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4.3 測定角度誤認識の見積もり
4.3.1 パターン 1 の影響
パターン1は、(n, γ)反応によって放出されたγ 線が元の入射方向軸上のGe検出器中で
相互作用を起こさずに、そのまま隣のGe検出器へ入射して全吸収した場合に起こる。その ため、入射γ 線は元のエネルギーを保ったまま隣の検出器へ入射することとなる。パターン 1には、γ の初期入射方向が⃝1中央の検出器の場合、⃝2斜めの検出器の場合の2通りが存在 するため、以下にそれぞれの場合について記す。
⃝γ1 線の放出方向が中央の検出器の場合
この場合のγ 線入射方法は、図4.11に示されている。試料位置から等方的に、かつ中央の 検出器にのみ入射する立体角で、γ 線を入射した。
入射領域
Ge検出器
試料位置
図4.11 クラスタ中央の検出器へ入射する場合のγ線入射領域
図4.12は、6500 keVのγ線を中央の検出器へ入射した場合に得られるγ線スペクトルで
ある。中央の検出器(斜線)で6500 keVに全吸収ピーク、6000 keVにシングルエスケープ ピークが見られているのに対し、γ線を入射していないはずである斜めの検出器(点)でも同 様に全吸収ピークとシングルエスケープピークが見られている。これは、図4.9のようにGe 検出器の軸が試料位置よりも遠点で交わるようにGe検出器が配置されているためである。
図4.12 より、解析領域のイベント数のみに注目し、以下の式を用いて誤検出率を見積 もった。
誤検出率= 残りの1つのGe検出器のイベント数
入射Ge検出器のイベント数+残りの全Ge検出器のイベント数 (4.10) 誤検出率は、どのパターンでも基本的にはこの式を用いて導出する。
図4.13は、入射γ 線のエネルギーを段階的に変化させた際に斜めの検出器で得られる誤検 出率の変化を示している。入射γ 線エネルギーが高くなるにつれて誤検出率が低下する傾向 にあるのは、高エネルギーγ 線程Ge検出器外へ抜け易く、Ge検出器中で全吸収するイベン トの絶対数が少なくなるためである。解析領域(5892.5 keV)に関する誤検出率を導出する
4.3 測定角度誤認識の見積もり 31 ために、適当な関数として線形関数f(Eγ) = p0 + p1Eγ でフィッティングを行った。結果と して、この場合の入射γ 線エネルギー5892.5 keVに関する誤検出率は0.158%と求まった。
Gamma Energy[keV]
5600 5800 6000 6200 6400 6600
events
1 10 102
103
104
105
106
Gamma Ray Spectrum
Incident channel NOT Incident channel
図4.12 γ線入射方向が中央の検出器で、入射γ線エネルギー6500 keVの場合のγ線 エネルギースペクトル。横軸は入射γ線エネルギー、縦軸はイベント数を示す。中央の検 出器(斜線)へのみ入射しているにもかかわらず、斜めの検出器(点)にイベントが見ら れる。
Gamma Energy[keV]
5000 6000 7000
Miss Detection[%]
0 0.05 0.1 0.15
0.2 0.25
Miss Detection
/ ndf
χ2 2.301 / 4
p0 0.287 ± 0.004363 p1 −2.186e−05 ± 7.042e−07
/ ndf
χ2 2.301 / 4
p0 0.287 ± 0.004363 p1 −2.186e−05 ± 7.042e−07
Miss Detection
図4.13 γ線方向が中央の検出器の場合の誤検出パターン1の誤検出率。横軸は入射γ線 エネルギー[keV]、縦軸は隣の検出器の全吸収領域への入射率[%]を示す。
32 第4章 Geant4を用いたモンテカルロシミュレーション
⃝γ2 線の入射方向が斜めの検出器の場合
この場合のγ 線入射方法は、図4.14に示されている。試料位置から等方的に、かつ斜めの 検出器にのみ入射する立体角で、γ 線を入射した。
入射領域
Ge検出器
試料位置
図4.14 クラスタ斜めの検出器へ入射する場合のγ線入射領域
図4.15は、γ 線入射方向を斜めの検出器、入射γ 線エネルギー6500 keVとした場合のγ 線エネルギースペクトルである。入射方向軸上に位置するGe検出器(斜線)については、図
4.12と同様に6500 keVに全吸収ピークや 6000 keVにシングルエスケープピークを持つ。
しかし、そのすぐ隣に位置する検出器(点)は入射γ の全吸収領域(6500 keV)にイベント が存在しない。入射γ 線エネルギーを5000 keV - 7000 keVまで段階的に変更しても全く同 様の結果が得られた。そのため、この場合の誤検出率は全検出器について0%とした。
Gamma Energy[keV]
5600 5800 6000 6200 6400 6600
events
1 10 102
103
104
105
106
Gamma Ray Spectrum
Incident channel NOT Incident channel
図4.15 γ線入射方向が斜めの検出器で、入射γ線エネルギー6500 keVの場合のγ線エ ネルギースペクトル。横軸が入射γ線エネルギー、縦軸がイベント数を示す。
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