LNG基地利用長期契約のキャンセルが容易な料金制度になっている点で、日本とは大きく 異なる。
以上をまとめると、本調査の対象国におけるLNG基地の運用状況を見る限り、ベルギーの
Zeebruggeの事例が日本にも参考になると考えられる。また、既存事業者の関係会社がLNG
基地を運用しているフランスにおける規制機関の役割や、LNG基地事業者の情報公開の項 目も参考になると考えられる。他方で、スペインは、天然ガスの輸入量にしめるLNGへの 依存度は高いものの、LNG基地の運用実態を見る限り、日本の現状には必ずしもそぐわな いと考えられる。
6.2. 今後の課題
6.2.1. 設備余力の考え方
日本と欧州三カ国のLNG基地の役割に対する考え方のもっとも異なる点は、日本のLNG 基地は中長期の貯蔵機能や季節変動へのバッファー機能を有していると認識されており、
欧州ではLNG基地は、LNGの受入・払出および必要最低限の暫定貯蔵機能しか有してい ないと理解されている点である。欧州では、中長期の貯蔵機能は地下貯蔵設備などの貯蔵設 備が担っている。
現在、日本のLNG基地は一つの容量として考えられ、運用されているが、LNGの受入か ら一定期間内での払出までの一連の流れに必要な中間貯蔵量(暫定貯蔵量)は限られている。
LNG基地のタンク容量を暫定貯蔵容量と中長期の貯蔵容量にわけ、前者には透明性の高い 第三者利用制度(規制TPA)を適用し、後者には原則的には規制TPAにしつつ貯蔵容量に 小規模新規参入事業者枠を認める仕組みを導入するということも考えられる。
この場合、前者の容量は10日程度での払出を義務付け、10日で払い出せない場合は、後者 の容量を確保し、付け替えることで、LNG基地の長期利用を可能にする。
6.2.2. 料金の考え方
料金について、ベルギー、フランスでは、パッケージサービス、パッケージ料金が提供され ており、使用者が利用料金を簡単に計算できるようになっていた。一方で、荷卸、再出荷、
延長貯蔵、追加気化等の様々なサービスと料金が提示・公開されていた。また、この公開方 法も、GIE の透明性テンプレートに則っており、潜在使用者が分かりやすいようになって いた。日本でも、サービス提供に応じた料金体系の導入や、各LNG基地で同一の料金情報 の公開のルール作りが期待される。
6.2.3. 情報公開の考え方
前述のように、3か国とも、GIEの透明性テンプレートに従い、どの基地も同じような枠組 みで料金情報、基地情報、基地稼働情報等を公開していた。更に、フランス、スペインでは、
各LNG基地の年間着桟計画や、適時の更新情報も公開されていた。各基地の港湾関連の情 報や受け入れ可能船舶のスペック情報も公開されていた。日本のLNG基地は、これらの情 報は一切公開されておらず、問い合わせをしても非公開とされる場合すらある。LNG基地 の第三者利用をより促進するためには、LNG基地の利用に必要な情報をより積極的に公開 していく必要があり、また、その情報を第三者が探しやすくする共通テンプレートの開発も 必要であると考えられる。