VLSI
A.5 ピクセル型 CdTe 半導体素子からの読み出し
ピクセル型CdTe半導体素子を2次元VLSIとバンプ接合し、エネルギースペクトルを取得した。
まず、9チャンネルのセレクション回路の動作を確認するために、テストパルスを入力し、スペク トル取得を行なった。図A.4にテストパルスによるスペクトルを示す。CdTeにおいて200 keV相 当のテストパルスを入力しており、エネルギー分解能は27.6 keV (FWHM)で入力換算ノイズで は2670 e−であった。次に、CdTeをバンプ接合(図A.5)したチップを実装した子基板(図A.6)を 接続した。CdTeに200 Vのバイアス電圧をかけ、20◦Cにて放射線源を照射し、スペクトルを取 得した。152Euと132Coを用いて得られたスペクトルを図A.7と図A.8に示す。図(b)の132Coに よるエネルギー分解能は122 keVにおいて32.2 keV (FWHM)で、入力換算ノイズでは3120 e− であった。
以上のスペクトル取得を成功により、バンプ接合技術まで含めてCdTeからの信号読み出しが 可能であることが分かった。また、2次元読み出しのアーキテクチャの動作実証できた。そして、
我々のアナログ回路のアーキテクチャでは1チャンネル分の回路は260 µm角に収まり、動作可 能であることが証明できた。しかしながらノイズレベルは極めて大きい。これは第一試作チップ と同じ、改良する前のアナログ回路であることと、4章で明らかになった電源電圧の変動による 影響を大きく受けているためである。回路設計を変更することで、これらのアナログ性能は向上 すると予測できる。
A.6 まとめ
2次元アナログVLSIを試作し、CdTeダイオードからの信号を読み出し、放射線源からのエネ ルギースペクトルを取得することで、設計した2次元読み出しのアーキテクチャの動作と、CdTe とVLSIのバンプ接合を確認することができた。また、チップ全体の消費電力が39.6 mWで、1 チャンネル当たりの消費電力が約200 µWとアナログ回路が低消費電力でも動作することが確認 できた。そして、本チップのような製造プロセス、回路構成をとった場合、1チャンネルあたり の回路が占める面積が260 µm角であると見積もることができ、レイアウト面積を小さくしても 動作可能がチップを製作できることが確認できた。
図 A.3: 2次元チップのアナログ出力。上から、テストパルス、CSA出力、波形整形回路出力である。
A.6. まとめ 55
図 A.4: テストパルスによるスペクトル。200 keV相当のテストパルスを入力した。
図 A.5: 2次元VLSIとCdTeのバンプ接合を横から見た写真。
図A.6: CdTeをバンプ接合した2次元VLSIを実装した子基板。
56 付 録A CdTeピクセル検出器用アナログ2次元VLSIの試作と評価
図 A.7: Euによるスペクトル。
図 A.8: Coによるスペクトル。
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