個々の試験のバイアス
以下の点から本研究で収集した個々の試験のバイアスリスクは、低いと考えられた。
・ すべて二重盲検無作為化比較試験であること。
・
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試験中16
試験は規制当局のデータベースから採用された試験であり、医薬品の臨 床試験の実施基準(Good Clinical Practice: GCP
)適合性調査を受けていること。公表バイアス
ネガティブな試験は公表されにくい性質があるため、収集した試験間にバイアスが生じ るリスクがある。これを公表バイアスと呼ぶ。本研究では
Funnel Plot
を用い、公表バイア スを視覚的に評価した。通常、Funnel Plot は横軸を効果量、縦軸をその標準誤差(又はそ の逆数)としてデータをプロットする。理論的に標準誤差の小さい試験ほど真の値に近づ き、標準誤差の大きい試験ほど真の値からのばらつきが大きくなるため、公表バイアスが 小さい場合はFunnel Plot
は真の値を頂点とした左右対称の三角形となる。しかし公表バイ アスが大きい場合は、効果量が小さく標準誤差の大きい試験のプロットが公表されないこ とによって三角形の片側が欠け、左右非対称となる。横軸を
HbA1c
変化量(%)(プラセボ群との差)、縦軸をその標準誤差の逆数とし、試験実施地域別(海外/国内)にプロットした(
Figure 1-4
)。本研究では承認用量以外のデータ も収集したことから、真の値に幅が想定され、厳密な三角形を確認することはできなかっ たが、視覚的な評価の結果、地域ごとにおおむね左右対称であることから、結果の解釈に 影響を与えるほどの公表バイアスは示唆されないと判断した。27
Figure 1-4: Funnel Plot
による公表バイアスの検討(HbA1c解析データセット)Each data (White circle: non-Japanese studies; black circle: Japanese studies) were plotted by the HbA1c (%) change
from baseline versus placebo and its inverse of standard error.
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1-3-(3) DPP-4
阻害率と有効性の関係生理学的観点から
DPP-4
阻害薬によるDPP-4
阻害作用がない時、DPP-4
阻害薬の効果は ないと考えられるため、DPP-4
阻害率(x
)と有効性(プラセボ群との差)(y
)が原点を通 る直線(y = ax)で表されると仮定し、線形回帰分析により試験実施地域別(海外/国内)の傾きを推定した。さらに、傾きに対する地域(海外/国内)の交互作用の有無を一般化 線形モデルにより検定した。各データは分散の逆数(標準誤差の
2
乗の逆数)により重み 付けした。主要評価項目:
DPP-4
阻害率-HbA1c
変化量関係DPP-4
阻害率に対するHbA1c
変化量の関係は、海外試験y = -0.0074x、国内試験 y =
-0.0118x
と推定され、試験実施地域(国内/海外)の交互作用は有意であった(p<0.0001
)(Figure 1-5A)。感度分析として、単剤試験に限定すると、
DPP-4
阻害率に対するHbA1c
変 化量の関係は、海外試験y = -0.0081x
、国内試験y = -0.0118x
であった。試験実施地域(海 外/国内)の交互作用は有意であり(p=0.0065)(Figure 1-5B)、単剤試験に限定しても結論 は変わらなかった。以上より、DPP-4
阻害薬は、同じDPP-4
阻害率が得られた場合、海外 よりも国内でHbA1c
低下作用が大きいことが示された。副次評価項目:DPP-4阻害率-食後
2
時間血糖変化量関係DPP-4
阻害率に対する食後2
時間血糖変化量の関係は、海外試験y = -0.496x
、国内試験y
= -0.636x
と推定された。試験実施地域(国内/海外)の交互作用は有意ではなかった(
p=0.3030
)(Figure 1-6A
)。副次評価項目:
DPP-4
阻害率-空腹時血糖変化量関係DPP-4
阻害率に対する空腹時血糖変化量の関係は、海外試験y = -0.265x、国内試験 y =
-0.265x
と推定された。試験実施地域(国内/海外)の交互作用は有意ではなかった(p=0.9928
)(Figure 1-6B)。
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Figure 1-5:
トラフ時DPP-4
阻害率とHbA1c
変化量(プラセボ群との差)の関係-(A)収集した全試験(B)単剤試験に限定した感度分析
White circle and dotted line: non-Japanese studies; black circle and solid line: Japanese studies. The relationship of
DPP-4 inhibition rate and HbA1c was estimated using a linear regression model with no intercept (y = ax). Each efficacy
measurement used in the model was weighted by the inverse of its squared SE. The interaction of study origin
(Japanese/non-Japanese) was evaluated by generalized linear model.
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Figure 1-6:
トラフ時DPP-4
阻害率と(A)食後2
時間血糖変化量(B)空腹時血糖変化量の関係
White circle and dotted line: non-Japanese studies; black circle and solid line: Japanese studies. The relationship of
DPP-4 inhibition rate and 2-hr PMG or FPG was estimated using a linear regression model with no intercept (y = ax). Each
efficacy measurement used in the model was weighted by the inverse of its squared SE. The interaction of study origin
(Japanese/non-Japanese) was evaluated by generalized linear model.
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ドキュメント内
2型糖尿病治療薬の有効性における民族差研究:システマティックレビュー及びメタアナリシスによる検討
(ページ 30-35)