ヒートアイランド現象とは、都市の中心部の気温が郊 外に比べて島状に高くなる現象です。
主な原因は、都市部特有の地表面の人工化(緑地の減 少とアスファルトやコンクリート面などの拡大)、都市形 態の高密度化(密集した建物による風通しの阻害や天空 率の低下)、人工排熱の増加(建物や工場、自動車などの 排熱)の3つが挙げられます。この現象は年間を通じて 生じていますが、特に夏季の気温上昇が都市生活の快適 性を低下させるとして問題となっています。
平成
27
年度は、前年度に比べて真夏日の日数が少なく、最高気温平均も低かったものの、熱帯夜の日数が多く、最低気温の平均が高いなど、ヒートアイランド現象が発生しています。
このことから、市では、ヒートアイランド現象の対策の推進として、従来からの取り組みで ある「人工排熱の低減」、「地表面被覆の改善」、「都市形態の改善」、「ライフスタイルの改善」
の4つの柱に加え、「人の健康への影響等を軽減する適応策の推進」を新たに追加し、ヒー トアイランド対策の推進を図っています。
ヒートアイランド現象緩和に向けた「ライフスタイルの改善」のため、環境学習の一環と して、市内小学校、幼稚園や児童センター、公民館などで、地表面へ打ち水を行い、温度上 昇を抑える「打ち水体験」を実施し、取り組みのきっかけの機会を創出するとともに、アサ ガオなど植物で作る自然のカーテンで夏の強い日差しを和らげる「緑のカーテン」を公共施 設や事業所、家庭へ啓発しています。
また、異常気象に伴う局地的な集中豪雨の際に、道路冠水が発生している地区の被害を軽 減するため、一時的に雨水を溜められる地下貯留施設の設置を進めており、平成
27
年度は 東野地区で整備を進めました。なお、道路整備や災害復旧工事など補修に併せ、幹線道路の歩道部において透水性舗装を 実施しました。
参 考 指 標 ( 市 民 に 親 し み や す い 指 標 )
環 境 の 現 状
1 . 大 気 の 環 境 改 善
① 大気監視体制の充実
事業・取り組み名
(担当課) 事業・取り組みの概要 平成
27
年度実施状況大気汚染常時測定
(環境保全課)
猫実一般局(市)と美浜自排局(県)の 2 地 点 に お い て 一 般 環 境 大 気 と 自 動 車 排出ガスを常時測定する。
環境指標のとおり、光化学オキシダント を除くすべての物質で環境基準を達成 した。
放射線量の測定
(環境保全課)
市内3地点を定点として、大気中の放射 線量を継続的に測定する。
年平均値
当代島公民館 0.08μ㏜/h 市役所第二庁舎 0.06μ㏜/h 総合公園
0.04μ㏜/h
② 自動車排出ガス対策の推進
事業・取り組み名
(担当課) 事業・取り組みの概要 平成
27
年度実施状況低 公 害 車 導 入 推 進 事業
(環境保全課)
低公害車の導入を推進する。
・低公害車保有台数 88台(累積台数)
・低公害車新規導入台数 ハイブリッド 0台 ガソリン/LPG 6台 軽油 1台
自 動 車 排 出 ガ ス 削 減 の た め の 市 自 ら の率先行動
(環境保全課)
公用車の排出ガス削減を推進するため、
リサイクル自転車を活用して、職員の業 務 で の 使 用 に 係 る 貸 し 出 し を 集 中 管 理 する。
自転車貸し出し年間件数 310件
(前年比
161
件減)冬期対策期間中、職員による自家用車通 勤の自粛、エコドライブ等の実施につい て、周知・啓発を行う。
また、自動車利用を抑制し、徒歩・自転 車への転換を促進する。
公用車などの使用の抑制や、アイドリン グストップ等の周知の実施。
事 業 者 へ の 周 知 ・ 啓発
(環境保全課)
事業者に対し、大気汚染防止のための冬 期対策(アイドリングストップなどのエ コドライブ、自家用車による通勤の自粛 など)の実施協力の依頼、啓発用ポスタ ーの送付などを行う。
協力依頼件数 110事業者 4団体
環 境 保 全 行 動 推 進 事業
(環境保全課)
環境に配慮した賢い移動手段の選択、自 動 車 の 効 率 的 な 利 用 方 法 ( エ コ ド ラ イ ブ)などを市民や事業者へ呼びかけを行 う。
