一様磁場を仮定したため、(2)プロトンビームは発散している(初速度に x 成分、

z成分がある)ためである。本実験において、0.1 T程度の弱磁場においてプロトンイメージ の変化を確認できた。

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Fig.4.8磁場によるプロトンイメージの変化[(a)磁場なし、(b)磁場あり]

Fig.4.9プロトンイメージの(a)z方向の広がりと(b)x方向の広がり(磁場なし)

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Fig.4.10プロトンビームの発散角θ

Fig.4.11プロトンイメージの(a)z方向の広がりと(b)x方向の広がり(磁場あり)

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4.2.3 プロトンビームの軌道計算

ここでは上記の実験条件において、プロトンビームの軌道計算から、計測器上でのプロト ンイメージを求める。この節で求めるプロトンビームの軌道計算は Fig.4.2(b)が示すような 計算アルゴリズムである。この節では、計算コードの説明と軌道計算から得たプロトンイメ ージと実験から得られたプロトンイメージを比較する。

4.2.3 1 磁場とプロトンの初期設定

実験で使用したNd永久磁石が生成する磁場は、電磁場解析ソフトAMaze[10]を用いて磁 場データを取得した(Fig.4.6)。磁場の領域は100∆𝑥 × 100∆𝑦 × 100∆𝑧でメッシュを区切って いる。ここで、グリッド幅は∆𝑥 = 0.3 mm、∆𝑦 = 0.27 mm、∆𝑧 = 0.25 mmである。式(4.4)で 求めたように、プロトンの軌道はx軸方向に大きく変化するため、x方向の磁場領域を大き くした。

プロトンビームは点源から、ビームの中心軸がy軸から角度φ傾いて、発散角𝜃(Fig.4.12) で放出されているとする。プロトンビームの発散角は4.2.2節で磁場がないときのプロトン イメージの大きさから求めた発散角(𝜃 ≈ 10.5 deg)を用いる。プロトン粒子の初期速度は Fig.4.13(a)が示すように、平均μ=Eproton(この図ではEproton =10 keVとしている)、分散σ= Eproton

/10のガウス分布に従い設定した。プロトンのエネルギーEprotonは1.0 keV、10 keV、100 keV と変えて計算している[Fig.4.13(b)]。プロトンの粒子数は100,000個である。時間幅∆𝑡 = 10 ps でプロトン粒子が計測器に至るまで計算している。数値解析において、時間幅∆𝑡と格子幅

∆𝑥、∆𝑦、∆𝑧は以下の3次元のCourant-Friedrichs-Lewy (CFL)条件[11]を満たさなければなら ない。

∆𝑡 < 1

𝑉𝐴√(1

∆𝑥)2+ (1

∆𝑦)2+ (1

∆𝑧)2

(4.5)

ここで、𝑉𝐴はアルフベン速度を表し、次式で定義される。

𝑉𝐴= 𝐵

√𝜇0𝑛𝑖𝑚𝑖 (4.6)

ここで、𝐵は磁場、𝜇0は透磁率、𝑛𝑖はイオンの密度、𝑚𝑖はイオンの質量を示す。磁場𝐵 ≈ 0.1 T、 格 子 幅∆𝑥 = 0.3 mm、∆𝑦 = 0.27 mm、∆𝑧 = 0.25 mm、 典 型 的 な プ ロ ト ン ビ ー ム の 密 度 𝑛proton beam≈ 1018 m−3[3]を用いると、アルフベン速度は𝑉𝐴≈ 2.2 × 106 m/sとなり、CFL条 件は∆𝑡 < 71 psとなる。そのため、設定した時間幅∆𝑡 = 10 psは CFL 条件を満たしている。

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Fig.4.12プロトンビームの発散

Fig.4.13 (a)プロトンビームの初期速度分布[ガウス分布(平均μ=Eproton、分散σ=Eproton/10)]と(b) プロトン粒子の初期条件

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4.2.3 2 粒子位置での磁場

この計算コードでは Fig.4.14 が示すように、磁場は立方体の格子点上に割り振られてい る。ここで、〇はグリッドの格子点、●は粒子を示す。粒子に働くローレンツ力を求めるた めに、粒子上の磁場を求める必要がある。そこで、隣接する8個の格子点によって囲まれた 体積V の立方体を、格子点内に存在する粒子によって V1~V8の体積を持つ直方体に分割す る。粒子点上の磁場𝐵は次式で与えられる。

