4. LNG 基地の運用状況
4.2. 運用ルール
4.2.2. フランス
出所)Primary Capacities Capacity Allocation rules Capacity file for Montoir-de-Bretagne (2018) 2ページ (Elengy, 2018年3月9日時点のHP)
出所)
https://www.elengy.com/images/contenu/contratsetoperations/capacitesprimaires/ELENGY_publicatio ns_Montoir_2018-03-09.pdf
図 30フランスの基地オペレーターが公表しているLNG船の受入スケジュール
(Montoir 基地:2018年)
なお、気象条件等で、LNG船の到着が遅れた場合は、基地事業者が次の着桟日を指定する。
概ね 1 か月単位で基地事業者は運用しており、同月で空いているスロットがあれば、当該 日に着桟するよう基地利用者へ指示する。パイプラインへ安定的に供給するため、着桟が遅 れた分は払い出しの速度を遅くし、着桟後に払い出しの速度を上げることで調整している。
また、着桟の振替が翌月にまたがる場合は、翌月の空いているスロットを購入する必要があ る。
4.2.2.3. 設備余力が不足した時の対応
フランスでは、貯蔵設備であるタンクの余力がなくなることはない。したがって、ここでは
払出設備の余力が不足した場合の対応について説明する。
払出について、原則、同月中は同じペースでの払出しを行うことになっている。払出しの設 備能力に余力がない時は、各基地利用者がタンクの貯蔵量に占める割合で按分し払い出す ことにしている。また、気化設備の能力に余力がある時には、追加で送りだすことが可能で ある。
4.2.2.4. 各国独自のルール
Elengy、Fosmax LNG の基地では、LNG を長期間タンク内に貯蔵することはできず、一
定の速度で気化・払出すこととなっている。この背景として、フランスには地下貯蔵設備が あり、貯蔵は、それらの地下貯蔵設備を利用することが想定されているためである。
LNG基地のタンクは、物理的なタンク容量に対して、Minimum Stock levelとMaximum
Stock level が設定されており、残りのタンク容量が運用に使われている。更に、2015年以
降、LNGのサテライト輸送やLNGバンカリング向けにDedicated storage が設定され、
タンク容量の一部を専用で使えるようになっている。
この他、フランス独自のサービスとして、Poolingターミナルサービスがある。ELENGYは 3つの基地は運用しており連携が可能であるため、ある基地について一次使用権を保持して いる基地利用者が、別の基地の利用を希望した時に、別の基地の容量が空いていれば利用す ることが可能である。また、この際、基地利用者は、別の基地の運用コストのみを追加で支 払えばよい仕組みとなっている。なお、当該運用コストについては限界費用で設定されてい る。本サービスの目的は、LNG基地の利用を高めると共に、基地間の流動性を高めること である。
また、Transshipサービスとは、タンクに LNGを貯蔵させることなく、LNG船間での積 み替えを行うサービスである。近年、北極圏のヤマル半島でのガス田開発が行われ、LNG の調達先の一つとなっているが、ヤマルガス田からは、砕氷船仕様のLNG船でなければ調 達することができない。一方、LNGを欧州の港に持っていくためには、通常仕様のLNG船 にLNGを移す必要がある。本サービスは、砕氷船仕様のLNG船にて調達したヤマルガス 田のLNGを、標準仕様の LNG 船に移すニーズに対応するために設定されたものである。
Montoir基地には桟橋が2つあるため、LNG船を2船桟橋に着桟させ、アンローディング
とリローディングの施設だけを使って積み替えを行う。Cavaou基地は、桟橋が1つしかな いが、LNG船同士を横付けしてLNGを移すことを想定している。