広報紙や市HPにて、徒歩・自転車利用 の促進をPRした。
コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス 事業
(都市政策課)
バ ス 交 通 の 不 便 地 域 の 解 消 や 高 齢 者 等 の移動制約者の利便性を確保するため、
鉄道駅・病院・市役所や公民館等の公共 施 設 を 結 ぶ コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス を 運 行 す る。
【医療センター線(80便/日)】
利用者数: 618,183人
【舞浜線(80便/日)】
利用者数: 838,679人 平成 27 年度の主な取り組み
③ ヒートアイランド対策の推進
事業・取り組み名
(担当課) 事業・取り組みの概要 平成
27
年度実施状況環 境 学 習 推 進 事 業
(環境保全課)
ヒ ー ト ア イ ラ ン ド 現 象 を 少 し で も 緩 和 す る 試みとして、打ち水大作戦本部(NPO法人 日本水フォーラム)が中心となり、環境問題 へ の 取 り 組 み の き っ か け に な る よ う に 掲 げ 実施する。
東野児童 センター、堀江幼稚園、 富 岡公民館 における環境学習で、打 ち 水体験を計5回実施した。
道 路 冠 水 対 策 事 業
(道路整備課)
異常気象に伴う局地的な集中豪雨の際に、道 路 冠 水 が 発 生 し て い る 地 区 の 被 害 を 軽 減 す るため、東野地区において、一時的に雨水を 貯 め ら れ る 地 下 貯 留 施 設 を 設 置 す る と と も に、国道
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号東京湾岸道路立体整備促進事 業の進捗状況を踏まえながら、舞浜地区にお いても設置に向けて検討を進める。(富岡地区)平成
26
年度完了(弁天地区)平成
26
年度完了(東野地区)平成
27
年度整備中(舞浜地 区)千葉国道事務所等の 関 係機関と協議・調整中
道路補修等事業
(道路整備課)
騒音防止、走行安全性の観点から、道路整備 や補修に併せ、幹線道路の車道部に排水性舗 装、歩道部に透水性舗装を行う。
また、ヒートアイランド対策として、道路補 修 等 に 併 せ て 遮 熱 性 舗 装 や 保 水 性 舗 装 な ど の情報を収集し、有効と思われる舗装につい て試験施工を検討する。
歩道部の 舗装については、災害復 旧 工事において透水性舗装を実施
○市民 ・移動の際は、できるだけ公共交通機関やカーシェアリング 、自転車の利用、
徒歩を選択して、マイカーの使用を抑制します。
・自動車を運転するときは、エコドライブを心がけます。
・自動車を使用するときは、より低公害な車を選びます。
○事業者 ・事業活動における自動車の使用に際して、エコドライブを心がけます。
・低公害車の導入に積極的に努めます。
・従業員の通勤時・外出時に、公共交通機関、自転車の利用や徒歩を推奨しま す。
・「大気汚染防止法」、「環境保全条例」などを遵守し、ばい煙などの発生の抑 制に努めます。
○滞在者等 ・自動車を運転するときは、エコドライブを心がけます。
市民・事業者・滞在者等の行動
1 . 大 気 の 環 境 改 善
① 大気監視体制の充実
○ 環境基準を超過している光化学オキシダントの原因は、気象条件に加え、都市部特有の 都市構造や市民の生活、事業活動など複合的なもので、全国的にも環境基準の達成状況 は、極めて低い水準です。
このことから、大気環境の常時監視によりオキシダント濃度を注視し、県が示す発令 基準以上の濃度となった際には、市民などへの健康被害未然防止を目的とした、光化学 スモッグ注意報等の発令を行います。また、市民、事業者へ、発生抑制に向けたライフ スタイルや事業活動など、大気汚染防止のための取り組みを推進します。
○ 微小粒子状物質(PM2.5)については、発生のメカニズムや発生源など解明されてい