𝛿𝑉𝑛=𝑉𝑛

𝑉 (4.7)

𝑉 = ∑ 𝑉𝑛

8

𝑛=1

(4.8) 𝐵 = 𝐵𝑖+1,𝑗,𝑘× 𝛿𝑉1+ 𝐵𝑖,𝑗,𝑘× 𝛿𝑉2

+𝐵𝑖+1,𝑗+1,𝑘× 𝛿𝑉3+ 𝐵𝑖,𝑗+1,𝑘× 𝛿𝑉4 +𝐵𝑖+1,𝑗,𝑘+1× 𝛿𝑉5+ 𝐵𝑖,𝑗,𝑘+1× 𝛿𝑉6 +𝐵𝑖+1,𝑗+1,𝑘+1× 𝛿𝑉7+ 𝐵𝑖,𝑗+1,𝑘+1× 𝛿𝑉8

(4.9)

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Fig.4.14隣接する8個の格子点と粒子

●:粒子、〇:格子点

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4.2.3 3 粒子の速度・位置の更新

上記で粒子上の磁場を求めたので、粒子の運動方程式から粒子の速度・位置の更新を行う。

プロトン粒子の運動方程式を以下に示す。

𝑚𝑝𝑑𝑣⃗𝑝

𝑑𝑡 = 𝑧𝑒𝑣⃗𝑝× 𝐵⃗⃗ (4.10)

𝑑𝑥⃗𝑝

𝑑𝑡 = 𝑣⃗𝑝 (4.11)

ここで、𝑚𝑝はプロトンの質量、𝑣𝑝はプロトンの速度、𝑥𝑝はプロトンの位置、𝑧は荷電数、𝑒 は電気素量を示す。式(4.10)、式(4.11)にleap-frog法[12]による時間中心差分を用いると次式 で表すことができる。

𝑣⃗𝑝𝑛+1/2− 𝑣⃗𝑝𝑛−1/2

∆𝑡 = 𝑧𝑒

𝑚𝑝 1

2(𝑣⃗𝑝𝑛+1 2 + 𝑣⃗𝑝𝑛−1/2) × 𝐵⃗⃗ (4.12) 𝑥⃗𝑝𝑛+1− 𝑥⃗𝑝𝑛

∆𝑡 = 𝑣⃗𝑝𝑛+1/2 (4.13)

ここで、上付きの添え字𝑛は時間を表す。𝑛 − 1/2はある時間𝑛から∆𝑡/2だけ以前の時間であ ることを示し、𝑛 + 1/2は同様に∆𝑡/2だけ進んだ値を示す。このとき、時間𝑛 − 1/2と𝑛の変 数は既知の値であり、時間𝑛 + 1/2と𝑛 + 1の変数は未知の値である。

時間𝑛 + 1/2における、プロトン粒子の速度𝑣⃗𝑝𝑛+1/2を求める。式(4.12)において、未知の値

である𝑣⃗𝑝𝑛+1/2を左辺にまとめ、残りの既知の変数を右辺にまとめると以下の行列式に変形で

きる。

[

1 −𝛾 𝛽

𝛾 1 −𝛼

−𝛽 𝛼 1

] 𝑣⃗𝑝𝑛+1/2= { 𝑣𝑥

𝑛−1/2

+ 𝛾𝑣𝑦𝑛−1/2− 𝛽𝑣𝑧𝑛−1/2 𝑣𝑦𝑛−1/2+ 𝛾𝑣𝑧𝑛−1/2− 𝛽𝑣𝑥𝑛−1/2 𝑣𝑧𝑛−1/2+ 𝛾𝑣𝑥𝑛−1/2− 𝛽𝑣𝑦𝑛−1/2}

(4.14)

ここで、𝛼、𝛽、𝛾、δを以下のように定義する。

𝛼 =𝑧𝑒∆𝑡 2𝑚𝑝

𝐵𝑥𝑛

𝛽 =𝑧𝑒∆𝑡 2𝑚𝑝

𝐵𝑦𝑛

𝛾 =𝑧𝑒∆𝑡 2𝑚𝑝𝐵𝑧𝑛 𝛿 = 1 + 𝛼2+ 𝛽2+ 𝛾2

(4.15)

式(4.14)を次式のように変形することで、速度を求めることができる。

107 𝑣⃗𝑝𝑛+1/2=1

𝛿[

1 + 𝛼2 𝛼𝛽 + 𝛾 𝛼𝛾 − 𝛽 𝛼𝛽 − 𝛾 1 + 𝛽2 𝛽𝛾 + 𝛼 𝛼𝛾 + 𝛽 𝛽𝛾 − 𝛼 1 + 𝛾2 ]

{ 𝑣𝑥

𝑛−1/2

+ 𝛾𝑣𝑦𝑛−1/2− 𝛽𝑣𝑧𝑛−1/2 𝑣𝑦𝑛−1/2+ 𝛾𝑣𝑧𝑛−1/2− 𝛽𝑣𝑥𝑛−1/2 𝑣𝑧𝑛−1/2+ 𝛾𝑣𝑥𝑛−1/2− 𝛽𝑣𝑦𝑛−1/2}

(4.16)

𝑣⃗𝑝𝑛+1/2を式(4.13)に代入することで、新しい粒子の位置𝑥⃗𝑝𝑛+1を求めることができる。

この作業を計測器位置まで繰り返すことで計測器位置でのプロトンイメージを求めるこ とができる。ここで、(a)プロトンエネルギーEproton=10 keV、φ=0 degの場合と(b)プロトンエ

ネルギーEproton=10 keV、φ=5 degの場合のプロトンビームの軌道を例としてFig.4.15に示す。

プロトンはy=-18.0 mmから放出され、計測器位置(y=13.5 mm)までの軌道を計算している。

108 Fig.4.15プロトンビームの軌道[(a)Eproton=10 keV、φ=0 deg、(b)Eproton=10 keV、φ=5 deg]

109

4.2.3 4 プロトンイメージの比較

ここでは、プロトンビームの軌道計算から求めたプロトンイメージと実験で得たプロト ンイメージの比較を行う。磁場を印加したときのプロトンイメージ(φ=0 deg)をFig.4.16に示 す。Fig.4.16(a)は実験結果を示し、Fig.4.16(b)-(d)はそれぞれプロトンエネルギーを1 keV, 10

keV、100 keVとしたときの計算結果を示す。プロトンエネルギーが100 keVでは、プロト

ン粒子の軌道は磁場による影響をあまり受けずに、プロトン源(z, x)=(0, 0)を中心に円形状に 広がっている。プロトンエネルギーが低いとき、プロトンイメージはx>0z>0方向に大き く変化している。これは、Nd磁石がz=4 mmに配置されているため、磁石に近い領域を通 るプロトンが強い磁場を受け、大きく軌道を曲げられた結果である。この方向へのプロトン イメージの変化は、実験で得られてたプロトンイメージの変化と同じ方向である。

また、実験で得たプロトンイメージは、磁石側(z>0)に移動している[Fig.4.8(b)]。そこで、

プロトンビームを角度φ=5 deg傾けて放出した場合の計算結果をFig.4.17に示す。プロトン エネルギーが100 keVでは、プロトンイメージの中心が(z, x)=(2, 0) mmに移動している。プ ロトンエネルギーが低いときは、プロトンイメージはx>0z>0方向に大きく変化している。

このプロトンイメージの変化はFig.4.16と同じ方向の変化であり、プロトンビームが傾いて 放出された可能性がある。

遺伝的アルゴリズムを用いた磁場構造の見積もりには、プロトンビームの軌道から計算 したプロトンイメージが実験結果をどの程度再現するかが重要である。本実験では、プロト ンビームのエネルギー分布が得られなかったため、プロトンビームのエネルギー計測が今 後の課題と考えられる。

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Fig.4.16磁場印加時のプロトンイメージ(φ=0 deg)

[(a)実験結果、計算結果:プロトンエネルギー(b)1 keV、(c)10 keV、(d)100 keV]

111

Fig.4.17プロトンビームをφ=5 deg傾けた時のプロトンイメージ

[(a)実験結果、計算結果:プロトンエネルギー(b)1 keV、(c)10 keV、(d)100 keV]

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参考文献

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2: 天岸祥光『磁気プローブ,ループでプラズマを探る』プラズマ・核融合学会誌, 第69巻第 10号(1993).

3: Kugland, K., L., Ryutov, D., D., Plechaty, C., Ross, J., S., and Park, H., S., Invited Article: Relation between Electric and Magnetic Field Structures and Their Proton-Beam Images, Review of Scientific Instruments 83, 101301 (2001); doi:10.1063/1.4750234.