ない点が多く、国を中心に研究を進めていることから、動向を注視し、市民へ情報提供 を行います。
② 自動車排出ガス対策の推進
○ 自動車排出ガスに含まれる二酸化窒素は、環境基準を達成しているものの、千葉県独自 で定めている環境目標値を超過しています。このことから、低公害車の導入をはじめ、
アイドリングストップなどのエコドライブや、徒歩・自転車利用の促進などを、市が率 先して取り組むとともに、市民、事業者への取り組みを促進していきます。
また、自動車の利用を抑制するため、公共交通機関の整備や利用の促進を図ります。
③ ヒートアイランド対策の推進
○ ヒートアイランド現状は、都市部特有の複合的な要因により発生することから、道路整 備や建築物の建設などにおいて地表面被覆の改善及び都市形態の改善など都市構造の変 革を図るとともに、人工排熱の低減、ライフスタイルの改善など、市民、事業者の取り 組みを推進していきます。
また、これに加え、人への健康被害等を軽減する適応策として、熱中症予防や集中豪 雨への道路冠水対策などの対策を進めていきます。
課題と今後の方向性
2.海と川の水質改善
本市は、東京湾に張り出すような地形から市域の三方を海と河川に囲まれた「水際(すいさ い)」の都市で、市内にも猫実川・堀江川・境川・見明川の4つの河川が流れています。
昭和
39 年から始まった公有海面埋め立て事業により市域は約4倍に拡大しましたが、埋め
立ての経緯から地形は、中町・新町の地盤が高く、元町地域が最も低くなっています。このた め、本市を流れる河川は、市民の生命、財産を守るため、防護・治水を優先した整備が進めら れてきており、水門などで川の流量が管理され、特に猫実川と堀江川は、定常的な水源がなく、
流量が少ない閉鎖的な水域となっています。
本市の公共下水道は、汚水は「汚水管」で、雨水は「雨水管(水路など)」で別々に流す「分 流式下水道」で整備しています。都市化の進展とともに下水道普及率も高く、生活排水などの 河川への流出は少ない状況ですが、下水道未接続世帯からの生活排水の流出や、降雨により道 路面に付着した汚れや大気汚染物質などが、雨水と共に河川等に流され、汚濁物質が蓄積する ことも考えられます。
河川や沿岸海域の水質汚濁は、周辺への悪臭や、赤潮・青潮の発生の原因となり魚類や他の 生物の生態系を崩すなど、地球環境へ悪影響を与える恐れがあることから、市では市内4河川 の水質調査により状況を監視しています。
平成
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年度の旧江戸川における水質の状況は、人の健康の保護に関する環境基準(健康項 目)はすべて達成しました。生活環境の保全に関する環境基準(生活環境項目)については、大腸菌群数のみ基準を達成しませんでしたが、土壌由来の大腸菌群数も含まれることから、単 年度の結果のみで一概に水質が悪化していると判断することはできません。
また、市内4河川は、千葉県より類型指定されておらず、環境基準の適用外ですが、本市の 河川の状況を鑑み、水質状況を把握するため、河川の有機汚濁を測る代表的な指標である生物 化学的酸素要求量(BOD)の環境目標値を市で独自に設定し、水質監視を実施しています。
平成
27
年度の測定では、境川の2地点を除きBODの環境目標値を達成しています。境川 は、元町地域の治水対策のため東西の水門により流量が管理されており、時期によって汚濁物 質が堆積しやすいことが環境目標値超過の原因と考えられます。さらに、東京湾(浦安沿岸)では、化学的酸素要求量(COD)について環境基準を達成で きませんでした。東京湾の内湾部においては、都市化の進行による人口の集中や生活様式の変 化に伴う生活排水の増加が、水質汚濁の主要な原因となっており、東京湾のいずれの地点でも 濃度が高い傾向にあるものの、全窒素及び全りんは徐々に改善が進んでいます。
今後も、市では、千葉県、東京都、近隣都市区等と連携し公共用水域の水質監視を継続して いくとともに、市内を流れる河川の水質調査を独自で行い、状況を監視し、河川管理者である 千葉県と協力し水質改善に取り組んでいきます。