4:北野宏明『遺伝的アルゴリズム』産業図書(1993)

5:小野功, 佐藤浩, 小林重信『単峰性正規分布交叉UNDXを用いた実数値GAによる関数最 適化』人工知能学会誌, 14, 6, pp.1146-1155(1999).

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7: Mackinnon, A., J., Patel, P., K., Town, R., P., Edwards, M., J., Phillips, T., Lemer, S., C., Price, D., W., Hicks, D., Key, M., H., Hatchett, S., Wilks, S., C., Borghesi, M., Romagnani, L., Kar, S., Toncian, T., Pretzler, G., Willi, O., Koening, M., Martinolli, E., Lepape, S., Benuzzi-Mounaix, A., Audebert, P., Gauthier, J., C., King, J., Snavely, R., Freeman, R., R., and Boehlly, T., Proton Radiography as an Electromagnetic Field and Density Perturbation Diagnostic (invited), Review of Scientific Instruments, 75, 3531 (2004); doi:10.1063/1.1788893.

8: 金崎真聡, 福田祐仁, 榊泰直, 西内満美子, 近藤公伯, 倉島俊, 神谷富裕, 服部篤人, 小田 啓二, 山内知也, イオンビーム特性評価を目的とした固体飛跡検出器 CR-39 の利用, J.

Plasma Fusion Res., 88, 5, pp.261-275 (2012).

9: Ziegler, J., F., Biersack, J., P., and Ziegler, M., D., the SRIM(The Stopping and Range of Ions in Matter), http://www.srim.org (2012).

113 10: Field Precision LLC, AMaze, http://www.fieldp.com.

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5 章 結論

本研究では、レーザー核融合ロケットにおける磁気スラストチャンバの機能検証のため に、次の2点を目的として磁気スラストチャンバ内のプラズマ計測、磁場計測を行った。

 過去の磁気スラストチャンバの模擬実験では、レーザー核融合プラズマの代替として レーザープラズマを使い、レーザーエネルギーが数J、磁場の強さが~0.1 Tの条件下で 推力を直接計測することで磁気スラストチャンバの有効性を証明した。そこで我々は、

レーザーエネルギー及び磁場強度を上げた条件において、磁気スラストチャンバが有 効に機能するかを検証した。具体的には、レーザーエネルギー数Jから数百J、磁場強 度~1 T の条件下での、磁気スラストチャンバ内のレーザープラズマの振る舞いを発光 分光法、干渉法、イオン電流計測から観測した。また、レーザー条件(エネルギー、ビ ーム数)や磁場強度(0~1 T)を変化させたときに、プラズマの振る舞いが変化する様子を 観察した。(目的1)

 磁気スラストチャンバの磁場計測に関して、レーザープラズマが磁場中を膨張するた め、非接触で計測することが望まれる。そこで通常数MeVのプロトンを利用するプロ トンバックライト法を、プロトンのエネルギーを下げて計測する手法を提案する。そこ で、磁場を~0.1 T程度生成するNd永久磁石を用いた実験を行い、プロトンイメージの 変化を検証する。(目的2)

磁気スラストチャンバの模擬実験における、プラズマ計測及び磁場計測の結果について以 下にまとめる。

➢ 磁気スラストチャンバ内のレーザープラズマの膨張は、磁場を印加することで減速さ れシェル構造になっていることが、発光分光法及び干渉法から観測できる。またターゲ ット初期位置から遠方では、イオンが磁場によって磁気スラストチャンバから排出さ れる様子が観測された。これらの結果は、レーザープラズマの膨張が磁気スラストチャ ンバによって減速され押し返されている様子を示し、レーザーエネルギー数Jから数百 J及び磁場強度~1 T程度の条件下でも、磁気スラストチャンバが有効であることを示し ている。(目的1)

➢ 磁気スラストチャンバ内のレーザープラズマの構造は、レーザーエネルギー条件や磁 場条件が異なる場合でも、磁場エネルギーとレーザー強度から見積もれるプラズマエ ネルギーの比が近いとき、似たプラズマ構造を示す。そのため、磁場とプラズマのエネ ルギー比は磁気スラストチャンバの設計において重要な要素の一つであると言える。

(目的1)

➢ 長パルス(100 ps)のレーザーを照射して生成したプロトンを用いたプロトンバックライ

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